賃貸経営で黒字になるには、なるべく空室をなくすことが大切です。
しかし、最近では人口の減少や賃貸物件の供給の増加により、賃貸の空室率が高まっています。
長引く空室率を減らし満室を維持するためには、ニーズや地域に合わせた物件管理が必要です。
どのようにして空室対策を行えば良いのでしょうか?
今回は空室対策のアイデア10選と、空室が長引く理由や対策での注意点も詳しく解説していきます。
賃貸経営をしている方や、これから賃貸経営を始めようとしている方は、ぜひ参考にしてみてください。
賃貸物件の空室率と対策の重要性
まず始めに、賃貸物件の空室率がどれくらいあるのか、空室対策の重要性から解説していきます。
賃貸の空き家数は右肩上がり
総務省は、全国の空き家状況の調査を5年ごとに行っています。
2018年に総務省が行った「住宅・土地統計調査」 では、全国の空き家数が約848万9,000戸という結果になりました。
そのうち賃貸用物件における空き家数は432万7,200戸と、空き家総数の半分を占めていることがわかっています。
賃貸用物件の空き家の増減率は2013年から2018年で0.8%の増加に留まっているものの、今後もさらに増加していくのではないかと考えられます。
空室率が上昇している原因
賃貸物件の空き家数と共に空室率も上昇する可能性があります。
その主な原因を2つご紹介しましょう。
・賃貸物件が次々に建てられている
空室率が上昇している主な原因の1つ目は、賃貸物件が次々に建てられていることです。
日本では、どんどん新しい賃貸物件が建築されています。
毎年30万~40万戸の賃貸住宅が建築されており、賃貸住宅の供給が増え続けているのです。
それに対し、日本では人口が減少してきています。
そのため、住宅の供給に人口数が追い付いていないことも原因となっています。
・少子高齢化による人口の減少
空室率が上昇している主な原因の2つ目は、少子高齢化による人口の減少です。
日本では少子高齢化が進んでいます。
もし、このまま少子高齢化が進んだ場合、2065年には人口が9,000万人以下となるとされています。
国土交通省の「人口の将来推計」では、そのうちの38%が高齢者になると予想されており、少子化が危ぶまれているのが現状です。
こうした少子高齢化による人口の減少により、今後はさらに賃貸住宅の供給過多が予測されています。
満室の実現・維持が賃貸経営で重要な理由とポイント
このように、人口が減少しているのにも関わらず賃貸住宅の供給は増え続けています。
高度成長期においては供給よりも需要の方が多かったため、新たな賃貸住宅が次々と建っても空室になりにくい状況でした。
しかし、現在はそうもいきません。
立地が良いアパートやマンションでも、既に空室ができてしまっています。
賃貸経営では空室が増えるほどローンの返済が難しくなります。
購入時に組んだローンを「入居者の賃料で返済」する必要があるため、空室が多い時には自分の預貯金からローンを支払わなければなりません。
黒字経営するためには、空室率を下げて満室を維持することが重要です。
満室を実現するためには、様々な工夫や努力をしなければなりません。
従来の空室対策を行うだけでは、満室の実現・維持は厳しいです。
現在のニーズに合わせて空室対策を行い、満室を維持することで賃貸物件の黒字経営が可能となります。
満室の実現・維持のためには以下のポイントに気を付けて空室対策を行うことが大切です。
・入居者の気持ちになって空室対策をする
空室対策を行う時、「どうしたら入居してくれるのか」「どうしたら退去せずに長く住んでくれるのか」と経営者目線で物事を考える人が多いのではないでしょうか?
しかし、空室対策を行う時に大事なのは、入居者の気持ちを汲むことです。
実際に自分が賃貸物件に住むとなったらどのような物件に住みたいですか?
やはり、「住みやすい家」や「コスパの良い家」を選ぶ人は多いでしょう。
ただ家賃が安いだけだったり、周りの環境が整っていても他に優れた点がなかったりすると、入居を躊躇ってしまいます。
「この物件は周りの環境も良くて駐車場も無料で間取りや収納性も良くて、家賃も高くない」など好条件な物件に住みたいものです。
入居者にとって「住み心地の良い物件」となるようにリフォームして空室対策を行うことが大切です。
満足して入居してくれる人が増えるほど、満室を維持することができます。
・シーズンに合わせて空室対策を行う
2~3月は入居していた人が退去しやすい時期で、3~4月は入居者が増える時期です。
年度が切り替わるタイミングで入居・退去者が増減するため、この増減に合わせて空室対策を行うことも重要なポイントとなっています。
入居者が3月に退去する場合、それから大規模なリフォームをしてしまうとどうなるでしょうか?
入居者が増えるタイミングで内覧に対応することができません。
時期を逃すと、条件の良い物件でも空室ができてしまいます。
賃貸物件の経営では1~3月が繁忙期となるため、この時期に大規模なリフォームを行うのは得策ではありません。
大規模リフォームをするなら、内覧希望者が少ない7~8月の閑散期がおすすめです。
・利益の範囲内できる空室対策を行う
黒字経営のために、リフォームを考える方も多いでしょう。
しかし、家賃収入が不十分なのに大規模なリフォームをするのは非常に高リスクです。
利益でリフォームができるなら問題ないですが、ローンを増やしたり自分の貯金を削ったりしてリフォーム資金にするのはよく考える必要があります。
まずは、利益の範囲内でできる空室対策を行ってみてください。
・他の物件にはないアピールポイントを設ける
最後に、他の物件や不動産会社にはない「その物件だけ」のアピールポイントを設けることも大切です。
似たような物件が近くにある場合、設備や美観に優れている物件を入居者は選びます。
そのため、その物件ならではのアピールポイントを設けることで差別化がしやすくなります。
他の物件にはないアピールポイントがある物件は、不動産会社の目にも止まりやすいです。
そのため、こうした物件は不動産会社も入居者におすすめしてくれます。
「この物件ならWICがあります」、「リビングにあらかじめ造作カウンターが付いているので、パソコン作業や読書・子どもの宿題をやるのに最適です」など、アピールしてもらうことが可能です。
INA&Associates Inc.は、不動産、IT、投資などにおける専門性と技術を活かし、「不動産」×「IT」を実現するために発生する、複雑な事柄に真摯に向き合い、”不動産をもっと分かりやすく。住まいを探されている方にとってもっと使いやすく。取引をもっとスムーズに。” 不動産×ITで独自の価値をお客様に提供することを目指しています。
空室期間が長引く原因
次に、空室期間が長引く原因を8つご紹介します。
空室期間が長引いて困っているオーナーは、当てはまる原因があれば改善してみてください。
立地条件が悪い
立地条件が悪いと、空室期間が長引きやすいです。
「徒歩でも買い物がしやすい環境」「駅から近い」「バス停が近くにある」など、利便性を重視して入居を決める人が多いからです。
立地条件が悪い場合には、駐車場や宅配ボックスを完備するなど別の方法で利便性の良さを補う必要があります。
「車やバイクを持っている人が住みやすい」、「宅配サービスが使いやすい」などを売りにすると、多少立地が悪くても入居希望者が集まりやすくなります。
物件のタイプが地域と不一致
その地域に合わないタイプの物件の場合も、満室になりにくいです。
賃貸経営では、その地域の物件の需要調査をすることが非常に重要です。
学校が多い地域の場合には、その近くにアパートやマンションを借りようとする学生が集います。
このような地域では、ファミリー向けの物件よりもワンルームタイプの物件の方が需要も高まります。
その地域にはどのような物件が求められているのか、足りないのかを見極めてリフォーム・リノベーションすることも大切です。
部屋が使いにくい
部屋が使いにくい場合にも、入居者はすぐに退出しやすくなってしまいます。
もし自分が住みにくい部屋に入居した場合、もっと住みやすい部屋へ引っ越そうと考えるでしょう。
インターネット環境が整っていない・収納が少ない・洗濯物を干す場所がない・生活しにくい間取りになっているなど、部屋の使いにくさの要因は様々です。
インターネット設備や収納などの最低限の設備は完備しておいた方が入居者も集まりやすく、退去者が少なくなります。
最近では、家の防音性能を求める方も多いで、最低限の防音対策がされていた方が入居者にとって住みやすい家となるでしょう。
間取りにおいては、狭い2DK物件は家具の置きにくさや生活動線の悪さから使いにくい部屋となりがちです。
その場合には、リノベーションして使いやすい間取りにすることで、入居者が増えやすいです。
どうしたら住みやすい家となるのか、入居者の気持ちになって考えてみてください。
設備や内装が古くて使いづらい
古い家やリフォームがされていない部屋では、設備や内装が古くて使いづらいと感じる入居者も少なくありません。
特に、キッチンやお風呂は毎日使用するものなので、最新の設備を導入した方が快適に生活しやすくなります。
古い設備だと、使いにくいだけでなく故障もしやすいので入居者のストレスが溜まりやすいです。
限界を感じて管理者に要望を出してもリフォームしてもらえなければ、退去を考えるかもしれません。
こうした設備のリフォームの要望があった時には、リフォームを検討してみるのも良いでしょう。
また、新規の入居者の気持ちになって考えてみても、条件や家賃が一緒なら最新の設備が整っている物件を選びます。
設備を追加する・リフォームする・家賃を下げるなどしないと、新規の入居者も集まりにくいです。
近年のユーザーニーズに対応できていない
近年、防音設備やインターネット設備が完備されている物件のニーズが高まっています。
家で過ごす時間が増えた今、快適に安心して家で過ごせることを重視している人が多いのです。
そのため、防音設備が導入されていなかったり、インターネット環境が整っていなかったりする場合にも空室期間は長くなってしまいます。
近年のユーザーニーズをしっかりと調べて、対策をすることで空室期間を短くする・満室を維持しやすくなります。
最低限、インターネット環境を整えて人気の防音対策設備を調べておきましょう。
家賃が相場よりも高い
家賃が相場よりも高い場合にも、物件の空室期間が長くなりがちです。
周辺の家賃相場を調べ、物件の相場が周囲よりも高くないか比較してみてください。
周囲の物件と条件や間取りが似ているにも関わらず、家賃が高い場合には、入居者も集まりにくくなってしまいます。
条件が同じであれば、少しでも安い物件に入居するでしょう。
こうした場合には、家賃を適正価格に見直すか、他の周囲の物件にはないアピールポイントを設ける他ありません。
また、インターネットで物件を探す時、予算を入力して物件探しをする人が多いです。
周辺の相場よりも家賃相場が高いと、そもそも検索時に物件がヒットせず物件を見てもらうことすらできません。
妥当な家賃に設定しておいた方が、入居者が集まりやすいでしょう。
入居条件が厳しい
入居の条件が厳し過ぎる場合にも、入居者が集まりにくいです。
この場合には、入居を希望する人がいても入居条件の厳しさから入居できないという事態になりやすいです。
賃貸経営ではリスク管理も大切ですが、リスクを抑えるために入居条件を厳しくし過ぎると空室につながってしまう可能性があります。
ペットや楽器、外国人の入居不可など、NG項目が多い場合も空室ができやすいです。
入居条件を厳しくしている物件があれば、少し緩和することも検討してみてください。
立地が悪い物件や嫌悪施設が周辺にある場合などは、緩和をしないと空室を埋めることが難しいかもしれません。
適切に広告掲載を行っていない
物件の広告掲載は、ニーズによって適切な掲載先を考えることも大切です。
適切に広告掲載を行わないと、その物件を必要としている人の目に広告が届かず入居者を見逃してしまいます。
主婦やサラリーマンは、情報誌や新聞の折り込みチラシを見ることが多いです。
それに対し、学生や20~30代の若い層はスマホで物件情報を調べる傾向にあります。
そのため、ターゲットに合わせて適切な広告掲載を行い、必要としている人に物件情報が届くようにしてみてください。
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空室対策のアイデア10選
先にも述べたように、空室には様々な原因があります。
ここからは、空室対策のアイデアをご紹介しましょう。
初期費用や家賃の見直し
入居の際は、初期費用として敷金・礼金などの負担が大きくなりがちです。
敷金は、退去後や物件に損害があった時に備えた保険金としての目的があります。
敷金を0円にするのはオーナー側の負担が大きくなりますが、入居月や入居から数ヶ月間は0円や割引にするなどの工夫は十分に可能です。
礼金は、部屋を借りることへの謝意としてオーナーに支払う文化のようなものですが、最近では礼金を廃止しているオーナーもたくさんいます。
物件探しをする際、礼金のないことを条件に入れている人も多いため、廃止すればその分集客効果が見込めます。
こうした敷金礼金といった初期費用の見直しを行ったり、場合によっては家賃の引き下げを行ったりして対策しましょう。
物件は月日が経過すれば価値も下がっていきます。
5年・10年と区切りを付け、適宜家賃の見直しをすることは必要不可欠です。
また、家賃の引き下げは入居者のターゲットが広がりやすく、格段に募集がしやすくなります。
広告の見直し
賃料や敷金・礼金などが適正価格か、また周辺物件のとの差別化が図れているかを考えるために、広告の見直しも重要です。
広告を出したのは随分前のことで長い間変更していない場合、入居希望者の目に留まりにくくなります。
新たな部屋の写真を掲載したり、物件情報を整理しその都度変更したり、広告の見直しを行うことで成約につながりやすい広告に近付けることができます。
また、入居募集を仲介業者に依頼するのではなく、インターネットに入居募集の広告を掲載することも検討しましょう。
物件を探すほとんどの人は、現在インターネットを使って探しています。
そこに掲載されておらず、募集チラシのみで入居募集をしていれば、魅力的な物件であっても入居者がなかなか見つからない可能性もあります。
広告の手法を見直して、物件をしっかりとアピールできるよう進めていくことが大切です。
募集条件を見直す
入居者の募集条件の見直しも空室対策の1つです。
広いターゲットにアピールするには、募集条件を引き下げることも検討しましょう。
例えば、国内では外国人の入居者数が年々増加しているため、外国人の入居受け入れを進めるのも良いでしょう。
従来は、外国人入居者は言語や文化の違いから隣人トラブルを避けようと入居を禁止するケースが多くありました。
対応策としては物件のルールを明確に定め、マニュアルを英語・中国語に対応したものにするなど工夫が必要です。
また、ペットの飼育を可能にするという方法もあります。
ニオイや傷などの問題から、ペットの飼育が可能な物件は少ないのが現状です。
修繕やメンテナンスにコストがかかってしまいますが、賃料や敷金を上げても需要がある分空室対策としては有効です。
高齢者の受け入れを可にするのも良いでしょう。
65歳以上の高齢者は、入居審査が厳しいため入居先がなかなか決まらないといったケースが少なくありません。
高齢者は日本の総人口の27.3%と言われているため、受け入れを許可することで応募の母数を増やせます。
快適に内見できるように準備する
入居希望者が内見に来た時には、快適に内見できるよう準備をしておく必要があります。
例えば、スリッパを準備したり、冷暖房で部屋を快適な温度に整えておいたりといったことです。
実は、内見ではスリッパや冷暖房などで準備するだけでも印象が大きく変わります。
ゆっくり内見してもらうためには、小さなことでも配慮し、快適に内見できる環境を整えるべきです。
また、部屋に何らかの特色がなく、周囲に競合物件が多い場合には、空室の1室をモデルルームとして活用するのもおすすめです。
家具や家電、インテリアなどを配置すれば、部屋に何も置かれていない状態よりも、生活イメージがしやすくなり、物件の差別化にもつながります。
モデルルームの募集写真は反響も良いため、不動産業者が興味を持ってくれるケースも多いです。
管理会社を変更する
不動産業者や管理会社には、当然ながらそれぞれに得意なエリア・得意な年齢層などが異なります。
そのため、物件のターゲット層やエリアを踏まえ、それに合う会社選びをすることで空室対策ができるようになります。
また、入居者の中には、トラブルの際に適切な対応をしてくれない不動産業者や管理会社に懸念を示し、退去してしまうケースも多いです。
事前に入居者に対する対応が適切かどうか見極めることも大切です。
契約内容にもよりますが、不動産業者や管理会社の切り替えを行う場合、3ヶ月前の解約通知が必要となるので、よく確認しておきましょう。
リフォーム・リノベーションで部屋の問題を解消する
築年数の経過した物件の場合、リフォームやリノベーションで部屋の問題を解決するという方法もあります。
例えば、壁を取り壊して広い空間を作ったり、オール電化に変更したりと、部屋を綺麗に快適に整えれば、その分入居率が上がる可能性は高いでしょう。
当然ですがリフォームやリノベーションをするにはまとまった費用がかかるため、費用回収ができるかどうかもきちんと考慮しつつ実行しなければなりません。
費用回収が心配であればフルリフォームではなく、費用をかけない簡単なリフォームでも良いでしょう。
簡単なリフォームなら賃料も維持しやすく、費用対効果が高くなる可能性もあります。
必要に応じてリフォームやリノベーションを行えば、築年数が経過した古い物件でもまるで新築のような室内や外観に見せることができます。
綺麗で快適な物件になれば集客効果も高まります。
セキュリティを強化する
賃貸物件で人気が高いのは、セキュリティ機能が備えられた物件です。
オートロックやモニター付きインターホン、防犯カメラなどの導入や警備システムを強化すれば、単身者やファミリー層をはじめ、多くの入居者から注目されるようになります。
特にモニター付きインターホンは、玄関のドアを開けることなく誰が来たのかを確認した後に会話できるため、安心感が高まります。
不審な物音にも様子の確認ができることもあり、防犯設備では必須条件にしている希望者も多いです。
万が一、不法投棄や盗難被害、犯罪などに見舞われても、防犯カメラを導入していれば証拠材料の1つとしてスムーズに対応できます。
モニター付きインターホンや防犯カメラなどは、それぞれ工事費込みで5万円前後となっているため、費用負担をそこまで気にすることなく導入できるでしょう。
便利な設備・機能を導入する
入居者に人気のある便利な設備や機能を導入するのも、空室対策として有効です。
例えば、宅配ボックスや無料インターネット・スマートロック・自動販売機の設置などが挙げられます。
仕事で家を空けることの多い人に向けた宅配ボックスは近年需要が高まっているため、単身者への訴求に効果があります。
スマホやパソコンなど、インターネットは現代の暮らしの中で必要不可欠なので、個別でインターネットを通す必要がない無料インターネットやWi-Fiなどは完備しておきたい設備の1つです。
また、スマートロックは鍵を使わずにスマホから自動で鍵の開閉ができるシステムです。
施錠する時はホテルのオートロックのように自動施錠されるため、鍵を閉め忘れたといったこともなくなります。
自動販売機は、設置するだけで収益につながり、外灯代わりにもなるので防犯対策としても有効です。
幅100cm×奥行70cm×高さ2mのスペースが物件の脇にあるなら、自動販売機の設置を検討してみても良いでしょう。
賃貸物件では、気軽に飲み物が買える自動販売機が重宝されます。
室内や共有部のクリーニングでイメージアップ
空室対策を行う際には、室内や共有部など、建物全体をクリーニングしましょう。
定期的なクリーニングを行っておけば、内見した時に汚れていて古い物件のようなイメージが付くこともありません。
外壁や共有部分も目に付きやすい部分であり、エントランスやポストなどが汚ければ、管理が行き届いていないのではないかと悪い印象を与えてしまいます。
室内や外壁、共有部分などは、いつ内見があっても対応できるよう、定期的な掃除やクリーニングを怠らないようにしましょう。
周辺のゴミはもちろん、壁紙やクロスの張り替えは必要か、階段や廊下の電気が切れていないかなども十分にチェックしておく必要があります。
駐車場や駐輪場を完備する
物件の周辺環境にもよりますが、近くに駅がない所や駅までの距離が遠い場合には、駐車場や駐輪場が必要です。
特に自家用車を所有している人は、駐車場がある物件を条件に入れて探すため、駐車場を完備しておけば表示され閲覧される回数も増えます。
駐輪場に至っては、たとえ物件が駅から近い場所にあっても必要とされる場合が多いです。
駅までの距離に自転車を使っている人はたくさんいます。
駐車場を完備するのが難しくても、物件によっては駐輪場のみ敷地内に作ることで空室対策になる可能性が高いです。
敷地内に駐車場や駐輪場を作るスペースがない場合は、近隣で借りられる場所があればそちらを利用しましょう。
INA&Associates Inc.は、不動産、IT、投資などにおける専門性と技術を活かし、「不動産」×「IT」を実現するために発生する、複雑な事柄に真摯に向き合い、”不動産をもっと分かりやすく。住まいを探されている方にとってもっと使いやすく。取引をもっとスムーズに。” 不動産×ITで独自の価値をお客様に提供することを目指しています。
空室対策で気を付けること
空室対策のアイデアは家賃や広告の見直しはもちろん、管理会社の変更やセキュリティ強化なども挙げられます。
上記の対策を進めていくのは非常に有効ですが、やってはいけない注意したいこともあります。
最後に、空室対策でやってはいけないことや注意点についてご紹介しましょう。
費用対効果に考慮しないリフォーム・リノベーション
リフォームやリノベーションをして、部屋や外観を綺麗に見せるのは空室対策としても重要なポイントで、入居率が上がる可能性も高いです。
しかし、どんなに新しく美しい状態に仕上げても、家賃や戸数などに問題がある場合もあります。
空室対策としては、リフォームやリノベーションという方法は費用が高くなってしまうため、発生したコストが回収できない可能性もあるのです。
費用が回収できなくなれば、物件の運用も困難になります。
費用回収が何年程度で完了するのか、相場と比較して賃料はどうかなど、シミュレーションをしてしっかりとした収支計画を立てるようにしましょう。
費用の負担が大きいリフォームやリノベーションまではいかなくても、費用を抑えた簡単なリフォームにするだけで、費用対効果が得られる場合もあります。
費用を抑えられれば賃料を維持した状態にでき、費用対効果が高くなる場合もあります。
家賃を相場から大幅に下げる
物件の価値や相場を考慮して、家賃の引き下げを検討しているオーナーは多いのではないでしょうか?
家賃を相場よりも高く設定している場合、多少引き下げをするのは有効です。
しかし、家賃を相場から大幅に下げることは避けましょう。
仮に家賃を最安値まで引き下げた場合、オーナーの収入もそれに応じて大幅に低くなります。
結果的に収支計画が破綻し、経営が成り立たなくなる恐れもあります。
また、最安値までに引き下げした場合、そのエリアの賃貸市場にも大きく影響するため、価格競争が激しくなってしまう可能性もあります。
家賃の引き下げを行う前になぜ空室が多くなってしまうのか、原因を確かめましょう。
家賃を下げるのではなく、人気のある設備や機能を導入したり、広告の内容を見直ししたりすることで物件の付加価値を付けることも十分に可能です。
安易な入居条件の引き下げ
入居条件の安易な引き下げにも注意が必要です。
先にも述べたように、入居条件の引き下げには外国人入居者の受け入れやペットの飼育許可・高齢者の受け入れなどが挙げられます。
もちろん、こうした入居条件の緩和によって応募の母数が増えるため、それに伴って入居率も上がります。
しかし、安易な入居条件の引き下げは様々な問題が生じる可能性があるのです。
例えば、外国人の場合は、家賃を滞納した状態で帰国してしまうケースや、言語や文化の違いから近隣住民とのトラブルが発生するケースがあります。
ペットの飼育を許可した場合、ニオイや床・壁の傷が絶えず、原状回復に時間と費用がかかってしまう可能性が高いです。
高齢者の場合は、失業がきっかけで家賃を滞納するケースや、部屋で亡くなってしまうケースもあります。
入居条件の引き下げを行うのであれば、敷金の増額や物件のルールやマニュアルを明確化、保証会社をつけるなどして保全措置を取る必要があります。
まとめ
今回は、賃貸物件における空室の原因や空室対策のアイデアをご紹介しました。
賃貸物件の経営では、空室リスクがつきものであり、円滑に運用していくためにも空室対策は必要不可欠です。
今回ご紹介したように、空室対策に有効な手段はたくさんあります。
しかし、費用対効果を考えずに行うリフォームやリノベーション、家賃の大幅な引き下げ、入居条件の安易な緩和などは危険です。
なぜ空室が長引いているのかの原因をしっかりと突き止め、自分の物件で活用できるアイデアから実行していきましょう。