賃貸物件を経営していると、避けては通れないのが騒音を巡るトラブルです。
「音」に対する感じ方は人それぞれのため、時として大きなトラブルに発展することも少なくありません。
注意や対策を取ることで改善すれば良いですが、そうもいかないこともあるでしょう。
そこで今回は、騒音トラブルが発生した際に、騒音元の入居者を退去させることができるのか、という点について詳しく解説していきます。
併せて騒音トラブルを回避する方法やリフォームによる騒音対策も紹介します。
騒音トラブルにお困りの大家さんは、ぜひ参考にしてください。
Contents
アパート・マンションで問題になりやすい騒音の原因
近隣住民との間で起こるトラブルの中でも騒音が原因のものは多いです。
ここでは、問題になりやすい騒音について詳しく見ていきましょう。
足音
普段と同じように何気なく歩いているつもりでも、自分が思っている以上に階下に足音が響いていることがあります。
特に子どもがいる場合は、走ったりジャンプしたりする音がうるさいとクレームにつながることが多いです。
衝撃音
床に物を落としたり、壁にぶつけてしまったりした時に出る衝撃音も騒音トラブルにつながる原因になります。
たとえわざとではなく頻度が少ないとしても、階下への衝撃音は自分が思っている以上に大きいため、下の階の住人のストレスになっている可能性があります。
カーペットやマットを敷いていないと、より階下への衝撃も大きいため注意が必要です。
給排水管の振動音
キッチンやトイレ、お風呂で水を使用した際に起こるボコボコという流水音も場合によっては振動を伴うため、騒音として捉えられることがあります。
振動音は掃除をすることで改善されるケースも多いですが、改善しない場合には業者に依頼し、確認してもらうと良いでしょう。
扉を開閉する時の音
扉は壁と面しているため、開閉する際に生じる音が他の部屋にも響きやすいです。
特に扉を閉めた時の「バタン」という音は響くため、自分の部屋以上にうるさく聞こえている可能性があります。
ふいに聞こえる大きな音は意外とストレスになるものです。
扉を開閉する際は、少しでも音を抑えられるよう意識することが大切です。
人の会話
話声や笑い声も騒音トラブルを招く原因の1つです。
家族で住んでいる場合、日常会話はもちろん子どもが騒いだり泣いたりする声も騒音として捉えられやすいです。
特に子どもの声は高く、音量も大きいため、テンションが上がっている時は落ち着かせるなど周囲への配慮が必要となります。
また、一人暮らしの場合でも電話の声や友達が遊びに来た時の声がうるさいといって、トラブルに発展するケースは少なくありません。
窓を閉めていても、声の大きさによっては近隣住民の迷惑となっている可能性があるため注意しましょう。
音楽
毎日何気なく聞いている音楽も、音量によっては隣人への騒音となっている可能性があります。
特に重低音は他の部屋にも響きやすいため注意が必要です。
音楽を聴く際は、音量の大きさや時間にも配慮することが大切です。
テレビの音
音楽同様、テレビの音も空気を通して他の部屋に響くため、騒音トラブルの原因になりやすいです。
音量に注意するのはもちろんですが、テレビやスピーカーの位置にも気をつける必要があります。
隣の部屋と面している壁の近くに設置していると、音漏れしやすいため、できるだけ壁から離すなど対策することが望ましいです。
電話の音やバイブレーション振動
電話の呼び出し音も音量によっては他の部屋まで伝わりやすいです。
バイブレーション機能も床に置いていると振動音が階下まで伝わり、響いて聞こえるため注意が必要です。
ペットの声
ペット可の物件であっても、頻繁に聞こえる鳴き声はトラブルを招きやすいです。
ペットを飼っている場合は、不用意に吠えないようにしつけをするなど対策が必要です。
また、室内を自由に移動できるようにしている場合は、走り回る音にも注意が必要です。
特に足の爪が床にあたる音は、コツコツと階下へ響きやすいため配慮しましょう。
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騒音トラブルで入居者を退去させることは可能?
結論から言えば、騒音トラブルの原因である入居者を退去させることは可能です。
ただし、退去させるには入居者と結んだ賃貸借契約の内容が重要になります。
ここでは、賃貸借契約や賃貸人の義務について詳しく解説していきます。
入居者と結ぶ賃貸借契約について
所有する物件を有料で貸し出す場合に入居者と結ぶ契約を「賃貸借契約」といい、貸す側を賃貸人、借りる側を賃借人と呼びます。
一般的に賃貸借契約を結ぶには、オーナーである賃貸人、もしくは仲介や管理を依頼している不動産会社が賃貸契約書を作成し、内容に納得できれば賃借人が署名・捺印をします。
賃貸借契約書には、物件の具体的な内容や条件に加えて、賃貸人と賃借人それぞれの負うべき義務や守るべき義務が記載されています。
その中に、騒音に関する条項を設けることが可能です。
例えば、賃借人は近隣住人の迷惑となるような騒音を出す行為をしてはいけないこと、違反した場合は、賃貸人は両者で結んだ賃貸借契約を解除できることを規定するのです。
賃貸人の義務
所有する物件を貸し出した場合、賃貸人は賃借人に対し、賃貸を使用させる義務というものを負うことになります。
この義務は、貸し出した物件は住居として平穏に生活できるようにしなければならないというものです。
賃貸人の所有する物件には、騒音を出す賃借人以外にも住んでいる方がおり、その方たちとも賃貸借契約を結んでいます。
つまり、賃貸人は一部の賃借人の騒音によって、他の賃借人の平穏な生活に被害が出ているのであれば、騒音元の賃借人に対し適切な対処し、他の賃借人の生活を守る義務があるのです。
もしも騒音トラブルに対処しなかった場合、他の賃借人に対する債務不履行になり得ます。
賃借人の義務違反があると退去させることも可能
賃貸契約では、賃貸借契約によって定められた用法に従い、目的物を使用しなければならない用法遵守義務があります。
賃借人は賃貸契約書に騒音など近隣住民への迷惑行為を禁止する条項があれば、違反しないようにしなければいけないのです。
もしも用法遵守義務に違反した場合、賃貸人は賃借人に対し義務違反があるとして契約を解除することが可能です。
それでも義務違反の程度によっては必ずしも解除できるとは限らないため、注意が必要です。
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騒音元の入居者を契約解除するための条件
騒音元の入居者を退去させることは可能です。
しかし退去させることは容易ではなく、解除するには「賃貸借契約に騒音関連の記載をしている」「入居者が騒音トラブルを認めている」「定期借家契約を結んでいる」これらの条件を満たしている必要があります。
以下では契約解除するための条件を詳しく解説していきます。
賃貸借契約に騒音関連の記載をしている場合
騒音元の賃借人を退去させるには、入居する際に取り交わした賃貸借契約書において、騒音に関する記載がされている必要があります。
まずは賃貸借契約書を確認し、契約解除に関する規定があるかどうかを確認してみてください。
禁止事項に騒音など他の入居者に対する迷惑行為が明記されていること、違反した場合は賃貸借契約を解除できること、この2点についてあらかじめ取り決めがされていた場合には、悪質なケースであれば契約解除が可能です。
ただし、集合住宅では他の入居者に対して騒音をはじめ迷惑のかかるような行為をしてはいけないと考えるのは当然のことです。
そのため、たとえ契約書に上記の項目について記載されていなかったとしても、ケースによっては契約解除も可能でしょう。
入居者が騒音トラブルを認めている場合
騒音元の入居者を退去させるには、本人が騒音トラブルを認めている必要があります。
自分が騒音元であると認めており、騒音トラブルによってオーナーとの間にあった信頼関係は壊れていると判断されれば、賃貸借契約の解除が可能です。
しかし、認めない場合には、裁判で「騒音の原因が入居者にあることを」を証明しなければいけません。
その場合は、オーナーが騒音元に対し何度も騒音を出さないように注意喚起したこと、そして注意されたにも関わらず、騒音元が応じなかったという事実が重要になります。
加えて他の賃借人からのクレームが多数着ているという事実を証明できれば、退去させられる可能性はより高くなるでしょう。
定期借家契約を結んでいる場合
騒音元の賃借人を退去させることは可能ですが、実際にやろうと思うと時間はもちろん手間もかかります。
こうした手間を少しでも回避したいのであれば、定期借家契約を結ぶのも一つの方法です。
賃貸物件では1~2年ごとの更新が必要となる普通借家契約が一般的です。
契約の更新が可能なため、一度契約をすれば解約手続きをするまでは、同じ条件で更新され続けます。
一方、定期借家契約は賃貸借期間の終了とともに契約も終了となり、更新したい場合には新たに契約をし直す必要があります。
基本的に普通借家契約とは違い更新を前提としていないため、契約期間が終了すればオーナー側の判断で退去させることが可能です。
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騒音による苦情が入った時に大家さんがやるべきこと
他の入居者から騒音による苦情が入った時、大家さんはいったい何をするべきなのか、流れに沿って解説していきます。
現状を把握し、騒音の証拠を集める
騒音が発生した場合、まずは原状を把握することが大切です。
どのような騒音トラブルが起こっているのか把握するため、現地へ赴き実際の状況を確認しましょう。
騒音計で音量を測定したり、共用部分に設置してある防犯カメラで録画・録音をしたりするなどして証拠を集めます。
入居者に周知させる
騒音について詳しい内容が把握できたら、入居者全員に内容を周知するため注意文を作成します。
注意文には、騒音に関する内容をできるだけ詳細に記載しましょう。
いつ、どこで、どのような騒音が発生したのか、詳しく書くことで騒音元である入居者が自分で気づき、解消する場合もあるからです。
ただし、どの部屋が原因なのか特定できるような情報は載せないように気をつけましょう。
掲示板に注意文を掲示するのも良いですが、一人ひとりにしっかり周知したいのであれば、入居者のポストに個々に配布するのも有効です。
入居者にヒアリングを行う
騒音を訴えている入居者から話を聞き、以下の点を確認しましょう。
・騒音はいつからか
・どのタイミングで聞こえるか
・どこの部屋から聞こえてくるのか
・どのような騒音なのか
できるだけ具体的に騒音について聞き出した後は、他の入居者にも聞き取りを行います。
特に音は人によって受け取り方にも違いがあり、小さな音でも気になる人もいれば、全く気にならない人もいます。
そのため、騒音が発生した場合は必ず複数人の意見を聞き確認するとともに、証拠を集めることが大切です。
騒音元の入居者へ改善を求める
注意文を掲示あるいは配布しても騒音が収まらない場合には、騒音元である入居者に対し直接話をし、改善を求めていきましょう。
騒音元の入居者の中には自覚がない人も少なくなく、注意文を見てもまさか自分のことだとは思わなかったという方もいます。
そのため、話をする際は、責めるような口調にならないよう、慎重な姿勢で臨むことが大切です。
何度注意しても改善しない場合には、厳しい態度を見せることも必要です。
また、ここで気を付けたいのが、被害を訴えた入居者が誰なのか、騒音元の入居者に悟られないことです。
万が一、被害を訴えた入居者が誰なのかバレてしまうと、両者の間でトラブルとなる恐れがあるため、伝え方には注意してください。
クレーム元の住民に報告する
注意文を配布したり、騒音元の入居者へ直接話をしたりと何かしら対処した後は、クレーム元の住民に報告します。
騒音被害を訴えた住民は、騒音の解決はもちろんですが、オーナーがきちんと対応してくれるのかを気にしていることも多いです。
オーナーが誠意を持って対応してくれていることがわかれば、たとえ解決までに時間がかかったとしても信じて待っていてくれます。
しかし、クレーム元の住民への報告を怠ると、騒音に対応していたとしてもオーナーへの不信感につながり、最悪の場合損害賠償請求に発展する恐れもあるため注意が必要です。
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騒音元の入居者を強制退去させる時の流れ
騒音問題に発展してしまったら、その入居者に対し何らかの対応を取らなければなりません。
ここでは、騒音元の入居者を強制退去させる流れをご紹介します。
注意・勧告
まずは、騒音を訴えている入居者に詳細を確認し、現状を把握します。
騒音の詳細を把握したら、騒音元の入居者に注意喚起する前に、すべての入居者に周知します。
掲示板があればそこに注意喚起文の張り紙を掲示したり、郵便受けに喚起文を投函したりすると良いでしょう。
それでも騒音が収まらなければ、騒音元の入居者に口頭か書面で注意喚起をします。
中には、大きな音を出しているという自覚がないケースもあり、注意喚起文も自分のこととはわからなかったと思っている場合もあります。
順番に注意・勧告を出していくことで、慎重に対応できるのです。
内容証明郵便を使った勧告
注意喚起を行っても騒音が収まらない場合は、内容証明郵便による勧告を行います。
内容証明郵便による勧告というのは、何に迷惑を感じているのか・今後は控えてほしいこと・○月○日までに解決の協力が見られない場合は法的措置を検討する、といった内容で書面を送ることです。
どのような内容で誰が出した手紙なのかは、郵便局が証明してくれます。
騒音についての注意をしたという証明にもなるので、「注意した」「注意していない」といったお互いの言い分が違う水掛け論を未然に防げます。
契約の解除
内容証明における勧告を講じても変わらない場合は、契約解除を行う必要があります。
何度も注意しているのに騒音を出すのを辞めない場合、大家さんと入居者との間の新ら鵜関係が壊れたという証拠を提示できるため、退去要求が可能となるのです。
内容証明を送ってから、期日までに解決の協力が見られなければ、賃貸借契約解除の法的効果が生じるということです。
賃貸契約解除となれば、騒音元の入居者は退去せざるを得なくなります。
明渡請求訴訟
明渡請求訴訟とは、騒音元の入居者を強制退去させるために起こす訴訟のことです。
賃貸契約解除後に行い、裁判所によって認められれば入居者を強制退去させられるようになります。
訴訟には、訴状・証拠書類・不動産登記簿謄本・固定資産評価額・代表者事項証明書・与納郵便切手・収入印紙などが必要です。
証拠書類とは、賃貸借契約書や内容証明郵便などが挙げられます。
裁判前に話し合いによる解決を目指す民事調停や、裁判手続き中の話し合いで和解調停なども可能ですが、和解成立とならない場合は裁判の判決が下りるまで待つことになります。
強制執行
裁判で判決が下りれば、入居者の強制退去が認められます。
強制退去となると、裁判所の執行官により強制的に入居者の荷物が運び出されます。
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騒音トラブルで対処する際に気を付けたいポイント
万が一の時は、入居者を強制退去させることも可能です。
しかし、騒音トラブルの対処をする際には注意すべきポイントがあります。
ここでは、騒音トラブルの対処時の注意点をご紹介します。
環境基準を下回っている場合もある
そもそも、騒音かどうかの判断は、人によって異なります。
たとえ騒音問題の件で相談されたとしても、実際には環境基準と下回っている場合もあるのです。
騒音となるかどうかは、環境基準によって具体的に騒音値が定められています。
騒音となる環境基準は、40~60db(デシベル)と言われています。
例えば、洗濯機の音や掃除機の音、トイレの洗浄音といった生活音の騒音値は60dbで、人によってはうるさく感じるものの、騒音の環境基準を超えない可能性があるのです。
ピアノやギター音、スピーカー音となれば、80db以上となることもあります。
騒音がどの程度のものなのか、事前に把握しておけなければ、退去の要求が困難になってしまうでしょう。
クレーム元の住民が退居する可能性も
いつまでも騒音が改善されないと、騒音の影響を受け続けたことが原因となり、苦情を言ってきた入居者自身が退去してしまう可能性があります。
引越しをすれば済む問題だからと、早々に退去してしまうケースも考えられます。
騒音問題は賃貸物件ではよくあるケースですが、早急に対応できなければ善良な入居者が退去してしまうため、経営においても悪影響を与える可能性が高いです。
すぐに強制退去をさせない
騒音問題は早急に対応するべきとは言っても、入居者には居住権があります。
借地借家法で入居者は保護されているため、どんな問題を起こしていてもすぐに強制退去させることは困難です。
例えば、勝手に鍵を交換して強制退去しようとしたり、家財や荷物を持ち出したりすれば、大家さん側が訴えられてしまいます。
強制退去させたいと思うのであれば、きちんと段階を踏んで進めていく必要があるのです。
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騒音問題を未然に回避するための方法
アパートやマンションではいくつもの世帯が住むことになるため、騒音問題が発生しやすい環境となっています。
では、未然に防ぐ方法はないのでしょうか?
ここでは、騒音問題を未然に回避するための方法についてご紹介します。
防犯カメラを設置する
まずは、賃貸物件に防犯カメラを設置することです。
防犯カメラを設置しておけば、入居者の状況が日頃から把握しやすくなり、騒音にも気付きやすくなります。
防犯カメラには音声機能があるものとないものとがあるので、集音マイク付きの防犯カメラを設置しましょう。
集音マイク付きなら、映像と同時に音声も録画できるので、騒音問題として入居者に相談される前に解決できる可能性が高いです。
また、近年は賃貸物件においても防犯カメラの設置率が高くなってきています。
映像と同時に音声も録画できれば、それだけ証拠や手がかりが増えます。
強盗や事件の解決にも有効なので、設置しておいて損はありません。
目安箱を設置する
目安箱とは、入居者が気付いたことや困っていることなどを自由に投稿してもらうためのものです。
防犯カメラとは違った形ではありますが、目安箱もまた入居者の日頃の状況を把握することに役立ちます。
相談や要望、時には厳しい意見でも、面と向かって話しにくいことでも、目安箱を設置すれば匿名で投稿できるため、見えない部分がより具体的に見えてきやすいです。
一見気づきにくい部分でも、目安箱に投稿された内容を把握するだけで、入居者との距離も近くなり、騒音問題にも早期に対応できるようになります。
目安箱でなくても、掲示板やホワイトボードなどで入居者と情報交換をしているところも多いです。
入居審査は慎重に行う
大家さんにとって、どのような人が入居するかは非常に重要なことです。
賃貸借契約を締結する前には、必ず入居審査を行います。
空室を早く埋めたいからと、入居審査の基準を緩くして賃貸借契約を締結すれば、後々騒音問題に発展し後悔する可能性もあります。
事前に行う入居審査をしっかり行うだけで、トラブルを未然に防ぐこともできるのです。
当然ながら、ただ「部屋を貸しても良い人物か」という印象だけで選ぶのではありません。
例えば、家賃の支払い能力があるかの指標となる職業・年収・連帯保証人について確認しましょう。
続いて、居住ルールを守ってくれそうな人柄かどうか把握します。
反社会的勢力とつながりがありそうな場合だけでなく、言葉遣いや態度、派手な服装などがないか、細かな所も確認しておくことが大切です。
入居審査は、その後の家賃未払い問題や入居者同士のトラブル、騒音問題など、様々な問題を未然に防ぐためにもなるのです。
普通借家契約を定期借家契約に変更する
普通借家契約ではなく、定期借家契約で賃貸借契約を交わすというのも方法の1つです。
そもそも、普通借家契約とは1年以上の賃貸借期間が定められていて、更新をすることでその後も住み続けられるという契約方法です。
一方、定期借家契約とは契約が満了しても更新を前提としていないため、契約満了となれば退去要請が可能となります。
現在普通借家契約にしているなら、その賃貸借契約の解除後に定期借家契約を交わすことが可能です。
現在の契約を解除しなければ新しい契約の締結はできないため、順序には注意しましょう。
もちろん、契約解除には入居者との合意が必要です。
実務的には、現在交わしている契約を3月末で解除することとし、解約合意書を交わし、4月1日からは定期借家契約を締結する流れとなります。
入居者と積極的にコミュニケーションをとる
アパートやマンションの賃貸物件は、入居者が決まり居住すれば終わりという訳ではありません。
賃貸借契約を締結した以上、住みやすい環境を提供することは大家さんの義務となります。
入居者の満足を向上させるためにも、日頃から積極的にコミュニケーションをとると良いでしょう。
コミュニケーションをとる方法は、入居者に偶然会ったら挨拶を交わしたり、顔と名前を憶えておいたりといったことはもちろん、いつでも連絡が取れる状況にしておくことや、定期的なアンケートも効果的です。
部屋の不具合や何らかのトラブルが発生した時、すぐに連絡が取れる状態になっているだけで、入居者は安心できます。
また、定期的なアンケートが実施されれば、改善して欲しいところや困っていることなども早期に気づけるようになります。
契約更新時には、感謝の気持ちでちょっとしたプレゼントを贈ると、入居者との距離が縮まるのでおすすめです。
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リフォームによる騒音対策
騒音トラブルで悩まれる大家さんの中には、リフォームを検討する方もいるでしょう。
大規模なリフォーム以外でも防音・遮音効果を高める方法があるので、併せてご紹介します。
リフォームを考えている方はぜひ参考にしてください。
壁や床を二重構造にする
子どもの足音や物を落とした際に出る音は、床から伝わります。
音は床や壁から伝わるので二重構造にすることで振動を減らし、防音効果が期待できます。
石膏ボードや床や壁の内側に空間が作られるため、音を通しにくい構造になります。
安価な石膏ボードを二重貼りして対策する方もいますが、高音・低音を防音するには弱いため、より遮音性を求める場合は、振動を伝えにくいとされる遮音制振ゴムの使用がおすすめです。
遮音テープを貼る
窓やドアに防音シートを貼ったとしても、ドアの枠や床との間に隙間があると、そこから音が漏れてしまいます。
遮音テープはその名の通り、音を遮るテープのことです。
窓や扉の隙間に遮音テープを貼って、音の漏れを防ぎ防音効果を高められます。
防音テープとも呼ばれる、遮音テープですが、厚さや様々な材質が売られています。
厚みは、ドアを閉める時に少し力が必要な程度のものが密閉度も高く、効果が期待できます。
まずは安価なウレタン製の物を試し、効果が薄ければ、厚みを増やしたり、合成ゴムを試したりすると良いでしょう。
遮音テープはあくまで防音対策の補助的な役割です。
他の防音対策と併用して利用することをおすすめします。
遮音マットを床材の下に設ける
木造建築には、遮音と防振を併せ持つ遮音マットを利用すると良いでしょう。
遮音マットとは、高い遮音性能と優れた防振効果があるマットを指します。
防振性の高いゴムの素材で、比重を高くすることで遮音性能も高まります。
多くの床材と相性が良く、畳やカーペットの下へ敷き込むことで、大掛かりな工事をせずに防音効果を高めることが可能です。
防音カーテンを取り付ける
布には音を吸収する働きあります。
防音カーテンを使用することで、外部からの騒音を小さくする効果が期待できます。
厚手でヒダの多いドレープカーテンとレースカーテンを二重で設置することにより防音効果を高められます。
商品を選ぶ際は窓をしっかり覆うサイズを選択しましょう。
内窓をつける
窓の防音効果を高める方法として、内窓をつけるのは非常に効果が高いと言われています。
内窓をつけることで、今あるサッシとの間に空気の層を作り、サッシの隙間から入る音を和らげます。
また、さらに効率良く防音対策を考えるのであれば、樹脂製サッシの内窓がおすすめです。
アルミ製サッシと比べ、樹脂製サッシは気密性が高く非常に優れた防音機能を搭載しています。
内窓設置は大掛かりな工事は必要ないので、効率の良い防音措置として知られています。
遮音換気口に取り替える
騒音は、床や壁以外にも空気を伝わり響きます。
壁や床の隙間を埋めれば、その伝わりをある程度まで抑えられます。
壁に設置された換気口は、空気の循環させる役割を持つため、どうしても音が伝わりやすい場所です。
換気口を遮音換気口に変えることで、防音効果を高められます。
壁が薄いわけではないのに音が気になる、という場合は換気口から音が響いていないか確認してみましょう。
まとめ
今回は賃貸経営をする中でトラブルの多い騒音問題や入居者を退去させる場合の流れなどをご紹介しました。
騒音トラブルは、対策を間違えると大きなトラブルに発展する可能性があります。
騒音対策や、注意でトラブルが解消しない場合は、入居者の減少を招き、安定した賃貸経営が難しくなる恐れがあります。
住居をリフォームすることである程度の防音効果が期待できますが、苦情が続く場合は入居者の退去も視野に入れつつ、早めの対策をとるようにしましょう。