世の中がコロナ禍となる少し前まで、空前のオフィス需要が到来していました。この記事ではテレワークの発達がオフィス市況にどのような変化をもたらすかについて読み解いていきます。
まず、オフィス需要の低迷期は、リーマン・ショック後の2012年です。オフィス空室率は9.43%となり、オフィスの需要はかなり低迷状態でした。しかし、8年後の2020年2月時点でのオフィス空室率は、1.49%と同じ地域とは思えないぐらいオフィス市況は回復していました。
つまり、2012年以降オフィスの空室率は下がり続け、それに伴い、賃料は上がっていく状況でした。一言で例えるなら、オフィス市況は順調そのものでした。
しかし、事態は一変しました。
新型コロナウイルスの影響もあり、2020年2月以降からオフィス空室率は右肩上がりになっています。その大きな要因は、新型コロナウイルスの影響による、就業スタイルの変化だといわれています。果たして今後はどのような動きをみせていくのでしょうか。
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オフィス市況に影響を与えた新型コロナウイルスとテレワーク
新型コロナウイルスは、わたしたちの消費者の生活様式にまで変化をもたらす大きなきっかけになりました。そして、企業やオフィスもその影響を受け昔では想像出来ないほどの変化をもたらしました。その大きな変化は、テレワークの導入です。ここではテレワークの発達や、企業の今後についてお伝えしていきます。
テレワークの本格化によりオフィスの需要減
パーソル総合研究所の調査によると、2020年6月初旬の時点でテレワークを行なっている正社員の割合は約3割といわれています。これまでは、どんな環境下でも出社スタイルを貫いていた日本企業の風潮から考えれば、かなり大きな変化です。
緊急事態宣言当初は、やむを得ずテレワークを導入していた企業がほとんどでした。しかし、その様子は今は変わりつつあり、今後もテレワークを継続する企業が増え始めています。
その背景に、テレワークをしたとしても顧客満足度や社員の生産性などに影響が出ないことが証明され始めたからといえます。
新型コロナウイルス対策の一環ではあるものの、テレワークの推奨は満員電車での通勤のストレス軽減やライフワークバランスの向上がみられ、働き方を見直すきっかけにもなったのです。
新型コロナウイルスを影響を受ける前の2019年の働き方改革関連法案にも、テレワーク推奨の流れは存在していました。
とはいえ、実際には働き方改革の一環としてテレワークを導入する企業はほとんどなく、企業にとっても導入は個人情報流出などのセキュリティリスクのデメリットの方が大きかったとさえ考えられます。
しかし、ここにきて一気にテレワークの本格化が進み、それに伴いオフィスの需要も減少してきています。
では、実際にテレワークを導入している企業はどのような取り組みをし、今後どのような見解を持っているのでしょうか。
テレワークを本格化した、2つの企業事例をご紹介いたします。
テレワーク導入の企業事例①:富士通
富士通は日本を代表する大手企業です。
約8万人もの社員を抱える巨大企業でもある富士通が、テレワーク勤務を基本形態としたのです。通勤定期代の支払いを中止する代わりに、在宅勤務手当を支給。また地方への単身赴任も解消するとして、本格的にテレワーク制度を整える動きがみられました。
一方で、新型コロナウイルスの影響とは関係なく進めていたオフィスのフリーアドレス化も、テレワークの本格化により取り組みやすい状況になり、2023年をメドにオフィス面積を約50%に縮小する方針です。
テレワーク導入の企業事例②:ENECHANGE
東京都千代田区にオフィスを構える、エネルギーベンチャー企業のENECHANGE。
都の在宅勤務推奨を受けて、2020年3月より本格的にテレワークを導入。
それにともない働き方への影響について、アンケートなどで定期的に調査を開始しました。
その結果、顧客満足度に悪影響はなく、社員の生産性や健康状態も極めて良好との結果でした。
そして業績に至っては、むしろポジティブな効果を得られたそうです。
テレワーク導入により懸念されていた顧客対応や業務パフォーマンスに支障がなく、むしろポジティブな結果になったことから今後も極力出社を減らし、本格的にテレワークを導入する方針になっているそうです。
結果、オフィス需要は減少し、約40%を削減する決断を下しました。
オフィスではソーシャルディスタンス施策によりオフィス需要が増加する?
テレワークには魅力的なメリットが多い一方、業務上テレワーク実施が難しい企業が多いのも事実です。また、社員同士の直接のコミュニケーションも会社としては重要であり、時には対面でなければできないこともあります。
そのため、オフィスの需要が一切なくなるということはあり得ず、突如として不動産業界に大きな影響が出るとは考えにくいです。また、オフィスでは新型コロナウイルスの影響からソーシャルディスタンス施策が必須になりつつあります。
つまり、オフィスにおける一人当たりの床面積を、これまでよりも増やす必要があるのです。
ということはテレワークを本格化してオフィス面積を削減する企業が増えたとしても、一方でオフィスを必要としている企業のオフィス面積はプラスになります。
この結果、短期的にみれば、オフィス需要はプラスマイナスゼロとの見解もあります。
しかし中長期的にみて、新型コロナウイルスのさらなる猛威やICT技術の進化、社内制度整備によるテレワーク導入が可能な企業が増えた場合には、オフィスの空室率は今後も上昇する可能性は否めません。
では今後のオフィスビル空室率はどうなる?
オフィスビル総合研究所が発表した「東京都心5区の空室率と賃料今後3年間の見通し」によると、今後3年間で現状までの回復とはいかないもの、リーマン・ショック時にのような状況には陥らない見通しです。その結果、大幅なオフィス空室率の上昇が予想されるものの、4%台に止まる見解です。
新型コロナウイルスによる経済への影響が減少に向かえば、今後3年間のうちでもオフィス需要は回復に向かう見込みとの声も。
しかし現状が今後どう転じるかという正確な見込みはもちろんのこと誰にもわかりません。
今後のオフィスでの働き方とは?
テレワーク本格化の動きをみせる企業もいるなか、一方で新型コロナウイルスが落ち着き元の勤務形態に戻る企業もあるでしょう。
テレワークは働き方の選択肢として定着するのであり、どれほどの割合で取り入れられるかは、業種の特性やITリテラシーなどの企業文化が影響してくると考えられます。
そこで今後は、オフィスに出社とテレワークで最適な割合を取り入れるハイブリッドな働き方が増えるのではないでしょうか。
なぜなら新型コロナウイルスに伴うテレワークは単なる感染症対策に止まらず、働き方を見直すきっかけとなったからです。
満員電車での通勤のストレス、訪問の移動時間の短縮、出張の代わりのビデオ会議など、テレワークでも問題ないと身をもって経験した社員は多かったはず。
一方で、テレワークに不便さを感じる場面も少なからずあったでしょう。
しかしテレワークによる不便さは大抵改善可能なものが多く、今後ICTの進歩や慣れもあってよりテレワークでも働きやすい環境になる可能性は高いといえます。しかし、企業として本当の意味での競争力を培うには、対面のコミュニケーションも重要です。
つまりハイブリッドな働き方、そしてテレワークが進むことで、これまでのオフィスの定義や役割を再考していくことが求められるのです。
オフィスに対する企業の考え方の変化
テレワークの本格化により、企業にとってオフィスの定義や役割を再考すべき段階にあります。
テレワーク導入の企業事例でご紹介した「富士通」「ENECHANGE」のように、すでにオフィス面積削減の決断をしている企業も存在することは確かです。
しかしその中では、富士通のように新型コロナウイルスの影響前から、オフィス面積削減を検討していた企業もありましたが、その目的は企業のコスト削減がメインでした。
ですが新型コロナウイルスに直面し、その考えは一変しています。
今後のオフィス面積削減の目的は、オフィス役割を再定義したことによる、コストの適正化です。
オフィス面積削減に伴うコスト削減はただリスクを減らすことが目的ではなく、社員の手当てやボーナスなどに還元し、業務パフォーマンスを向上させ、最終的に業績に好影響となる一種の投資になるのです。
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オフィス市況の今後
新型コロナウイルスの影響によるテレワーク本格化の動きが多くみられるようになったなか、今後のオフィス市況はどのように動いていくのでしょうか。
オフィス面積削減という具体的な動きも出てきているなか、最も重要なのはオフィスの定義、そして役割を再考することといえます。
そのことを踏まえて、今後のオフィス市況についてもみていきましょう。
固定費から利用に応じて支払うものに
オフィス面積削減を決断した企業もあれば、スタートアップやベンチャー企業のなかには解約してオフィスを持たないという道を選んだ企業もあります。
企業規模が小さくオフィスがなくても問題ない、またテレワークにより業務や業績に支障が出ないのであれば、一種の費用リスクでもあるオフィスを持たないという決断は正しいといえるでしょう。
そこまで極端でなくても、新型コロナウイルスの影響によりこれまでのオフィスの在り方に変化が生じているのが事実です。
そこで、今後増えるであろうオフィス形態として「シェアオフィス」が有力といえます。シェアオフィスは時間単位での利用料、または月額契約などで必要な時だけ利用するオフィス形態です。
シェアオフィスが注目される動きは新型コロナウイルスが発生する以前からみられ、新しい働き方としても注目が集まりつつありました。
通常のオフィスを借りることは、小規模企業や個人事業の場合かなりハードルが高いです。作業スペースとしてのオフィスは不要だが、打ち合わせや会議をする場所はほしいといった要望にこたえられるのがシェアオフィスでした。
シェアオフィスは会議室の利用や必要な備品、そしてWi-Fiなどの設備も揃っています。
さらに住所の貸出にも対応しているため、HPや名刺に住所を記載することも可能です。さらに郵便物の受け取りなども対応してくれます。
それであって必要な時だけ、利用に応じて支払うスタイルです。
このスタイルはオフィスを持たない企業や個人だけでなく、オフィスは持ちつつも、面積を削減したい企業にとっても有効的です。
なぜならオフィス面積を削減した分が必要になった場合にも、シェアオフィスを利用することでカバーできるからです。
オフィス面積削減によりコスト削減できるだけでなく、新しい働き方を取り入れつつコストの適正化もできるのです。そのため今後はシェアオフィスの契約も増加する可能性があり、それに合わせてオフィス市況にも少しずつ変化が起き始めているのです。
オフィスは作業スペースではなく、コラボレーションする場所へ
新型コロナウイルスの影響もありオフィス不要説まで出てきている状況ですが、オフィスが重要な場所だということに変わりはありません。
なぜならオフィスにおける対面でのコミュニケーションや集いには、新たな価値が生まれるからです。実際にテレワークを行った上で、対面でのコミュニケーションの重要性を実感した方は多いはず。
そしてオフィスという場所は企業カルチャーを構築する上で、そしてイノベーションとアイデアを生み出すにあたりなくてはならない場所なのです。
しかし、このようなオフィスの役割を十分に発揮するためには、オフィスが単なる作業スペースであっては意味がありません。
そのため、近年ではオフィスにゲームを設置したりスナックを置いたり、そして誰もが集えるフリースペースを設けたりと、従来のオフィスとは一変して進化している側面もあります。
その目的は社員が協働、交流、そして休息しやすい環境を作るためです。
ではなぜそのような環境が必要なのでしょうか。
その理由はそういった環境が充実していることで、パフォーマンスの向上に期待でき、仕事が捗る場になるからです。
つまりバフォーマンスの向上、交流における新しい刺激は、結果的に企業カルチャーや価値あるアイデアを生み出す原動力になります。そしてその原動力を生み出す場となるのは、オフィスなのです。
このことからわかるように一概にオフィスが不要とは言い切れず、むしろ必要なものといえます。
しかし単に作業するだけのスペースでは意味がなく、オフィスをコラボレーションする場として生かしていかなければなりません。
そのためにはどちらにせよ、今のオフィスの定義や役割を見直す必要があり、必要に応じてオフィスの形態も変わってくるのです。
これからのオフィスに求められるものについて、より詳しい情報は下記関連記事をご覧下さい。
ワークスペースの歴史から、今後どんなワークスペースが必要か。 | INA&Associates株式会社
コロナウイルスの影響によりテレワークが普及したことで、ワークスペースが、仕事へのやる気や効率の面にも大きく影響するポイントであることが再認識されています。現在までのワークスペースの変遷から、今後どのようなワークスペースが必要になるかについてお伝えします。
今後のオフィス市況の参考になる研究とその結果
シェアオフィスというスタイルが従来のオフィスと最も異なる点は「これまで交流のなかった従業員、あるいは他企業がいる空間」で働くことになること。
テレワークが本格化し、シェアオフィスの利用が増加した場合に、今までにない空間で働くことになるのです。
実はアメリカではそのような空間における興味深い研究、そして実際にオフィスを今までにない形にしたことで成果を上げている企業があります。
ここではその研究内容、そして研究に影響されオフィスを改革した2つの企業を例に、今後のオフィス市況について読み解いてきます。
のちにオフィススペースの既成概念を変えるきっかけ「Westgate West」
第二次世界大戦後、マサチューセッツ工科大学では帰還兵やその家族の住居施設をいくつも建設。
その1つに「Westgate West」と呼ばれるアパートメントビルがありました。このビルはただの住居施設ではなく、3人の社会学者の実験の場としての役割もありました。
そしてここでの研究結果は、今後のオフィススペースの既成概念を変えるきっかけになったのです。
友人関係の形成の鍵となるのは「物理的な空間」にある?
心理学者のLeon Festinger氏、Stanley Schachter氏、社会学者のKurt Back氏らは、友人関係の形成過程に関心を寄せていました。
その内容は、見知らぬ人同士のなかで、友人になる人とならない人がいるのはなぜなのか。
そこで研究に活用されたのが「Westgate West」です。
それまで専門家たちの一部は、幼少期に獲得した価値観や信念、考え方がのちの人生での友人関係を決定すると主張していました。
一方でFestinger氏らは、友人関係の形成には幼少期は関係なく、「物理的空間」が鍵となると、全く異なる理論を唱えました。
つまり日常的に顔を合わすうちに自然と友人関係になり、のちに考え方や価値観が似てくると想定したのです。
そして実際に見知らぬ人同士が居住している「Westgate West」にて、入居して数ヶ月の学生に「親友3人を上げてほしい」とのアンケートを実施しました。
親友として挙げられた人物の42%は、回答者のすぐ隣の部屋の住人。
また単に階段のそばに住んでいることから、偶然出会うことにより親友になったとの結果もありました。
つまりアンケート結果は3人の予想通り、価値観や信念、考え方はほとんど無関係の上で、物理的空間における偶然の交流から友人関係が形成されていたのです。
自宅への行き帰り、近所の散歩中など些細なきっかけが友人関係を形成するという見方は正しかったといえます。
そしてのちにこのアイデアはAppleのSteve Jobs氏やGoogleのSergey Brin氏、Larry Page氏などに大きな影響を与えることになりました。
Pixar社の例
「Westgate West」の実験から得た結果は、のちにオフィスカルチャーに浸透していきます。
そこで影響を受けたSteve Jobs氏は、Pixar社のオフィスをリデザインしました。
もともとはコンピューター科学者、アニメーター、Pixar社の重役たちそれぞれが入居する3つのビルを建設予定でした。
しかしJobs氏はそれでは、グループの垣根を超えたアイデアや問題解決が生まれないことを知っており、結果的に広大な空間を持つ1つのオフィスビルを建設し、Pixar社の全社員を入居させたのです。
コラボレーションと創造性を促進する広大な空間には、異なる職種の人たちが入り混じり、それぞれが新たな視点やビジネスヒントを得られる場へと変貌しました。
Google社の例
Googleのニューヨークシティキャンパスも、1つの街区を占めるほどの巨大ビルのワンフロアで多くの社員が働いています。
このビルでは社員たちの間で「偶然の出会い」が起こるような工夫が施されているのです。
その1つの工夫が「食べ物」にあります。
オフィスのどこからでも約45メートルで食べ物にたどり着く設計になっており、オフィスの至るところにレストラン・カフェテリア・キッチンが設置。
つまり社員が軽食を取りにいくたびに、他のチームの社員と偶然顔を合わせるようになります。
これにより社員たちは偶然の交流を楽しみ友人関係を形成。
結果的にモチベーションが高まり、生産性の向上につながっているのです。
異なるバックグラウンドを持つ人たちが交流すると、その刺激から良いアイデアが生まれやすくなります。
このようなコラボレーションによる創造は、偶然の出会いと予期せぬ会話をなくして成立しないとまでいえます。
研究結果・実例からみる今後のオフィス市況に求められること
企業が発展するために重要なのは、社員の新しいアイデアや創造性です。
そこでポイントとなるのは「異なるバックグラウンドを持つ複数人が、偶然の交流を促進する空間」、つまりコラボレーションする場であるということ。
実際に偶然の交流が友人関係を形成することが証明されており、コラボレーションの場とするオフィスを作り上げたApple・Google・Pixarは、大きな成功を収めている大企業です。
そして今後日本でもテレワークが本格化される動きが増えていることから、社員が働く場の選択肢は広がりをみせます。
自宅でのテレワークですらも、モチベーションや生産性の向上が証明されたのだとすれば、働く場をより創造性のある場所にすることで、さらに良い影響を与えるのではないでしょうか。
そのためには企業がオフィスの在り方を再定義し、そしてコラボレーションの場とするオフィスを供給でできる環境をより整備していくことが求められます。
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新しいオフィスの在り方を3つの具体例からご紹介
新しい働き方の推進やコロナ禍の影響もあり、新しいオフィスの在り方が具体的な形として続々と登場しています。
ここでは3つの具体例から、新しいオフィスの在り方についてご紹介していきます。
オフィスレンタルサービス「WEEK」
株式会社Pictors & Companyとサンフロンティア不動産は、曜日で借りられるオフィスレンタルサービス「WEEK(ウィーク)」を、2020年6月にリリース。新型コロナウイルスによるテレワーク本格化の動き、そしてアフターコロナもテレワークを継続する企業も出始め、オフィス解約の動きも増加傾向にあります。
しかし企業にとってオフィスというオフラインスペースが完全に不要になったわけではないという考えを背景に、テレワーク中心の企業でも必要に応じて集まれる場所を提供する「WEEK」が生まれました。
第一拠点となるのは、大門駅から徒歩3分、浜松町駅から徒歩7分の立地にある「WEEK SHIBA DAIMON」です。
洗練された内装デザインと、東京タワーを望めるイベントスペースを備えるオフィスは、単なる作業場としてのオフィスではなく、交流を大事にする特別な場になることを期待しているとのことです。
そんな「WEEK」の特徴は、曜日単位でオフィスが借りられる点にあります。
1ヶ月単位で曜日ごとに借りることができ、さまざまな働き方に柔軟に対応できます。
例えばプロジェクトが進行する3ヶ月間、木曜日に会議を設定するとした場合には、3ヶ月間の木曜日のみオフィスを借りることが可能です。
オフィスは利用する曜日分だけ、そして利用料には水道光熱費・通信費・印刷電気代・設備費など、オフィスに必要なものは全て含まれています。
必要な設備は整っており、かつ創造性を刺激する空間。そして仕事以外にも活用できるイベントスペースなどもあることから、オフィスが特別な場となっています。
働き方に合わせてリーズナブルにオフィスが活用できるだけでなく、新たな価値が生み出せる特別な場で仕事ができる環境が整っています。
WeWorkの新プラン「We Passport」
WeWorkは世界120都市、828拠点で展開する大規模なシェアオフィス・コワーキングスペースです。
日本国内にも都内を中心に39拠点が展開しています。
WeWorkは2010年に設立した企業でありながら、利用会員数は60万人以上。
新しい働き方を実現するワークスペースとして、人気を誇っています。そんなWeWorkから2020年7月に、新プラン「We Passport」が登場。
「We Passport」を利用することで国内6都市30拠点以上の共用エリア、そして契約したオフィスを自由に利用できるサービスです。
複数のサテライトオフィスを設置したい、快適な環境でテレワークを行いたい、オフィス費用を削減したいといった要望を同時に叶えてくれます。
最短1ヶ月毎の契約、そして稼働状況に合わせて必要なエリアだけの運用が可能です。
また各拠点を自由に行き来できることから、都合や目的に合わせてオフィスが利用できるようになっただけではなく、他企業とのネットワークが広がる環境にもなりました。
もともと起業家やフリーランスの利用をターゲットとしていましたが、今後はオフィス削減を見越した企業やテレワークを本格化した企業の利用が増えると想定されています。
JTBとNECのシェアオフィス事業「JTB My Office NAVI」
2020年7月、JTBとNECソリューションイノベータは、企業向けにホテルの空室や宴会場を利用したレンタルオフィス事業を開始。
整った環境下でのテレワークが導入できるだけでなく、新型コロナウイルスで打撃を受けたホテル事業者にとっても新たな収益モデルが期待できます。
2020年現在では東京都とその周辺都市でのサービス提供。
そして2021年には名古屋や大阪も対象とし、ニーズに応じて順次拡大予定としています。
現時点では以下のホテルが参画予定です。
・上野ターミナルホテル
・オークウッドプレミア東京
・スーパーホテル
・第一イン池袋
・ハイアットリージェンシー東京
・ホテルニューウエノ
・ホテルラングウッド
・ラ・ジェント
・ホテル新宿歌舞伎町
他のシェアオフィスとの違いは、既存のホテル施設を利用するため、リーズナブルな価格帯で必要なだけのスペースが利用できる点です。
コワーキングスペースの価格は15分あたり200円、客室価格は施設や日時で変動しますが、3時間3000円からを予定しています。
ワークスペースを提供する施設やテレワーク可能な施設を探す企業とのマッチングや生産業務をJTBが担当し、検索や予約ができるアプリケーション、そしてホテル側の運営システムの開発や運用をNECが担当します。
あえてシェアオフィスを作るのではなく、既存のホテルを利用することで価格も抑えられる点が魅力のサービス。
そしてホテル事業者も新たなビジネスモデルを確立する機会となりました。
まとめ
テレワークの本格化、そしてオフィス削減の動きが見られるなか、オフィスは不要という考えまで出てきているほど。しかし「オフィスが必要なのか?」ということに対して疑いはなく、むしろオフィスは絶対になくてはならないものです。
なぜなら、対面でのコミュニケーションが価値あるものということに変わりはなく、企業カルチャーや社員同士の信頼関係の構築、そして仕事のパフォーマンスを上げるきっかけになるのはオフィスであるからです。
一方で、テレワークの浸透は、オフィスの定義や役割を再考する転換点となっていることに間違いはありません。
そこで求められる今後のオフィスは、作業スペースとしてのオフィスではなく、コラボレーションする空間としてのオフィスです。
オフィスに必要な機能や設備があることはもちろんのこと、多様なコミュニケーションを生む「しかけ」や「きっかけ」を備えるオフィスが必要となってきます。
よく質問される、「オフィスの需要がなくなるのか?」の問いに対しては、オフィスそのものの需要がなくなったわけではなく、従来の「作業スペースとしてのオフィス」の需要がなくなってくるといえるのではないでしょうか。
つまり今後オフィス空間は、今までのオフィスの概念を覆しながら新しい形で存続することになるでしょう。