建物の新築や大規模な修繕工事の際に活躍する足場ですが、足場代は工事費用全体の2割を占めると言われており、その費用は決して安くありません。
そのため、足場代をもっと安く抑えられないか、そもそも足場は重要なのかと考える方もいるでしょう。
そこで今回は、足場の重要性やその種類、費用を抑える方法、足場業者を自分で依頼する時のポイントまで詳しく解説していきます。
所有する賃貸物件で修繕する予定がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
足場工事の基本知識
「そもそも足場工事は何のために必要なのか」と疑問を持つ方もいるでしょう。
そこでまずは、足場とは何か、どんな役割があるのかを解説していきます。
足場とは
建設現場における足場とは、簡単に言うと「高所作業を安全かつ効率的に進めるための設備」のことです。
建物の新築時または改修時に、高い場所で作業が行えるよう一時的に設け、作業完了後に撤去するため「仮設設備」に分類されます。
また、労働安全衛生規則では、高さ2m以上ある場所で作業する場合に、労働者に危険が及ぶ恐れのある時は、足場を組み立てるなどの方法を取らなければならないとされています。
つまり、高所作業における足場の設置は、作業員の安全を守るための法的な義務でもあるのです。
足場の役割
建設現場で様々な役割を果たしている足場ですが、中でも特に重要なのが「作業員に安心・安全で効率良く作業を進めさせる役割」と「施工品質を安定させる役割」です。
・作業員に安心・安全で効率良く作業を進めさせる
新築の場合、基礎が出来上がった段階から足場が組まれます。
足場を上って大工が基礎の上に木を組んでいき、その後も外壁・屋根・板金・電気などあらゆる工事のために、それぞれの業者が足場を使って高所作業を行います。
脚立やはしごでも高所作業は可能ですが、高くなるほど不安定になり、ふとした拍子に倒れたり足を滑らせたりするなど、事故につながる危険性が高まります。
また、横に作業を進めていく時に、いちいち降りて脚立やはしごを移動していては非常に手間がかかるものです。
こうした理由から、足場は作業者が工事を安全に効率良く進める上で、とても重要な役割を果たしていると言えます。
もし工事中に事故が起きれば、工期の遅れや損害賠償請求などの大きなトラブルにつながり、入居者募集にも悪影響が及んでしまうかもしれません。
・施工品質を安定させる
作業員が安心・安全に作業を進められるかどうかは、施工品質にも影響を与えます。
例えば、塗装工事には足場を組まずにロープで吊り下げたゴンドラに乗って作業を行う工法もあります。
しかし、塗装作業はローラーを壁に押し当てて行うため、足場のないゴンドラ作業では十分な圧力をかけられず、仕上がりに差が出てしまいます。
また、下塗り・中塗り・上塗り・点検など何度も同じ場所で作業を重ねるので、効率的にもやはり足場を設置した方が有利です。
新築と改修で足場は異なる?
新築と改修では、足場工事の難しさのポイントが異なります。
新築工事の場合は、基礎ができた段階で足場を組むため、完成後の建物をイメージして組まなければなりません。
イメージと実物がずれていると、足場と壁の距離がありすぎて作業できない、あるいは近すぎて建物の一部とぶつかるといった事態を招いてしまいます。
足場業者には家の完成形をイメージする力に加え、それを図面から正確に読み取る力が求められます。
一方、改修工事を行う場合は、既に建物が存在しているため、新築工事よりも足場を組みやすく感じられます。
ところが、足場を組む際に使用できるスペースが狭まることにより、新築に比べて材料の運搬や搬入が難しくなります。
足場の材料を運搬中に壁を傷つけてしまったり、設備にぶつけて壊してしまったりする恐れもあるので細心の注意が必要です。
足場工事の難しさは簡単に比較できませんが、施工時間で見ると通常は新築よりも改修の方が長い時間がかかる傾向にあります。
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足場の種類ごとに異なる特徴
素人には一見どれも同じに見える足場ですが、実は足場に使う鋼材の形状やつなぎ方などによって様々な種類があり、土地や建物の特徴、用途などによって適切に使い分けられています。
ここでは、数ある足場の中でも代表的なものをいくつかご紹介しましょう。
単管足場
単管足場は昔から様々な現場で用いられてきた、仮設足場でもありますが、他の足場に比べ、手間や強度の面で劣ると言われています。
まずは単管足場の特徴と、その組み方について解説します。
単管足場とは?
単管足場は、単管とクランプ(つなぎ止め金具)を組み合わせて作る足場のことです。
単管の直径は48.6mmで、見た目は鉄パイプに似ています。
この単管とクランプを軸に、足場の形状を柔軟に変化させられるため、限られたスペースでも足場を組むことが可能で、住宅密集地や低階層の工事に多く用いられてきました。
付属品が少なく、組み立て方がシンプルでコストが比較的安価な点も、単管足場の特徴です。
一方、他の足場よりも組み立てに時間がかかること、強度がそれほど高くないことがデメリットに挙げられます。
組み方
①敷板の設置
足場がずれたり沈下したりしないように、地面に敷板・敷角を設置し、その上に単管ベースを設置します。
②支柱の組み立て
単管ベースを基準にして、縦方向の単管パイプの支柱を組み立てます。
支柱同士を組み合わせる時は、根がらみを使用します。
ただし、合板や木製足場のように長尺の敷板に釘止めした場合は、それによって滑り止めや沈下防止の効果が十分得られるため、敷板方向の根がらみは省略できます。
③枠の組み上げ
単管パイプ同士を直交クランプなどのジョイント金具を使って連結し、枠を組み上げていきます。
このときクランプの締め付けトルクは標準値にしてできるだけ均一に締めると、より枠組みが安定します。
枠組みが完成したら、足場板を渡して単管に固定します。
④壁繋ぎで固定
建物の外壁から足場を組んでいる単管は、壁繋ぎという部品を使って固定します。
また、筋交いを設置することで、倒壊を防止する効果が期待できます。
筋交いは、枠外へ斜めに固定するような形で補強します。
くさび式足場
次に紹介するくさび式足場は、組み立てのしやすさや安定性から、中低層建築を中心に広く用いられている足場です。
くさび式足場の特徴や組み方についても、解説していきます。
くさび式足場とは?
くさび式足場とは、支柱となる鋼管に一定間隔で「くさびポケット」と呼ばれる緊結部が設置されており、そのくさびポケットに手すりや筋交いなどに付いているくさびをハンマーで打ち込んで緊結する足場のことです。
くさび式足場には住宅工事用とビル工事用の2種類があり、組み立てと使用の基準がそれぞれ異なります。
元々は木造家屋などの低層住宅工事で利用されていましたが、最近は一般住宅や中高層建築でも利用されるようになりました。
クレーンなどの大型重機を使わず、人力で組み立てられることから、出入りしにくい場所や複雑な形状をした建物の足場に適しています。
足場に使用する板は面積が広く高い安定性があり、組み立てや解体も簡単にできるため、近年のスタンダードな足場です。
設置も容易でスピーディというメリットがある一方で、ハンマーでくさびを打ち込むことから組み立て時の音がうるさいというデメリットもあります。
ただし、くさび式足場の設置にかかる時間は一般的な戸建て住宅で6~8時間程度なので、近隣から騒音に関する苦情を受けるリスクはそれほど高くありません。
また、安全面からくさび式足場は組み立てられる高さに制限があり、戸建て住宅工事用では高さ10m未満、ビル工事では高さ45m未満と定められています。
組み方
くさび式足場は、支柱・手すり・階段・踏板・筋交い・ブラケット・ジャッキなどの部品で構成されます。
ここでは、くさび式足場の組み方の一例をご紹介します。
①1層目の組み立て
ジャッキベースの下にアンダーベースを使用して、脚部を固定します。
次に地盤の高低差を確認し、一番高い場所のジャッキハンドルを一番低く設定します。
コーナー部のアンダーベース上に固定したジャッキベースの支柱を差し込み、支柱同士を手すりでつないだらハンマーで打ち込んでいきます。
ブラケットのサイズに合致する手すりを内側の支柱に固定し、1スパンだけ本足場形式にしたら、手すりを次の支柱にハンマーで連結していきます。
作業床の取り付け位置を決めてブラケットをはめ込んで踏板を取り付け、作業床から90cm(2ポケット分)の高さに手すりをはめ込めば1層目は完成です。
②2層目の組み立て
1層目と同様に支柱、手すり、ブラケットを配置し、建物のコーナー部から中央に向かって作業を行い、1周して完了させます。
1層目のブラケットをハンマーで打ち込み、手すりを1層目の踏板から90cm(2ポケット分)の高さに取り付け、くさび取り付け部の補強キャップをハンマーで打ち込みます。
3層目以降も2層目と同様の作業工程を繰り返します。
③下屋足場の組み立て
支柱に根がらみ用の手すりを差し込みます。
屋根の勾配に応じてポケットの位置を決め、2ポケット以上の間隔を空けて縦方向に2本以上の手すりを取り付けます。
敷板に自在ジャッキを釘で打ち付けて固定したら、下屋に支柱をセットします。
④控え柱、火打ち梁、大筋交いの取り付け
組立図で位置を確認し、控え材や杭はクランプによって固定します。
控え材と支柱を固定したら、水平つなぎを取り付け、さらに大筋交いを接地面と45度の角度で取り付けます。
火打ち梁は、足場の最上部に単管を火打ち状に取り付けます。
枠組足場
枠組み足場は組み立てやすさと耐久性が強みの足場ですが、使用する部材が多く、異なる規格が存在するなど、理解しておくべき内容が多くあります。
枠組足場とは?
枠組み足場とは、ジャッキや筋交い、鋼製布板などの部材を組み立てる足場のことで、足場工事の中でも多く使用されています。
作業床が広い・軽くて強度が高い・組み立てや解体が簡単といったメリットがあり、主に建物の外壁に沿って設置されます。
組み立ては基本的にボルトと番線(結束に使用する針金)が使用され、ハンマーを使用しないことから騒音も気になりません。
一方で、工期がかかること、部材が多く知識が必要とされることなどがデメリットです。
組み方
枠組足場の組み方の一例は、以下のとおりです。
①地面を平坦に整地し、敷板を並べます。
②ベースを組み立てたら、1層目の建枠を組み立てます。
③脚注をジャッキベースに差し込み建枠と建枠の間に筋交いを取り付けます。
④手すりを外側に取り付け建枠が水平になるよう調整し、根がらみを取り付けたらジャッキベースを敷板に釘留めします。
⑤1層目と同様にして、2層目・3層目と足場を積み上げていきます。
移動式足場
足場の中には、固定されたものだけではなく、移動させて使える移動式足場というものもあります。
移動式足場の特徴と組み方をご紹介します。
移動式足場とは?
移動式足場とは、タワー上に組み立てられた枠組み構造や作業床、手すりなどの設備で構成された足場で、車輪がついているため押しての移動が可能です。
昇降用の簡易的な階段も付いていて、作業したい場所にピンポイントで移動させて使えるところがメリットです。
移動式足場ならではの注意点として、作業地点まで移動したら車輪のブレーキをかけること、移動時に地面の凹凸による転倒に気を付けることなどがあります。
組み方
移動式足場の一般的な組み方は、以下のとおりです。
①はしご型建枠にキャスターを取り付けます。
②筋交いを取り付けます。
③鋼製布板を設置します。
④手すり枠を設置します。
⑤筋交いを手すり枠に取り付けて完成です。
吊り足場
ここまでご紹介した足場とは大きく異なり、上から吊り下げて作業床を作る「吊り足場」という足場も存在します。
一般的にはあまり馴染みのないタイプですが、参考として吊り足場の特徴と組み方もみていきましょう。
吊り足場とは?
吊り足場とは、施工対象の建築物から吊り下げられた足場です。
地面から足場を組むことが困難な高速道路のメンテナンスや鉄骨組み立てでよく使用されています。
移動床を設置することで延長しながら足場を作れるため、工期短縮にもつながります。
ただし、吊り足場は通常の足場よりも高い安全性が求められるため、厚生労働省によって細かな基準が定められています。
この基準をクリアしないと、吊り足場を設置することはできません。
組み方
吊り足場は、以下の手順で組み立てられます。
①組み立て前に、資材や保護具、使用工具の点検を行います。
②親鋼や仮設手すりなどの安全設備を取り付けます。
③吊りチェーンを設置して、足場板を乗せるための親御パイプをかけます。
④親御パイプの上にころばしパイプを900mm間隔で取り付けます。
⑤ころばしパイプの上に足場板を敷き詰めます。
⑥約1,800mm間隔で建てパイプを取り付けます。
⑦最後に落下防止網を取り付けたら完成です。
張り出し足場
張り出し足場は、数ある足場の中でも特殊な足場なので、馴染みのない方も多いかもしれません。
足場の設置が難しい狭いスペースでも使うことができる足場です。
張り出し足場とは?
張り出し足場は、地面が不安定な場所や作業スペースが狭い場所、隣接した建物が横にある場合など、足場が組みにくい現場で活躍する足場です。
地上から足場が組めなくても、建物に対して外側に足場を設置することで人通りが多い場所でも問題なく組めます。
しかし、張り出し足場を設置するには綿密な計算が必要であり、デリケートな足場なので組み立て時や作業時ともに注意して利用しなければなりません。
組み方
工事中の建物に対して、外側に張り出し材(足場ブラケット・アングルブラケット)を取り付けます。
その上に本足場となるくさび式足場などを設置する組み方です。
建物にベランダを取り付けたようなイメージになります。
手すり先行足場
墜落する危険性を抑えられる足場として、手すり先行足場をご紹介しましょう。
足場の組み立て時と解体時に先行して、手すりを設置できる特徴があります。
手すり先行足場とは?
言葉のとおり、手すりを先行して設置する足場を手すり先行足場と言います。
建設業で最も発生する死亡災害は墜落によるものです。
手すりが設置された足場ならより安全な作業環境を確保でき、墜落防止にもつながります。
組み方
手すり先行工法は大きく3種類に分けられます。
それぞれの工法方式についてご紹介しましょう。
①手すり据置方式
足場の片側のみに設置されるケースが多く、組み立てや解体、変更をする際に用いられます。
足場の最上層に作業床を取り付ける前に、一層下にある作業床の上から手すり枠を先行して設置します。
②手すり先送り方式
手すり据置方式と同様に足場の組み立て、解体、変更作業の際に取り入れられる方式です。
最上段に作業床を設置する際に、手すり先方式を用いて支柱にスライド式の手すりを取り付けていきます。
③手すり先行専用足場方式
手すり先行専用足場方式とは、足場の最上段に作業床を取り付ける前に、手すり機能を持つ資材を設置する方式です。
最上段の一層下の段から順に設置していきます。
次世代足場
最先端の足場とされる次世代足場は安全面だけでなく、施工面や管理面にも配慮された次世代規格の足場を指します。
近年の環境の変化や作業員の人員不足から今後さらに普及していくことが予想される足場です。
次世代足場とは?
次世代足場は、これまで主流だった枠組足場や単管足場、くさび式足場などの規格を見直した新しい足場です。
これまでの足場は、狭い・重い・揺れる・騒音といった問題がありました。
それらを解消し、コストの削減と簡易的な組み立て・解体を実現したものが次世代足場です。
手すり先行工法にも対応しているので安全性も高いと言えるでしょう。
組み方
手すり先行工法を積極的に採用し、墜落リスクを低減させています。
また、緊結部には抜け防止の処理がしてあるため、より安全に作業が行えるでしょう。
クレーンによる大組み・大払しが可能なので、完成している足場をそのままクレーンを使用して組み立てることもできます。
次世代足場は、これまでの足場と比べて作業工程が減り、大幅な時間短縮が可能になりました。
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足場工事の相場はいくら?
修繕工事にかかる費用は、外壁塗装や屋根だけではありません。
作業に必要不可欠な足場の設置に対しても費用はかかっており、修繕工事費の約2割を足場費用が占めています。
建物の高さや大きさ、組み立てる場所によっても変わるので、ある程度相場を知っておく必要があるでしょう。
足場の組み立て、解体、運搬にかかる費用の相場は、1㎡あたり700~1,000円程度が相場とされています。
一般的な30坪程度の家に足場を設置する場合、足場面積は約150~200㎡となり、足場だけで10万~20万円以上かかってくるでしょう。
足場費用の計算式は以下のとおりです。
足場費用=足場架面積×平米単価(700~1,000円)
足場にかかる費用は建物の外周で求められ、足場架面積は(建物の外周+8m)×家の高さで求めることが可能です。
家の高さの目安は、1階建ての場合(3.5m)、2階建て(6m)、3階建て(8.5m)になります。
例えば、家の外周が30mの2階建ての家に足場を組む場合の費用は以下のとおりです。
(平米単価1,000円のケース)
足場架面積:(30m(家の外周)+8m)×6m(家の高さ)=228㎡
足場費用:228㎡(足場架面積)×1,000円(平米単価)=228,000円
もし、足場が組みにくかったり、狭いスペースであったりする場合はさらに費用がかかるので注意しましょう。
メインは修繕工事と考え、足場の費用をできるだけ抑えたい方も多いかもしれません。
しかし、足場に対して安易なコストカットはおすすめしません。
足場は作業員の安全確保のためには必要であり、足場に飛散防止ネットを設置できるので周辺近所への配慮にもつながります。
また、しっかりと組まれた足場は安定した姿勢で作業に取り組めるので、作業員の丁寧な作業を可能とします。
コストばかりを意識せず、相場を把握し、適正な価格で信頼できる業者へ依頼しましょう。
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足場工事の費用を抑えるには?
足場工事の重要性はわかっていても、できる限り足場費用は抑えたいものです。
ここでは、失敗しないための足場費用を抑えるポイントを4つご紹介しましょう。
相見積もりを行う
足場だけでなく、修繕工事をする際は複数の業者から相見積もりを必ず行いましょう。
各社の競争原理が働いて費用を抑えられるかもしれません。
また、複数の見積もりを比べることで依頼する工事の適正価格がある程度把握できます。
その他大切なポイントとして、見積書の内容を比較することも挙げられます。
「一式」などとまとめて書かれている場合は注意してください。
使っている材料の単価や料金が分かりにくい場合は、詳細な説明を求めてみましょう。
工事の範囲、名称、単価や数量、金額などはしっかりチェックしておきたい項目です。
「足場料金は無料」に騙されない
業者の中には、足場料金無料をアピールする会社も存在します。
しかし、足場の設置でかかる費用が無料になるケースはありません。
足場の設置には高額な費用が必要となるため、無料とした場合、業者にとって大きな損失になってしまうからです。
足場を無料に設定した分、その他の施工や資材などで料金を高く設定しているケースが多いでしょう。
足場料金が無料であっても、総額を見ると高額になっている場合もあるので注意しなければなりません。
修繕工事はまとめて依頼する
足場を組むのであれば、修繕工事の依頼はまとめてすることをおすすめします。
外壁塗装で足場が必要な場合、その工事だけで済ますのではなく、屋根や防水・改修工事など大規模な修繕工事も検討してみましょう。
工事するごとに足場を組んでいたら、組み立て・解体を繰り返すことになり費用がかさみます。
一度の工事で大規模な修繕工事を行えれば、足場を組む回数も1回で済みます。
また、複数の工事を依頼することで業者が相対的に費用を抑えてくれる場合もあるでしょう。
足場の設置を最大限に活かして、なるべく工事費用を抑えられるよう工夫してみてください。
管理会社へ任せきりにしない
修繕工事にしろ、足場の設置にしろ、頻繁に行うものではありません。
業者の選定や工事内容、費用の相場など何が適正なのか判断しにくいことから、すべて管理会社に任せたい方も多いでしょう。
しかし、管理会社に任せきりにしてしまうのはおすすめできません。
なぜなら、マンションの管理会社だけに施工会社の選定を任せてしまうと、修繕費が高額になってしまうケースがあるためです。
管理会社に依頼した場合、中間マージンが発生する場合があります。
また、複数の会社から相見積もりを取るわけではないので、業者間での競争原理も働きません。
結果、足場や修繕費用を抑えることが難しくなってしまうのです。
高額な足場費用を少しでも抑えたいのであれば、管理組合が主導となって業者の選定を行いましょう。
チャット、LINEにてお部屋探しが出来る点が特徴。仲介手数料は賃料0.5ヶ月分!(対象地域:東京、神奈川県、埼玉県、千葉県) すまいをもっと自由に、もっとたのしくタウンマップ!
足場業者を自分で依頼するなら?ポイントを押さえて選ぼう
足場業者を自分自身で依頼しようとしても業者の数が多く、どこへ依頼していいのか悩まれる方も多いでしょう。
足場の設置は高額になるため、なるべく信頼できる業者へ適正価格で依頼したいものです。
ここでは、良い足場業者を見極めるためのポイントを5つ紹介します。
業者選定の際に参考にしてください。
どんな足場が得意か確認する
所有する物件に対してどんな足場が必要になるか検討をつけておきましょう。
足場には様々な種類があり、対象の建物の規模や形状、設置する場所によって相応しい工法が絞られてきます。
対象の建物がビルなのか、戸建てなのか、集合住宅なのかで足場の工法も変わってくるのです。
足場の工法を決定するのは足場業者ですが、対象の建物に使われる工法をある程度絞っておくと業者選びがスムーズになります。
なぜなら、足場業者にも足場によって得意分野が異なる場合が多いからです。
普段から大型の商業施設や高層ビルの工事を請け負う会社もあれば、戸建住宅をメインにする地元密着の企業もあります。
必要な足場資材を十分に確保できるのか、経験や実績があるのかなど足場業者によって変わってきます。
会社のホームページなどで、自分の所有する物件と似た条件の建物を参考に使われている足場を確認しましょう。
使われている足場の組み立てを得意とする業者をメインに選定していくと、ある程度業者を絞れます。
これまでの施工実績をチェックする
信頼して任せられるかどうかを判断するためには、これまでの施工実績を確認することが重要です。
これまでにどのような現場でどれくらいの数をこなしてきたのか確認してみましょう。
実績を確認することで、その会社の得意分野も見えてきます。
ベテランの作業員が多く在籍していれば、経験豊富なので安心して足場工事を任せられます。
また、継続的に大手企業から現場を任されているのであれば、信頼のおける会社だと判断できるでしょう。
経験豊富で実績のある会社の場合、ホームページに過去の実績を掲載していることも多いです。
もしホームページが用意されていない、または施工例が掲載されていない場合は、電話などで確認してみましょう。
積極的にコミュニケーションを取ってくれる業者を選ぶ
実績だけではなく、会社の対応力も良い業者を見極めるポイントになってきます。
何か不明な点があったり、トラブルが発生したりした時に、スムーズなやり取りができなければ不安が残るでしょう。
また、何もなかったとしても、工事を依頼している側としては現場の様子や進捗状況を把握しておきたいものです。
定期的に現場報告やスケジュールの確認など、こまめに連絡をしてくれる業者は誠実な会社と言えます。
工事期間中、現場は多くの人が行きかい、工事関係者以外である近隣の住民にも配慮が必要になってきます。
経験豊富で対応力の高い業者であれば、騒音・振動に対する周辺住民への対応にも長けている可能性が高いです。
安全対策がきちんと行われているか確認する
足場の組み立ては高所作業であり、狭い空間の中重い資材を持ち運ぶため危険を伴います。
作業員の安全だけでなく、通行人や近隣住民など周囲にも被害が出ないよう安全対策が行われているか確認しましょう。
いくら高い技術力があり、作業に定評があったとしても、安全対策を取れていない業者は良い業者とは言えません。
安全対策が取れているかどうかは、過去の実績や工事の規模などを参考に確認すると良いでしょう。
元請け会社が大手の現場が多ければ、厳しい安全基準が設けられている可能性が高いです。
損害保険に加入しているかも確認する
しっかりと安全対策を取っていても、現場で事故が発生しないとは限りません。
万が一に備えてその業者が損害保険に加入しているかどうか事前に確認しておきましょう。
ベテランの作業員であっても事故を起こしてしまう場合もあります。
もし事故があった場合、補償が受けられる損害保険に入っているかは重要なので確認しておくことをおすすめします。
今回は、大規模修繕で必要になる足場について種類や特徴などをご紹介しました。
足場の設置は、修繕工事の約2割を占めるため高額になります。
なるべく費用を抑えたい気持ちもわかりますが、作業員や修繕工事には大切な部分なので、安易なコストカットは避けた方が良いでしょう。
コストを少しでも下げたいのであれば、この記事を参考にぜひ業者選びから検討してみてください。