建物内で火災が発生した場合、早期にアラームや警報で教えてくれる火災報知器は、安全を守るためにも欠かせない設備の1つです。
この記事では、そもそも火災報知器とはどのようなものなのか、取り付けにかかる費用や機器を選ぶ際にチェックしておきたいポイントなどを詳しく解説していきます。
後半では、火災報知器を取り付ける際のポイントや取り付け後の注意点についてもご紹介しているので、賃貸マンションを経営されている方はもちろん、これから経営を考えている方もぜひ最後までチェックしてみてください。
Contents
火災報知器とは?
火災報知器とはどのようなものなのか、詳しく解説していきます。
また、住宅火災でよくみられる原因についても紹介していますので、ぜひチェックしてください。
火災を感知し知らせてくれる機器
火災報知器とはその名の通り、建物内で発生した火災をいち早く察知し、知らせてくれる機器です。
火災によって生じた煙を感知するため、機器本体を天井や壁などに設置するだけで使用可能です。
建物内で火災が発生した場合、焦げ臭いにおいや煙や炎を見て気付くことが多いでしょう。
しかし、もしも火災の発生源から離れた部屋にいたり、寝ていたりした場合、気付くのが遅れてしまう危険があります。
そんな時でも火災報知器があれば、建物内の火災をいち早く察知し、アラームや警報で知らせてくれます。
住宅の出火原因でよくみられるもの
消防庁の発表した「令和3年版消防白書」では、令和2年中に発生した火災3万4,691件のうち、たばこによる火災は3,104件で出火原因の第1位でした。
次いで2位が焚き火、3位がコンロと続きます。
このように失火による火災は全体の大部分を占めていますが、その原因のほとんどは火気の取り扱い不注意や不始末によるものでした。
火災を防ぐには火の消し忘れに気を付けるなど取り扱いに注意することが大前提ですが、万が一火災が発生したとしても早期に発見できることで、すぐに火を消したり避難したりするなどの対処が可能です。
火災報知器を設置することによって、火災の早期発見につながります。
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賃貸マンションに火災報知器は必須?
賃貸マンションを経営する場合、火災報知器の設置は必須なのでしょうか?
ここでは、賃貸マンションにおける火災報知器の取り扱いについて詳しく解説していきます。
すべての建物で設置が義務付けられている
2004年の消防法改正によって、火災報知器はすべての建物で設置が義務付けられています。
したがって、賃貸マンションでも火災報知器の設置は必須です。
火災報知器は既存の建物への導入推進に加えて、2006年以降は新築住宅への設置が義務化されたことで、今では設置率が80%を超えています。
賃貸物件の場合、所有者であるオーナーや管理会社が火災報知器を設置するケースがほとんどですが、管理者だけでなく所有者にも設置義務はあります。
階段や寝室は設置が必須となっていますが、自治体の条例によっては、台所や居間などの設置を義務付けているところもあります。
市町村によって条例は異なるため、建物のある自治体のホームページなどで確認しておくと良いでしょう。
なぜここまで火災報知器の設置に力を入れているのでしょうか。
それは、火災による死者の多くが逃げ遅れによるものであることが関係しています。
火災による犠牲者の7割以上が高齢者であり、その多くは夜間など就寝時間中による火災が原因と言われています。
そのため、火災報知器を設置し、早期に火災を発見することは命や財産を守ることにつながるのです。
賃貸マンションは自動火災報知設備の設置義務も
自動火災報知設備とは、どこか1ヶ所で発生した火災についてすべての警報システムへ火災信号を送れる感知警報装置です。
感知を行う部分と警報を行う部分が一体化し、火災を感知した警報器が警報を発する住宅用火災報知器とは違い、感知していない場所にも火災が発生した旨を知らせ警告したり、警備会社に通報したりします。
自動火災報知設備は一定の広さ以上のマンションなどの建物に設置義務があります。
そのため、学校や市役所、オフィスなど人が多くいるところで設置されているのは、自動火災報知設備であることがほとんどです。
また、自動火災報知設備のあるマンションでは、新たに火災報知機を設置する必要はありません。
しかし、共用部の廊下や高層階の一部の住宅のみに設置されている場合は、自動火災報知設備のない住宅部分には火災報知器を設置する必要があります。
設置義務を怠るとどうなる?
2006年以降、すべての住宅へ火災報知器の設置が義務付けられましたが、設置しなかったからといって罰則があるわけではありません。
そのため、未だに2割近くが設置していないのが現状です。
しかし、火災での死者の多くは逃げ遅れによるものです。
今後さらに高齢者が増えると見込まれることからも、火災による死亡事故を少しでも減らすためには、火災報知器の設置は行うべきでしょう。
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自動火災報知設備の種類
感知器によって熱や煙を自動的に感知し、火災信号を発信することで建物内にいる人達に知らせる自動火災報知設備には、熱感知器、煙感知器、そして炎感知器の3種類あります。
ここでは、それぞれの設備について詳しく解説していきます。
熱感知器
熱感知器は、火災によって発生した煙が火に移行した際の熱を察知するものです。
火災はまず煙が発生した後、可燃物に引火することで熱が生じ、最後に炎となります。
そのため、熱感知器が作動する時には、既に出火している可能性が高いです。
しかし、熱感知器には屋内仕様のほか、屋外仕様があり、屋外仕様は防水や防湿度、高温対応など特殊な環境下でも使えるようになっているものが多いです。
厨房や軒下のように湿気の多い場所や、高温かつ高湿度のミストサウナや岩盤浴などに設置するのであれば屋外仕様のものが適しています。
ちなみに熱感知器は差動式と低温式の2種類あり、感度によって特殊・1種・2種と使い分けられています。
最初に感度の良い感知器の作動することで非常用ベルや警報アラームを鳴らし、次に感度の鈍い感知器の作動によって防火扉や防火シャッターを動かすといった使い分けが可能です。
感度による使い分けを行うことで、避難誘導をスムーズに進められるというメリットがあります。
・低温式スポット型感知器
感知器周辺の温度が70度以上など一定温度に達すると作動します。
湯気や煙には一切反応しません。
作動式に比べて火災の感知も遅いため、湿度の高い場所などに設置するのが一般的です。
・差動式スポット型感知器
感知器内部に入っている空気の温度が上がり膨張することで作動します。
ただし、低温式のように一定温度で感知することはなく、火災ではなく緩やかに温度が上昇する際は感知しないように内部の空気を逃すようになっています。
リビングや寝室、オフィスのように著しい温度変化のない場所に設置されます。
煙感知器
煙感知器は火災の発生初期に出る煙を感知するもので、光電式スポット型・光電式分離型・イオン化式の3種類があります。
煙感知器は火災の早期は発見に非常に効果的で、初期消火につながるため広く普及しています。
特にカラオケ店のように消防法によって無窓階判定を受けた建物は、煙検知器の設置が義務付けられています。
ただし、構造が複雑なこともあり、熱感知器に比べて高価であることが多いです。
また、煙感知器は検出部が結露すると使えないため、屋外での使用はできません。
・光電式スポット型
光の乱反射を利用することで、感知器内のセンサーが作動し煙を感知します。
内部では常にLEDが発光しており、この光が煙の粒子にあたって乱反射した場合、それを受光部で感知します。
煙感知器の中では最も普及しているポピュラーなタイプで、厨房のように熱源が1ヶ所にある場所に設置します。
・光電式分離型
送光部と受光部の間に目には見えない光を発しており、煙によって遮られると感知し警報を鳴らします。
減光式とも呼ばれており、機器によっては最大100mほど離して使用できるものもあります。
・イオン化式
イオン電流の変化を利用したもので、感知器が設置されている場所の煙濃度が一定濃度に達した場合に火災信号を発します。
感度も高くコスト面も優れていることから、海外では広く普及しています。
ただし、放射性物質が使われているため、日本では廃棄する際に注意が必要です。
炎感知器
炎感知器は火災発生時の炎を感知するもので紫外線スポット型感知器と赤外線スポット型感知器の2種類あります。
火災時に発生する炎には、可視光線という目に見えるもののほかに、紫外線や赤外線も含まれています。
炎感知器はこれらが一定以上になった時、火災を検知します。
紫外線スポット型感知器は即座に反応でき監視範囲が広いのが特徴ですが、家具など障害物によって炎が感知できないこと場合があります。
また、消費電量も多いため、電池は長期間の使用に向いていません。
炎感知器は映画館のように天井面が高く、スペースの広い空間に設置されます。
・紫外線スポット型感知器
火災によって発生した炎から放射される紫外線が一定以上になった時、信号を発信します。
紫外線検出管を使って、炎から放射される波長の紫外線を検知します。
・赤外線スポット型感知器
火災によって生じた炎から放射される紫外線が一定以上になった時、信号を発信します。
外気の流入などの影響を受けず、広範囲の火災発見に適しています。
火災報知器は誤作動することもある
火災報知器は火災の発生をいち早く知らせてくれる非常に便利なものです。
もしも火災報知器が鳴った時は、速やかに火元を確認し、適切に対処することが求められます。
しかし、火災報知器が鳴ったにも関わらず、室内に火元が確認できない場合は誤作動を起こした可能性があります。
アラームや警報音は、警報停止スイッチや本体に付随しているひもを引くことで止めることが可能です。
ただし、自動火災報知設備の場合はマンションで一括管理しているため、誤作動を起こした場合でも入居者が個人で警報を止めることはできません。
管理者側が対応する必要があるため、速やかに対応することを心掛けましょう。
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火災報知器の取り付けにかかる費用
設置が義務付けられている火災報知器ですが、取り付けにはどのくらいの費用がかかるのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。
次に火災報知器を取り付ける際にかかる費用相場に加えて、誰が費用負担するのかについても解説していきます。
火災報知器を取り付ける際の価格相場
火災報知器というと専門業者に依頼しなくてはならないと思われている方も多いようですが、自分で取り付けることも可能です。
火災報知器自体は、家電量販店やホームセンター、ネット通販で購入でき、取り付けも10分程度で完了します。
住宅用の火災報知器には、煙を感知する煙式と熱を感知する熱式がありますが、火災を初期段階で発見できる煙式の設置が一般的です。
ただし、台所のように火災以外でも煙や湯気の発生する場所では、熱式の方が適しています。
火災報知器は1個3,000円程度で購入できますが、感知した機器以外に連動して警報が鳴る通信機能付きのタイプは1個7,000円~9,000円前後が相場です。
もし業者に取り付けを依頼するのであれば、1個約5,000円~1万円前後、通信機能付きは約1万~2万円前後が費用相場です。
また、火災報知器は10年前後で交換が必要となるため、設置する際は本体の側面など見える部分に設置年月日を記入しておくと良いでしょう。
費用は誰が負担する?
東京消防庁では、建物の所有者、管理者、そして占有者に火災報知器の設置義務があるとし、賃貸住宅の場合は話し合って決めることとしています。
とはいえ、賃貸住宅の場合はオーナーなど管理者側が設置費用を負担することが多いです。
なぜなら、新築の場合は条例によって火災報知器の設置が義務付けられているため、建築時に導入しているケースが多いからです。
既存物件の場合、物件によっては入居者負担で設置をお願いするケースもあるようですが、基本的には管理者側が設置することがほとんどです。
賃貸マンションで火災報知器を設置する場合は、オーナーなど管理者側が負担すると考えておいた方が良いでしょう。
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火災報知器を選ぶ際にチェックしておきたい4つのポイント
様々な種類の火災報知器がありますが、選ぶ際にはどのようなポイントに注目すれば良いのでしょうか?
ここでは、押さえておくべき4つのポイントをみていきましょう。
①感知タイプ
自動火災報知器の感知タイプには、熱感知器、煙感知器、炎感知器と3つのタイプがあります。
マンションやアパートなどの賃貸住宅では天井に設置されているケースが多く、熱・煙・炎などを感知し、受信機に情報を送ったり、警備会社に通報したりします。
感知タイプによって設置する場所や特徴が異なるため、マンションに適した火災報知器を選ぶようにしましょう。
前半で説明したそれぞれの特徴を踏まえると、マンションには熱感知器または煙感知器のどちらかがおすすめです。
熱感知器は周囲の温度が60℃以上になった際、警報ベルや音声、光で火災が発生していることを知らせます。
出火元となりやすいキッチンに設置しておけば、万が一に備えられます。
一方、煙感知器は部屋に充満した煙を感知することから、火災が発生した初期段階で知らせることが可能です。
火災による死因として多い一酸化中毒を防ぐため、煙感知器を選ぶ方も多いと言います。
マンションに設置する際は、熱感知器と煙感知器の併用がおすすめです。
炎感知器は劇場や映画館など、天井が高い大空間に設置されるため、マンションには適していません。
②作動方式
火災報知器には単独型、連動型と2種類の作動方法があります。
それぞれの特徴を踏まえた上で、どちらを選ぶか検討してみてください。
単独型は、火災が発生した箇所に設置されている火災報知器のみが作動するため、部屋数が少ない場合や一人暮らしにおすすめです。
連動型の火災報知器と比べると価格も安く、設置する手間も省けます。
一方、連動型は、火災が発生した箇所の火災報知器が作動すると、他の箇所に設置している火災報知器も連動して作動します。
寝室と出火元になりやすいキッチンが離れていたり、部屋数が多かったりする場合におすすめです。
連動型の強みは、家の中であればどこにいても火災が発生したことを確認できることです。
間取りや住人の数などを考慮した上で、どちらの作動方式を選ぶか検討しましょう。
③警報の種類
火災が発生したことを知らせる警報にも様々な種類があるため、あらかじめチェックしておきましょう。
警報には、音声警報・ブザー音警報・発光警報の3種類があります。
火災報知器を展開しているメーカーによって、警報音や光の仕様は異なるため、注意してください。
音声警報は「火事です!火事です!」と大声で火災が発生したことを知らせます。
高齢者や子どもはブザーが鳴っただけでは何が起きたか理解できない方もいるでしょう。
そんな時、音声で知らせることができる火災報知器があれば、すぐに避難できるようになります。
ブザー音警報は大音量のブザーで火災を知らせることから、就寝中であっても火災に気づきやすいのが特徴です。
発光警報は火災報知器本体のライトが強く点滅し、火災が発生したことを知らせます。
聴覚障害のある方や高齢者など、音声やブザーでは気づくことができない方と同居している場合におすすめです。
④安全基準をクリアしているか
火災報知器を選ぶ際は、一定の安全基準をクリアしているかどうかの確認も必要不可欠です。
合格表示またはNSマークの有無をチェックし、安全に使用できる火災報知器かどうか見極める必要があります。
合格表示とNSマークが表記されている火災報知器は同等の性能が確認されています。
では、一体なぜ安全基準に関する表記が2つあるのでしょうか?
その理由は、警報機の品質評価が国家検定制度に移行したことにあります。
2014年4月1日以降、住宅用警報機器が国家検定品になり、安全基準をクリアしたものを合格表示と表すようになりました。
国家検定制度に移行する以前は、安全基準をクリアしている証としてNSマークを表記していました。
経過措置として2019年3月31日までの販売が認められましたが、それ以降に合格表示のない製品を販売することは認められていません。
合格表示やNSマークは一定の安全基準をクリアしている証となるため、購入する際には必ず表記があることを確認してください。
今後、購入予定がある方は合格表示が表記されている製品を選びましょう。
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賃貸マンションに火災報知器を取り付ける際のポイント
私たちの命を守る火災報知器の設置にはいくつかルールが設けられています。
ここでは、マンションに火災報知器を設置する際に押さえておくべきポイントについてご紹介します。
どこに設置すべきか確認しておく
火災報知器は消防法および各市町村条例によって定められている場所に設置しなければいけません。
例えば東京23区を管轄区域とする東京消防庁では、居間・リビング・子ども部屋・寝室などの普段から使用する居室をはじめ、寝室がある階の階段やキッチンの天井または壁に設置することが義務付けられています。
設置場所ごとに火災報知器の種類も決められているため、あらかじめ確認しておきましょう。
居室や階段には煙感知器、キッチンには煙感知器または熱感知器を設置することが推奨されています。
また、主要都市である大阪市内を管轄区域とする大阪市消防局では、寝室や廊下、キッチン、寝室がある階の階段に火災報知器を設置することが義務付けられているほか、寝室として使用しない居室への設置も推奨しています。
設置する場所は東京同様、天井または壁です。
このように、各市町村によって設置場所や条件が異なるため、住まいとなる地域の条例を確認しておくことが重要です。
火災報知器を取り付ける際の決まり
火災報知器を設置する際、設置する場所によって決まりが設けられています。
以下の点に注意して取り付けを行いましょう。
天井の場合
天井の場合、装置の中心が壁から60cm以上離れた場所に取り付けましょう。
梁などがある場所に設置する際は、梁と装置の中心が60cm以上離れていることを確認してください。
また、換気口やエアコンの吹き出し口付近に設置する場合は、1.5m以上離す必要があります。
各市町村が提示している条例によってさらに細かいルールが設けられている場合もあるため、必ず確認しておきましょう。
壁の場合
壁の場合、天井から15~50cm以内の場所に取り付けることが定められています。
設置場所の周辺に照明器具がある際は、照明器具から30cm以上離して取り付けましょう。
また、煙感知器の火災報知器を取り付ける場合、ガスレンジ周辺は避けるのがおすすめです。
取り付けNGの場所
天井または壁に設置することが義務付けられている火災報知器ですが、取り付けがNGとなっている場所もあるため、注意する必要があります。
タンスの真上やレンジ・ストーブの近く、直射日光による温度上昇が激しい場所、照明器具の周辺、水滴・結露が発生する場所、屋外などは正常に装置が作動しない可能性があるため、取り付けはできません。
各市町村の条例で定められているルールを守り、正しい場所に取り付けることによって、本来の機能を発揮するのです。
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取り付け後は設備点検も必要!
ここまで、火災報知器の役割や種類、賃貸マンションに取り付ける際のポイントなどについてご紹介しましたが、火災から命を守るためには取り付け後の設備点検も重要です。
具体的にはどのような手順で点検を行ったら良いのでしょうか?
大家さんに点検義務がある
賃貸経営を行う大家さんは、マンションやアパートなどの住宅設備の管理を行わなければいけません。
特に重要なのは消防法、水道法、建築基準法・労働安全基準法、浄化槽法、電気事業法の5つの法律からなる法定点検です。
法定点検となるこれらの法律に沿って、大家さんは定期的に点検することが義務付けられています。
今回ご紹介するのは消防法についてです。
上記の5つの法律の中でも特に厳しい消防法は、マンションに住む入居者の命を守るために欠かせないものです。
建物管理において消防設備点検は法令で義務付けられており、賃貸経営を行う大家さんに点検の義務があります。
賃貸マンションは火災報知器のほかに、消火器や避難器具、誘導灯、非常警報設備、連結送水管などを点検します。
消防設備点検は半年に1度実施することが義務付けられており、管轄の消防署長に結果を報告しなければいけません。
万が一、点検を怠ったことが原因で火災が発生すると、大家さんがすべての責任を負うことになります。
また、半年に1度の点検結果を管轄の消防署長に報告していない場合、30万円以下の罰金または拘留に処せられるため、注意しなければいけません。
面倒だからと言って消防設備点検を実施しない場合のリスクは非常に高いため、半年に1度必ず点検を行ってください。
火災が発生してから対応するのでは手遅れなのです。
法定点検をしっかりと行うことによって、入居率の安定にもつながるようになります。
消防設備点検における注意点
法令で義務化されている消防設備点検ですが、実施する際にはいくつか注意しなければいけないことがあります。
あらかじめ注意点を押さえておくことによって、トラブルを回避できるようになります。
避難設備に不備があれば刑事責任が問われる恐れも
警報設備、消火設備、避難設備の3つに分類される消防設備点検の中で、特に避難設備は入居者の安全性につながる重要な役割を担っています。
この避難設備に不備があった場合、大家さんは刑事責任が問われる恐れがあるため、注意しなければいけません。
過去には、業務上過失致傷罪で実刑判決を受けた大家さんもいるようです。
マンションやアパートなどでは、避難はしごや誘導灯などは屋外に設置されてあるため、どうしても不備が発生しやすくなります。
トラブルを招くことがないよう、点検の際には必ずチェックしておきましょう。
点検を実施する際は入居者に連絡する
マンションやアパートなどの賃貸住宅において、消防設備点検を実施する際は、あらかじめ入居者に知らせておく必要があります。
前もって通知するのは点検の際、入居者の立会いが必要になるからです。
点検項目にある火災報知器や避難はしごなどは専有部分に設置されているため、マンションやアパートなどの賃貸住宅であっても入居者の許可なく立ち入ることはできません。
点検を行う際は、基本的に入居者の立会いが必要になりますが、留守の場合、大家さんまたは管理会社の立会いのもと実施されます。
入居者に立会いの義務はなく、消防設備点検はあくまで努力義務となっているため、留守にする可能性も十分あります。
その場合、点検当日、大家さんまたは管理会社が立会うことを知らせておきましょう。
トラブルに発展することがないよう、事前に伝えておくことが重要です。
「消防設備点検のお知らせ」という文書をポストに投函したり、掲示板に案内を貼ったりなど、通知方法は様々です。
また、点検当日には火災報知器や非常警報設備などが正常に作動するかテストを行います。
実際に火災が発生した際と同じように警報が鳴るため、本当に火災が発生したと勘違いする入居者もいるかもしれません。
このような事態を防ぐためにも、マンションに住むすべての入居者に知らせておく必要があります。
常に避難できる環境を整えておく
半年に1度実施される消防設備点検も欠かせませんが、常に避難できるような環境を整えておくことによって、万が一の際にも備えられるようになります。
避難器具や避難経路の周辺に物を置いていると、火災が発生した際、逃げ遅れてしまう可能性もあります。
火災が発生したとしても慌てず、スムーズに対応できるよう、避難できる環境を整えておくことの大切さを入居者に呼びかけましょう。
まとめ
今回は、賃貸マンションにおける火災報知器の役割や必要性、取り付けのポイントなどについてご紹介しました。
2006年よりすべての建物で設置が義務化されている火災報知器は、私たちの命を火災から守るためにある設備です。
常日頃気を付けていても、災害や事故、放火などによって突然火災が発生してしまうこともあります。
そんな時、火災報知器を設置していれば初期避難が可能になるため、被害を最小限に抑えられるようになります。
また、賃貸マンションを経営する大家さんには消防設備の点検義務もあるため、管理業務を怠らないようにしましょう。