高齢化が進む日本ですが、高齢者に賃貸物件を貸し出すことはリスクが高いとして、前向きではない大家さんも少なくありません。
事実、高齢者の入居を受け入れることは、孤独死や認知症、家賃滞納といったリスクが高く、相応の対策が求められるでしょう。
一方で、高齢者を受け入れることで得られるメリットもあります。
今回は、賃貸物件における高齢者に関するトラブル事例とその対策方法や受け入れるメリット、受け入れる際に知っておきたいポイントなどを詳しく解説します。
話題の「サービス付き高齢者住宅」についても紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
賃貸物件が借りづらい高齢者の現状
高齢化の一途を辿る日本において、65歳以上が入居可能な賃貸物件は全体の5%しかないと言われており、入居を断られた経験のある高齢者も少なくありません。
ここでは、なぜ高齢者は賃貸物件を借りにくい理由や若者世代はどのように認識しているのかを解説します。
入居を断られた経験を持つ高齢者は約4人に1人
住宅難民に関する調査では高齢者の約4人に1人は入居を断られ、住まいの確保に苦労した経験があることがわかりました。
入居を断られた経験がある方のうち、5回以上断られた経験のある方は13%にも上ります。
中でも、関東圏は全国に比べて約1.2倍も断られる確率が高く、5回以上断られた方は約1.3倍に上るとの調査結果も報告されています。
地方に比べて賃貸物件の需要が高い都市部ほど、高齢者が借りにくい今の状況は由々しき問題です。
ちなみに、高齢者が入居を断られた要因には、年齢だけでなく収入や保証人の有無、そして健康度合いなどが関係しています。
高齢者の入居は、大家さんにとって孤独死や認知症、家賃滞納といったリスクが高いことから、どうしても消極的にならざるを得ないようです。
若い世代は高齢者の住宅難民問題を知らない
65歳以上になるとほとんどの賃貸住宅を借りられないという住宅難民問題について、65歳以上の世代は60%以上が認知している一方で、若い世代の認知度は低く、20~30代の約6割は知らないとの回答結果でした。
高齢者が住まいの確保に悩み苦労していることを若い世代の多くは知らないのが現状です。
しかし、認知度は低いものの、「将来に不安を感じる」「年齢を理由に断られるのはおかしい」など、高齢者の住宅難民問題について危機感を覚えている若者が多いのも事実で、改善を求める声も多く上がっています。
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賃貸物件における高齢者に関するトラブル事例&対策方法
高齢者は住まいを借りにくいことが浮き彫りになった高齢者住宅問題ですが、このようなことになったのは高齢者に関するトラブルが少なくないことにも原因があります。
ここでは、高齢者に関するトラブル事例を紹介するとともに、対策方法をお伝えします。
孤独死を迎えるリスク
高齢者が住まいを借りにくい要因の中で、大きな割合を占めるのが孤独死のリスクが高いことです。
高齢者は他の世代に比べて病気や死亡するリスクが高いのは世間に共通する認識です。
その高齢者が一人暮らしをしている場合、万が一体調が悪くなったとしても対処できず、そのまま亡くなっても周囲が気付かない可能性があります。
実際、内閣府の調査では、東京23区内における一人暮らしで65歳以上の人の自宅での死亡者数は平成30(2018)年に3,882人という結果 も出ています。
孤独死に気付かず、長期間遺体を放置してしまった場合、特殊清掃が必要になったり、遺族や警察への連絡や処理の問題が発生したりと様々な問題が懸念されます。
さらには、貸し出していた部屋は事故物件とみなされるため、次の入居者が決まらなかったり、家賃の引き下げを余儀なくされたりといった問題も起こり得ます。
このように入居者の孤独死は大家さんにとってデメリットが大きいことから、そもそもリスクの高い高齢者を断るという悪循環につながっているのです。
孤独死への対策方法
孤独死によるダメージを最小限に抑えたいなら、入居者の異常を早期に見つけることが何よりも重要です。
郵便受けに手紙や新聞が溜まったままになっていないかなど、できる範囲で良いので管理会社や大家さんが定期的に巡回しチェックしましょう。
近隣住民と日頃からコミュニケーションを取っておくと、いざという時の情報もゲットしやすくなります。
また、最近はボタンを押すだけで通報できたり、センサーで入居者の異常を検知したり、入居者の安否確認に役立つ見守りサービスも増えています。
サービスの内容にもよりますが、費用は月額数百円から利用できるものもあるので、高齢者が入居する場合は活用すると良いでしょう。
他にも、孤独死損害補償保険という大家さんにかかる負担をカバーする保険に加入すれば、部屋の修繕にかかる費用や遺品整理費用などが補償されます。
孤独死によって受ける損害を少しでも軽減したいなら、こうした保険への加入を検討するのも1つの手です。
認知症を発生するリスク
厚生労働省の発表によると、2025年になると65歳以上の高齢者のうち、認知症高齢者の割合が20%になると推計されています。
今は問題なくても、入居者の高齢化が進むにつれ、認知症を発症するリスクは高まり、大家さんにとって避けては通れない問題となるのです。
認知症になると、記憶障害が出たり、時間や場所がわからなくなったりするほか、理解力や判断力が低下し身の回りのこともできなくなるといった症状が生じます。
入居者が認知症になることで、以下のリスクが考えられます。
・ゴミ屋敷化
認知症が進行すると身の回りのことをするのが難しくなり、今まで当たり前のようにできていた家事や片付けもできなくなります。
さらに、同じものを何度も購入するなど買い物にも支障をきたし、結果として部屋がゴミ屋敷のように散らかります。
・失火
認知症が進むと、自分が何をしていたのか、何をすれば良いのかがわからなくなります。
その結果、コンロの火をつけていることを忘れたり、ストーブの周りにものを置いたりしてしまい、失火につながる恐れがあります。
・近隣トラブル
これまでは気にしなかったような些細なことで怒ったり、自分のものを盗まれたと触れ回ったりと、まるで性格が変わったかのようになるのも認知症の症状の一つです。
もしも、これらの症状が他の入居者や近隣住民に向けられた場合、トラブルに発展する恐れがあります。
認知症への対策方法
入居者の認知症は、孤独死同様、大家さんにとってリスクが高いです。
問題が起きた時に適切な対処が取れるよう、入居前には身元がしっかりしており連絡を取れる保証人をつけるなど、入居前に入念な審査を行い、慎重に判断することが求められます。
「入居者の方が認知症を発症している可能性がある」と気付いた時には、以下の対応を取ることが望ましいでしょう。
・親族や連帯保証人に連絡をする
認知症かもしれないと思ったら、親族や保証人に連絡し、サポートを求めましょう。
定期的に親族や保証人に連絡を取るなど日頃から情報を共有していると、いざという時の対応もスムーズに進みやすいです。
進行が進む前の初期に対応できれば、部屋が散らかるのを防ぎ、ゴミ屋敷化を避けられる可能性があります。
・管理会社に連絡をする
管理会社に委託している場合は、他の入居者や近隣住民とのトラブルを回避できるよう見回りを強化してもらいましょう。
また、既に苦情が発生している場合、協力を仰ぐことも大切です。
大家さんと管理会社、お互いの情報をきちんと共有することで、問題が起きたとしてもしっかり対応できる可能性が高まります。
・行政に相談する
行政に相談し、社会福祉サービスと連携取ることも重要です。
ただし、親族ではない大家さんが相談したとしても、応じてもらえない可能性が高いです。
そんな時は、地域の民生委員や地域包括センターに相談してみてください。
どのような対応を取るにしても、連絡の行き違いや責任の所在を明らかにするために、記録を残しておくことが大切です。
家賃滞納のリスク
仕事を退職した高齢者は、収入源を年金に頼っていることが多く、現役だった頃に比べて収入の減少は避けられません。
年金だけでは足りない分は貯金を崩さなければならないことを考慮すると、在職中の方に比べて家賃滞納のリスクが高いと言わざるを得ません。
しかし、大家さんが入居者に退去を求めるには、それ相応の事情が必要であり、多少の滞納では認められる可能性も少ないのが実情です。
家賃滞納への対策方法
家賃滞納の不安がある高齢者を受け入れるには、以下の対策が有効です。
・連絡先を確認しておく
入居者本人だけでなく、親族や保証人など身内の連絡先をできるだけ多く聞いておきましょう。
何か起きた時に連絡がつかないという事態を回避できます。
・特約をつけた契約書を用意する
高齢者には特約をつけるのも1つの方法です。
「何日間連絡が取れない場合は警察に連絡する」「部屋をあける場合は事前に連絡する」など、連絡が取れない場合の対応をあらかじめ決めておくことで、緊急事態にも即座に対処することが可能になります。
また、認知症と診断されたり、家賃を滞納したりした場合は、賃貸契約を解除するという特約も有効です。
・保証会社を利用する
入居者が家賃を滞納した場合、代わりに支払ってくれる家賃保証会社を利用するのも良いでしょう。
入居者の中には身寄りがなく、連帯保証人をつけることが難しい場合がありますが、家賃保証会社を利用すれば、家賃滞納のリスクを下げることが可能です。
ただし、高齢者は家賃保証会社の審査が厳しい傾向にあります。
もし通らなくても、他の会社では通ることもあるので、利用する場合は複数の会社に審査を依頼することをおすすめします。
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高齢者を賃貸物件への入居を受け入れるメリット
孤独死や認知症、家賃滞納などリスクが高く敬遠されがちな高齢者ですが、入居を受け入れるメリットも存在します。
ここでは、高齢者を受け入れることで享受できるメリットを紹介しましょう。
長期にわたって入居してもらいやすい
高齢者は一度入居すると、長期間にわたって入居してもらえる可能性が高いことがメリットです。
若い世代は就職や結婚、子育てなどライフイベントに合わせて引っ越しを繰り返すことが多いです。
一方、高齢者はこれらのライフイベントを既に終えていることから、これから家族構成や生活スタイルの変化も少ないです。
また、住宅難民問題を見てもわかるように、これから新しい入居先を探そうと思っても、希望通りのところが見つかる可能性は低いでしょう。
こうした理由から高齢者は長期にわたり、住み続けてくれることが期待できます。
退去せずに長期間入居してくれていれば、部屋が空室になり家賃収入を得られなくなるリスクを回避できるほか、新たに入居者を探さなければならないといった手間を省けます。
ただし、高齢者を積極的に受け入れるのであれば、リフォームなどで生活しやすい設備を整えることも重要です。
バリアフリーにしたり、手すりを設置したりすることで高齢者も生活しやすくなるため、思わぬ事故や怪我が発生するリスクを軽減することが可能です。
事前準備を行うことで、入居者を限定せずに済むため入居者の獲得にもつながりやすいです。
賃料の値下げや原状回復費が発生しにくい
高齢者の入居を受け入れるメリットとして、家賃の値下げが起きにくいこと、原状回復にかかる費用を抑えられることが挙げられます。
家賃の値下げは、空室対策の一環として行うことが多いです。
少しでも空室である期間を短くするために家賃を下げ、入居者を募るのです。
しかし、上でも紹介したように、高齢者は長期にわたり入居してくれる可能性が高いです。
そもそも空室になるリスクが低いため、結果として家賃を値下げする必要がありません。
また、原状回復費用も同様です。
原状回復は、退去者が出るたびに部屋を綺麗にするために行うものです。
つまり、退去者が出なければ原状回復費用も発生しません。
長期間にわたって入居してくれる高齢者を受け入れることは、空室リスクを回避できるだけでなく、家賃値下げや原状回復費のリスクも抑えることが可能です。
高齢化が進む昨今、安定した賃貸経営を目指すのであれば、高齢者の入居は避けては通れないでしょう。
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高齢者を賃貸物件へ受け入れる際に知っておきたいポイント
賃貸物件に対しての高齢者からのニーズは高まっています。
自身が経営する賃貸物件に高齢者を受け入れる場合、トラブルを防止するためにも知っておくべきポイントがいくつか存在します。
どういったポイントがあるのかみていきましょう。
親族から保証人をつけてもらう
高齢者を受け入れるのであれば連帯保証人を確保するよう求めてください。
高齢者の場合、家賃滞納のリスクがありますが、連帯保証人が存在していればリスクを軽減できます。
また、孤独死が発生した際の対応も迅速に行えるでしょう。
ただし、入居期間が長くなってしまうと連帯保証人の引っ越しやスマホや携帯電話の機種交換などによって連絡が取れなくなるケースもあります。
その場合、万が一のことがあった時に連絡ができなくなってしまいます。
緊急時にもすぐに対応できるよう連帯保証人とは定期的に連絡を取り合いましょう。
保証人が見つかりにくい理由
連帯保証人をつけることで様々なリスクを抑えられます。
しかし、借主となる高齢者によっては保証人を見つけられないケースもあるので注意してください。
なぜ保証人が見つかりにくいのか、その理由は以下のとおりです。
・高齢者の年齢
借主が高齢であれば親や兄弟、配偶者に先立たれている可能性は高いです。
子どもや孫がいないケースもあるでしょう。
そういった場合は、連帯保証人として応じてくれる人はなかなか現れません。
入居希望者となる高齢者よりも年齢が上の人しか見つからなかった場合は、保証人として認められないケースもあります。
・経済的な理由
連帯保証人になればトラブルが発生した際に保証責任を負わなければいけません。
家賃が滞納されていれば、連帯保証人が支払うことになります。
そのため、連帯保証人にも支払い能力があるか判断する必要があります。
現役で働いている人であれば問題ありませんが、年金だけが収入となっている高齢者や貯蓄が十分にない人であれば保証人としては認められません。
経済的な理由によって保証人が見つからない高齢者も多いのです。
・保証人の家族
連帯保証人に高齢の家族や親族がいる場合も保証人としての責任能力が認められないケースがあります。
家族や親族に障害を抱えている人がいる、要介護者がいる場合は、入居希望者よりも優先度が高いと判断されてしまいます。
その場合、保証人としての責任能力が認められないので注意してください。
・保証人が遠方に暮らしている
保証人が見つけられても遠方に暮らしているなら保証人として認められません。
高齢者の場合、経済的な問題はもちろんですが病気やケガといったリスクがあります。
契約の際には健康な高齢者でも、月日が経てば体にトラブルを抱えることも当然出てくるでしょう。
万が一の時にすぐに駆け付けられる場所に住んでいなければすぐに対応してもらえないため、必ず近隣に住んでいる人に保証人になってもらえるよう入居希望者には伝えてください。
身元保証サービスの活用
上記のような理由で連帯保証人が見つからない入居者には、身元保証サービスの活用を勧めてみましょう。
身元保証サービスとは、入居希望者となる高齢者の親族や知人に代わって連帯保証人や身元引受人といった身元保証人を引き受けるサービスです。
サービスの利用には費用がかかってしまいますが、連帯保証人になってくれる以外に下記のサービスを実施しているところもあります。
・亡くなった際に葬儀や納骨など、本人の希望に沿った方法で弔う
・死亡届や年金の停止手続き、家財道具の引き取り・処分、ライフライン契約の終了手続きなどの死後事務支援を行う
・安否確認や外出時の付き添いといった生活支援
生活に不安のある高齢者にとって安心できるサービスなので、連帯保証人が見つからずに困っている入居希望者がいればおすすめしてみましょう。
大家さん向けの保険加入を検討する
高齢者であれば孤独死を迎えるリスクがあります。
そんな時でも補償してくれる保険が存在しているので、どういった内容かみていきましょう。
孤独死保険とは?
入居していた高齢者が孤独死をした場合、家賃の損失や居室の原状回復のための費用の負担といった金銭的な損失が生まれます。
その費用は決して安い金額ではありません。
孤独死の場合、発見が遅れてしまえば汚れやニオイなどの問題で、原状回復のための費用は大きく跳ね上がります。
連帯保証人を付けていなければ、自身ですべて対応しなければいけません。
しかし、孤独死保険に加入をしていれば、孤独死の際に発生する費用を補償してくれます。
万が一の時でも安心できるので加入を検討してみましょう。
2タイプから選ぶ孤独死保険
孤独死保険は「家主型」と「入居者型」の2タイプが存在します。
それぞれの特徴を解説していきましょう。
・家主型
家主型は大家側が契約者となる保険で、入居していた高齢者が死亡してしまった場合、大家さんが被る損失を補償してくれます。
主な補償内容としては、遺品整理費用、原状回復費用、家賃損失などです。
保険料に関しては商品によって異なりますが、1戸室ごとに設定するものもあれば、家賃総額によって算出されるものもあります。
・入居者型
入居者が加入する保険で家財保険の特約として死亡事故への補償が付けられます。
入居者が死亡した際、遺族や保証人が被る損害を補償してくれる保険です。
主に、遺品整理費用や原状回復費用が補償されます。
費用は入居の際に加入する家財保険の保険料に含まれる仕組みです。
孤独死保険の選び方
孤独死保険を提供している保険会社は多数存在します。
それぞれの保険会社によって補償内容には違いがあるので、必ず比較をしてから加入してください。
例えば、家賃損失に関しては200万円まで補償してくれる保険会社もいれば、補償のない会社もあります。
原状回復費用に関しても、保険会社によって50万円までや200万円までと大きな開きがあります。
事故見舞金や犯罪被害時の保険金など、保険会社によって様々な補償があるので、見比べて最適な保険を選ぶことが大切です。
見守りサービスを活用する
孤独死リスクを考えて高齢者の受け入れを躊躇する大家さんは多いです。
しかし、空室が増えてしまえば収入が減ってしまいます。
収入アップを図るため、安心して高齢者へ部屋を貸し出すためにも、見守りサービスの活用を検討してみましょう。
見守りサービスには様々なタイプがあるので解説していきます。
接触型
押しボタン式通報装置の設置や緊急通報装置付きペンダントの着用など、見守りの対象者が直接機器を操作して通報するタイプの見守りサービスです。
通報があった際にはサービス会社のスタッフが自宅まで駆け付けてくれます。
問題点としては異常があった際に高齢者が自分で操作をする点です。
操作をする余裕のない場合には異常が検知されないため、監視カメラをセットにしたパックを活用すると安心です。
非接触型
監視カメラやセンサー、電気やガスのスマートメーターなど、見守りの対象者が直接機器に触れることなく見守りが提供できるサービスです。
スマートメーターであれば、いつもの生活と照らし合わせて違う状態が発生した際に異常とみなされて通報されます。
異常を検知した際には、事前に設定された人物に電話やメールで連絡がいく仕組みです。
24時間監視ができるので、不安の多い高齢者には最適なサービスです。
ただし、機器の設置には工事が必要です。
月額費用も発生するため、大家負担にするか入居者負担にするか決める必要があります。
対面型
電話での安否確認や定期的な訪問で見守りをするのが対面型のサービスです。
電話での安否確認も表情からも確認できるよう、テレビ電話を活用している会社もあります。
異変を感じたらすぐに対応できる点がメリットです。
しかし、人が動くので費用が高い点がデメリットです。
訪問回数や電話回数が週に1回、月に1回など、少ないケースもあるので注意が必要です。
相談窓口を事前に調べておく
高齢入居者による家賃滞納問題が発生した時でもすぐに相談できるよう、窓口を事前に調べておくことが大切です。
・債権回収が得意な弁護士
債権回収の実績が多い弁護士であれば早期解決へ向けてすぐに動いてくれます。
滞納者との直接交渉、法的手続き、立ち退き要求まで、あらゆることを任せられます。
督促状を送るだけでも有効なので、相談をして解決してもらいましょう。
・法テラス(日本司法支援センター)
国が設立した方的トラブル解決のための総合案内所が法テラスです。
家賃滞納問題に対する解決への道案内をしてくれます。
収入が一定額以下であれば無料相談が可能で、上回る場合は有料で相談できます。
弁護士の紹介もしてもらえます。
・社団法人東京共同住宅協会
入居者とトラブルが発生した際に電話相談ができる機関です。
入居者を増やす方法や空室対策といった不動産に関するノウハウを学べるセミナーも実施しているので、賃貸物件に関する不安があれば相談してみましょう。
・社団法人全国賃貸住宅経営協会
住宅経営士や公認会計士、税理士に無料で相談ができる機関です。
家賃滞納や立ち退きについて、税に関する相談も行えます。
回収の依頼はできないので注意してください。
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話題の「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」とは?
高齢者の入居を増やしたいと考えているなら、「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」の経営を検討してみましょう。
サ高住とはどういった住宅なのか、解説していきます。
サ高住とは?
高齢者が暮らしやすいようにバリアフリー化された住宅やサービスを実施している住宅をサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)と言います。
介護に必要なサービスも受けられるので、高齢者でも安心安全に暮らせる仕組みです。
住宅の要件やサービスの要件は以下のとおりです。
【住宅要件】
・原則25㎡以上
・原則台所、水洗便所、収納設備、洗面設備、浴室が設置されている
・段差がない、手すりがあるなど、原則3点以上のバリアフリー化がされている
【サービス要件】
・介護、看護・医療いずれかの資格を持っているスタッフが日中に常駐している
・安否確認や現況把握サービスを提供している
・生活相談サービスを提供している
施設によっては、食事の提供や生活支援サービスを実施しているところもあります。
高齢者向け住宅との違い
サービス付き高齢者向け住宅と似たような住宅として高齢者向け住宅があります。
2つの施設の違いをみていきましょう。
・高齢者向け住宅には基準や条件がない
サ高住には、住宅の広さや設備に一定の基準が設けられています。
しかし、高齢者向け住宅であれば基準がないので大幅なリフォームなどを実施する必要はありません。
・サービスについて
サ高住には安否確認や生活相談が必須サービスとなり、中には生活支援を実施してくれる施設も存在します。
高齢者向け住宅も同様に安否確認や緊急対応を実施してくれるところが多いですが、毎日実施してくれるわけではありません。
そのため、施設側は比較的健康な高齢者の入居を望んでいます。
・費用について
サ高住と高齢者向け住宅では費用に大きな差はありません。
施設によって敷金や家賃に違いがあるので、入居者は受けられるサービスや立地で施設を選びます。
INA&Associates Inc.は、不動産、IT、投資などにおける専門性と技術を活かし、「不動産」×「IT」を実現するために発生する、複雑な事柄に真摯に向き合い、”不動産をもっと分かりやすく。住まいを探されている方にとってもっと使いやすく。取引をもっとスムーズに。” 不動産×ITで独自の価値をお客様に提供することを目指しています。
サ高住を経営するメリット
高齢化社会の影響でサ高住の経営が注目されています。
高齢者向け住宅と比べるとサービスが充実しているので、安心して過ごせると高齢者にも評判です。
そこで、サ高住を経営するメリットをご紹介していきます。
補助金や税金の優遇措置が受けられる
サ高住の建設や改修の際には国から補助金が出ます。
1戸あたりの床面積が30㎡以上の場合は135万円、25㎡以上の場合は120万円、25㎡未満であれば70万円を受け取れる仕組みです。
また、固定資産税や不動産取得税、所得・法人税といった様々な税金の優遇措置も受けられるので、節税しながらの経営が可能です。
固定資産税の減額割合は自治体によって違うので、あらかじめ確認しておきましょう。
将来的にも需要が伸びる可能性は高い
高齢化が進んでいるので今後も要介護人口が増えると予想できます。
安否確認や生活相談が受けられるサ高住のニーズも増えると考えられるので、現在の賃貸物件の経営で問題を抱えている、不安を感じているならサ高住経営に向けて動き出すのもおすすめです。
専門家のアドバイスも聞きながら、高齢者にとって住みよい暮らしを実現していきましょう。
高齢者に賃貸物件を貸し出す際、孤独死や認知症、家賃滞納といった様々なトラブルによるリスクを考えなければいけません。
それぞれの対策を取り、保証人や保険に加入するなどして受け入れの準備を進めていきましょう。
その際、現状よりも高いサービスを提供し、高齢者がより過ごしやすい暮らしを提供するためにもサービス付き高齢者向け住宅の経営も検討してみてください。
補助金や税金の優遇措置を受けられる利点もあります。