入居者満足度に直結!アパート共用部の重要性とは?ありがちなトラブル対処法もご紹介!

アパートは、専有部分と共用部分によって成り立っています。
入居者の満足を高めるためには、プライベート空間となる専有部分にこだわりを持つだけではなく、入居者全員が使用する共用部分をしっかり管理することも大切です。
そこで今回は、アパートの共用部分の重要性やよくあるトラブルとその対処法について解説します。
入居率の高いアパート経営を目指したい大家さんは、ぜひ参考にしてください。

アパート共用部分とは?

アパート共用部

区分所有法において、アパートやマンションは専有部分と共用部分の2つに大別されます。
そもそも、アパートの共用部分とはどこを指すのでしょうか。
まずは基本知識として、アパート共用部分の定義や該当する部分についてご紹介します。

アパート共用部分について

共用部分とは、区分所有者(入居者)全員が使用できる部分のことです。
区分所有法では、専有部分以外の建物の部分や専有部分に属さない建物の付属物、区分所有法第4条第2項の規定で共用部分と認められた付属の建物と定義しています。
また、共用部分の種類は、法定共用部分と規約共用部分の2種類に分けることが可能です。
なお専有部分と共用部分では、責任の所在がそれぞれ異なります。
共用部分の場合、物件を管理する大家さんや管理会社、管理組合が管理の責任を負わなければなりません。
一棟の建物を専有と共用で区別する目的は、責任の所在を明確にして、建物内で起きたトラブルや損傷に対して適切な対応が取れるようにすることにあるのです。
ただし、区分所有法において、専有と共用の境界を正確に定めているわけではないので、どちらに属するのかはっきりしない部分が生じることもあります。
専有と共用の境界は、躯体を共用部分、境界壁や床、天井などの上塗り部分を専有部分とする上塗基準で定めるケースが多いです。
しかし、基準があっても境界部分は曖昧になりやすいため、管理規約で明確に定める必要があります。

法定共用部分はどんな場所が該当する?

区分所有法第4条第1項によると、「専有部分に通ずる廊下や階段、その他構造物上区分所有者の全員、またはその一部の共用に供されるべき建物の部分」は法定共用部分と定められています。
具体的には外廊下や階段、ベランダ、エントランス、屋上、エレベーターなど独立していない部分をはじめ、屋根や外壁など建物の構造部分を指します。

規約共用部分とは

たとえ区分所有法において専有となる部分でも、規約により共用部分として扱う部分を規約共用部分と呼びます。
具体的に該当する部分は、管理人室や管理事務室、集会室、倉庫、車庫などです。

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専有部分・専用部分・共有部分との違いは?

アパート共用部

アパートは専有部分と共用部分に分けることができますが、さらに細かく区分すると専用部分や共有部分と呼ばれる部分が存在します。
それぞれの区分の違いは何なのでしょうか?
ここで、専有部分と専用部分、共有部分の特徴から共用部分との違いをみていきましょう。

専有部分

専有部分とは、入居者の居住スペースとなる部分のことで、内壁や床、天井、電気配線、電話配線などを含む部屋全体を指します。
つまり専有部分以外はすべて共用部分と考えてください。
共用部分の管理は大家さんや管理会社、管理組合に責任があるのに対して、専有部分では区分所有者に責任があります。
分譲マンションの場合は、部屋の購入者や住む人に所有権があるため、部屋内部のリフォームや修理を個人で依頼することが可能です。
ただし、玄関ドアや窓ガラス、窓枠など室内でも外側に面している部分は、共用部分に該当するので、管理組合の許可なくリフォームはできません。
一方、賃貸アパートやマンションの場合は、大家さんに所有権があるので、基本的に部屋の修理やリフォームは大家さんが実施しなければなりません。

入居者が故意で建物の損害を与えた部分に対しては、入居者に損害賠償を請求することが可能です。

専用部分

専用部分とは、共用部分のうち入居者が個人で使用できる部分のことです。
具体的にはベランダやバルコニー、駐車場、駐輪場、専用庭、トランクルームなどが該当します。
玄関ドアや窓も共用部分ではありますが、個人が専用で使うものとなるので専有部分と扱われます。
専用部分は個人で使用できても共用部分であることには変わりないため、勝手にリフォームや撤去はできません。

共有部分

共有部分とは、共用部分のうち入居者全員が共同で使用する部分のことです。
具体的にはエントランスやエレベーター、廊下、ゴミ置き場、宅配ボックス、配管などが該当します。
駐輪場も個人専用でスペースが設けられていない場合は、共有部分として扱われます。

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共用部分の清潔感は入居者満足度につながる!

アパート共用部

アパートの入居者の大半は、居住スペースとなる専有部分にこだわります。
その一方で、共用部分にもしっかり目を通しているので、清潔感があると入居者満足度が高まり、大家さんは大きなメリットを得ることが可能です。
ここで、共用部分を清潔に保つメリットをご紹介します。

資産価値向上

共用部分を含めて建物をしっかり管理や掃除することは、資産価値の向上につながります。
建物は年数が経過すると劣化するものなので、その影響で資産価値はどんどん低下します。
しかし、管理や掃除が行き届いている物件は、築年数が経過していても良好な状態が保たれるため、手入れが行き届いていない物件と比べると資産価値は下がりにくいのです。
将来、賃貸経営を続けるのが厳しくなり、建物の売却が必要となった場合、資産価値が下がっていない物件ならそれなりに高額での売却に期待できます。
将来、経営しているアパートを売却する可能性があれば、資産価値を下げないように共用部分の掃除や管理に徹底することが大切です。

退去率や空室リスクの低減

共用部分も含めて清潔感のある建物は、退去率や空室リスクの低減にもつながります。
誰でも清潔感があり、綺麗な場所で生活したいものです。
しかし、入居者全員が使用するエントランスや階段、廊下、ゴミ置き場などが汚れていると、不快に感じてしまう人は少なくありません。
共用部分に対する小さな不快感が積もっていくと、次第に大きな不満に変わってしまいます。
そのせいで、今よりも管理がしっかりした綺麗なアパートに移り住もうと考えるようになり、退去者が続出する原因になってしまうのです。
退去後、新しい入居者を確保できなければ、家賃収入が減ってしまいます。
無事に入居者を確保できても、退去の頻度が激しいと安定した収入を得られません。
空室リスクは大家さんにとって大きな損失となってしまうので、そのリスクを下げるためには共用部分の清潔を保ち、退去率を下げることが大事です。

成約率向上

綺麗な物件は入居者に良い印象を与えるので、成約率の向上につながることも共用部分の清潔を保つメリットです。
共用部分も人が生活するスペースの一部であるため、清潔感や衛生面を気にする人は非常に多いです。
例えば、築年数や広さ、間取りが近い物件が身近にあった時、同じ条件なら綺麗な物件の方を選ばれやすい傾向にあります。
たとえ家賃が類似物件よりも安かったとしても、「この築年数でこんなに綺麗なら多少高くても良い」と思い、管理が行き届いた物件を選ぶケースは少なくありません。
しっかり管理されている物件は、トラブルが少ない、何か問題が起きた時も対処してもらえるという印象も与えられるので、入居者にとって大きな安心感につながります。

綺麗で生活な建物は入居者に気に入ってもらいやすいので、内見後の成約率が向上する可能性も高くなるのです。

老朽化防止

定期的に共用部分を掃除することは、建物の老朽化防止にもつながります。
建物の老化を防ぐためには、傷んでいる箇所を早期に直すことが重要です。
傷みが進行すると建物の構造に影響を与える可能性があり、損傷の度合いによっては大掛かりな修繕工事が必要です。
大掛かりな修繕が必要な場合は、修繕費が高くついてしまい、大家さんの負担も大きくなってしまいます。
しかし、定期的な掃除を通じて建物の状態をこまめにチェックしておけば、気付いた時に修繕を検討できます。
小さい修繕なら費用も比較的安く収まり、また深刻な状態になるのを防げるので、安心して暮らせる状態を維持させることが可能です。

日常的な掃除や定期的な点検メンテナンスによって建物の老朽化を防ぐことは、資産価値の向上にもつながります。

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自主清掃と委託清掃ならどちらいい?

アパート共用部

アパート共用部分の掃除をする方法には、自主清掃と委託清掃の2種類があります。
どちらの清掃方法がいいのかは、大家さんによって異なります。
自主清掃と委託清掃にはどんな違いがあるのか、それぞれの特徴やメリット、デメリットをみていきましょう。

自主清掃

自主清掃とは、大家さんが自ら共用部分を掃除することです。
個人で掃除をすることになるので、時間や労力を費やすことになり、身体的に負担がかかりやすいことが大きなデメリットです。

特に大規模な物件の場合、掃除の範囲も広くなるため、大家さんの負担は大きくなります。
アパート経営以外に仕事などが忙しい人は、時間的な余裕がなく、こまめに掃除を行うこと自体が難しいでしょう。
掃除や管理が疎かになれば、建物の清潔さが失われ、入居者の不満やクレームにつながります。
また、素人では掃除のプロと同じように仕上げるのは困難と言えます。
ただし、自ら掃除をするので費用がかからない、掃除中にばったり出会った入居者とコミュニケーションが取れる、建物の状態を自分の目で確かめられるという点は大きなメリットです。
時間的に余裕がある、掃除や体力に自信がある人は自主清掃も選択肢となるでしょう。

委託清掃

委託清掃は、清掃業者に業務を依頼する形となります。
大きなメリットは、清掃にかかる時間や労力の負担がないことです。

共用部分の掃除をすべて任せられるので、大家さんは日々清掃業務に追われる心配がなくなり、精神的負担や身体的負担から解放されます。
また、掃除にかかっていた時間を別のことに使えるので、自分の好きなことに時間を費やせるようになります。
普段から忙しく、清掃管理が疎かになりやすい人も委託清掃なら安心です。
掃除のプロなので、素人がやるよりも綺麗な仕上がりになることもメリットです。
ただし、外部の業者に業務依頼することになるので、毎月、または毎回依頼するたびに支出が発生します。
費用は業者ごとに異なり、またアパートの戸数や掃除の回数などによって大きく変動します。
さらに、清掃業務を業者に任せっきりにしている場合、建物の状態を正確に把握できない可能性もあるでしょう。
あくまでも清掃業務がメインであり、わずかな破損など細かく報告してもらえない可能性もあります。
そのため、委託清掃を選んだ場合でも定期的に自分の目で建物を確認しておく必要があります。

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日常清掃・定期清掃・特別清掃の違いは?

アパート共用部

アパート共用部分の掃除は、日常清掃、定期清掃、特別清掃の3種類に分けられます。
日常清掃、定期清掃、特別清掃の内容は以下のとおりです。

日常清掃

日常清掃は、日常的に行われる掃除のことです。
一般的な清掃頻度は週1回から数回程度、少なくても月1回のペースで行います。

具体的な清掃内容は、床や階段・手すりの掃き・拭き掃除、敷地内のゴミ拾い、ゴミ捨て場の掃除、植栽の水やり、落ち葉の片付けなどになります。

定期清掃

定期掃除は、月1回から数ヶ月に1回程度行われる掃除です。
専用の機械を使った床掃除や壁の掃除、床面へのワックスがけ、照明の交換、植栽の剪定、敷地内の草取りなど、日常的には行わない箇所を清掃します。
日常掃除で清潔感を保ちつつ、定期清掃を行うことでより綺麗な状態を維持することが可能です。

特別清掃

特別掃除とは、排水管の洗浄や高所清掃など特別な箇所に対する掃除のことで、年数回程度の頻度で実施されます。
排水管や屋根など高い部分は、日常清掃ではなかなか対応できない部分です。
しかし、掃除せずに放置していると汚れは蓄積していき、配管や雨樋などが詰まって排水効率が下がるなどのトラブルが生じる可能性があります。
また、掃除を通じて破損の確認もできるので、大きな被害が出る前に対応を取ることも可能です。
建物の機能を維持させるためにも、特別清掃もしっかり行い、不具合や劣化を防いでいきましょう。

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共用部分はトラブルも多い?ありがちなトラブルとは

アパート共用部

アパートを含む集合住宅の共用部は、トラブルが多く見られます。
大家さんは、あらかじめどのようなトラブルがあるのか把握しておく必要があるのです。
続いては、共用部分でありがちなトラブルをいくつかピックアップしてご紹介します。

最も多い!入居者の私物放置

最も多いのは、入居者が私物を放置するというトラブルです。
廊下などの通路に私物を置いて占領してしまう行為を指します。
アパートなどの賃貸物件では、共用部分に私物を置くことは禁止されていることをしっかりと入居者に伝えるようにしましょう。

消防法には、「避難の妨げになるものを通路においてはいけない」というルールが盛り込まれています。
そのため、共用部分に私物を置くと火災予防条例の侵害とみなされ、大きなトラブルに発展する可能性もあります。

共用部分を無断で使用する

契約外のスペースを勝手に使うことでトラブルに発展するケースもあります。
駐車場や駐輪場などを契約していないのに使用するといったトラブルは後を絶ちません。

勝手に使うと、本来契約している人に多大な迷惑をかけることになってしまうため、そのような事態を未然に防ぐように周知しなければいけません。
エントランス内に勝手に自転車を停めてしまう人もいます。
それもマナー違反になってしまい、他の入居者に迷惑をかける行為です。
状況によっては、大家さんが撤去するなどの対策を講じる必要があるでしょう。

ゴミ置き場の使用ルール違反

ゴミのルールは、自治体によって異なります。
そのルールを守らず、指定日以外にゴミを捨ててしまう人も少なくありません。
分別しないままゴミを捨ててしまう人もいるでしょう。
ゴミ捨てに関するトラブルは、どのアパートでも多く見られるもので、大家さんも頭を抱えています。
近隣住民とのトラブルに発展してしまうこともあるので、ルールを守ってもらえるようにしっかり対策を講じなければいけません。

ベランダでのタバコ

アパートなどの賃貸物件は、ベランダが設置されている物件も多いです。
ベランダも共用部分になるため、タバコに関する規定を設けている物件もあります。
廊下やエントランスと同じように入居者全員で使う部分という認識になるので、タバコを吸ってほしくない場合は「共用部分での火気厳禁、喫煙厳禁」などの文言を規約に盛り込むようにしましょう。

このような文言があれば、喫煙は禁止となります。
もし入居者が規約を守らなかった場合は、損害賠償の請求なども考えるようにしましょう。

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共用部分のトラブルが発生したら

アパート共用部

共用部分におけるトラブルが発生したら、大家さんは対策を講じる必要があります。
しかし、どのような対策が効果的なのかよくわからないという人もいるでしょう。
続いては、共用部でトラブルが発生した場合の対処法について解説していきます。

状況を把握する

入居者から苦情が入ったり、大家さん自身が私物の放置などを発見したりしたら、写真を撮影して状況証拠を残しましょう。
写真を撮影したのがいつなのか確認できるようにするため、日付がわかる新聞などと一緒に撮影すると証拠能力が高まります。

私物を放置している入居者に改善するように依頼する際も、証拠が残っていた方が話を進めやすくなります。

注意書きや掲示板などで周知

アパートなどの集合住宅には、掲示板が設置されているケースが多いです。
その掲示板に、トラブルの原因となる私物放置などをしないように注意書きしておくことも効果的です。

「私物を廊下に置かないようにしてください」といった簡単な注意書きでも効果が出る場合があります。
エントランスやエレベーター内などにも注意が気を貼っておけば、「掲示板を見ていなかった」という言い訳もできなくなります。
私物の放置が改善されたら、張り紙は剥がすようにしましょう。

口頭または書面で注意する

張り紙だけでは効果が期待できないケースも大いに考えられます。
そのような場合、直接伝えるための手段を講じることになるでしょう。
状況の確認や証拠の確保を行ったら、入居者に対してマナー違反があったことを周知させます。
入居者と顔を合わせる機会があれば口頭で伝えましょう。
それが難しい場合は、書面による注意喚起を行うようにしてください。
口頭での注意は、簡単にできますが「言った」「言わない」の水掛け論に発展してしまうこともあり得るので、書面でも伝えるのが望ましいです。

記載する内容は、共用部分に私物が放置されていることへの注意喚起、規約や法令違反になる事実、今後は置かないようにしてほしいという要望を盛り込みます。
この時に重要になるのが、私物を片付ける期限を設けることです。
期限が過ぎても置きっぱなしになっている場合は、大家さんが撤去する旨も伝えられる内容にすることがポイントになります。

私物放置の場合撤去し、一定期間保管する

私物を放置している住民が自分自身で片付けてくれれば、問題はそれで解決です。
スムーズに解決する場合もありますが、そうでないケースの方が多いと思っておきましょう。
放置されている私物がそのままになっているのであれば、大家さんが撤去してください。
そしてそれは、すぐに撤去するのではなく、一定期間保管します。
私物を撤去したことや一定期間が経過したら撤去することに関しても、書面で入居者に通知する必要があります。

勝手に私物を片付けるのは問題ではないかと思われるかもしれませんが、撤去したものを保管しておけば問題ありません。

管理会社や自治体に相談する

アパートの共用部分で起こったトラブルは、管理会社に相談すると対応してもらえます。
多くの場合、入居者同士のトラブルなど幅広いトラブルに対応してもらえます。
しかし管理会社の中には、入居者同士のトラブルには対応しないという契約を結ぶところもあるのです。

そのような場合、マナー違反が原因で入居者同士のトラブルが発生した時、大家さん自身が何とかしなければいけません。
また、管理会社は私物を廊下などの共用部分に置いている入居者に電話連絡をしたり、注意書きを送付したりすることはできます。
そこまではできても、話し合いの場を設けるなどはできないケースが多く見られます。
管理会社を選ぶ際は、どこまで対応してくれるかが重要になると言えるでしょう。

大家さん自身や管理会社での対応が難しい時は、自治体に相談するという方法もあります。
自治体には生活課という部署があり、日常生活に関する相談を受け付けています。
どのような対策を講じるのが効果的なのかなど、アドバイスをもらえるので相談も視野に入れてみましょう。

私物を勝手に処分するのはNG!

放置されている私物を撤去し、大家さんが保管することは問題ありません。
しかし、勝手に処分するのは「自力救済禁止の原則」で抵触する恐れがあるので、しないようにしましょう。

自力救済禁止の原則は、法的な手続きを行わずに自分自身の権利を実現することを禁止するというものです。
特に、価値が大きいとみなされる物品の処分は慎重に行う必要があります。
私物を放置した入居者の責任で発生したトラブルであることは確かですが、民事訴訟に発展するリスクがあります。
私物の放置や処分で揉める可能性があるなら、賃貸借契約違反を根拠とし、退去を求めるのも1つの選択肢だと念頭に置いておきましょう。

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事前にルールを設定しよう

アパート共有部

アパートの共用部分におけるトラブルを未然に防ぐためには、ルールを設定することがポイントになります。
共用部分ごとにルールを定めておくと、万が一の時にも役に立ちます。
どのようなルールがあるのか、ということは入居時の説明でしっかり伝えるようにしましょう。
最後に、アパートの共用部分ではどのようなルールを設定するのが効果的なのか解説していきます。

エントランス

エントランスは、入居者だけではなく来訪者も出入りする場所です。
そのため、常に清潔な状態を維持できるように入居者全員が意識しなければいけません。
靴の泥は入る前に落とす、ゴミが落ちていたら拾うなどは基本的なマナーです。
オートロックへのいたずらは他の入居者への迷惑になってしまうので、しないように周知してください。

また、集合ポストがある場合は、溜まっていると防犯面でも良くない影響を及ぼします。
リスクを回避するためにも、整理整頓を行うように入居者に伝えるようにしましょう。
オートロックを設置していても、入居者と一緒に不審者が入り込む可能性はゼロではありません。
犯罪のリスクが高まるので、怪しい人物を見かけたら通報するようにお願いすることもポイントになります。

あらかじめ伝えておけば、普段から気配りしてもらいやすくなるためです。

廊下・階段

廊下や階段は、生活に欠かせない通路です。
それだけではなく、火災や地震などが起こった時の避難経路にもなります。
私物を置かれてしまうと万が一の時、避難や救助の妨げになってしまう可能性もあります。

また、アパートの廊下や階段では大声で話さないようにすることも、入居者に伝えるべき要素です。
特に、深夜や早朝は他の入居者の迷惑になってしまい、騒音トラブルの原因になってしまいます。

生活リズムが異なる入居者が同じ建物に暮らしていることをお互いに理解してもらうように入居時に伝えましょう。

エレベーター

エレベーターが設置されているアパートの場合、子どもが入り口付近で暴れたり、ボタンやドアにいたずらをしたりしないように注意しましょう。
また、災害が起こった時はエレベーターを使わないようにすることも周知しておいてください。
停電でエレベーターが停止するなどのリスクがあるためです。
エレベーターに閉じ込められてしまった時に入居者が慌てないようにするため、どのような方法で外部と連絡を取ればいいのかなどもあらかじめ説明しておくと良いでしょう。

ベランダ(バルコニー)

ベランダやバルコニーは、火災などが発生した時の避難経路として使われます。
そのため、避難の障害になってしまう大きな物は置かないように伝えるようにしましょう。
階数が多い建物だと、小さい物が落下しただけで大きな事故につながる可能性もあります。
物干し竿などが落下しないように注意喚起することも忘れないようにしてください。
また、ベランダやバルコニーの排水溝に枯葉や砂などで塞がれてしまうと、水が溜まってしまいます。
防水シートなどが劣化していると、雨漏りの原因になってしまうので定期的なメンテナンスも必須です。
定期的なメンテナンスは大家さん側で対応できますが、日頃の清掃は怠らないように入居者に説明しておきましょう。

ゴミ置き場

ゴミ置き場は、ゴミ捨てのルールを入居者が守ってくれれば大きなトラブルは起こりません。
しかし、アパートにおけるゴミ捨て問題は付きものです。
ゴミの分別方法や使えるゴミ袋、粗大ゴミの出し方、収集日、収集時間などのルールを守ってもらえるように、入居時にしっかり説明しましょう。

決められた場所に出すこと、奥から順に入れることなどは基本的なマナーです。
当たり前にできると思われがちですが、できない人も残念ながら存在します。
そのため、入居時には全員に説明することをおすすめします。
アパートの掲示板などに自治体のごみ収集日は書かれた配布物などを貼っておくといった方法も効果的です。

駐車場・駐輪場

駐車場や駐輪場があるアパートでは、それ以外の場所に駐車・駐輪することを禁止しましょう。
通路を塞いでしまうと、緊急車両などが通れなくなってしまう可能性があるためです。
駐車できる車のサイズが決まっているケースも多いので、それも含めてルールを明示するようにしてください。

自転車に関しては、盗難を防止するために管理会社が指定するシールを貼るなどの対策を取り入れているところもあります。
シールが貼られていないと無断駐輪とみなして撤去するなどの対処をするといった点も伝えるべきポイントです。

メーターボックス

それぞれの部屋の玄関付近には、電気やガス、水道などのメーターボックスがあります。
そこに物を入れてしまうと、検針時の邪魔になってしまうため、荷物入れの代わりにしないように伝えましょう。

さらに、共有配管を損傷させるといった予期せぬトラブルの原因になりかねません。
トラブルが起こってからでは遅いので、入居時にしっかりと説明してください。

火災報知器

アパートの共用部分には、火災報知器が設置されています。
いたずらでボタンを押してしまうと、ベルが鳴って緊急車両がやってきます。
入居者だけではなく、消防署などの職員にも迷惑をかけてしまうので、子どもがいたずらしないように徹底しましょう。

特にファミリー向けのアパートでは子どもがいたずらしてしまう可能性が高いので、丁寧に説明するようにしてください。

まとめ

アパートの共用部分は、廊下やエントランスなどはもちろんですが、ベランダや屋根、外壁なども含まれます。
共用部分の清掃などは大家さんが行います。
しかし、私物の放置などがあると清掃などの妨げになるだけではなく、災害時の避難経路を狭めてしまうことになりかねません。
私物の放置以外にも共用部分に関するトラブルは多岐にわたります。
大家さんは、どのようなトラブルがあるのかなどを把握し、適切な対処を講じなければいけません。
また、トラブルが起こる前の予防策としてルールの徹底や周知も怠らないようにしてください。

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