安定収入が得られ、将来の資産とするためにマンション経営をしている方はたくさんいるでしょう。
マンション経営には様々なメリットがありますが、少なからずリスクがあることも理解しておかなければなりません。
マンション経営で失敗しないようにするためにも、新築・中古に関わらずマンションの寿命はチェックしておくべきです。
今回はマンションの耐用年数がどのくらいなのか、平均寿命や古い物件を運用する際のポイント、マンションをできるだけ長く運用する方法などについてご紹介します。
マンション経営を行っている方はもちろん、マンション経営を検討している方もぜひ参考にしてみてください。
Contents
マンションの耐用年数について

マンションの耐用年数は、一概に何年と決まっているわけではありませんが、法定耐用年数・物理的耐用年数・経済的耐用年数といった3つの考え方から具体的な期間を把握することができます。
ここでは、この3つの考え方をもとに、マンションの耐用年数が何年なのか見ていきましょう。
法定耐用年数
法定耐用年数は、会計上で減価償却費を計上できる期間を表します。
1998年の税制改正によって、鉄筋コンクリート造のマンションの法定耐用年数は47年として定められています。
47年は、マンションが毎年減価償却されていくことで最終的に物件の価値がゼロになる年数を示します。
ただ、法定耐用年数を経過していて物件の価値がゼロになったからと言って、物件の性能が落ちたり、居住者が住み続けることができなくなったりするわけではありません。
つまり、法定耐用年数は寿命を示しているわけではないのです。
明確な年数が設定されているものの、法定耐用年数はあくまでも会計上の考え方となっているため、参考程度にしておくというのも良いでしょう。
物理的耐用年数
物理的耐用年数は、マンションが物理的に利用できる期間を表します。
明確な年数が決められているわけではありませんが、国内の建築技術は年々発展し続けているため、鉄筋コンクリート造のマンションならば100年以上と言われています。
ただ、これは新築のマンションのことであり、50年前に建築されたマンションや中古マンション等では、当時の建築技術をもとに物理的耐用年数を把握しておくと良いでしょう。
新築マンションならば、経年による劣化がないため物理的耐用年数も長期になります。
中古マンションであっても、構造躯体や防水・仕上げ、配管工事など、定期的なメンテナンスを実施している場合は、物理的耐用年数も長くなります。
年数が経過すればメンテナンス費用もふくらんでしまいますが、建物を維持させようと思えば物理的耐用年数を延ばすことは可能です。
経済的耐用年数
経済的耐用年数は、マンションに経済的な価値が残っている年数を表します。
法定耐用年数と類似しているようにも感じるかもしれませんが、明確な違いは社会情勢の変化によるかどうかです。
法定耐用年数は減価償却費が計上できる期間を示しますが、経済的耐用年数は減価償却費が計上できる期間であっても、社会情勢の変化によって取り壊しされるケースを指しています。
実際に、2016年には日本初の分譲マンションとして注目を浴びた「宮益坂ビルディング」が65年で取り壊しとなりました。
これは、周辺の再開発や区画整理など、周辺整備が要因となっています。
このように経済的な寿命を迎える物件は少なくありません。
物理的耐用年数ではマンションの寿命は100年以上とされていますが、それを経過することなく経済的な寿命を迎えるケースもあるのです。
耐震性で寿命を見ることも可能
マンションの耐用年数を考える時には、耐震性について注目する方も多いでしょう。
一概に何年という明確な設定はなされていませんが、寿命の観点で言えば、耐震性もひとつの考え方になります。
国内では、1981年を境に旧耐震基準から新耐震基準の建物の建設が始まりました。
1981年以降に建てられたマンションは、新耐震基準を満たしているため、旧耐震基準で建てられた物件よりもコンクリートの性能はもちろん、鉄筋の量や施工方法が異なっています。
もちろん、旧耐震基準だからといってそのマンションが弱いと言い切ることはできませんが、新耐震基準と比較すれば大きな地震にも耐えられる力が低いのは確かです。
旧耐震基準のマンションが耐震改修工事を施したとしても、新耐震基準で建てられたマンションと同等の耐震性を確保できるとは限りません。
直下型地震が発生した場合には、旧耐震基準で建てられたマンションは寿命を迎える可能性が高いでしょう。

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耐用年数を過ぎるとどうなってしまう?

先にも述べたように、耐用年数は物件が使用できなくなる年数ではありません。
耐用年数が過ぎたからと言って、マンションの性能が落ちるとは限らないのです。
では、耐用年数を過ぎてしまったマンションはどうなるのでしょうか?
法定耐用年数を過ぎた場合
法定耐用年数は47年と言われています。
仮に経営しているマンションが47年を過ぎた場合、法定耐用年数を超えているため、会計上の資産価値はなくなってしまいます。
物理的には問題はなくても、所有しているマンションを将来的に売却しようと思っている場合は、法定耐用年数を過ぎれば影響が出る可能性が高いでしょう。
また、住宅ローンを組む場合には、法定耐用年数までが最長で組める期間となります。
住宅ローンは最長35年(満80歳)まで組めることが一般的ですが、仮に築年数の古いマンションを経営する場合、築年数と法定耐用年数の差分が借入期間に影響されます。
例えば、築20年のマンションを購入する場合、法定耐用年数は47年のため、住宅ローンを組めるのは最長でも27年です。
そもそも、法定耐用年数の残存期間が短い場合は、経費計上できる期間も短くなるため、期待していた賃貸収入が得られない場合は経営が困難になる可能性もあります。
もちろん、法定耐用年数の残存期間が短かったり過ぎていたりしてもマンションに住めなくなるわけではありませんが、買い手が限定的になって購入を見送られる可能性は高くなるでしょう。
物理的耐用年数を過ぎた場合
物理的耐用年数を過ぎた場合、マンションに住み続けるのが困難になる可能性があります。
ただ、先にも述べたように、物理的耐用年数は定期的なメンテナンスを適正に実施していれば延ばすことが可能です。
50年以上前に建てられたマンションであっても、定期的なメンテナンスや改修工事等を続けたことによって、そうでない物件とは寿命に大きな差が生まれます。
そもそも、鉄筋コンクリート造のマンションは建設から100年を超えても物理的な耐久性には問題がないと言われています。
物理的耐用年数を過ぎたからと言って、すぐに使用できなくなることはほとんどありません。
しかし、いつまでも使用できるわけではないため、物理的耐用年数を過ぎた時点で、今後そのマンションをどうしていくのか検討する必要があるでしょう。
そのまま使用し続けるとしても、不具合があってもそのまま使用するのか、大規模修繕を行うのかといった選択肢があります。
マンション経営を行う際には、物理的耐用年数を含め将来を見越して慎重に判断していくことが大切です。
経済的耐用年数を迎えた場合
経済的耐用年数は、法定耐用年数を参考にした上で、実際に経済的に活用できるのが何年なのかを表しています。
法定耐用年数は税法上で判断される年数ですが、経済的耐用年数は物理的・機能的・経済的要因を総合的に判断した上で経済的に稼働できるのかいつまでかを算出します。
そのため、法定耐用年数よりも長期間で判定されるケースも多いです。
住宅ローンを組む場合、法定耐用年数だけでなく経済的耐用年数を元に借入期間が設定されることもあります。
その理由は、将来的にオーナーが返済困難となった場合に、対象のマンションを売却して残債を返済に充てるためです。
法定耐用年数はもちろん、経済的残存耐用年数が過ぎた場合は、住宅ローンの借入はまずできないと考えて良いでしょう。
年数に関係なく、社会情勢や周辺の再開発や区画整理など、周辺整備によってマンションが解体されたり、建て替えされたりする可能性も十分にあります。
寿命を迎える前に取り壊しの対象になるのは、耐震性能などが建築基準法で定められた水準を満たしていない物件も多いです。
旧耐震基準のままで、耐震改修工事を実施していない場合は、対象となったり、大規模修繕工事が行われたりする可能性が高いでしょう。

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寿命を迎えたマンションはいったいどうなる?

構造や建設時の年代、修繕の有無などによってマンションの寿命は大きく変わります。
では、マンションが寿命を迎えた場合はどうすれば良いのでしょうか?
取り壊し
築年数による寿命から、マンションが住み続けられなくなった際には、取り壊しになる場合があります。
2011年時点では、コンクリート造の物件は50年~60年程度が寿命だと言われていますが、中には老朽化で築30年~40年程度で取り壊しになるケースもあります。
法律や建築技術の違いなど、取り壊しになる理由は様々です。
仮にマンションのオーナーが取り壊しという判断をした場合、すべての住民に引越しをしてもらわなければなりません。
しかし、住民全員が取り壊しに賛成するとは限りません。
解体後の入居先に問題があるからです。
取り壊しをする際には、居住者のうち5分の4以上の賛成が得られれば可能になります。
マンションの取り壊しは何度も経験するものではありませんが、実際に行う場合は十分に理解を得られるよう努めなければなりません。
修繕して使用を続ける
マンションは、寿命を迎えたからと言って住めなくなるわけではないため、修繕して使用を続けるといった選択肢もあります。
特にマンションの新築当初から居住している住民は、寿命を迎える頃には高齢となり、転居することにも消極的になる可能性が高いです。
そのため、修繕してできるだけ長く住んでもらえるようにするというオーナーも多いのです。
マンションを修繕する場合、居住者全員で積み立てた修繕積立金を使用して行います。
軽微な修繕であれば居住者の1分の2の賛成が得られれば可能ですが、大規模な修繕の場合は4分の3以上の賛成が必要となります。
築年数が古くなればなるほど修繕積立金は高くなりますが、それでも修繕し切れない場合は修繕積立金とは別に費用を拠出しなければなりません。
建て替え
老朽化し、寿命を迎えたマンションは大規模修繕を行うよりも建て替えした方が良い場合も多いです。
建て替えをして新築マンションになれば、寿命を気にすることなく安定した経営ができるため、建て替えを検討するオーナーも多いでしょう。
しかし、建て替えの場合は一戸あたり1,000万円と高額な費用が発生し、その他にも仮住まいや引越し代など、経済的な負担が大きくなります。
ただ、建て替え前よりも住戸を増やす場合は、住戸の販売費用を建て替え費用に充てることができるため、費用負担軽減につながります。
新しく住戸を増やせる立地環境であるなら、思い切って戸数を増やすというのも方法のひとつです。
また、建て替えをする場合は、居住者の5分の4の賛成を得る必要があります。
建て替えにはマンションの解体・建築費用として居住者負担も必要となるため、高額な費用に加え仮住まいなどの労力から、反対する人も少なくありません。
決議が取れなければ建て替えは困難となるため、現在は築年だけを経過していくマンションも多くなっており注意が必要です。
売却
マンションの寿命が来た場合には、不動産会社に売却するという方法もあります。
不動産会社に売却して得られた利益は、マンションの居住者に分配します。
居住者はその費用を使って引越し費用に充てられますが、問題は寿命を迎えたマンションを売却しても利益がほとんど残らない可能性があることです。
不動産会社は、マンションを買い取った場合は解体し、新たにビルやマンションを建設するケースが多いです。
その際、取り壊し費用は元々マンションに居住していた住民が負担することになるため、売却益が少なくなってしまうのです。
こうした理由から居住者が反対することも多く、現実的ではありません。
売却して少しでも利益を得ようと思っても、実際には実現しない可能性が高いでしょう。

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マンションの寿命を決める要素

マンションの寿命は様々な要素によって決まります。
具体的には以下の要素がマンションの寿命に大きな影響を与えています。
・耐震基準
・配管の状態
・コンクリートの状態
・日々のメンテナンス
・建物の立地
それぞれの要素について詳しくご紹介していきましょう。
耐震基準
マンションを含む住まいには耐震基準が設けられています。
耐震基準は地震による倒壊リスクをできるだけ回避するために設けられた、建物の強度基準です。
法律によって耐震基準が決められているため、万が一基準を下回っていると、その建物の管理者は罰則を受けてしまうことになります。
耐震基準は3つあり、1981年5月31日以前に建てられた建物は「旧耐震基準」、1981年6月1日以降に建築確認申請が受け入れられ、建てられた建物は「新耐震基準」、2000年の建築基準法改正以降に建てられた建物は「新・新耐震基準(2000年基準)」に分かれます。
旧耐震基準とは
旧耐震基準は1950年に制定されたもので、中地震(おおむね50年に一度発生する地震)で倒壊しない程度の強さが基準です。
中地震の定義はわかりにくいですが、建物の重量などから計算する係数を用いると、震度5程度の揺れではないかという認識となっています。
新耐震基準とは
新耐震基準は1978年に発生した宮城県沖地震の被害を受けて設けられた耐震基準です。
以前は「中地震で倒壊しない程度の強さ」が基準でしたが、新耐震基準では「中地震でほとんど損傷しない程度の強さ」が求められるようになりました。
「ほとんど損傷しない」とは、軽微なひび割れ程度に収まる損傷を指します。
そのため、旧耐震基準よりも新耐震基準で建てられたマンションの方が耐震性は高く、マンションの寿命も長くなりやすいです。
新・新耐震基準(2000年基準)とは
新・新耐震基準とは、2000年の建築基準法改正によって設けられた新たな耐震基準を指します。
この基準は1995年に発生した阪神淡路大震災で新耐震基準によって建てられた多くの住まいが倒壊・半壊したことを受け、木造住宅をメインに制定された基準です。
例えば地盤調査の規定内容が充実したり、地盤の耐力に合わせた基礎構造にしたりするなど、様々な規定が示されています。
ただし、これらはあくまでも木造住宅がメインとなるもので、マンションの建築には該当しません。
つまり、マンションの耐震基準を見る場合は新耐震基準が適用されているかで判断することになります。
配管の状態
マンションの寿命を決める要素として、配管の状態も挙げられます。
マンションの配管は普段チェックできない場所に設置されているため、気付いた時には建物に影響を及ぼすほどのトラブルに発展しているケースもあります。
配管の寿命はおおむね30~40年と言われているため、定期的なメンテナンスや取り替えを行う必要があるでしょう。
また、1960年~1970年代に建設されたマンションだと、配管をコンクリートの中に埋め込んでしまっている場合もあります。
配管が埋め込まれていると取り替え工事を行えません。
取り替え工事が行えるのか、改めて確認しておきましょう。
マンションの配管に使われている素材は様々です。
それぞれの素材で耐用年数は異なります。
鉄管:15~20年
鉛管:15~20年
銅管:20~25年
ステンレス管:30~40年
硬質ポリ塩化ビニル管:20~25年
架橋ポリエチレン管:30~40年
ポリブデン管:30~40年
素材の中でも鉄・鉛・銅が用いられた金属管は寿命が短いことに加え、ピンホールや接続部などから水漏れを引き起こすリスクも高いです。
また、金属管は錆びや腐食が発生するリスクもあるため、近年は樹脂製の配管が使用されるようになってきました。
ただし、寿命が比較的長い樹脂製であっても、経年劣化によって水漏れが発生するリスクはあります。
コンクリートの状態
マンションの建築に使われているコンクリートの状態をチェックすることも大切です。
一般的にマンションはコンクリートを使って建設されているものが多く、コンクリート自体の寿命は100年以上になると言われています。
しかし、いくら頑丈なコンクリートを使っていても、経年によって空気中の二酸化炭素によりアルカリ性が失われ、中性化してきます。
コンクリートがアルカリ性から中性化していくと中に入っている鉄筋が錆びやすくなり、建物の耐久性に大きな影響を与えてしまうでしょう。
また、コンクリートのセメントに対する水の比率、単位水量、鉄筋に対してコンクリートの厚さはどれくらいかなども耐久性に関わってくる要素です。
コンクリートの良し悪しは素人では判断することは難しいため、専門家に調査を依頼する必要があります。
住宅診断士による住宅診断(ホームインスペクション)を依頼することで、第三者かつプロの視点から客観的にコンクリートの状態を判断してくれるでしょう。
日々のメンテナンス
日々のメンテナンスもマンションの寿命に大きな影響をもたらします。
近年建設されたマンションであれば長期修繕計画書に伴って定期的なメンテナンスが行われているはずです。
しかし、築年数の古いマンションになると長期修繕計画書が作成されておらず、劣化が目立ってきた箇所や不具合が発生してから修繕しているマンションもあります。
このような物件は何か不具合やトラブルが起きないと修繕工事を行わないため、日々のメンテナンスも疎かになっている可能性が高いです。
定期的にメンテナンスをしていないとマンションの耐久性は落ちてしまうので注意しましょう。
建物の立地
一見寿命と関係なさそうな建物の立地ですが、立地や周辺環境によっては耐久性に影響を与える可能性があります。
例えばマンションから海が近い場合、景色はいいかもしれませんが塩害の被害を受けてしまう恐れがあります。
塩害とは、潮風の影響で建物に海の塩や砂が付着し、様々な悪影響をもたらすことを言います。
例えば塩害によって建材が錆びたり、塗膜が剥がれたりするスピードが速くなってしまうため、定期的な点検・修繕が欠かせません。
特に外壁塗装は塩気からマンションを守るためにも重要な施工となります。
また、海に近い立地は湿度も高くなりやすく、カビ・結露なども起こりやすいです。
海に近いマンションの場合、湿気対策も行う必要があります。
他にも立地的に日当たりが悪いケースもあります。
日当たりの悪い物件は人気がないため、入居者が増えないリスクがあります。
また、日当たりの悪さから湿気がいつまでも溜まってしまい、カビが発生しやすくなってしまいます。
このように、建物の立地・周辺環境によってはマンションの寿命が速まってしまう可能性もあります。
マンションの立地なども考慮し、その環境に適した対策を行うことが重要です。

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減価償却に関する知識も大切

マンションの耐用年数について知る上で、「減価償却」も重要な要素となります。
減価償却について知っておくと、マンションの資産価値はどれくらいあるのかなども把握できます。
減価償却とは?
減価償却とは、固定資産を使用可能期間に合わせて少しずつ費用を分割し、計上することを指します。
減価償却によってマンション経営の利益を正確に算出できるようになります。
例えば2024年にマンションを購入した場合、まとめて計上してしまうと2024年が赤字になってしまいます。
実際は赤字ではなく必要経費となるため、正しい財務状態にあるとは言えません。
しかし、減価償却費として計上すれば2024年に300万円、2025年に300万円…といった形でマンションを使用できる期間で分割して計上すれば、費用と収益で起こり得る矛盾を回避できます。
減価償却の対象
マンションの購入費用すべてが減価償却の対象になるわけではありません。
基本的に減価償却費として計上できるのは、マンションの建物部分となります。
そのため、マンションを土地と建物で分けて経費計上する必要があります。
また、建物を本体と設備に分けることも重要です。
本体はマンションの躯体部分を指し、設備は電気設備、給排水設備などを指します。
本体と設備を分ける理由は、それぞれで耐用年数が異なっており、減価償却の期間も異なるためです。
万が一中古マンションで建物の本体と設備の区分が難しい場合は、設備を本体に組み込んだ上で減価償却費として計上することになります。
マンションの減価償却費を計算する方法
マンションの減価償却費を計算するには、以下の流れで行います。
ここでは計算方法について詳しく解説していきましょう。
建物のみの価格を算出する
マンションの減価償却費を計算するためには、まず土地と建物を分けて建物のみの価格を出しておかなくてはなりません。
基本的には売買契約書などに「土地評価額」「建物評価額」としてそれぞれ記載されていますが、場合によっては記載されていないケースもあるでしょう。
そのような時は以下の方法から建物の価格を算出します。
・譲渡時の土地や建物における時価の比率に基づいた按分
・相続税評価額や固定資産税評価額を基準にした按分
・土地や建物の原価(取得費・造成費・一般管理費・販売費・支払利子など)を基準にした按分
減価償却方法を選ぶ
建物の価格を算出したら、次に減価償却方法を選びます。
減価償却方法は定額法と定率法の2種類があり、2016年4月1日以降に購入したマンションだと本体と設備のいずれも定額法しか選択できません。
2016年3月31日以前に購入したマンションであれば建物本体は定額法、設備は定額法または定率法を選べます。
耐用年数を計算する
新築マンションの場合、国税庁によって法定耐用年数が定められています。
建物本体:47年
建物の設備:15年
中古マンションの場合はそれぞれで耐用年数を算出しなくてはなりません。
耐用年数の計算は築年数が法定耐用年数を超えているか、超えていないかで異なります。
法定耐用年数を超えている場合、法定耐用年数に20%をかけて年数を算出します。
法定耐用年数で計算するため、築50年であっても60年であっても耐用年数の結果は変わりません。
【本体】
47年×20%=9年(端数切り捨て)
【設備】
15年×20%=4年
一方、築年数が法定年数を超えていなかった場合、建物の本体と設備はどちらも築年数に80%をかけ、その数字を法定耐用年数から差し引いたものが耐用年数となります。
例えば築15年のマンションを購入した場合の計算方法は以下のとおりです。
【本体】
47年-(15年×80%)=35年
【設備】
15年-(15年×80%)=3年
また、建物本体の築年数は法定耐用年数を超えていないものの、設備の法定耐用年数を超えていた場合の計算方法は以下のとおりです。
※築20年のマンションで計算
【本体】
47年-(20年×80%)=31年
【設備】
15年×20%=4年
減価償却費を算出する
新築マンションであれば建物本体・設備の価格と法定耐用年数があれば減価償却費を算出できます。
中古マンションの場合は他にも償却率を確認しなくてはなりません。
償却率は国税庁の「減価償却資産の償却率表」に記載されています。
築20年のマンションを本体5,000万円・設備400万円で取得した場合の減価償却費は以下のとおりです。
【本体】
購入費:5,000万円
耐用年数:47年-(20×80%)=31年
償却率:0.033
5,000万円×0.033=165万円
【設備】
購入費:400万円
15年×20%=3年
償却率:0.334
400万円×0.334=133.6万円

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マンションを長く運用するための対処法はある?

マンションを少しでも長持ちさせて運用するためには、定期的な点検と修繕は欠かせません。
マンションを修繕するためには修繕積立金が必要となります。
近年は修繕積立金が不足してしまい、修繕したくてもできない状況に陥っているマンションが増えています。
このような状況に陥らないためにも、長期修繕計画を見直すことが大切です。
ただし、修繕計画の内容によっては入居者全員から協力を得られなくなる可能性があります。
そうならないためにも早い時期から管理組合の中で専門委員会を発足させ、入居者全員にとって無理のない修繕積立金となるよう考慮しなくてはなりません。
長期的にマンションを運用するためにも、早めに対策を講じておきましょう。
今回はマンションの耐用年数についてご紹介してきました。
マンションの耐用年数と実際の寿命はイコールになりません。
例えば耐用年数は40年だったとしても、50年以上状態を保っているマンションも存在します。
その一方で、耐用年数より年月は経っていないのに寿命を迎えてしまうマンションもあるでしょう。
マンションの寿命を決める要素は様々ですが、定期的なメンテナンスと適切な修繕を行うことで長く運用させることも可能です。
特に修繕では積立金なども必要となってくるため、長期修繕計画の見直しを図ることは重要となります。
長期修繕計画の見直しを行いつつ、適切なメンテナンス・修繕を行って大切なマンションを守っていきましょう。