東京では現在、「100年に1度」とも称される大規模な都市再開発が進行中です。都内各所でインフラ整備や商業施設の新設、交通アクセスの向上を伴うプロジェクトが次々と計画・進行され、街の景観や機能が大きく変貌しつつあります。以下では、現在進行中または計画中の主要な再開発エリアをピックアップし、それぞれの特徴、投資・居住適性、将来性について解説します(各エリアの公式発表や開発計画資料にもとづき記述)。
Contents
八重洲・東京駅周辺エリア(千代田区・中央区)
主要プロジェクト:
- TOKYO TORCH計画(常盤橋街区再開発) – 東京駅日本橋口前の大規模再開発。高さ390mの超高層ビル「Torch Tower(トーチタワー)」を含み、2028年竣工予定。国際級ホテルや大規模ホール、7,000㎡の広場「TOKYO TORCH Park」等を整備予定。
- 八重洲一丁目東B地区再開発 – 東京駅八重洲口正面エリアで地上51階建て超高層ビルを建設中(2025年度完成予定)。大規模ホールや劇場を備え、オフィス街に不足していた文化発信拠点となる計画。
- 八重洲二丁目中地区再開発 – 八重洲エリア中ほどの再開発(2028年度完成予定)。大規模オフィス・商業ビルと地下バスターミナル整備を予定。
- 八重洲一丁目北地区再開発 – 八重洲口北側エリアの再開発(2032年度完成予定)。
エリアの特徴: 東京駅周辺は日本有数のビジネス中心地であり、近年は丸の内・大手町側の高層オフィスビル建替えが進みました。今後は八重洲口側でも大規模再開発が連続予定され、交通インフラの大幅強化が特徴です。既に2022年には八重洲北地区で地下バスターミナルと歩行者用の屋内広場が整備され、利便性が向上しました。新設される高層ビル群にはオフィスだけでなく劇場・カンファレンス施設、商業ゾーン、ホテル、さらには地下に新たなバスターミナル等が計画されており、ビジネスと観光双方へのサービス機能を強化します。東京駅直結という圧倒的な交通利便性に加え、歩行者デッキや地下通路拡充による回遊性向上も図られており、国内外から人々が集うハブ拠点として整備が進んでいます。
投資・居住適性: 東京駅前という立地自体が資産価値の高さを裏付けます。再開発によるインフラ充実で不動産価値は一層盤石になる見込みです。オフィス需要が高く空室リスクが低いこと、大型商業施設や文化施設の新設で賑わいが増すことから、周辺の商業不動産やホテル投資にも追い風です。居住面では超高層ビル上層部に高級レジデンスが計画されているケース(例:Torch Tower最上部のラグジュアリー住宅)もあり、都心最高峰の眺望と利便性を享受できるプレミアム居住空間として富裕層に訴求します。ただ一般的な居住用途は少ないエリアのため、投資妙味が中心と言えるでしょう。
将来性: 2028年のTorch Tower完成をはじめ、2030年代前半まで大型計画が続くため、東京駅周辺は今後10年以上かけて常に進化し続けるエリアです。再開発完了後は八重洲エリアの様相が一変し、巨大バスターミナルによる国内各地・空港へのアクセス強化、国際会議場や交流拠点の整備によるビジネス誘致効果など、経済波及効果も甚大です。将来的なリニア中央新幹線の開業(品川駅乗り入れ)により東京駅〜品川駅の都心南北軸が強化されれば、八重洲・日本橋方面も含めた不動産価値向上が期待されます。公的にも東京都が八重洲・日本橋を含む「国際ビジネス拠点」と位置付け支援しており、将来性は極めて高いといえます。
(参考:東京建物株式会社「八重洲一丁目東B地区」再開発計画プレスリリース、三菱地所「TOKYO TORCH」計画発表資料、中央区「東京都市計画(日本橋川沿い地区)」説明資料 等)
日本橋エリア(中央区)
主要プロジェクト:
- 日本橋再生計画(第3ステージ) – 三井不動産主導の日本橋エリア再生プロジェクト第3段階。首都高速道路の地下化と連動し、日本橋川沿いの広域開発を進行中。
- 日本橋一丁目中地区 – 日本橋川沿い北側。地上52階建て超高層ビル建設中(2021年着工済)。既存施設(日本橋プラザ等)の建替えと公共空間整備。2025~26年頃完成予定。
- 日本橋室町一丁目地区 – 日本橋川沿い南側。33階建て複合ビルを建設予定(2028年完成予定)。周辺道路環境の改善、地下・地上動線の充実を図る。
- 日本橋一丁目東地区 – 日本橋一丁目交差点付近(現・日本橋郵便局含む区画)。超高層ビル2棟(オフィス主体棟、住宅・生活支援施設主体棟)を建設予定。2030年代後半(2038年頃)まで段階的に開業予定。
- 日本橋一丁目1・2番地区 – 日本橋川沿い東側小規模区画。27階建て商業ビルを建設予定(2032年完成予定)。
エリアの特徴: 日本橋は江戸時代から続く商業・金融の中心地で、歴史的建造物と先端ビルが混在するエリアです。再開発のコンセプトは「残しながら、蘇らせながら、創っていく」であり、伝統的景観を尊重しつつ現代的な都市機能を導入する点に特徴があります。首都高速の高架を地下化する国家的プロジェクトと連動しているのも大きな特徴で、日本橋川沿いに親水空間や歩行者空間を創出し、川と街が調和する景観を取り戻す計画です。各地区の再開発では、オフィス・商業の充実はもちろん、防災性の向上(耐震ビルへの建替え、老朽インフラ更新)やエリア内の回遊性改善(デッキ・地下通路整備)に重点が置かれています。例えば室町一丁目地区では道路・地下動線の改善により歩行者ネットワークの強化が図られ、観光客も含め人の滞留が増える見込みです。また一丁目東地区では大規模な緑地広場や公共施設も整備予定で、職住近接で暮らせる都心居住空間の創出にも取り組んでいます。
投資・居住適性: 日本橋エリアは再開発が集中することで不動産市況へのインパクトが非常に大きいと予想されています。オフィス需要については、日本橋は従来から金融機関や大企業本社が集積し空室率も低く安定しているうえ、新ビルには最新設備や環境性能が備わりテナント競争力が高いため、投資物件として有望です。商業面でもCOREDO室町など成功事例があり、新たな商業・宿泊施設(例えば日本初進出の高級ホテル「ウォルドーフ・アストリア東京日本橋」(2026年開業予定)など)が加わることで世界的な集客力が増すでしょう。居住に関してはこれまで賃貸マンションが点在する程度でしたが、新計画では住宅棟の建設も含まれており、日本橋に住むという選択肢が現実味を帯びています。都心で働きつつ徒歩圏に住める「職住近接」の価値は高く、再開発後は富裕層を中心に居住ニーズも高まると見込まれます。江戸から続くブランド力と現代的利便性を兼ね備えた日本橋は、資産価値が下がりにくい街として投資家からも注目のエリアです。
将来性: 日本橋再開発は2030年代後半まで段階的に継続する超長期計画です。高速道路の地下化完成(予定では2035年前後)により日本橋の景観価値は飛躍的に向上し、川沿いのにぎわい創出で新たな観光名所ともなるでしょう。複数の超高層ビル竣工に伴いビジネス人口・居住人口が増加し、街の多様性と活力が一段と高まることが期待されています。再開発による防災機能強化(帰宅困難者受け入れ施設や非常電源の整備等)により、災害に強い安全な街へとアップデートされる点も将来的な安心材料です。官民一体で進む「グレーター日本橋」構想の下、隅田川から日本橋川にかけて広域連携した町づくりが進行しており、完成後の日本橋エリアは東京の中でも最も洗練された歴史と未来の融合エリアとして国内外から評価されるでしょう。
(参考:中央区「日本橋川沿いエリアまちづくりビジョン2021」、野村不動産・三井不動産 各社プレスリリース、国土交通省 首都高地下化事業資料 等)
虎ノ門・麻布台エリア(港区)
主要プロジェクト:
- 虎ノ門・麻布台プロジェクト(麻布台ヒルズ) – 2023年に一部開業した森ビル主体の大規模再開発。神谷町駅~六本木一丁目駅間の約8.1haを再整備し、地上64階・高さ330mの超高層「森JPタワー」など3棟のタワーと低層棟で構成される複合都市。住宅(約1,400戸)、オフィス、商業施設、ホテル、インターナショナルスクール、大規模広場(約6,000㎡)等で構成。2023年11月に「麻布台ヒルズ」として街開き。
- 虎ノ門ヒルズエリア拡張 – 2014年に開業した虎ノ門ヒルズ森タワーを核に、周辺で複数の再開発が進行。虎ノ門ヒルズビジネスタワー(2020年開業)、レジデンシャルタワー(2022年)、ステーションタワー(2023年開業、地下に東京メトロ日比谷線新駅直結)など。環状2号線(新虎通り)の整備と一体で進められた。
- 虎ノ門地区他計画 – 虎ノ門二丁目地区市街地再開発(超高層ツインタワー計画)、愛宕地区開発など周辺にも関連プロジェクトあり。
エリアの特徴: 虎ノ門・麻布台エリアは都心部の新たなビジネス拠点として急速に進化しています。2010年代以降、環状2号線の開通と虎ノ門ヒルズ開業を皮切りに、オフィス・ホテル需要に応える高層ビルが林立し始めました。特に「虎ノ門・麻布台プロジェクト」は「緑に包まれ、人と人がつながる広場のような街」をコンセプトに掲げる巨大開発で、約24,000㎡もの緑地を整備し環境性能最高ランクを目指すなど持続可能な都市モデルとなっています。同プロジェクトでは老朽化した木造住宅密集地を再編し、道路・広場・歩行者動線など都市インフラを一から作り直しており、地区全体の防災性や回遊性が飛躍的に向上しました。また、外国人富裕層の子弟も受け入れるインターナショナルスクール開校や、延床9,000㎡に及ぶミュージアム・ギャラリーの設置など、文化・教育面の機能強化も特徴です。虎ノ門ヒルズの新駅開業やBRT(バス高速輸送システム)導入により交通アクセスも改善しており、新橋・銀座方面や臨海部への移動も便利になっています。虎ノ門(官庁街に近接)と麻布台(外国人も多い国際色豊かな街)の両エリア特性を活かし、ビジネス・外交・カルチャーが融合する「コンパクトシティ」が実現しつつあります。
投資・居住適性: このエリアは国内外の企業投資家から注目されています。虎ノ門ヒルズや麻布台ヒルズには海外企業の日本拠点やスタートアップ企業が多数入居予定で、最新鋭オフィスへの需要は極めて高いです。オフィス賃料水準も都内トップクラスを維持する見通しで、収益不動産として魅力的でしょう。商業施設も高感度なテナントが集まり集客が見込めるため、商業不動産の価値向上も期待できます。居住面では、麻布台ヒルズ内の高級レジデンスや虎ノ門ヒルズレジデンシャルタワーなど都心最高級の居住空間が供給され、富裕層やエクスパット(外国人駐在員)に人気です。再開発によって地区の安全性(耐震・防災)や景観、利便性が飛躍的に向上したことで「住みたい街」としての評価も上がっています。都心でありながら広大な緑地と文化施設がある環境は希少で、長期的にも高い居住満足度と資産価値を維持すると考えられます。
将来性: 2023年の麻布台ヒルズ開業で一つの節目を迎えましたが、この周辺では今後も虎ノ門二丁目の再開発(高さ約265mのタワー等計画)や愛宕エリアの開発が予定されており、エリア全体の発展は継続します。虎ノ門ヒルズと麻布台ヒルズのエリア連携により、歩行者ネットワークやイベント連動など街全体でシナジー効果が期待できます。政府も近接する霞が関の官庁街改革や国際金融拠点構想を進めており、虎ノ門はその受け皿としてさらに発展が見込まれます。将来的には環状2号線沿道に沿って新橋方面~虎ノ門~麻布台~六本木に至る新しい都心軸が形成され、経済活動と居住環境が高度に融合したモデルケースとなるでしょう。
(参考:森ビル「虎ノ門・麻布台プロジェクト」公式情報、東京都都市整備局資料、東京BRT運行情報等)
渋谷駅周辺エリア(渋谷区)
主要プロジェクト:
- 渋谷駅街区再開発(渋谷スクランブルスクエア) – 渋谷駅直上の再開発。第I期の東棟(地上47階・高さ約230m)は2019年開業済。第II期の中央棟・西棟も着工しており2027年度完成予定。巨大屋上展望施設「SHIBUYA SKY」など集 crowd を集める施設を整備。
- 渋谷桜丘口地区再開発(Shibuya Sakura Stage) – 渋谷駅南西の桜丘町エリア再開発。地上39階等の複合ビル2棟が2023年11月竣工し、新たな歩行者デッキで駅と直結。オフィス・商業・サービスアパートメント・国際医療施設などを備える。2024年夏に街びらき予定。
- 道玄坂一丁目駅前地区再開発 – 渋谷マークシティに隣接する道玄坂エリア再開発。オフィス・商業・ホテルの超高層ビルを建設中(2027年竣工予定)。井の頭線渋谷駅と直結し、道玄坂一帯の回遊性向上を図る。
- その他完了済プロジェクト – 渋谷ヒカリエ(2012年開業)、渋谷ストリーム(2018年)、渋谷フクラス(2019年)、MIYASHITA PARK(2020年)など。
エリアの特徴: 渋谷は「若者の街」から「成熟した国際都市・クリエイティブシティ」へと変貌を遂げつつある巨大ターミナルです。駅周辺で10年以上にわたり連続的な再開発が行われ、古く狭かった駅施設や雑多だった街区は大きく更新されました。鉄道ターミナルの再編成がこのエリアの核であり、東急東横線の地下化・副都心線乗入れ(2013年)や銀座線渋谷駅移設(2020年)などにより乗換動線が改善。併せて東西自由通路や複数のペデストリアンデッキ整備で駅の南北・東西の行き来が容易になりました。各再開発ビルには商業施設や広場が組み込まれ、例えば宮下公園を立体公園+商業施設「MIYASHITA PARK」として再生した事例では、公園・商業・ホテルの一体開発により新しいカルチャースポットが誕生しています。渋谷スクランブルスクエア東棟の開業後は高さ230mからの展望施設が人気となり、渋谷のランドマークが更新されました。現在も複数の高層ビル建設が進み、2027年まで「常に渋谷は工事中」と言われるほどの開発ラッシュが続きます。街全体で見るとIT系企業の集積(Google日本法人が渋谷ストリームに入居など)も著しく、産業構造面でも先端産業都市へ転身しつつある点が特徴です。
投資・居住適性: 渋谷は日本有数の商業地であり、再開発でその価値をさらに伸ばしています。不動産投資の観点では、渋谷駅直結・近接のオフィス物件はテナント需要が極めて高く、賃料上昇傾向が続いています。大企業からスタートアップまで幅広い需要があり、IT・クリエイティブ企業にとって渋谷アドレスは魅力的であるため、オフィスビル投資の期待利回りも良好です。また新設された商業施設(渋谷スクランブルスクエア、MIYASHITA PARK等)が集客好調なことから、商業系不動産の資産価値も安定しています。居住面では、渋谷駅周辺は商業地域のため分譲マンションは少ないものの、桜丘などの再開発でサービスアパートメントや高級賃貸が供給され、若いエグゼクティブ層やクリエイター層の居住ニーズを取り込んでいます。再開発に伴う防犯環境の改善(街路の拡幅・明るい歩行者デッキ整備等)で安全性も向上し、「夜でも安心な渋谷」というイメージづくりが進んでいる点も居住志向にプラスです。将来的には再開発エリア内の利便施設(大型スーパーや病院など)の充実も期待され、渋谷で生活が完結しやすくなることで居住価値がさらに高まるでしょう。
将来性: 渋谷エリアの再開発はオリンピック後の2020年代後半までが一つのピークとなりますが、その後も街の進化は続きます。2027年までに駅周辺の主要プロジェクトが概ね完成すると、新たな都市景観と機能を備えた渋谷が完成形を迎えます。これにより渋谷の来街者数はさらに増加し、国内外からの観光客誘致や国際イベント開催(渋谷ハロウィンなどの秩序ある実施)にも良い影響が出るでしょう。将来的な課題としては、再開発ビル群の維持管理や老朽化エリア(桜丘以外の宇田川町周辺や道玄坂小路エリアなど)の更新がありますが、渋谷区や民間デベロッパーは引き続きエリアマネジメントに注力すると見られます。総じて、渋谷は「常に生まれ変わり続ける街」として長期的に高い集客力と不動産価値を維持する可能性が高いです。
(参考:東急株式会社「渋谷再開発情報サイト」資料、渋谷駅街区事業パンフレット、渋谷区都市計画資料 等)

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新宿エリア(新宿区)
主要プロジェクト:
- 西新宿地区再整備計画 – 新宿駅西口から都庁周辺にかけての広域再開発ビジョン。老朽建物建替えと未整備区域の再編を目的に、2040年頃まで段階的に超高層ビル群を整備する長期計画。具体的には小田急百貨店・新宿NSビル周辺の再開発(西口地区再開発、2020年代後半〜着手)、新宿センタービル周辺(都庁街区)の再編、道路空間の有効活用などが含まれる。
- 新宿駅施設再編(グランドターミナル構想) – JR新宿駅ビル建替え(東西自由通路拡幅等)と周辺一体開発。2020年代後半より順次工事開始し、2030年代半ばまでに新駅ビルや駅前広場の再整備完了を目指す計画。
- 新宿駅西口地区再開発 – 小田急百貨店旧館・新宿高速バスターミナル周辺の再開発。地上48階建て高層ビル等を建設中(2030年頃完成予定)。既に新宿西口バスターミナルは地下へ統合され、「バスタ新宿」として南口に集約済。西口地区は商業・オフィスの複合ビルと広場整備へ。
- 新宿歌舞伎町エリア – 東口側の再開発として、旧新宿ミラノ座跡にエンタメ複合施設「東急歌舞伎町タワー」(地上48階)が2023年4月開業。劇場やライブホール、ホテル(映画『ゴジラ』コンセプトルーム含む)など娯楽機能を集積。歌舞伎町一帯の回遊性向上も図る。
エリアの特徴: 新宿は世界でも有数の巨大ターミナルで、1日の乗降客数は約350万人に達します。これまで駅を中心に東西で街の性格が大きく異なり、東口は商業・娯楽の街、西口はオフィス街として発展してきました。再開発計画では東西の回遊性を高め、一体的な街づくりを進めることがテーマです。新宿駅の東西連絡通路は既に2022年に開通し、長年分断されていた東西エリアのアクセスが向上しました。今後はJR新宿駅の老朽化した駅ビル(ルミネや小田急百貨店部分)の建替えが控えており、駅直上に大規模複合ビルを整備して駅機能と商業・業務機能を一体化する構想です。西新宿では高度経済成長期に建てられた高層ビル群(新宿三井ビルや住友ビルなど)の更新時期を迎えており、これを機に世界最高水準のビジネス拠点への再構築が図られます。2040年までに西新宿一帯に複数の新築タワーや文化施設、大学・研究施設等の誘致を目指し、産官学が集う新宿の未来像が検討されています。一方、東口の歌舞伎町エリアでは治安・防災の観点から再開発が進み、タワー開業やゴジラロード整備などにより健全な娯楽観光地としての色彩が強まりつつあります。総じて新宿全体で見ると、「巨大ターミナルの近代化」「老朽ビルの再生」「繁華街の健全化」が同時並行で進むエリアであると言えます。
投資・居住適性: 新宿は商業地・オフィス地としての地力が非常に強く、不動産投資の観点でも魅力的です。特に西新宿の超高層ビル群は古くから多くのテナントを抱え賃料収入を生んできました。再開発で最新設備のビルが供給されれば、国内外企業の誘致競争力が増し、オフィスマーケットの活況が持続するでしょう。今後20年近い長期計画であるため、その間に不動産価値が逓増していく期待もあります。商業面では、新宿駅は国内最大の乗換駅であり人通りが膨大なため、駅ビルや周辺商業施設のテナント募集は非常に有利です。新宿ならではの多様な消費層(ビジネス客・観光客・学生など)を狙える点で、小売・飲食店舗の売上も底堅く、商業不動産投資も有望でしょう。居住については、新宿駅周辺はオフィスビルが多く人口は少なめでしたが、西新宿にはタワーマンションが点在し始めています。再開発計画でも住宅棟の整備可能性が示唆されており、都心高層住宅として一定の需要があります。治安や騒音の懸念で敬遠する向きもありますが、駅近・職場近の利便は他に代え難く、シングルやディンクス世帯を中心に新宿居住を選ぶ層は増えつつあります。特に歌舞伎町タワー内には高級ホテルやオフィスも入っており、街の高級感が高まれば富裕層の居住ニーズも引き寄せられる可能性があります。
将来性: 新宿エリアの再開発は計画期間が長期にわたるため、不動産市場への影響も段階的かつ持続的です。2030年頃までに西口の基幹プロジェクト(駅ビル建替え・小田急再開発等)が完了すると、新宿は「グランドターミナル」として大きく姿を変え、東西南北のアクセス性が抜群に向上します。その後2040年頃まで続く西新宿の再整備が完了すれば、新宿は超高層ビルがさらに増え国際競争力のあるビジネス街へと昇華しているでしょう。加えて、リニア新幹線の開業で品川へのアクセス向上、羽田空港新ルート整備など外部要因も新宿の価値を押し上げる材料です。市場動向としては、再開発に先回りして物件を取得しようとする動きから、既に新宿区内の地価上昇が見られます。不動産価格は将来を織り込んで上昇しやすいですが、それでも再開発完了後のポテンシャルを考えれば十分な上昇余地があるとの見方もあります。新宿は今後も日本を代表する商業・ビジネス拠点であり続けることが確実で、将来的な市場性は極めて良好です。
(参考:東京都「新宿グランドターミナル構想」資料、新宿区「西新宿地区再整備方針」資料、東急歌舞伎町タワー開業プレスリリース等)
六本木エリア(港区)
主要プロジェクト:
- 六本木五丁目西地区再開発(第二六本木ヒルズ) – 森ビルが進める六本木ヒルズに次ぐ大型複合再開発。六本木交差点西側の5丁目・6丁目に、地上66階・70階建ての超高層ツインタワーを建設予定(2025年着工、2030年竣工予定)。延べ床面積は約108万㎡と、第1期六本木ヒルズ(約79万㎡)を凌ぐ規模。オフィス、住宅、商業、美術館など多機能。
- 麻布台ヒルズ(※前述の虎ノ門・麻布台プロジェクト) – 六本木エリア東側で2023年開業。六本木一丁目駅寄りであり、広義の六本木エリア拡大に寄与。
- 周辺の動き – 既存の東京ミッドタウン(赤坂9丁目、2007年開業)周辺でも区立文化施設の建替え計画等が進行中。
エリアの特徴: 六本木は既に「六本木ヒルズ」(2003年開業)や「東京ミッドタウン」(2007年)によって洗練された超高層街を形成していますが、そのポテンシャルはさらに高まろうとしています。第二六本木ヒルズ計画では、現在老朽化した中低層ビルが多い地区を一新し、緑地と文化施設を備えた大規模複合都市を作り出す計画です。初代六本木ヒルズが森美術館や大屋根広場など文化的発信拠点を持つように、新計画でも美術館等の誘致が予定され、六本木のアート・デザイン拠点としての地位をさらに強固にします。インフラ面でも、六本木通り沿いの歩行者環境改善や、周辺道路の拡幅・再整備が見込まれ、麻布方面とのアクセスも円滑化するでしょう。既存の地下鉄(日比谷線・大江戸線)に加え、虎ノ門方面からのBRTや新交通の導入可能性も検討されており、交通利便性の向上も視野に入ります。六本木エリア全体としては、「国際的な高級住宅・オフィスエリア」「ナイトライフと文化の発信地」という二面性を持ちますが、再開発によって安全で快適な街並みが広がることでファミリー層にも開かれた街へと進化することが期待されています。
投資・居住適性: 六本木は不動産価格が高位安定しているエリアで、再開発はその傾向を一段と強めるでしょう。オフィス需要は外資系企業やIT企業に根強く、最新の超高層ビルが供給されればさらに誘致が進むはずです。高級ホテルの進出余地もあり、観光・ビジネス両面で収益物件として魅力が高まります。居住面では、六本木ヒルズレジデンスのように資産価値が落ちにくい高級マンションが多く存在します。新たなツインタワーにも高級住宅が入る可能性が高く、富裕層の購入・投資ニーズが期待できます。六本木は娯楽施設が多い反面、治安や環境を理由にファミリーには敬遠されがちでしたが、再開発で公園・教育施設などが充実すればファミリー層の需要掘り起こしにもつながるでしょう。土地の希少性から投資妙味は大きく、再開発情報が公表された段階から既に周辺の土地・中古物件の取引価格が上昇する動きもみられます(いわゆる「再開発プレミアム」)。長期的に見て六本木エリアの物件は国際的にも通用する「プライムアセット」として評価される可能性が高いです。
将来性: 第二六本木ヒルズの完成する2030年頃、六本木エリアは東京随一の高層スカイラインを持つ街区となります。東京タワー・東京スカイツリーに次ぐ高さのツインタワーは新たなランドマークとなり、国内外から訪れる人々を惹きつけるでしょう。六本木は既に外国人にも知名度が高く国際化が進んだ街ですが、更なる高機能化によってアジア屈指の高級ビジネス&居住エリアとして確立される見込みです。マーケット面では、六本木周辺のオフィスワーカー増加により港区全体の商業消費が潤い、近隣の赤坂・麻布エリアへの波及効果も期待されます。将来的な課題として交通量増加への対策や、夜間経済(ナイトタイムエコノミー)の健全な発展がありますが、これらも行政と事業者による地区計画の中で検討が進められています。総じて六本木エリアの将来性は明るく、今後も投資適格なエリアとして注目を集め続けるでしょう。
(参考:港区議会資料「六本木五丁目西地区 開発計画」、森ビル事業計画発表、不動産市況レポート 等)
品川・高輪ゲートウェイエリア(港区)
主要プロジェクト:
- 品川駅西口地区再開発(品川駅街区プロジェクト) – JR東日本・京急電鉄による品川駅西口南側一帯の再開発。敷地を北街区・南街区(南-a/南-b)に分け、2025年~2036年にかけて順次整備。北街区および南-a街区に地上28階建ての複合ビル(オフィス・商業・ホテル等)を建設予定。駅前広場や歩行者デッキでJR・京急品川駅と接続。
- 高輪ゲートウェイシティ(品川開発プロジェクト第I期) – JR品川〜田町間の車両基地跡地再開発(線路東側)。新駅「高輪ゲートウェイ」周辺にオフィス、住宅、商業、文化施設から成る街区を形成中。2024年以降順次開業予定。国際交流拠点・イノベーション施設を備える「Global Gateway Shinagawa」として位置付け。
- 品川駅東側地区の再整備 – 港南口側では既存ビル建替えや駅直結デッキ整備計画などが別途進行中。
エリアの特徴: 品川エリアは東京の南玄関口として、近年再開発の注目が高まっています。東海道新幹線の発着駅であり、将来はリニア中央新幹線の始発駅となる予定で、まさに国家的な交通結節点です。それにふさわしい国際交流拠点に生まれ変わらせるため、JR・京急・東京都が連携して大規模開発を推進しています。品川駅西口再開発では、京急品川駅の地平化(高架ホームを地上に降ろす)と再配置も含めた抜本的な駅再編が行われ、国道15号上空に大規模な歩行者デッキを設置して東西を結ぶ計画です。これにより、従来分断されていた高輪エリアと港南エリアのアクセスも改善されます。また、高輪ゲートウェイ駅周辺の開発では「未来型のスマートシティ」を掲げ、AIやロボット技術を導入した次世代オフィスビル、国際会議場やスタートアップ支援施設の整備、大規模な交流広場(グローバルビレッジ)創出などが特色です。新駅と一体の街開発という点で他にはないケースであり、鉄道・道路などインフラ新設と都市開発が同時並行で進んでいます。羽田空港へは京急・モノレールで直結という地の利もあり、品川は今後ますますビジネス・観光の拠点性を増すでしょう。
投資・居住適性: 品川エリアはこれまでオフィス立地としては丸の内や渋谷等に比べやや地味でしたが、再開発により一気に一等地化すると期待されています。特に高輪ゲートウェイ周辺には海外企業誘致やスタートアップ育成拠点構想があり、完成後は賃料水準の上昇が見込まれます。今のうちに周辺不動産へ投資しておくことで将来の値上がり益を狙う投資家も増えています。また、大規模開発による雇用創出で人口流入も予想され、賃貸住宅ニーズも高まるでしょう。実際、高輪ゲートウェイシティ内には賃貸レジデンスの建設も予定されており、山手線新駅直結という他にない利便性から居住希望者が殺到する可能性があります。品川駅周辺は既にタワーマンションがいくつかありますが、再開発により生活利便施設(商業モールや病院等)の充実が図られればファミリー層にも魅力的です。投資の観点では、品川の将来性を見越して複数のディベロッパーが土地を取得しており、今後さらなるプロジェクト誘発も考えられます。再開発完了前に物件を先行取得することで値上がり益を得るチャンスがあるエリアといえます。
将来性: 品川・高輪ゲートウェイエリアは2030年前後にかけて大きく変貌します。まず2024~25年には高輪ゲートウェイシティ第I期が開業し、街として動き始めます。2027年にはリニア中央新幹線(品川〜名古屋)開業予定(※工期遅延の可能性あり)で、日本中・世界中から人が集まるターミナルとなります。その頃までに品川駅西口の再開発ビル群も姿を現し始め、駅を挟んで東西双方に近未来都市が広がる光景が現実になるでしょう。2030年代半ばまで工事は続きますが、完成した暁にはオフィス床供給量の大幅増加により東京のビジネス受け入れ能力が高まります。また街全体が新しいため環境配慮型の最先端都市インフラを備え、災害にも強い安全安心なエリアとなります。市場動向としては、品川の地価・賃料は再開発進展に伴い右肩上がりが予想されます。完成後は一時的な供給過多も懸念されますが、長期的には需要が追いつき持続的成長軌道に乗ると見る専門家が多いです。将来的に日本の首都機能や国際ビジネスの一極が品川に形成される可能性もあり、その将来性は計り知れません。東京都も「品川・田町副都心開発ガイドライン」を策定し一帯のまちづくりを支援しており、行政的な後押しも万全です。
(参考:京浜急行電鉄・JR東日本「品川駅西口地区再開発」共同発表、国土交通省資料、JR東日本「高輪ゲートウェイシティ」計画概要 等)

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中野駅周辺エリア(中野区)
主要プロジェクト:
- 中野サンプラザ地区再開発(NAKANOサンプラザシティ) – 中野駅北口のシンボル「中野サンプラザ」建物を解体し再開発する事業。地上61階・高さ約230m級の超高層複合ビルを建設し、コンサートホール等の文化機能を継承。2028年度完成目標。新ビルは中野駅新北口駅ビル(商業施設を内包)と一体化し、駅直結の大規模拠点となる。
- 中野区役所移転・建替え – サンプラザ隣接地の中野区役所も移転・新築される計画。現在地の北東(中野四丁目)に新庁舎を建設中で2024年2月竣工予定。旧区役所跡地も含め北口エリアを再整備。
- 中野駅南北通路新設 – 2026年完成予定で中野駅の南北自由通路を整備中。これにより北口(サンプラザシティ・中野ブロードウェイ側)と南口(商店街・住宅地側)の回遊性が飛躍的に向上する見込み。
- 中野二丁目地区再開発(中野駅南口側) – 中野駅南口東側で超高層マンション建設中(住友不動産、2024年度竣工予定)。
- 中野四丁目西地区再開発 – 中野ブロードウェイ西側で高層ビル計画(2025年度竣工予定)。
エリアの特徴: 中野は新宿に近接しながら独自のサブカルチャーや学生街的雰囲気を持つ街でしたが、近年「100年に一度の街づくり」と言われる再開発で大きな変貌期を迎えています。既に駅北側の旧警察大学校跡地は「中野四季の都市」という再開発で明治大学や大企業オフィスが入る洗練された街区に変わり、街の様相は一変しました。さらに今後は中野駅の北口・南口両側で大型再開発が同時進行します。北口側はサンプラザ解体を含む大規模事業であり、再開発後は高層ビル内にホール、商業施設、公共施設が融合した新たなランドマークが誕生します。南口側も長らく手つかずだった商店街エリアに再開発の波が及び、駅前に高層住宅や商業施設が建つ計画です。特徴的なのは、中野区が行政主体として積極的に関与している点で、区役所移転や区有地活用をテコに公民連携での街づくりが進められています。中野駅の自由通路新設により南北の人の流れがシームレスになると、商店街と再開発ビル群とが相乗効果で賑わいを創出するでしょう。鉄道インフラとしてはJR中央線・東西線のみですが、再開発に合わせバス路線の充実や駅前広場再編も検討されており、アクセス利便も徐々に改善しています。
投資・居住適性: 中野区は近年、不動産投資家から熱い視線を向けられるエリアです。その理由は再開発による街全体のブランド力向上と、都心近接でありながら価格に割安感があった点です。まず商業・オフィス面では、中野四季の都市に進出した企業が多く、オフィス需要が顕在化しています。サンプラザシティ完成後は最新オフィスが供給されるため、新宿から移転・増床する企業も見込まれます。これによりオフィス賃料は上昇圧力がかかり、投資対象としての魅力が増すでしょう。商業面でも、新たな大型店や飲食店の出店余地が生まれ、中野ブロードウェイなど既存商店街との相乗効果で地域全体の集客力がアップし、テナント収益性が向上する期待があります。居住環境については、もともと中野区は住宅人気が高く、再開発で環境が整えば一層住みやすくなります。高層マンションから手頃な価格帯まで多様な住宅供給が予想され、ファミリーから単身者、学生まで幅広い層に対応できるでしょう。特に中野駅徒歩圏の新築マンションは資産価値が上がりやすく、再開発マンションは値上がりしやすいとも言われています。賃貸需要も旺盛なエリアのため、投資用マンションの供給にも弾みがつきそうです。
将来性: 中野駅周辺は再開発が完了する2020年代後半〜2030年前後にかけて、副都心級の存在感を持つエリアへと進化するでしょう。中野サンプラザシティが完成し区役所など公共施設も集約されれば、中野駅北口は昼夜を問わず人で賑わう新都心となります。南口も再開発と南北通路開通で恩恵を受け、古き良き商店街文化と新しい商業施設が混在する独特の魅力を湛えるはずです。将来的には、中野駅における鉄道増強(東西線の延伸や新路線計画の検討など)も期待されていますが、まずは現在進行中のプロジェクト完遂が優先です。市場的には、中野の地価上昇率は東京23区内でも上位にあり、再開発完了までは高止まり、完了後もエリア価値に見合った安定推移が見込まれます。「住みたい街」ランキングでも中野は常に上位であり、将来的にも住宅需要が底堅いでしょう。中野エリアは東京都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷)に次ぐ潜在力を持つとも評され、再開発によってその将来性が現実のものとなりつつあります。
(参考:中野区「中野駅周辺まちづくり」公式情報、2023年7月中野サンプラザ閉館ニュース、等)
晴海・東京湾岸エリア(中央区・江東区)
主要プロジェクト:
- HARUMI FLAG(晴海五丁目西地区再開発) – 2020年東京五輪選手村跡地を再整備する大規模開発。分譲・賃貸あわせ全5,632戸の住宅と商業施設、小中学校、広場等から成る新街区で、計画人口約12,000人。街開きは2024年春予定。大型商業施設「三井ショッピングパーク ららテラスHARUMI FLAG」を2024年3月開業予定(店舗面積約10,000㎡、スーパー「サミット」など約40店舗)。
- 豊洲・有明エリア開発 – 豊洲駅前の豊洲地区再開発(豊洲ベイサイドクロスなど既に開業)、有明ガーデン(2020年開業)等、湾岸部では近年商業・住宅開発が活発。今後も有明北地区や晴海・豊洲間の新交通(BRT延伸等)計画あり。
- 勝どき東地区市街地再開発 – 晴海のお隣、勝どき駅前でも58階建てタワーマンションなどから成る再開発が進行中(北地区:2026年完了予定)。
エリアの特徴: 東京湾岸エリア(晴海・豊洲・有明など)はここ10〜15年で急激に発展した新興エリアです。その中でも晴海五丁目の再開発(HARUMI FLAG)は、オリンピック選手村という特殊な経緯を経て誕生する都内最大級のニュータウンとして注目されています。かつて物流倉庫が多かった晴海地区ですが、近年はマンション群が林立し始め、人が住む街へと生まれ変わりました。HARUMI FLAGでは約5千戸超の住宅に加え、大規模商業施設や学校、スポーツ施設、バスターミナルなど生活インフラをオールインワンで整備します。敷地内の道路・公園も計画的に配置され、従来課題だった買い物環境の不便さも大型商業施設の開業で一気に解消される見込みです。交通面では、都心直結の新交通「BRT」が既に虎ノ門ヒルズ〜新橋〜晴海間で暫定運行中で、今後豊洲・有明方面へ延伸予定です。さらに晴海と都心を結ぶ幹線道路「環状2号線」(築地〜虎ノ門トンネル区間)が開通し、バスや車でのアクセス時間が短縮されています。これらにより、晴海から銀座・東京駅方面への所要時間が大幅に改善し、都心への近接性が高まったことは大きな特徴です。湾岸エリアは海に面した開放的な景観や豊富な水辺空間も魅力で、HARUMI FLAGでも敷地周辺の海沿い景観を活かしたプロムナード整備が計画されています。
投資・居住適性: 晴海・湾岸エリアは新築マンション供給が非常に多く、住宅マーケットとして注目されています。HARUMI FLAGの分譲住戸(約4,000戸)は販売開始から高い人気で、一次抽選倍率が平均10倍を超えるなど需要が殺到しました(購入者の実需だけでなく投資目的も多いとされる)。将来的な地価上昇を見込んだ投資家にとって、大規模開発による街全体の価値向上は魅力です。ただし供給戸数が多いため短期的な需給バランスには注意が必要で、一時的に中古市場で売りが増える可能性も指摘されています。しかし長期では人口増加と街の成熟に伴い資産価値は安定すると見る向きが一般的です。賃貸需要も若いファミリーや共働き世帯を中心に旺盛で、海辺の開放感や新築の綺麗さを好む層に支持されています。商業施設「ららテラス」の開業で生活利便が格段に上がるため、居住満足度の高い街として定住志向も強まるでしょう。一方オフィス需要や商業機能は臨海部全体で見ると都心に比べ弱い傾向があり、当エリアの不動産価値は基本的に住宅主体で形成されます。そのため経済情勢や金利動向による住宅市況の影響は受けやすいですが、東京全体の人口動態や住環境ニーズを考えると、中長期的に湾岸エリアの住宅需要は堅調と予想されます。
将来性: 晴海フラッグを含む湾岸エリアは、2030年頃までに現在のプロジェクトが一巡し、一大居住エリアとして完成形に近づきます。将来的な発展の鍵は交通インフラのさらなる強化です。現在計画中の新地下鉄(有楽町線延伸案など)やBRT本格運行が実現すれば、都心への通勤通学が一層便利になり、エリア価値は飛躍します。また、防災面では埋立地ゆえの液状化リスクや高潮対策が課題ですが、東京都は高規格堤防整備や帰宅困難者対策拠点の設置などハード・ソフト両面で施策を進めています。これにより災害に強い街としての信頼性も高まるでしょう。市場面では、湾岸エリアのマンション価格は今後も緩やかな上昇傾向が続く見込みです。都心に比べ割安な価格設定と最新の設備・広い住戸面積といったコスパの良さから、若年層の新しい住宅流入先として定着することが考えられます。加えて、2020年代後半から30年代には有明方面での再開発(東京ビッグサイト周辺の再整備等)や臨海部のカジノを含む統合型リゾート(IR)誘致の可能性も取り沙汰され、湾岸地域全体でさらに活性化するシナリオもあります。晴海・湾岸エリアは長期的に見て東京の都市構造の中で重要度を増す地域であり、その将来性には大いに期待が持てます。
(参考:東京都住宅供給公社「晴海五丁目西地区開発計画」パンフレット、三井不動産プレスリリース、等)
以上、東京都内の主要再開発エリアについて、現状と展望をまとめました。各エリアともインフラ・施設の刷新により利便性や安全性が向上し、不動産価値の維持・向上が期待できるエリアであることがお分かりいただけるかと思います。投資検討にあたっては公式の開発計画資料や行政の発表を確認しつつ、計画段階から先行して注目することが肝要です。再開発は街を進化させると同時に不動産市場にも大きな影響を与えるため、これら注目エリアの動向から今後も目が離せません。