賃貸アパートやマンションの浴槽が、経年により傷んできたり、汚れが目立ってきたりして、浴槽のリフォームを考えているオーナーの方もいるでしょう。
しかし、浴槽を交換する際は、現在の浴槽の種類や工法を把握しておかないと、予想以上に費用がかかってしまうかもしれません。
そこで、今回は浴槽の種類や工法などの基本から、交換工事の流れや注意点などを解説していきます。
浴槽のリフォームを考えているオーナーの方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
まずは浴槽の基本を押さえよう
浴槽は、材質や形状によって価格や使い心地などが大きく異なるので、その特徴を理解しておくことが大切です。
まずは、どのような種類があるのかみていきましょう。
浴槽の材質
浴槽の材質で代表的なものは、以下の5種類です。
FRP
FRPとはガラス繊維強化プラスチックのことをいい、浴槽の材質としては最も多く使われています。
軽い樹脂素材で、滑らかな手触りが特徴です。
比較的手頃な価格で、需要も多いことから色や形の種類が豊富という点がメリットですが、汚れが付着しやすくお手入れには注意が必要というデメリットもあります。
人造大理石
人造大理石も浴槽の材質として人気が高く、天然大理石のような風合いが魅力です。
主にアクリル系とポリエステル系があり、アクリル系の方が価格は高めですが、より滑らかな手触りと透明感を感じられます。
汚れが付きにくくお手入れも簡単なため、特別乱暴な使い方をしない限り、長期間にわたって綺麗な表面を保てます。
ホーロー
ホーローは、鋳物や鋼板の表面をガラス質の釉薬(ゆうやく)でコーティングしたもので、食器やポットなどにも使われています。
保湿性が高いことやカビが生えにくいのがメリットですが、比較的高価なこと、重い材質のため2階以上の浴室には設置できない可能性があることに注意が必要です。
ステンレス
浴槽の材質の中で、最も安価なものがステンレスで、傷やサビに強いため綺麗な表面を維持しやすいのが特徴です。
しかし、金属的な見た目から浴室の雰囲気にこだわりたい方には、不向きと言えます。
最近は、金属特有の手触りを抑えるため、底面エンボス加工を施すなどの工夫がされた製品も出てきました。
木製
浴槽として使われる木には、ヒノキやマキ、ヒバなどがあり、このうち最も人気が高いのは高級感のあるヒノキです。
従来の木製の浴槽は、腐りやすく維持するのが難しいものでしたが、現在は特殊な加工を施すことで手入れがしやすくなっている製品もあります。
浴槽の形状
浴槽の形状にも、以下のように多くの種類があります。
今回は7種類の形状について解説していきます。
ストレート
浴槽の形状で最もスタンダードで、基本的に深めの設計になっているので、お湯をたっぷり張り肩まで浸かるのに適しています。
浴室がシャープで、すっきりとした印象になることも魅力です。
ラウンド
ラウンドラインの浴槽は、全体的に丸みを帯びていて、柔らかい印象が特徴です。
浴槽上部が広がった造りになっていることが多く、腕を広げたり背中を委ねたりでき、ゆったりした姿勢で入浴できます。
Sライン
浴槽の内側にS字型の段差が付いている浴槽をSライン浴槽といい、入浴する際は、その段差に腰掛けたり、足をのせたりして自由なスタイルで楽しめます。
また、段差がある分、浴槽内に張るお湯の量が少なく済むので節水にも役立ちます。
ワイド
ワイド浴槽は、通常タイプよりも広めに設計されていて、1人で広々と入浴できるのはもちろん、親子で入浴する時にも余裕を持って入れます。
入浴しながら、全身のストレッチなどをするのにも十分な広さです。
コーナー
コーナー浴槽とは、扇のように斜めに張り出した形状で、浴室の隅にぴったりフィットさせて設置することができます。
個性的な形ですが、限られたスペースでも洗い場を広く確保したい方におすすめの浴槽です。
アーチ
アーチ型は、美しい曲線面が魅力の浴槽です。
また、アーチ部分が薄くなっていることによって、浴槽を手で掴みやすいという機能も兼ね備えていることから、子どもやお年寄りにも配慮した設計となっています。
ななめ
洗い場に面している辺が、ななめになっている浴槽もあります。
こちらは浴槽でまっすぐ足を伸ばしたい方におすすめです。
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在来工法とユニットバスの違い
浴室は、主に在来工法とユニットバスの2種類があり、どちらの工法かによって、浴槽の交換の仕方も異なります。
そこで次は、在来工法とユニットバスの違いについて確認しておきましょう。
在来工法
在来工法は、一般的に戸建て住宅に用いられてきた昔ながらの工法ですが、築30年以上経過しているような古いマンションなどでもみかけます。
浴室の床や壁にタイルが張られていて、さらに古いと浴槽もタイル張りということもあります。
タイルは、防水性は高いものの、冷たいので寒さを感じやすいことや、タイルの目地が汚れやすいことが欠点でした。
しかし近年は、ヒヤッとしにくいタイルや、抗菌仕様のタイルなどが開発されています。
最大のメリットは、好みのタイルや浴槽を組み合わせ、オリジナルの浴室を造れることです。
タイルのデザインや大きさも様々で、大判なタイルを取り入れ高級感のある浴室に仕上げたり、ヒノキ風呂や大理石など浴槽を取り入れ温浴施設のような雰囲気にしたりすることも可能です。
さらに、窓の形状や手すりの位置、浴室の高さまで広さや形状、メーカーに関わらずこだわりの空間を実現できます。
デメリットは、経年によって防水性が衰えてくるため、防水処理を徹底しないと浴室周りに水漏れが起きる恐れがあるところです。
技術のある様々な職人に施工してもらう必要があることから、工期が長くなりがちで材料費や人件費においてもコストが高めです。
また、定期的なメンテナンス費用もかかるため、現代では戸建て住宅であっても機能性や防水性、コストなどを考慮してユニットバスを採用するケースが増えています。
ユニットバス
ユニットバスはシステムバスとも言われ、アパートやマンションなどの賃貸物件に多い工法です。
浴室の壁や床、天井、浴槽などのパーツをセットで製造して、それらを施工場所で組み立てるだけで済むため、短い工期で完成させることができます。
ユニットバスには、浴室だけが独立している1点ユニットバスや、浴室内に洗面台が付いている2点ユニットバス、浴室内に洗面台とトイレが収まっている3点ユニットバスの3種類があり、このうち賃貸物件に最も多いのが3点ユニットバスです。
ユニットバスの壁はパネルを使用していて、寒冷地では断熱効果を高めるため、断熱材パックというようなオプションの選択も可能です。
色のバリエーションも豊富で、4面同色で揃えずに1面のみ色やデザインを変え、アクセントを付けるという方も増えています。
浴槽や床も壁に合わせて色を選択でき、その組み合わせの自由度も上がってきています。
パーツが一体化していることで気密性に優れ、冬場でも温かさを維持できます。
床はFRP素材を使用していることが多く、防水性に優れています。
床表面の渇きが早いことも特徴で、掃除もしやすいです。
ただし、用意されている商品の中から選ぶことになり、規格外のパーツや設備には対応できません。
また、工事の完了後に新しい設備を追加したい時には、天井や壁の解体などの大掛かりな工事が必要になる可能性もあります。
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ユニットバスの浴槽は交換できるのか?
浴槽の基本や在来工法との違いがわかったところで、続いては賃貸アパートやマンションの浴槽だけ交換できるのかについて解説します。
ユニットバスのタイプや交換の可否について紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
ユニットバスのタイプ
ユニットバスには、主に据え置き・埋め込み・半埋め込みの3種類あります。
・据え置き
浴室の床の上に、浴槽をそのまま置いてあるタイプを据え置き型と言います。
海外ドラマなどで見かける、猫足のバスタブというと想像しやすいかもしれません。
デザイン性の高い浴槽を設置し、オリジナリティのある空間を作りたいという方に人気があります。
・埋め込み
浴室の床と同じ高さまで浴槽を埋め込んでいるタイプを埋め込み型と言います。
据え置きタイプに比べて空間が広く見えるという特徴がありますが、洗い場が近い場合、体を洗う際に出た泡や湯水が浴槽に入りやすいのが難点です。
・半埋め込み
浴槽の2/3程度を床面に埋め込んでいるのを半埋め込み型と言います。
床からの高さが約30~40cmなので、お年寄りや小さな子どもでも入浴しやすいのが特徴です。
据え置き型なら交換できる
据え置き型であれば、浴槽の交換は非常に簡単です。
ただ浴室の床に置いてあるだけなので、同じような据え置き型を選べば、リフォームしたい時にいつでもすることが可能です。
埋め込み型・半埋め込み型はユニットバス全体の交換が必要
ユニットバスには置き型と埋め込み型、2つのタイプがあります。
置き型の場合、同じメーカーの同じタイプの浴槽であれば、交換することが可能です。
交換を希望する場合は、メーカーに同じ浴槽があるか確認しましょう。
一方、埋め込み型は、壁や床と一体化しており、交換するには壁や床を撤去したり作り直したりしなければいけないため、浴槽だけを交換するのは難しいです。
また、埋め込み型の浴槽に交換を検討するようなトラブルが生じている場合、その他の部分の劣化が進んでいることも多いです。
浴槽を交換するのであれば、思い切って浴室を丸々リフォームした方が良いでしょう。
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賃貸物件で浴槽の交換が必要なケース・不要なケース
次に、賃貸物件における浴槽交換が必要なケース・不要なケースについて詳しく解説していきます。
場合によっては不要なケースもあるので、自身の賃貸アパート・マンションが該当するかチェックしてみましょう。
浴槽交換が必要なケース
基本的に浴槽そのものが故障しない限り、交換しなければならない事態はそう多くありません。
交換を必要とするのは、浴槽がひび割れた、落ちない汚れがある場合などです。
浴槽がひび割れた
老朽化や重いものを落としたのが原因で浴槽がひび割れた場合、そのまま使い続けると、床下にまで水が漏れ、腐食やカビをはじめ、シロアリが発生する原因になります。
階下に影響を及ぼす可能性もあるため、早めに交換することをおすすめします。
ひび割れが軽度であれば補修で何とかなる場合もありますが、後々トラブルになることを防ぎたいなら、事前に交換しておいたほうが安心です。
クリーニングで対応できない汚れがある
入居者の使い方に問題があり、浴槽にクリーニングをしても落ちないほどの汚れがある場合も浴槽の交換を検討した方が良いでしょう。
例え機能に問題がないとしても汚れがついたままでは、次の入居者が見つからない可能性があります。
浴槽交換が不要なケース
浴槽交換が不要なケースには、どのようなものが挙げられるのでしょうか?
ここでは、浴槽交換が不要なケースについてご紹介します。
蛇口から水漏れが発生している
蛇口から水漏れが起き、湯船がうまく溜められないケースもあるでしょう。
しかし、このような場合、問題があるのはあくまでも蛇口です。
蛇口の修理や交換をすれば、再び以前と同じように使い続けることができるため、浴槽を交換する必要はありません。
シャワーヘッドから水漏れが発生している
シャワーヘッドからの水漏れも蛇口と同様です。
問題があるのはシャワーヘッドであり、浴槽自体には何の問題もなければ、浴槽を交換する必要はありません。
シャワーヘッドを交換したり、接続部を修理したりするなどして対応しましょう。
排水口が詰まる
排水口が詰まり、うまく水が流れない場合も浴槽の交換は不要です。
浴槽に問題があるのではないかと思われるかもしれませんが、実際に問題があるのは排水管です。
排水口に何か詰まっていないか確認してみてください。
また、見えない部分に汚れが詰まっていることもあるため、普段手が届かず掃除ができていない部分を掃除するなどすると良いでしょう。
浴槽に水垢がこびりついている
浴槽に水垢がこびりついて落ちない場合、交換するしかないのではと考えがちです。
しかし、水垢専用の洗剤や掃除用具を使うことで、こびりついた水垢を落とせる場合があります。
それでも難しい場合は、クリーニングの専門業者に依頼すると良いでしょう。
水垢であればクリーニングで対応できることがほとんどです。
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賃貸物件の浴槽交換は大家と入居者、どちらが負担するもの?
長い期間アパートを貸し出していると浴槽が破損してしまうこともあり、丸ごと交換が必要になるケースも出てきます。
こういった場合、大家と入居者はどちらが費用を負担するのか、ケースごとに確認していきましょう。
原状回復とは?
入居者と大家さんの間で、どちらが負担するのかを判断する前に、原状回復の考え方について知っておきましょう。
住んでいた部屋を住み始める前の状態に戻す、つまり本来の部屋の状態に戻すことを原状回復と言います。
入居者には、退去の際に原状回復の費用を負担する義務があります。
しかし、経年劣化や日常でできてしまった傷や汚れなどの通常損耗については、入居者が負担する責任はありません。
そのため、耐用年数を超えた使用による浴槽の故障や亀裂などは、原状回復に当てはまらず、入居者は交換費用を負担しなくて良いのです。
浴槽の耐久年数の目安
素材や状況によっても変わってきますが、一般的な浴槽の耐久年数は約20~30年と言われています。
あくまで目安なので、使用頻度が高かったりメンテナンスを怠っていたりした場合、耐久年数は短くなるでしょう。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると、浴槽の耐久年数は建物と同じ年数とされています。
木造建築の場合は22年になるので、この年数を参考にして入居者の負担割合を決めても良いでしょう。
通常の使用方法での耐久年数なので、もし入居者側の過失で浴槽を汚してしまったり、壊してしまったりした場合は、入居者側へ交換費用の負担が発生します。
大家さんが負担するケース
改めて、どういったケースで大家さんが交換費用を負担するのか確認します。
賃貸物件における浴槽は設備になるので、浴槽は大家さんの所有物です。
そのため、基本的には大家さんが修理・交換費用を負担することになるでしょう。
経年による浴槽の劣化で亀裂が入った場合、耐用年数を超えて浴槽が壊れてしまった場合なども入居者の使用に問題がなければ、大家さんが費用を負担することになります。
入居者が負担するケース
原状回復の義務はありますが、経年劣化や耐用年数が超えて浴槽が使えなくなってしまった場合の費用は負担する義務はありません。
ただし、あくまで通常の使用方法をしていた場合です。
入居者の過失による汚れ、破損など入居者に問題があった場合には、入居者が負担するケースもあります。
過去に、20年以上前に設置された浴槽に入居者が髪染溶剤を落として汚してしまったケースで、入居者側に支払い義務が発生しています。
本来であれば浴槽を交換する必要はなかったとして大家さん側の主張が認められたのです。
なお、交換費用の入居者の負担割合については、耐用年数を基準にして軽減される場合もあります。
過失による交換では、入居者側が負担するケースもあるということは理解しておきましょう。
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浴槽交換工事の流れ
浴槽の交換が必要になった際、スムーズな対応が取れるよう工事の流れも確認しておきましょう。
業者に依頼する
浴槽の交換は、大きな工事を必要とします。
信頼できる専門業者に見積りの依頼をしましょう。
念のため確認することをおすすめしますが、ほとんどの場合この見積もりの段階では費用はかかりません。
疑問点があれば質問し、接客態度や見積書の内容から依頼する業者を判断すると良いでしょう。
浴槽を解体・撤去する
新しく浴槽を交換するには、今ある浴槽を取り出す必要があります。
そのまま取り出せない場合には、分解して運び出します。
浴槽のタイプ別に交換方法は異なるので、確認しましょう。
・ユニットバス
壁や浴槽がセットになっているため、浴槽だけを取り出せません。
浴槽まわりの天井と壁を先に取り外してから、浴槽の入れ替えをし、再度天井と壁を元に戻す作業を必要とします。
・昔ながらの浴室がモルタルとタイルに埋め込まれている浴槽
木造建築で使われている床に埋め込まれた在来工法の浴槽の場合には、タイルとモルタルを壊して浴槽を取り出す必要があります。
・取り外しが簡易的なタイプの浴槽(据え置き型)
アパートなどで利用されている簡単に取り外しができる浴槽は、固定されていないので、手軽に浴槽交換が行えます。
壁や床を取り壊す
壊れた浴槽に関しては、分解し、小さく割って持ち運びしやすいよう処分しても問題ないでしょう。
しかし、新しい浴槽を取り付ける場合、サイズや形状によっては、浴室に通せないケースも出てきます。
そうなると壁を壊して入り口を広げたり、床も取り壊したりしなければなりません。
取り壊し作業が必要な場合、その分費用が発生するので注意しましょう。
下地を調整する
据え置き型の浴槽では不要ですが、新しく浴槽を設置する場合、下地を調整する必要があります。
勾配をつけて、水が流れるよう設置する場合や浴槽の高さ調整が必要な時など下地調整を行うので、下地調整用の費用が発生することも考慮しましょう。
新しい浴槽を設置する
取り付け方法によって、工事内容と費用が変わってきます。
もし埋め込み式の浴槽であれば、再度埋め込みが必要なので、その分材料と工事費が発生します。
壁や床を作り直す
もし浴槽を交換する際に壁や床を取り壊していたら、設置後に作り直す必要があり、費用もそれだけ高額になります。
新しい浴槽が入らず、取り壊しが必要な場合、浴槽交換ではなくユニットバスを一式入れ替えた方がコストを抑えられる場合もあるので、見積もりをとって検討してみても良いでしょう。
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浴槽交換時に注意したいポイント
浴槽交換の流れから、サイズや浴槽の種類によって値段が変わってくることがわかりました。
ここでは、不要な出費をしないためにも浴槽交換する上で、注意しておきたいポイントを押さえておきましょう。
搬入口・搬入経路のサイズを確認する
1番に注意を払いたいポイントが、新しい浴槽のサイズが通れる道を確保できるかです。
以前使っていた浴槽と容量が同じだとしても幅や形状によっては違いが出てきます。
浴室のドアから入れられない場合には、壁や床を取り壊して搬入しなければならず、その分費用がかさむので注意しましょう。
DIYでの交換はやめた方が良い
腕に自信のある方は、ネットの情報を参考にしてDIYで費用を抑えたいという方もいるかもしれません。
しかし、自分で対応した場合、見た目が悪くなるだけでなく、下地処理や塗装がうまくいかず、交換後すぐに補修が必要になる可能性も出てきます。
埋め込み式のタイルに隙間ができてしまった場合などは腐食しやすくなり、白アリが発生することもあります。
浴槽を長く使っていくためにも、専門の業者へ依頼するのが良いでしょう。
浴室全体のリフォームも検討する
新しい浴槽交換で、取り付け工事などで大きく費用が必要になった場合、浴室全体のリフォームを検討してみましょう。
ユニットバスへリフォームした方が、費用が安く済むケースがあるからです。
また、浴室全体をリフォームできるので、汚れが付きにくい床材に変更したり、段差などをなくしたり、生活スタイルに合った浴槽にリフォームすることも可能です。
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賃貸物件の浴槽を交換する際の相場と内訳
浴槽交換を検討している方は、交換に実際どれくらいかかるか知りたいことでしょう。
ここでは、浴槽交換の費用相場についてご紹介します。
浴槽交換では、先述したように浴槽の種類や設置状況によって費用が異なってきます。
かかる費用の内訳は以下のとおりです。
・新しい浴槽の価格:約20万~80万円(サイズや種類による)
・古い浴槽の処分にかかる費用:2万~10万円程度
・下地調整の費用:2万~5万円
・埋め込み工事の費用:5万~15万円
・壁、床など取り壊しと再構築費用:20万~30万円
交換する浴槽の本体価格について種類別に紹介します。
・FRP浴槽(約20万円)
現在主流の浴槽で、耐久性に優れ、カラー展開も豊富です。
・ホーロー浴槽(約40万円)
耐久性に優れ、カビが生えにくく、保温性が高い材質です。
・人工大理石(約80万円)
FRPの次に人気の商品で、耐衝撃性と耐熱性があり、長期に渡って使用することができます。
・ステンレス浴槽(約20万円)
材質が重いので、下地処理で補強工事が必要になるケースがあります。
耐久性が高く、汚れや臭いがつきにくいのはメリットと言えるでしょう。
・木製の浴槽(約50万円)
木製の浴槽では、見た目の安心感、温もりや香りを楽しめるメリットもありますが、手入れが不十分だとカビにつながりやすいです。
新しく交換する浴槽によっても費用が変わるので、予算に合わせて希望の浴槽を選ぶと良いでしょう。
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浴槽交換の費用を抑えたい場合のポイント
浴槽交換は大がかりな工事を必要とするので、よくわからずに業者へ依頼してしまうと無駄に費用が高くなってしまうケースがあります。
ここでは、交換費用を抑えるポイントについて確認していきましょう。
浴室リフォームの実績が豊富な業者に依頼する
水回りの工事なので、浴槽設置後も安心して使用するために、実績がある業者に依頼しましょう。
リフォーム業者と謳っていても、専門分野が異なる場合もあるので、ホームページなどを参照し、浴室リフォームを専門にした業者を選びます。
浴室メーカーに依頼することもできますが、仲介手数料などかかってくるので、直接浴室リフォーム専門の業者へ依頼することをおすすめします。
複数の業者に見積もりをとる
同じ内容で、複数の見積もりをとるのは面倒に感じるかもしれませんが、交換費用が適切か判断するためには非常に重要です。
業者によって見積もりの書き方や工事内容が異なります。
複数の業者の見積もりを比較することで、適切な金額や必要な工事についても見えてくるでしょう。
安すぎる見積もりに関しては、手抜き工事や追加料金が発生する場合もあるので注意してください。
相見積もりをすることで、担当者の対応からも信頼できる会社かどうかを見極められます。
最低でも3社程度は見積もり依頼をしましょう。
1ヶ所よりもまとめて交換した方がお得
もし交換が必要な浴槽以外にも、設置から年数が経っていて、交換時期に入っている浴槽があるのなら、まとめて交換することも検討しましょう。
複数の工事を依頼した場合、値引きが適用され、一件あたりの工事費用を抑えられる場合があります。
閑散期を狙って依頼する
リフォーム業界にも、繁忙期と閑散期が存在します。
繁忙期は1~3月で、閑散期はゴールデンウィーク明けなので、その時期を狙って交換依頼をしてみましょう。
キャンペーンなども活用すれば、工事費用を繁忙期の2/3程度に抑えることも可能です。
浴槽交換以外を頼みすぎない
浴槽の交換や浴室のリフォームをする際は、目的を明確にしておきましょう。
必要のない工事は費用がかさむ原因です。
予算やなぜリフォームを依頼するのかなど明確にして必要最低限の工事を依頼してください。
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浴槽交換業者を選ぶ際の3つのポイント
最後に、正しく浴槽交換業者を選ぶ際のポイントについて3つご紹介します。
市の指定業者として認められている
悪徳業者や実績のない業者へ依頼しないためにも、市の指定業者として認定されている業者を選びましょう。
必要のない追加工事や高額請求を回避できるだけでなく、その後のメンテナンスなども安心して任せられます。
地域密着型の業者
水回りのトラブルは、早急な処置が必要なケースが多いです。
メンテナンスなども含めて、アパートから近い業者に依頼するのが良いでしょう。
距離が近ければ出張代も抑えられるメリットもあります。
地元に根差した業者であれば、評判や実績などの情報も手に入りやすいです。
車で1時間以内の業者から選択すると良いでしょう。
見積もりの内訳が細かい
見積りの内容に「○○一式」とある場合、内訳について質問しましょう。
商品や工事内容がまとめて書かれてある場合、何がされているのか、どこにどれくらい費用がかかっているかなど読み取ることができません。
思っていた工事と異なった場合、追加で工事費用が発生する場合もあります。
口頭の説明だけではなく、内訳を明記してくれる業者を選ぶのも大切なポイントの1つです。
今回は、賃貸物件で浴槽を交換する場合について、注意点や業者選びに至るまで詳しく紹介しました。
浴槽の交換は、多額の工事費用がかかりますが、浴槽を新しくすることで、入居者を増やせる可能性もあります。
突然浴槽を交換しなければならないケースもあるので、この記事からポイントや注意点を押さえ、納得のいく浴槽交換ができるよう今から備えておきましょう。