生活保護は、経済的な事情で生活が苦しい状態にある人に対して最低限度の生活を保障するために作られた制度です。
生活保護を受けていると様々な制限を受けることになってしまうので、今まで通りの生活は難しくなってしまいます。
アパートなどの賃貸物件を借りるのも難しい状況になることを念頭に置いておかなければいけません。
今回は、生活保護を受けるとアパートを借りるのが難しくなってしまう理由や借りるためのポイントをご紹介します。
Contents
生活保護の定義と要件
生活保護は、資産、扶養義務者の扶養、能力、あらゆるものを活用しても最低限度の生活に満たないと証明された場合に利用が認められます。
そこでまずは、生活保護を受けるための要件からご紹介していきましょう。
収入がない
憲法によって保障されている最低限度の生活は、国によって定められた最低生活費が基準になっています。
収入が最低生活費を上回っている場合は、生活保護を受給できません。
収入には、労働によって得た賃金だけではなく、年金や生命保険の解約返戻金、資産の売却益も含まれます。
中には、収入があっても最低生活費に満たないケースもあるでしょう。
そのような場合は、最低生活費から収入を差し引いた金額が受給されます。
資産を手放す必要がある
生活保護を受けるには、資産を手放さなければいけません。
資産は、不動産や預貯金、自動車、貴金属といったものが当てはまります。
価値があるとみなされる財産を処分し、生活を立て直せるのであればそのような方法を取らなければいけないのです。
ただし、最低限度の生活を送るために必要だとみなされる財産の場合は処分する必要もありません。
例えば、1台の携帯電話やスマートフォン、タブレット、パソコンは最低限度の生活を送るために必要だとみなされます。
2台目以降は売却しなければいけませんが、1台であればそのまま所有していても大丈夫です。
働く意欲があっても働けない
生活保護を受けようと考えている人は、できる限り働くことが求められます。
ケガや病気などやむを得ない理由で働けない場合は、仕事をしていなくても受給可能です。
しかし、働く能力があっても働かない場合は、受給の対象とはなりません。
病気を理由に生活保護を受けていたけれど完治して働ける状態になったら、ケースワーカーからハローワークで仕事を探すように言われます。
その指導に従わずに働く意欲が見られないと、生活保護が打ち切りになる可能性があります。
扶養してくれる親族や家族がいない
扶養してくれる親族や家族がいないことも、生活保護を受けるための要件に含まれています。
生活保護の申請をするとケースワーカーが扶養する義務がある直系血族や兄弟を調査し、扶養の可否を確認します。
扶養義務者が扶養できる場合は、扶養費が収入とみなされるのです。
しかし、この確認をされたら扶養しなければいけないわけではありません。
扶養義務者が拒否するケースもありますが、そのような時に行政側は生活保護の支払いを拒否できないという仕組みになっています。
つまり、誰からも援助を受けられる見込みがなければ、生活保護を受給可能となります。
一方、家族や親族の扶養に入れるのであれば、生活保護は原則として受給不可です。
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住宅扶助の目的と項目
住宅扶助は、生活保護制度で定められている扶助のひとつです。
生活保護を受けているとアパートなどの賃貸物件に住むのは難しいと思われがちです。
確かに、受けていない人と比べると選択肢は狭まってしまいますが、絶対にアパートを借りられないというわけではないのです。
続いては、それを理解するために把握しておくべき住宅扶助について解説していきます。
生活保護の住宅扶助
住宅扶助は、生活保護を受給している人が生活する場を確保するために支給されています。
生活をするためには、衣・食・住の三大要素が必要です。
その中のひとつである「住」に関する様々な費用が住宅扶助の対象となります。
アパートの家賃、受給者が所有している物件が借地に建っている場合は借地代なども支給の対象です。
さらに、住宅の修繕に必要となる費用や引っ越しにかかる費用も住宅扶助から支給されるのです。
つまり、ホームレスで収入も住む場所もないという人が生活保護を受給すると、部屋を借りられます。
部屋を借りて生活の基盤を整えることにより、生活再建の糸口がつかめるようになり、自立に向けて活動しやすくなっていきます。
場所と世帯の人数について
住宅扶助は、支給額はいくらでもいいというわけではありません。
上限が決められています。
一人ひとり支給額が異なるということになります。
金額を決定する要素は、住む場所(等級地別)と世帯人数です。
同じ都道府県でも、住む場所によって支給される金額は変動します。
支給額が変わるのは、地域によって物価に違いがあるからです。
同じ1LDKの物件を借りるとしても、地方都市よりも政令指定都市の方が家賃は高めに設定されています。
東京都内でも、23区以外の地域や離島だと家賃が23区よりも安くなるケースが大半を占めます。
家賃に差があるのに同じ金額では不公平さが生じるので、住む場所によって支給額は変動するのです。
また、世帯人数が多ければ広いアパートを契約しなければいけないので、単身向けよりも家賃が高めになります。
それも、支給額が変動する要素なのです。
支給されても上限がある
アパートなどを借りる際に利用できる住宅扶助には上限があります。
上限額は毎年のように改定されていて、車いす生活を余儀なくされているなど特別な事情がある時は増額される場合もあるのです。
東京都の場合は、等級地と家族構成で家賃扶助の上限が決められています。
・1人暮らし
1級地:5万3,700円
2級地:4万5,000円
3級地:4万900円
・2人暮らし
1級地:6万4,000円
2級地:5万4,000円
3級地:4万9,000円
・3人~5人暮らし
1級地:6万9,800円
2級地:5万9,000円
3級地:5万3,200円
・6人暮らし
1級地:7万5,000円
2級地:6万3,000円
3級地:5万7,000円
・7人暮らし以上
1級地:8万3,800円
2級地:7万円
3級地:6万3,800円
等級地は、インターネットで検索したり、自治体に確認したりすることで把握できます。
各地域の扶助金額例
続いては、それ以外の地域における扶助金額をピックアップしてご紹介しましょう。
・札幌市(1級地-2)
1人暮らし:3万6,000円
2人暮らし:4万3,000円
3人~5人暮らし:4万6,000円
6人暮らし:5万円
7人暮らし以上:5万6,000円
・秋田市(2級地-1)
1人暮らし:3万2,000円
2人暮らし:3万8,000円
3人~5人暮らし:4万2,000円
6人暮らし:4万5,000円
7人暮らし以上:5万円
・米沢市(3級地-1)
1人暮らし:3万5,000円
2人暮らし:4万2,000円
3人~5人暮らし:4万6,000円
6人暮らし:4万9,000円
7人暮らし以上:5万5,000円
・郡山市(3級地-1)
1人暮らし:3万円
2人暮らし:3万6,000円
3人~5人暮らし:3万9,000円
6人暮らし:4万2,000円
7人暮らし以上:4万7,000円
・横浜市(1級地-1)
1人暮らし:5万2,000円
2人暮らし:6万2,000円
3人~5人暮らし:6万8,000円
6人暮らし:7万3,000円
7人暮らし以上:8万1,000円
・姫路市(1級地-2)
1人暮らし:3万8,000円
2人暮らし:4万6,000円
3人~5人暮らし:4万9,000円
6人暮らし:5万3,000円
7人暮らし以上:5万9,000円
・佐世保市(2級地-2)
1人暮らし:3万2,000円
2人暮らし:3万8,000円
3人~5人暮らし:4万2,000円
6人暮らし:4万5,000円
7人暮らし以上:5万円
・沖縄市(3級地-1)
1人暮らし:3万2,000円
2人暮らし:3万8,000円
3人~5人暮らし:4万2,000円
6人暮らし:4万5,000円
7人暮らし以上:5万円
このように地域によって大きな差があります。
ただし、面積やそれぞれの事情によって基準額が変わる場合もあるので、一概には言い切れません。
詳しい住宅扶助の金額は、お住まいの地域にある社会保険事務所に確認してください。
対象になるもの
住宅扶助は、アパートの家賃以外に対象になるものがあります。
それは、敷金や礼金、契約更新料、住居の維持費です。
基本的には家賃の補助が目的となっていますが、転居に伴う敷金や礼金は一時扶助金という形で支給されます。
場合によっては、火災保険料や不動産会社に支払う仲介手数料なども対象となります。
しかし、一時扶助金の範囲内に収めなければいけないという条件があるので注意が必要です。
対象にならないもの
住宅扶助は幅広い費用を網羅しているように思えますが、生活に必要な費用を全て賄えるわけではありません。
共益費や管理費、水道代などは対象にならないのです。
共益費や管理費が家賃に含まれている物件を借りた場合は、家賃とみなされるので住宅扶助で支払いができます。
しかし、家賃とは別に支払いするケースでは自己負担となってしまうので、アパート探しをする際は細かい部分までしっかりと確認しましょう。
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住宅扶助の上限以上の物件を選んだらどうなる?
人によっては、住宅扶助の上限を超えるアパートに住んでいるケースがあります。
そのような場合、一体どのような対処を取られるのでしょうか?
指導される
生活保護を申請する時に、住宅扶助の上限を超えるアパートに住んでいる人は指導されます。
しかし、生活保護の受給が打ち切りになってしまうわけではありません。
また当たり前のことですが、次に契約するアパートが住宅扶助の上限を超えている場合は、契約が認められないので物件選びは慎重に行うようにしましょう。
ただし、病気など特別な事情がある人は治るまで現在住んでいる物件に住み続けることは可能となっています。
このケースだと医師の診断書や意見書が必要になるので、忘れずに用意しましょう。
継続して住み続けることはできても、住宅扶助は上限を超えて支給されることはありません。
上限を超えた分は、自身の生活扶助から工面することになります。
転居するまで指導は継続
上限を超えた物件に住み続けていると、転居するまで指導は継続します。
すぐに生活保護が打ち切りになってしまうわけではありません。
しかし、度重なる指導がストレスになってしまうことも考えられるでしょう。
そのような場合は、できるだけ早く転居できるように体調や周辺環境を整える必要があります。
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持ち家は住宅扶助の対象外!?
生活保護を受けるためには、所有している財産を全て活用することが前提条件となっています。
持ち家も財産に含まれるため、どのような扱いになるのか気になる人も多いでしょう。
そこで続いては、住宅扶助における持ち家の扱いについて解説していきます。
アパートでなくても住宅扶助の対象
持ち家は、資産とみなされるので所有している場合は生活保護の受給対象となりません。
しかし、持ち家でも売却すると住む場所がなくなってしまう場合は保有を認められます。
つまり持ち家があっても生活保護を受給できる可能性はあるのです。
持ち家を売却してアパートに暮らした場合の住宅補助額と持ち家に暮らし続けている場合の扶助額を比較し、後者の方が安くなる場合はそのまま生活保護を受けられます。
住宅ローンがないなら住める
住宅ローンをすでに完済している持ち家に暮らしている人は、生活保護の受給対象になります。
なぜかというと、住宅ローンが残っていると生活保護で支払われたお金が返済に充てられてしまうからです。
資産形成の一助になってしまうため、住宅ローンが残っている場合は生活保護を受給できません。
ただし、ローンの残額が300万円以下で5年以内に返済が完了する人の場合は、ローンが残っていても生活保護の需給が認められます。
固定資産税がポイント
持ち家を所有したままで問題ないかどうかは、固定資産税がポイントになります。
売却すると2,000万円を超えるような場合は、売却するように指導されるのが一般的です。
厚生労働省では売却するように指導される住宅は、「最上位級地の標準3人世帯の生活扶助基準額に同住宅扶助特別基準額を加えた額の概ね10年分」を基準としています。
この金額が約2,000万円となるので、それを超える売却益が期待できる物件は売却指導が入るのです。
マンションや戸建ての平均的な価格は、首都圏や関西だと2,000万円以上になるケースが多いです。
しかし、築年数や立地条件によって売却価格が異なるので、2,000万円に満たない場合ももちろんあります。
生活保護を受給するにあたり、持ち家を売却したくないと考えているのであれば、市町村の窓口で相談してみましょう。
持ち家を手放すことなく生活保護を受給する方法のひとつに、リースバックがあります。
リースバックは、不動産会社などに売却した後にその物件を借りて住み続けるという方法です。
リースバックは必ず利用できるわけではないので、不動産会社に相談してから決めることをおすすめします。
現在所有している家に住み続ける方法もあるので、諦めることなく相談をするようにしましょう。
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生活保護中の相続はどうなる?
自分の両親など身内が亡くなった時、法定相続人であれば相続が発生します。
身内の資産を受け継ぐことになりますが、そうなると生活保護を受ける中でどのような問題が起きるのか、事前に知っておく必要があります。
資産価値が高いと受給できなくなる
資産価値の高い財産を相続する場合、生活保護を受給できなくなるかもしれません。
資産価値の高い資産には不動産が挙げられます。
不動産を相続した場合、資産活用の原則に基づいて売却が求められます。
それによって多額の資金を得られますが、収入が最低生活費を超えてしまうと保護の必要性がないと判断され、生活保護の停止または廃止となってしまうのです。
停止は当面、生活保護がなくても生活する余裕がある場合に適用され、資金が底を尽きた時に支給が再開されます。
しかし、廃止となると保護の要件から外れることになります。
再び生活が困窮した場合は、改めて申請が必要です。
相続放棄はできない
相続によって生活保護が停止または廃止になる可能性がありますが、基本的に相続破棄ができない問題が発生します。
本来、生活保護は最低限の生活を保障しつつ自立を助長するための制度なので、最終的には保護からの脱却を目指さなければなりません。
相続によりそれが実現する可能性があると分かっていながら、生活保護受給のために破棄することは認められないのです。
ただし、相続しても生活保護の受給が続くケースもあります。
相続財産にはプラスの資産だけではなく、借金などのマイナス資産もプラスされます。
生活保護は資産や能力などを活用しても生活が困窮する場合に受給が認められます。
つまり、相続で得られるものがプラス資産よりもマイナス資産の方が多く、保護の脱却には至らない場合は受給が続くというわけです。
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生活保護のアパート契約は難しい!その理由は?
生活保護を受給している人も生活する居住地が必要です。
しかし、生活保護受給者は一般の人と比べるとアパート契約が難しいと言われています。
その理由はいくつかあるので、見ていきましょう。
大家さんから断られることがある
大家さんが生活保護受給者を断る理由は、家賃の滞納や金銭トラブルを懸念しているからです。
受給されるお金には家賃も含まれていますが、別の用途に使ってしまう人は少なくありません。
そうなると家賃が支払えず、大家さんともトラブルになってしまいます。
また、家賃はしっかり払えていても、退去時に修繕費用が払えないケースもあります。
過去に生活保護受給者とトラブルを起こした大家さんは多いため、入居を拒否するケースは少なくないのです。
不動産会社から断られることがある
仲介を行う不動産会社から断られるケースもあります。
その理由は役所とのやり取りが増えることで、通常よりも入居までの手続きに手間がかかってしまうからです。
ただ手間がかかるから入居受け入れを断っているわけではありません。
営業担当者は毎日たくさんの人から物件探しの相談を受けており、一人ひとりに対して素早い対応が求められます。
他の入居希望者の対応をしながらでは、手続きに手間がかかる生活保護受給者への対応まで手が回らないこともあるので、やむを得ず断るケースもあるのです。
保証会社の審査が通らないことがある
最近は連帯保証人がいなくても契約できるように、保証会社への加入を前提に物件を貸し出しているケースが増えています。
ただし、保証会社に加入するためには審査を通過しなければならず、落ちたことで入居できない場合があります。
そもそも保証会社とは万が一家賃の滞納が発生した場合、代わりに家賃を大家さんに支払うことを保証する会社です。
あくまでも大家さんを保証するための制度なので、入居者が滞納した分を保証会社に支払わなければなりません。
つまり、審査では支払い能力の有無がチェックされています。
ケガや病気などやむを得ない事情で就労できず生活保護を受給していて、受給後も特に金銭トラブルがなければ保証会社の審査は通る可能性があります。
しかし、金銭トラブルを抱えている受給者の場合は、支払い能力に問題がある判断されて審査に落ちやすくなります。
保証人がいなくて契約できないことがある
生活保護受給者の場合、保証人を立ててもアパート契約は難しいと言えます。
受給申請をする際、自治体から近しい親族に「親族の扶養照会」が送られます。
親族の扶養照会とは、受給申請者に援助ができないか確認するために送られる書類です。
親族の誰かが扶養に同意すれば生活保護の受給はできず、金銭的に余裕がなく扶養できないと確認できた場合は受給対象となります。
そもそも金銭的な援助をしてくれる人がいないために自治体から保護されているので、保証人を探すのが難しく契約できないというわけです。
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アパート契約を成功させるポイントは?
生活保護受給者は一般の人と比べるとアパート契約のハードルは高くなってしまいますが、絶対に入居できないというわけではありません。
ここからはアパート契約を成功させるポイントをご紹介します。
事前に物件紹介可能か確認する
不動産会社へ訪問する前に、まずはメールや電話で生活保護受給者でも紹介してもらえるアパートがあるか確認しましょう。
時間をかけて物件を見つけても、上記で述べたように不動産会社から入居を断られてしまうケースがあります。
そこで事前に紹介できるアパートがあるか確認しておけば、訪問時に入居を断られるといった事態を回避でき、効率よく物件探しができます。
保証会社の利用を検討する
生活保護を受けている人は保証人になってくれる人が見つかりにくいので、保証会社の利用を検討しましょう。
保証会社に入っていれば万が一に家賃を滞納した場合も代わりに支払ってもらえるので、大家さんが抱える家賃に対する懸念点を軽減できます。
ただし、保証会社の審査に通過しなければならないので、不動産会社に相談してみてください。
生活保護受給者にも紹介できる物件であれば、保証会社の審査も金銭トラブルがない限り高確率で通過できるでしょう。
一時的な生活保護であることを伝える
ケガや病気などを理由に一時的な受給であると言い切れるのであれば、その旨を伝えるとアパートに入居できる可能性が高まります。
将来的に就職する意思があるということは、大家さんに安心感を与える要素になります。
現在の状態や治療の進行具合については詳しく説明しましょう。
詳しく説明することで受給の事情や働けるようになる時期の目安などが分かるので、大家さんも前向きに入居を検討しやすくなります。
住宅扶助費等代理納付制度を利用すると伝える
住宅扶助費とは、生活保護受給者に対して住宅を維持するために給付される費用です。
具体的には家賃、敷金、礼金、契約更新料などが該当しますが、管理費や共益費、水道光熱費は対象外です。
通常、住宅扶助費は現金で受給者に支払われるので、家賃などの納付は自ら行うことになります。
しかし、代理納付制度を利用すれば自治体から大家さんに直接、住宅扶助費が支払われます。
そのため、受給者の使い込みによって家賃が支払えないということを回避できます。
自動引き落としでも可能だと伝える
保証会社を利用する場合は、自動引き落としが可能であることを使えましょう。
大家さんの口座に毎月家賃を振り込む形にした場合、家賃の滞納が発生した時に大家さんから保証会社へ代位弁済請求することで弁済を受ける形になります。
しかし、自動引き落としにした場合、入居者の口座から毎月27日頃に保証会社が自動で家賃を引き落とし、その後指定日に大家さんへ送金される仕組みになっています。
このシステムでは残高不足で自動引き落としができない場合、代位弁済請求をしなくても大家さんに家賃が支払われるのが特徴です。
家賃の保証が確実なものとなっているので、入居できる確率が上がるのです。
INA&Associates Inc.は、不動産、IT、投資などにおける専門性と技術を活かし、「不動産」×「IT」を実現するために発生する、複雑な事柄に真摯に向き合い、”不動産をもっと分かりやすく。住まいを探されている方にとってもっと使いやすく。取引をもっとスムーズに。” 不動産×ITで独自の価値をお客様に提供することを目指しています。
生活保護を受けながらアパートに住む場合の手順
生活保護受給者が実際にアパートに住む場合、どんな手続きが必要なのでしょうか?
ここで生活保護を受けながらアパートに入居するまでの一般的な手順をご紹介します。
役所で許可を得る
不動産会社でアパートを探す前に、まずは役所に相談してください。
そして、ケースワーカーに不動産契約の許可をもらいましょう。
許可が下りると転居に必要な契約費や家賃などの住宅扶助の給付を了承してもらえます。
不動産会社で物件探しをする
役所からの許可が下りたら、いよいよアパート探しです。
事前に生活保護を受給している旨を伝えておくことで、入れる物件を紹介してもらえる可能性が高いです。
アパートを探す時は生活保護を申し込むエリア内で探す必要があります。
また、生活保護を受けていると費用に上限があるので、低額な物件から選ぶことになります。
低額な物件となると間取りや設備、駅からの距離など、自分が希望する条件に合致しないケースが多いので、譲れない条件と妥協する点を決めてアパートを探すようにしましょう。
内覧をして候補が決まったら、アパートの詳しい詳細や初期費用の見積もりを出してもらってください。
ケースワーカーに報告をする
入居候補の見積もりを提示してもらったら、役所のケースワーカーに報告します。
不動産会社からもらった見積書や契約書類などを確認してもらい、契約手続きを進める了承をもらってください。
決まったら契約をして審査をする
ケースワーカーからの了承を得たら、入居を希望するアパートと契約をします。
正式に契約できるかどうかは、大家さんや管理会社の審査の結果次第です。
生活保護受給者に対して厳しい目を持っている大家さんや管理会社は多いです。
不動産会社に保護を受ける旨とその理由をしっかり伝えておけば、説得してもらえるので、生活保護を理由に審査を落とされる可能性は下がります。
また、保証人がいればいないケースよりも審査は通りやすくなるでしょう。
保証人を立てられないケースでも保証会社の審査を通過していれば、大家さんや管理会社の入居審査が通る確率は上がります。
無事に審査が通ればいよいよ賃貸借契約です。
入居にあたり初期費用の支払いが発生するので、ケースワーカーに報告して費用が整う日を確認してください。
それに合わせて賃貸契約日を決定し、その日に不動産会社で契約と支払いを完了させましょう。
引っ越し会社を決める
アパート契約が完了したら、入居日に合わせて引っ越しの準備を始めます。
引っ越しを手伝ってくれる人がいない場合や大きな家具・家電を運ぶ場合は、引っ越し会社への依頼が必要です。
引っ越しの費用も住宅扶助費に含まれるので、見積書はケースワーカーに提出しなければなりません。
会社ごとに設定されている料金は異なり、数ある会社の中から安い業者を選ぶ必要があります。
そのため、複数の会社から見積もりを取った上で安い業者を選び、それを証明するためにも全ての見積書をケースワーカーに提出するようにしてください。
転居完了
引っ越し会社への依頼と引っ越し費用の受け取りが完了したら、契約したアパートへの転居です。
転居が完了したら、引っ越し会社から発行された領収書は必ずケースワーカーに提出してください。
後は毎月生活費と共に家賃が支給されるので、滞納に注意しながらアパートで生活していきましょう。
アパートに入居するまでの手順を見てきましたが、度々ケースワーカーに報告と許可を得なければなりません。
その点は普通の入居契約よりも煩わしさがあります。
しかし、生活保護受給者との賃貸契約の実績が豊富な不動産会社であれば、個人の事情も踏まえた上でスムーズに契約ができるようにサポートしてもらえます。
アパート探しをする際は、不動産会社に実績を聞いてみると良いでしょう。
まとめ
今回は生活保護受給による生活の変化やアパートへの入居事情についてご紹介しました。
やむを得ない事情から生活が困窮してしまった場合、生活を保証してもらえる生活保護は人々に必要不可欠な制度です。
あくまでも最低限の生活しか保証してもらえないので、アパート契約は通常よりも厳しくなってしまいます。
しかし、生活保護を受けているからアパートに入れないことはありません。
生活保護に理解があり、寛大な大家さんや管理会社、不動産会社は多く存在します。
むしろ生活保護を受けている事実を隠している方が不利になってしまうので、保護を受ける理由や就職をする予定などを正直に伝えて、理解を得てもらうことが重要です。
ケースワーカーとも相談しながら、実績の多い不動産会社に自分が入れるアパート探しを手伝ってもらいましょう。