アパート経営で大切な空室対策!住宅セーフティネット制度は有効?

日本は少子高齢化や地方の過疎化などが原因で、空き家や空室の物件が増えています。
空き家や空室を活用する手段として、住宅セーフティネット制度が登場しました。
住宅セーフティネット制度は、アパート経営で重要となる空室対策に使えるのではないかと考える人も多いでしょう。
そこで今回は、アパートの空室対策に活用できる住宅セーフティネット制度についてご紹介します。
空室対策の重要性やその他の空室対策、対策での注意点についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。

Contents

空室対策はアパート経営に欠かせない対策!

住宅セーフティーネット制度

アパート経営で利益を得るためには、空室対策が重要です。
どうして空室対策が欠かせないのか、あらためてその重要性を確認していきましょう。

空室対策とは?

空室対策は、賃貸物件を経営する大家さんが空室を作らないようにするために行う施策や対策のことです。
家賃の見直し、リフォーム・リノベーションで建物の問題を解消する、全室無料インターネットの導入、ペット可物件にするなど空室対策の方法は色々とあります。
空室対策は、やり方によっては多額のコストがかかる場合もあります。
そのため、良いことは何でもやるのではなく、物件の問題点や課題を見つけ、その物件のニーズに合った対策を講じることが大切です。

空室対策を怠るとどうなる?

空室対策を怠った場合、以下3つのリスクが付きまとうことになります。

利益がなくなる

家賃収入は入居者がいることで得られる利益です。
入居者が多ければ安定した収入を得られますが、逆に少なければ、それだけ利益も少なくなります。

例えば、家賃が7万円で室数が8室あるアパートの場合、満室であれば月収は56万円、年収は672万円です。
しかし、もしも空室が3室あれば年収は420万円に下がってしまい、満室時と比べて252万円も差が出てしまいます。
今後のアパート経営にも支障が出る可能性が高いので、空室対策をして利益を生み出せる状態にすることが大切です。

資産価値の低下を招く

空室対策を怠ると、資産価値を低下する恐れもあります。
家賃は大家さんの収入になるだけではなく、建物の修繕や退去時の補修、購入時に契約したローンの返済などアパート経営の経費としても充てられます。
空室がある分、家賃収入が減るため、入居率が悪いとアパートの管理やローンの返済に充てられる分が不足する可能性もあるでしょう。

利益が少ないからと補修や修繕を行わなければ、アパートはどんどん劣化していくので資産価値を下げてしまいます。
劣化が激しいアパートとなると、ますます入居者を募集するのは厳しくなります。

物件を手放さなければいけない可能性も…

空室が解消されず赤字が続く状況となれば、アパート経営の継続は厳しく、物件を売らなければならない可能性も出てきます。
アパートの経営が難しいと感じた時点で売却すれば、浅い傷で済むでしょう。
しかし、家賃収入からローンの返済が難しくなり、貯蓄が底をついたことで売却を決めた場合は、ローンの延滞情報が残ったり、自己破産が必要になったりするので、ダメージは大きいものです。

大きな傷ができる前に空室を解消するか、早めに売却して被害を最小限に押さえなければなりません。

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INA&Associates Inc.は、不動産、IT、投資などにおける専門性と技術を活かし、「不動産」×「IT」を実現するために発生する、複雑な事柄に真摯に向き合い、”不動産をもっと分かりやすく。住まいを探されている方にとってもっと使いやすく。取引をもっとスムーズに。” 不動産×ITで独自の価値をお客様に提供することを目指しています。

空室対策に有効?「住宅セーフティネット制度」とは

住宅セーフティーネット制度

住宅セーフネット制度は、2017年10月からスタートしました。
国土交通省が推進している制度であり、新たな空室対策と注目されていますが、具体的にどのような制度なのか知らない方もいるでしょう。
ここで住宅セーフティネット制度の概要をご紹介します。

住宅セーフティネット制度ができた背景

過去に住宅セーフティネット制度と同じような制度がありました。
それは、2001年4月に公布された「高齢者の居住の安定確保に関する法律」により定められた高齢者円滑入居賃貸住宅の登録制度です。
当時、高齢者の一人暮らしや夫婦のみの世帯が増えており、公営住宅が不足していました。
その解消を目的に始まりましたが、賃貸物件のオーナーや管理会社の不安を払拭できず、浸透せずに2011年2月に廃止となりました。
その後、代わりに登場したのが、サービス付き高齢者向け住宅の登録制度です。
サービス付き高齢者向け住宅はバリアフリー構造を有しており、介護や医療と連携して高齢者の生活を支援する賃貸住宅になります。
しかし、サービス付き高齢者向け住宅には一定の所得がないと住めないこと、それに加えて高齢者以外にも住宅を確保できずに悩んでいる層がいるといった問題がありました。
その解消として、全国的に急増している空き家や空室を活用できないかという考えから、新たに住宅セーフティネット制度が策定されました。

住宅セーフティネット制度の概要

住宅セーフティネット制度は、経済的に困窮している人や様々な事情で生活が困難な人が入居しやすい賃貸住宅の供給を図ることを目的に策定された制度です。
以下3つの要素から成り立っています。

・住宅確保要配慮者の入居を拒まない登録制度
・登録住宅の改修・入居に向けた経済的支援
・住宅確保要配慮者と建物のマッチング・入居支援

住宅セーフティネット制度では、急増している空き家や空室をセーフティネット住宅として、有効活用することが可能です。
空き部屋と利用者をマッチングする仕組みが整っているので、空室対策に有効と注目されています。
また、入居者に向けて生活相談や見守りなどのサポートが充実している点もこの制度の特徴です。

住宅確保要配慮者とは

住宅セーフティネット制度には、住宅確保要配慮の入居を拒まないという項目があります。
住宅確保要配慮者に該当する対象者は、法律、省令、計画ごとに定められています。

・法律で定められている対象者
低所得者(月収15万8,000円以下の世帯)、被災者(発災後3年以内)、高齢者、障害者、高校生相当以下の子どもを養育している者

・国土交通省令で定められている対象者
外国人、中国残留邦人、児童虐待を受けた者、ハンセン病療養所入所者、DV被害者、挑戦拉致被害者、犯罪被害者、生活困窮者、更生保護対象者、東日本大震災の被災者

・都道府県・市町村区が供給促進計画で定める対象者
海外からの引揚者、新婚世帯、原子爆弾被爆者、戦傷病者、児童養護施設退所者、LGBTなど性的マイノリティ、UIJターン転入者、住宅確保要配慮者に対して必要な生活支援等を行う者、妊婦がいる世帯

空き家や空室は、上記の住宅確保要配慮者の入居を受け入れることを条件に、セーフティネット住宅として登録が可能です。

入居の際の費用

セーフティネット住宅に入居する住宅確保要配慮者は、すべての人が低所得者とは限りません。
そのため、一般的な賃貸住宅と同じく入居時に敷金・礼金、初月分の家賃、共益費・管理費、家賃債務保証料がかかります。
また、家賃に関しても他の賃貸住宅と比べて格別に安いわけではありません。
しかし、低所得者がセーフティネット住宅に入居する場合は、国や自治体の判断で家賃補助制度の対象となる可能性が高いです。

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住宅セーフティネット制度に登録する方法

住宅セーフティーネット制度

住宅セーフティネット制度には、1室から無料で登録することが可能です。
経営するアパートを「セーフティネット住宅情報提供システム」に登録することで、住宅確保要配慮者に向けて広く情報を公開できます。
ここでは、住宅セーフティネット制度の登録基準や登録方法について解説します。

登録には基準がある!

ただし、賃貸住宅を住宅セーフティネット制度に登録するためには、一定の基準をクリアしていることが条件です。
一般住宅の登録基準とシェアハウスの登録基準があるので、経営する賃貸住宅に合わせて登録基準を満たさなければなりません。
地方公共団体が独自の基準を設けているケースもありますが、一般的な登録基準は以下のとおりです。

【一般住宅の登録基準】
・新耐震基準の耐震性を有している
・住戸の床面積が25㎡以上
・台所、トイレ、洗面、浴室などの設備が整っている

【シェアハウスの登録基準】
・定員1人あたりの専用部分を床面積9㎡以上確保している
・住宅全体の床面積が15㎡×住居人数+10㎡である
・共有部分に台所、浴室またはシャワー室、トイレ、洗面、洗濯、居間、食堂の設備がある

なお、高齢者専用シェアハウスにする場合、非常用照明の設置や一定の床面積などの条件が設けられることもあります。

登録方法

住宅セーフティネット制度には、登録申請書を作成して都道府県や政令市、中核市などの登録窓口に提出することで、登録されます。
登録申請の流れは以下のとおりです。

1.登録窓口に確認をとる
都道府県や市町村区によって独自の登録基準が設けられている場合があるので、詳しい登録基準や申請に必要な書類などを登録窓口で確認してください。
各地域の登録窓口は、セーフティネット住宅情報提供システムを参照してください。

2.アカウントを登録する
セーフティネット住宅情報提供システムの事業者向け管理サイトでアカウントを登録します。
法人名・個人名、連絡先、メールアドレスなど必要事項を入力して登録すると、メールアドレスにログインIDとパスワードの通知メールが届くので確認してください。

3.事業者向け管理サイトで登録申請
ログインIDとパスワードの取得が完了したら、事業者向け管理サイトにて登録申請を行います。
ログイン後、事業者メニュー画面の「住宅管理(一覧)」にて、必須項目の情報を入力してください。
すべての情報を入力し、整合性を確認してから情報を確定しましょう。
すると、登録申請書が作成され、登録窓口に申請されます。

4.審査通過後に登録情報の公開
登録申請が完了すると、都道府県、政令市、中核市等が審査を行います。
問題なく審査に通過すると、登録したアパートの情報がセーフティネット住宅情報提供システムに公開されます。

登録事項は変更も可能

住宅セーフティネット制度に登録した事項は変更も可能です。
ただし、変更事項が発生してから1ヶ月以内に都道府県、政令市、中核市等の登録窓口に届け出て、情報の修正・編集の承認を得なければなりません。
そのため、修正が必要になったらすぐに申し出るようにしましょう。
情報を修正する時は、「住宅管理(一覧)」から変更した住宅の操作欄にある「変更届出」から編集・申請してください。

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住宅セーフティネット制度を活用するメリットとは?

住宅セーフティーネット制度

アパートを経営する大家さんにとって、住宅セーフティネット制度は具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
住宅セーフティネット制度を活用するメリットを見ていきましょう。

空室対策になる

所有するアパートを登録すると、セーフティネット住宅情報提供システムに住宅情報が掲載されます。
セーフティネット住宅情報提供システムは、住宅確保要配慮者に向けて運営しているサイトであるため、一般的な賃貸ポータルサイトとは違う層に所有するアパートの存在を周知できます。

所有物件をより広く周知できるようになるので、今までとは違った形の空室対策が可能です。

競合物件が少ない

住宅確保要配慮者は、なかなか自分たちの条件に合う賃貸物件を探すことが難しく、入居を断れるケースも珍しくありません。
しかし、住宅セーフティネット制度に登録すれば、住宅確保要配慮者の受け入れられる物件になります。
物件探しに悩む住宅確保要配慮者を対象としたアパートであれば、競合物件が少ないので、入居希望者の目に留まりやすくなるので、入居率のアップにも期待できます。

周辺に新築や築浅の人気物件が多く、入居につながらず悩んでいる大家にとってもメリットは大きいでしょう。

入居者支援がある

住宅セーフティネット制度には、入居者に向けて様々な入居支援があります。
具体的には、入居に関する情報提供や相談、見守りなどの生活支援、家賃・家賃債務保証料の補助が挙げられます。

このような入居支援は、住宅確保要配慮者の入居の後押しとなるでしょう。
また、大家さんにとっても住宅確保要配慮者を受け入れる上での安心材料になると言えます。

改修工事の補助が受けられる

住宅確保要配慮者の専用住宅として登録した時、専用住宅とするための改修を行い場合に改修工事の補助を受けられるのもメリットです。
改修工事は高額になりがちなので、なかなかできないこともあるでしょう。
しかし、補助が出ることで経済的な負担を抑えて改修工事ができます。
住宅確保要配慮者専用の住宅にできると同時に、アパートの資産価値や入居率の向上にもつながります。
補助対象となる改修工事には以下のものが挙げられます。

耐震改修工事

現行の耐震基準に満たした住宅にするための工事です。
セーフティネット住宅の入居対象者には、災害の被災者も含まれるため、地震に強いアパートに改良することで、入居の不安を軽減できます。

バリアフリー改修工事

障害者や高齢者が生活しやすいアパートにするための改修工事です。
具体的には、歩行や車いすでの移動しやすくするために段差を解消したり、手すりやスロープを取り付けたりします。
バリアフリー改修工事を行うことで、入居者の募集範囲も広がるので空室も解消されやすくなります。

子育て世帯対応改修工事

子育て世代が安心して子どもと生活できる環境に整えるための改修工事です。
親として心配となるのは、窓から子どもが転落する、転倒によるケガなどの安全面です。
例えば、落下防止の手すりやチャイルドフェンスを設置したり、床をフロアクッションに変えたりすることで、安全性の高い部屋にできます。

改修内容の自由度は高めなので、子育て世代に寄り添った改修ができれば入居率も高まるでしょう。

間取り改修工事

部屋の間取りを変えて、生活の快適性を高める改修工事です。
例えば、3LDKから2LDKに変更して、部屋や廊下を広くすることで車椅子の人も住みやすい環境にできます。
アパートが古く、間取りが現在のニーズにマッチしていない時にも最適な工事です。

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住宅セーフティネット制度の活用…デメリットはある?

住宅セーフティーネット制度

住宅セーフティネット制度にはたくさんのメリットがありますが、その一方でデメリットもいくつか存在します。
どのようなデメリットがあるのかを理解した上で、制度の活用を検討しましょう。

住宅確保要配慮者の入居は断れない

通常の不動産であれば職業や年収などを見て、滞納リスクが高そうな入居者を拒めますが、
セーフティネット住宅は、指定した住宅確保要配慮者の属性の方の入居を拒めません。
例えば、住宅登録の時点で子育て世帯や低所得者の入居を望まないなどの指定はできますが、後になって「高齢者の入居を拒否する」とはできないため注意が必要です。

登録に手間がかかる

住宅セーフティネット制度の登録には、時間と手間がかかるデメリットがあります。
登録の際には、配置図や付近見取り図、各階平面図などの様々な書類の提出が求められ、さらに自治体によっては登録基準や手数料を設定している場合もあります。

近年では、オンライン申請が可能な自治体も増えつつありますが、中には直接提出が必要なところもあるので、まずは申請先の自治体に問い合わせて手続き方法を確認しましょう。

家賃の滞納リスクがある

セーフティネット住宅は近隣不動産の家賃相場よりも安く、入居者への経済的支援もありますが、家賃の滞納リスクは避けられません。
経済的支援があるといっても、補助金程度の金額のため、それによって入居者の生活が劇的に豊かになるとは言えないでしょう。
特に、生活保護受給者や低所得者は家賃滞納が発生する可能性が高いので、リスクを理解した上での受け入れを検討する必要があります。

入居者の属性によるトラブルの発生

住宅確保要配慮者は住宅の確保に配慮が必要な方のため、属性によるトラブルが発生しやすいです。
例えば、高齢者の場合は入居中に突然亡くなることもあり、その場合は事故物件として扱われて資産価値が低下してしまいます。
また、言葉が通じない外国人の場合には、ルールを守ってくれなかったり、文化の違いによるトラブルが発生したりするケースもあります。
このようなトラブルを防ぐためには、属性に応じた対策が必要です。

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セーフティネット住宅にするなら対策を忘れずに

住宅セーフティーネット制度

制度を活用するなら、セーフティネット住宅特有の対策が必要です。
ここからは、高齢者・低所得者・外国人の入居者ごとの対策とトラブル時の対処法についてご紹介します。

高齢者が対象のアパートの場合

身体能力の低下が見られる高齢者を対象とするのなら、バリアフリー化は欠かせません。
一般的な入居者は多少の段差や階段があっても問題ありませんが、高齢者にとっては些細な段差で転倒する可能性があります。
それによりケガや持病、病気などが悪化したり、最悪の場合そのまま亡くなってしまったりなどの危険があるため、室内の改修工事は必須だと言えます。
また、孤独死のリスク対策として、見守り支援サービスの活用や身元引受人との連携なども検討しましょう。

低所得者が対象のアパートの場合

低所得者が対象なら、家賃滞納のリスクを少しでも減らせる対策を講じましょう。
生活保護者の場合、本来であれば受給者本人に家賃補助費が支払われる仕組みですが、家賃の払い忘れや管理能力の低下などが原因で滞納トラブルが発生するケースは珍しくありません。
そこで活用できる制度が、代理納付制度です。

代理納付制度を活用すれば、受給者本人を介さずに直接家主に家賃補助費が支払われるようになり、滞納リスクを最小限にできます。
生活保護者以外の対策としては、保証会社や連帯保証人をつける方法があります。
もし、引き受けてくれる保証会社や連帯保証人が見つからない場合には、NPO法人や生活困窮者の自立支援制度などを活用し、入居者が家賃支払いのサポートを受けることも可能です。

外国人が対象のアパートの場合

外国人を入居の対象とするアパートなら、契約書やルール、入居のしおりなどを外国語で用意しましょう。
日本人であれば当たり前の内容でも、文化の違う外国人には分からないことはたくさんあります。
理解不足が原因でペット不可なのに犬や猫を飼育する、違う曜日にゴミを捨てるなどのトラブルが発生しやすいため、入居前に相手が理解するまで丁寧に説明することが大切です。

困った時の相談窓口

セーフティネット住宅に関する相談は、地域の居住支援協議会へと問い合わせましょう。
相談に合わせたアドバイスや利用できる支援制度の紹介を受けられます。
また、入居の高齢者については地域包括支援センター、障害者については基幹相談支援センターなどでも専門的な対応をしてもらえます。
他にも、相談を聴いてもらえる市町村の社会福祉協議会を紹介してくれる場合もあるので、まずは近くの居住支援協議会へと連絡してください。

連帯保証人がいない場合の対処法

連絡保証人がいない場合には、家賃債務保証会社を利用しましょう。
地域の居住支援協議会へ相談すると、国土交通省が登録する保証会社の情報を提供してもらえます。
また、登録の保証会社については、(独)住宅金融支援機構の保険が利用できます。
ただし、家財保険や家賃債務保証、損害保険などの補償内容は提供する商品によって異なるため、事前に内容を確認してください。

入居者によるトラブルがあった時の対処法

入居者によるトラブルが発生した際には、事実確認のために管理会社や連帯保証人へと相談しましょう。
事実や問題を確認した上で、本トラブルを解決させるための是正措置を求めるのが一般的です。
ただし、入居者と大家との信頼関係が著しく損なわれるトラブルなら、契約解除ができる場合もあります。
また、「入居のしおり」を作成し、入居前に暮らしのルールを理解してもらうとトラブルの防止へとつながります。
契約時にただ資料を渡すよりも、入居者と面談として一項目ずつ丁寧に説明した方が未然防止に有効です。

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セーフティネット住宅以外の空室対策をご紹介!

住宅セーフティーネット制度

セーフティネット住宅は有効的な空室対策になりますが、それ以外にも方法はあります。
ここからは、空室になる原因と空室を埋める方法についてご紹介しましょう。

まずは空室になる原因を知る

空室対策の前に、入居者が見つからない原因を把握することが大切です。
原因としてまず考えられるのが、入居条件が厳しいことです。

例えば、安定した家賃収入を希望するあまり、入居可能者を法人のみとしたり、外国人の入居を拒んだりなどしていると入居条件が厳しくなり、新しい人が見つかりにくくなります。
また、物件の管理が行き届いていないのも空室の原因です。
共有部分にゴミが落ちている、廊下や手すりなどが劣化している物件は内見時の印象が悪くなり、別の物件へと流れてしまう可能性が高まります。
他にも、相場が賃料よりも大幅に高い、物件の状況や設備が悪いなども、空室が増える原因となります。

入居者募集方法を見直す

空室対策におすすめなのが、入居者募集方法の見直しです。
管理会社に委託している場合は募集活動の状況と問い合わせ、募集の案内はしているのに見つからないのか、それとも募集自体できていないのかを確認します。

また、内見のための準備も大切です。
室内や共有部分の清掃はもちろん、おしゃれな家具を置いてモデルルームのように魅力的に見せると、入居率が高まる傾向があります。

入居者の条件を見直す

入居者条件の見直しも、おすすめの空室対策のひとつです。
例えば、外国人学生や労働者が多いエリアなら、外国人可とするだけで入居率が改善するケースがあります。
もし、外国人入居者の家賃滞納トラブルに不安を感じるのであれば、家賃保証の導入も合わせて検討しましょう。
また、収入が不安定な職種の入居を拒んでいる場合も、家賃保証を導入すればリスクを最小限しつつ空室を減らせます。

入居者の費用負担を見直す

入居者の費用負担を減らすと、入居率アップにつながります。
初期費用の敷金・礼金をゼロにする、入居から一定期間の家賃を免除するフリーレントを採用すると物件をアピールしやすくなります。

また、敷金・礼金ゼロの物件は普及しつつありますが、フリーレントを提供する物件はそこまで多くありません。
フリーレントなら他の物件との差別化ができ、初期費用を抑えたい方からの入居希望が集まりやすくなるでしょう。
どちらの方法も大掛かりな準備は必要ないので、空室対策に悩んでいる方は一度導入を検討してみましょう。

人気のある設備を導入する

人気のある設備の導入で入居希望者が集まりやすくなります。
築年数や間取りなどを一新するのは容易ではありませんが、宅配ボックスやインターネット設備などの導入は可能です。
また、女性向け物件として経営するのなら防犯シャッターやカメラ付きインターホンなどを設置すると、入居者へのアピールにつながります。
部屋内の設備に関しては、水回り設備やエアコンなどの交換がおすすめです。

アパート管理を徹底する

内見時に良い印象を持ってもらうためにも、入居者の退去後クリーニングは必須です。
内見時にチェックする水回りや窓周辺などを含め、部屋の隅々まで掃除しましょう。
また、クリーニングに加えて、壁紙やフローリング、畳のメンテナンスもおすすめです。
建物全体については、階段や手すりなどの劣化や共有部分の清掃状況などを確認し、見た目が悪いところは修理・清掃をしてイメージアップを図りましょう。

リフォームやリノベーションを検討する

築年数が経過している物件の場合にはリフォームやリノベーションを行うと、人気物件へなる可能性があります。
リフォームやリノベーションと聞くと高額な費用がかかるとイメージされますが、一新するポイントを数ヶ所に絞れば費用を抑えることは可能です。
壁を一面だけ取り壊して間取りを変えたり、畳をフローリングに交換したりするだけで入居者のニーズと一致して、希望者が増えるケースもあります。
費用ばかりに注目せず、リフォーム・リノベーションによって得られるメリットを考えながら工事を検討しましょう。

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空室対策の注意点

住宅セーフティーネット制度

ご紹介したとおり、入居者条件の見直しやアパート管理の徹底など様々な空室対策がありますが、中にはやってはいけない対策もあります。
最後に、空室対策の注意点を2つご紹介しましょう。

家賃の急激な値下げ

相場よりも高い家賃なら値下げするのは有効策ですが、相場よりも大幅に下げる行為は避けるべきです。
家賃を下げれば当然大家側の収入も低くなり、入居率がアップしたとしても経営状態がままならず、収支計画が破綻する恐れもあります。

また、相場よりも大幅に下げると近隣の賃貸市場にも大きな影響を与えてしまい、他の不動産会社も家賃額を合わせてくる可能性も考えられるでしょう。
家賃の引き下げるのではなく、人気設備の導入や募集方法を見直しで物件をアピールすることは可能です。

入居条件の安易な引き下げ

入居条件の緩和は良い方法ですが、安易な引き下げはおすすめしません。
入居者条件を引き下げて、ペット飼育や外国人入居を可能にすれば入居希望者は増えますが、同時にトラブルが発生するリスクが高まります。

突然ペット可にされれば、既存の入居者からの不満が上がって退去したり、飼育によるニオイやダメージにより原状回復に時間がかかってしまったりします。
もし、入居条件を引き下げるのなら、敷金の増額やマニュアルの明確化、既存住人への説明などしてトラブルを未然に防ぐ対策を講じましょう。

採算を考えないリフォーム・リノベーション

綺麗な状態へ一新できるリフォーム・リノベーションは空室対策として最も効果的な方法ですが、費用対効果に考慮する必要があります。
どうしても高額な費用がかかってしまうため、家賃や戸数などによってはコストの改修にかなりの時間が要してしまう可能性が考えられます。
何年で回収できるか、家賃は相場と比較してどうかなどを計算した上で、どの程度の費用をリフォーム・リノベーションに充てられるかを検討することが大切です。

今回は、住宅セーフティネット制度についてご紹介しました。
住宅セーフティネット制度を活用すると、競合相手が少なく空室対策になる、耐震改修工事やバリアフリー回収工事などの補助が受けられるメリットがあります。
ただし、入居者の拒否ができない、トラブル発生のリスクがあるなどのデメリットも存在する点には注意が必要です。
新築や築年数が短いなどの入居希望者が多い物件なら、住宅セーフティネット制度を検討するケースは少ないですが、中古物件であれば導入するメリットはあります。
空室対策に悩んでおり他との差別化を図りたい場合には、住宅セーフティネット制度の活用を検討するのも良いでしょう。

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