「ウレタン防水」とは?防水工事を依頼する前に知っておきたい基礎知識

建物を雨漏りや漏水から守るためには、防水工事が欠かせません。
どの建物にも必要な工事であり、これによって雨の浸入を防いでくれるのです。
日々の暮らしも快適にするためにも必要ですが、ウレタン防水がどのようなものなのか、防水工事をしなければならないのかなど、はっきりとした理由まで知らない方もいるでしょう。
そこで今回は、ウレタン防水工事について解説するとともに、防水工事の必要性についても解説していきます。
ウレタン防水工事に関するメリットやデメリットも紹介していくので、ウレタン防水について知りたい方はこの記事を参考にしてみてください。

Contents

マンションには防水工事が必須!

ウレタン防水

マンションなどの建物には、防水工事が必要です。
防水は、その名のとおり水を建物の中に浸入させないようにするものです。
ここでは、防水工事の詳しい内容に加えて、必要性や種類についても解説していきます。

防水工事とは?

上記でも少し説明しましたが、防水工事は建物を守るために欠かせない工事です。
屋根に施されるものであり、工事を行うことで雨を建物内に浸入させないようにできます。

建物といってもビル、マンションなどの大型な建物から、戸建て住宅に至るまですべての建造物で必要な工事です。
建物を新たに建築する際に必ず行われる工事ですが、年数が経過していくと次第に防水効果が減少していくだけでなく、ひび割れや傷んだ部分が出てきます。
このような劣化部分から雨が浸入してしまうと、建物内部に浸透してしまい、大がかりな修繕が必要になるケースもあるでしょう。
そのため、定期的な防水工事を行うことで建物を雨から守れるのです。

防水工事が必要な理由

防水工事が必要な大きな理由は、建物の劣化を防ぐこと、そして快適に生活できる空間を守ることです。
雨漏りが起こる原因は、雨などの水があって内部に進む通り道もあり、さらにこの水を動かす力が働いた時に漏水が起こります。
この内部に進む道は、亀裂やひび割れ、傷みなどが該当します。
重力、水圧、毛細管現象などによって雨水が動いてしまえば、あっという間に内部に浸入してしまうのです。
この原因を抑えられれば雨漏りを防げるため、定期的な防水工事が必要になってきます。
建物が傷む前に防水工事を行うことで劣化を防げます。
特に雨水が躯体部分に浸入してしまうと、鉄骨が錆びたり腐ったりするため、老朽化も進みます。

定期的な防水工事を施すことで構造部を腐らせることなく保ち、快適な住まいが維持できるでしょう。

防水工事の種類

建物に欠かせない防水工事ですが、同じ防水工事であってもいくつかの工法があります。
ここでは、防水工事の種類や特徴について解説していきます。

塗膜防水

合成ゴムを主成分とした液状の防水材を重ね塗りして防水層を作る方法です。
液状の塗料を塗っていく工事なので、継ぎ目がありません。
建物の屋上部分に凹凸があったとしても、塗って防水層を作れるのでどんな場所でも施工しやすいです。

塗膜防水工事には、ウレタン系・クロロプレン系・アスファルト系などの種類があり、繊維強化プラスチックを使ったFRP系もあります。
塗膜防水には多くの実績や強度の高さ、優れた意匠性、水との相性などもあり、特にウレタン防水は塗膜防水の中でも高いシェアを誇っています。

シート防水

シート防水工事は、合成ゴムが主成分のゴム製シートを用いて、ビスや接着剤を使って張る方法です。
塩化ビニール樹脂系となる塩ビシート防水、加硫ゴム系のゴムシート防水、TPEシート防水などがあります。
シートは下地に接着剤や機械で固定して被せるため、今までの防水層を剥がして施工する必要はありません。

施工期間が短く、広範囲に施工できる手軽さがあります。

改質アスファルト防水

アスファルト防水工事は、専用のアスファルトを溶かして防水シートに貼り合わせていくものです。
トーチバーナーで炙って張っていくトーチ工法、粘着層に貼っていく常温粘着工法、ビスなどで張っていく機械固定工法があります。
耐久性・密着性・防水性に優れているため、多くの防水工事が改質アスファルト防水で行われています。
特にマンションやビルなどの屋上で、平面状の部分に多く使われています。

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ウレタン防水の特徴

ウレタン防水

防水工事には、ウレタン防水と呼ばれる工法があります。
ウレタン防水は、どのような特徴があるのでしょうか?

ウレタン防水とは?

ウレタン防水は、液体状のウレタン樹脂を塗り重ねて防水層を作っていく工法です。
比較的安価なことからコストパフォーマンスにも優れています。
建物の屋上部分やベランダ、バルコニーなどに用いられ、シンプルな工法が特徴的です。

日本では、昔から浸透している防水工事の1つになります。
また、同じウレタン防水でも、直接下地に塗料を密着させる密着工法、塗膜の下の通気緩衝シートを敷いてから塗装する通気緩衝工法があります。
通気緩衝工法は絶縁工法とも呼ばれる工法です。
補強のためにメッシュシートを敷く方法は、メッシュ工法と呼ばれています。
メッシュ工法はウレタン防水の効果をより高めるものであり、強度の高さが特徴です。

耐用年数の目安

一般的なウレタン防水の耐用年数は、10~12年程度とされています。
比較的安価で、重ねて塗ると防水効果が保てます。
ただし、ウレタン防水だけではこの耐用年数をクリアすることはできません。
そこでポイントになるのが、上塗りするトップコートです。
トップコートを重ねて塗ることで耐久性をアップできます。

施工に適した場所

ウレタン防水は、建物の屋上はもちろん、ベランダやバルコニーなどどんな形状の場所にも適しています。
塗装の仕上がりに継ぎ目ができないので、複雑な形状の部分にも施工しやすいです。
施工料金も比較的安価なので、多くの場所に適した防水でしょう。

費用相場

続いて、ウレタン防水の費用についてです。
他の工事も同様ですが、防水工事は塗装免責や重ね塗りの回数などで費用が変わってきます。
ウレタン防水では、密着工法と通気緩衝工法で費用も変わります。
密着工法は、1㎡あたり約3,500~5,000円程度が目安です。
一方の通気緩衝工法は、1㎡あたり約6,000~8,000円程度が目安です。

また、これらの工事では塗装面の高圧洗浄や下地補修が必要となった場合、足場の設置などの費用も加わります。
ウレタン防水だけの価格ではなく、これらも含まれることを覚えておきましょう。

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ウレタン防水の工法は3種類

ウレタン防水

上記でも簡単に説明していますが、ウレタン防水には3つの種類があります。
ここでは、改めてウレタン防水の違いをみていきましょう。

密着工法

ウレタン防水の中でも特にシンプルな工法となるのが、密着工法です。
密着工法は、防水加工したい部分に直接ウレタン樹脂を塗ります。
液状のウレタンは何度も重ね塗りしていき、決められた厚さになるまで重ねていきます。
この層が防水加工の役割を果たしてくれるのです。
短期間で防水工事を済ませられるのが大きな特徴でしょう。

施工期間の短さもあり、価格も安価で抑えられる傾向にあります。
ただし、注意したいのが下地の影響を受けやすいという点です。
この時に下地の保守や適切な処理がされていないと、重ねて塗った防水層がひび割れてしまったり、膨れてしまったりする可能性があります。
また、下地の乾燥不足や清掃不良、塗布量の過不足でも不具合が生じてしまいます。
床面が狭い場所や凹凸のある場所、費用を抑えたいという場合には適していますが、職人の腕や経験によって仕上がりが左右される可能性があることを覚えておきましょう。

通気緩衝工法

ウレタン防水の中でも、高度な技術が求められるのが通気緩衝工法です。
通気緩衝シートを使って下地に貼っていきます。
その上からウレタンを塗っていく手順となり、下地とウレタンの間にシートを入れることで水蒸気などによる膨らみを防げます。
下地に水分が浸入し、それが長期間にわたると雨漏りになります。
さらに、雨上がりに日差しが差し込めば湿気が溜まってしまい、これを外に出そうとする膨れ現象が起こってしまうでしょう。
しかし、通気緩衝工法なら通気緩衝シートによって、出来上がったウレタン防水層の内部に溜まった湿気や水分を後からでも逃がせるのが特徴です。
水分を含んでいる可能性の高い建物、築年数が古い建物、陸屋根、ルーフバルコニー、マンションの屋上などで用いられやすく、様々な環境で使用される傾向にあります。
以前も同じ工法が用いられていた場合、既存の古いシートを転用することもありますが、状況によっては古いシートを剥がさずに使う場合もあります。
同じウレタン工法でも他と比べると価格は高くなりますが、古い建物ほど適しているでしょう。

メッシュ工法

メッシュ工法は、防水加工面である床にメッシュシートを貼った後にウレタン樹脂を塗る工法です。
メッシュシートはウレタン防水の強度を高める機能があり、地震などの衝撃に対して高い耐久性を発揮します。

そのまま下地に塗る密着工法に比べるとひび割れしにくくなりますが、湿気や通気性に関しての機能は持っていません。
メッシュでも湿気対策用ではないので間違えないようにしましょう。

ただし、地震などの衝撃には強い力を発揮するので、機能性を比較してから検討してみましょう。

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メンテナンスも大切!補修のサイン&タイミング

ウレタン防水

建物を良い状態のままで長持ちさせるには、定期的なメンテナンスが必要です。
メンテナンスを行うことで、補修や修繕部分を早期発見でき、傷む前に直せるのが魅力でしょう。
ここでは、補修のサインやタイミングを中心にご紹介していきます。

補修の必要性を判断するためのサイン

補修が必要かどうか判断するには、建物を隅々までチェックしてみてください。
ここでは、建物のサインから補修の見分け方を解説します。

ひび割れ

ウレタン防水の耐用年数は、平均10~12年です。
しかし、環境によってこの期間が変わってくる可能性もあります。
そのため、安易に期間だけで判断するのではなく、実際に目視で異常がないかを確認してみましょう。

例えば、ウレタン防水をした表面部分にひび割れが見つかった場合、何が原因でひび割れているのかチェックしてみましょう。
施工後5年程度で現れた場合は、表面のトップコートという保護材が割れてしまった可能性があります。
トップコートには防水機能がないので、ひび割れていても雨漏りすることはありませんが、雨や日差しで劣化するとウレタン防水が露出してしまいます。

見つけたら早めにトップコートの塗り直しをしましょう。

浮きや膨れ

丁寧に施工したとしても、次第にウレタン防水層が膨らんでしまったり、浮いてしまったりすることがあります。
このような状態の場合、下地に水分が溜まっている可能性が考えられます。
この状態から考えられるのが、雨漏りしている可能性についてです。
下地に水分があるというのは、どこかで雨が入り込んでしまい、その水分が温められて水蒸気になって外に出たがっている状態になります。
ウレタン防水の浮きや膨れを確認した場合は、防水層に問題がないか、外壁などに異常がないかチェックしましょう。

浮きや膨れによってボコボコした床面は、経年劣化や歩行などの力で破れる可能性もあり、早めに浮きや膨れ部分の確認と修繕が必要です。

亀裂

上記では、表面のひび割れがトップコートの割れだとしましたが、これが亀裂になっていた場合は防水層にまで達している可能性が高いです。
このような亀裂は、経年劣化や地震などの後に見つかることが多く、そのままにしてしまうと、下地まで傷んでしまいます。

早めにウレタン防水を施工して、雨漏りしないように修繕しなければなりません。

雨漏り

天井部分に染みがある、外壁の様子がおかしいなどの状態を見つけたら、雨漏りしている可能性が高いでしょう。
雨漏りは、防水層が傷んだことで起こる状態で、放置してしまえば建物の寿命を縮めるのは確実です。

もし防水層に異常がないという場合でも、その下の軒天や室内に雨が入り込んでいる可能性もあります。
少しの雨漏りでも通気緩衝工法を使って湿気を逃がす方法があり、早急な対応によって被害を抑えられるでしょう。

メンテナンスに最適なタイミングは?

補修に関しての判断は、見た目も重要ですが期間も目安にしてみましょう。
この期間とは、防水工事をして以降の時間です。
1年に1回は点検を行い、メンテナンスは10年を目安にすると良いでしょう。

その理由は、防水工法の多くが耐用年数10年程度になっているためです。
もちろん、環境や条件によっては例外もありますが、タイミングを逃してしまうと取り返しがつかなくなる可能性も考えられます。
10年をおおよその目安にして考えておくと安心でしょう。

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ウレタン防水のメリット

ウレタン防水

ウレタン防水にはどのようなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。

雨漏りのリスクが少ない

ウレタン防水は、塗料を塗って行うため、仕上がった際に継ぎ目ができないという特徴があります。
そのため、シートを張り付けるシート防水のように、めくれや継ぎ目の隙間から水が染み込み雨漏りを起こすリスクが少ない点がメリットとして挙げられます。

段差があっても施工できる

液状の塗料を塗るウレタン防水は、シートのように切ったり貼ったりする作業を必要としません。
塗料を塗れば良いだけのため、段差や凹凸など複雑な形状をしている箇所でも問題なく施工できる点がメリットです。

軽いので建物に負担がかからない

ウレタン防水は、防水したい部分に塗料を3mmほど塗り重ねる工法です。
アスファルト防水に比べて非常に軽量のため、建物への負荷が少ない点もメリットの1つとして挙げられます。

施工費を抑えられる

ウレタン防水はメンテナンス費用が比較的安価のため、施工費を抑えられる点もメリットです。
防水工事には塩ビシートやFRP、ゴムシートなどいくつかの方法がありますが、単価自体にそれほど大きな違いはありません。
しかし、ウレタン防水の場合、表面保護のために塗布しているトップコートは5年程度で塗り替えることで、ウレタン防水によって形成した防水層は傷みにくくなります。
10~12年程度は問題ないため、メンテナンスにかかる費用を抑えることが可能です。

小回りが利きやすい

ウレタン防水は、小回りの利きやすさもメリットです。
狭い場所や一部分だけ防水工事をしたい時にも柔軟に対応することが可能です。

好きな色を選べる

ウレタン防水は、仕上げの色を変えることが可能です。
トップコートの段階である程度の候補から選ぶことができるため、建物の外観や好みに合わせて好きな色を塗装できる点もメリットです。

重ね塗りが可能

ウレタン防水は塗料のため、重ね塗りできる点もメリットです。
シート防水の場合、経年劣化によってシートが剥がれたり、めくれたりすることがあります。
直すには一度すべてを剥がす必要があるため、手間も費用もかかります。
しかし、ウレタン防水は塗料のため、高圧洗浄などで表面の汚れを落とし綺麗にすれば、重ね塗りをすることも可能です。

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ウレタン防水のデメリット

ウレタン防水

ウレタン防水は多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。
施工を検討している方は、しっかりデメリットも把握した上で決めましょう。

施工には技術が必要

ウレタン防水は職人が手作業で塗料を塗りますが、塗料自体が柔らかいので均一に塗るためには高い技術力が必要です。
万が一均一に塗れなかった場合、水が排水口に流れなかったり、水たまりができたりするリスクがあります。

最悪の場合、薄く塗った場所から雨漏りしてしまう恐れがあるため、ウレタン防水の施工は高い技術力を有する業者に依頼することが大切です。

職人によって仕上がりに差が出る

ウレタン防水は施工に高い技術力を必要とします。
そのため、職人の腕前によっては仕上がりに差が出る可能性があることもデメリットとして挙げられます。
特に、立ち上がり部分の仕上がりは職人の技術力によって差が出やすいため、実績のある業者に依頼することが大切です。

乾燥までに時間がかかる

樹脂塗料を使用するウレタン防水は乾燥までに時間がかかります。
乾燥が早いFRP防水の場合、一般的なベランダやバルコニーの施工日数の目安は1~2日程度です。
一方で、ウレタン防水は樹脂塗料が効果するまで時間がかかるため、約4~5日程度かかります。

雨が降れば作業は中断されるため、工事完了までさらに日数が必要になります。

5年に1回はメンテナンスが必要

ウレタン防水の耐用年数は10~12年ほどですが、耐久性を高め防水機能を長持ちさせるには、5年に1回のペースでトップコートを塗り直すのが望ましいです。
もしトップコートの塗り直しをしなかった場合、ウレタン防水の防水層が雨水や紫外線に晒され、防水機能の劣化スピードが早まる可能性があります。

防水ウレタンの機能性を高めるには、適切なメンテナンスが必要です。

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ウレタン防水の耐久性を長持ちさせるには?

ウレタン防水

ウレタン防水を長持ちさせるために意識しておきたいポイントをご紹介します。

排水溝の清掃・メンテナンスを行う

排水溝の掃除やメンテナンスをこまめに行うことで、ウレタン防水の劣化を遅らせることが可能です。
雨水は排水溝をつたって流れていくため、詰まっていると水が溜まり、そこから防水層の劣化につながります。
排水溝は定期的に点検し、ゴミが詰まっていないか、葉っぱが溜まっていないかを確認しましょう。
きちんとゴミを取り除き、水はけを良くすることで、ウレタン防水を長持ちさせることができます。

排水溝にゴミの侵入を防ぐカバーが付いている場合は、外して内部に小さいゴミが詰まっていないか確認してみてください。
柄の長いブラシやゴム手袋を使うと、手や服の汚れを防げるのでおすすめです。

色が変わったらトップコートを塗布する

ウレタン防水ではトップコートを塗布することで、紫外線や雨風から防水層を守り耐久性を高める役割を担っています。
そのため、トップコートが劣化し剥がれると、防水層にも悪影響を及ぼします。
ウレタン防水が黄色く変色するのは劣化したサインなので、ウレタン防水の耐久性を長持ちさせたいなら、5年に1回を目安にトップコートの塗り直しを行いましょう。

また、トップコートの中には、高い耐久性や遮熱効果を持った塗料もあります。
耐用年数が10年のものもあるので、塗り直しの手間を削減したい方は、フッ素などを使った高耐久性のトップコートがおすすめです。

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防水工事業者を選ぶ時に気を付けたいポイント

ウレタン防水

最後に、防水工事を依頼する業者を選ぶ際に気を付けたいポイントをご紹介します。
防水工事は防水専門業者や塗装業者のほか、ハウスメーカーやリフォーム業者も行っています。
満足のいく仕上がりを得るためにも、これから紹介するポイントはしっかりチェックしてください。

防水工事ができる業者の特徴を確認する

防水工事が可能な業者は、防水専門業者・塗装業者・ハウスメーカー・リフォーム業者です。

・防水専門業者
防水を専門としていることもあり、様々な場所の防水工事に対応できます。
また、長年の経験から高い技術力や知識を持っている職人が在籍している業者が多いです。

・塗装業者
塗料以外の防水工事は対応していないことがほとんどですが、塗料系の防水工事であれば高い技術力を活かした施工が可能です。
比較的低価格で防水工事ができる可能性もあります。

・ハウスメーカー
他と比べて施工費用が高い傾向にあります。
ただし、防水工事以外の工事もまとめてできるほか、工事後のアフターフォロー体制も充実しているところが多いです。

・リフォーム業者
防水工事以外のリフォームもまとめて行うことが可能です。
ただし、施工費用は高い傾向にあります。

依頼する業者によってそれぞれメリットは異なります。
他の工事の有無や予算に合わせて、条件に合った業者を選ぶことが大切です。

相見積もりをとる

相見積もりとは、複数の業者に同じ工事内容の見積もりを依頼することです。
防水工事に限らず、何か作業を依頼する際は、作業内容や価格が書かれた見積もり書を出してもらうのが一般的です。
見積もり書は作業内容や価格は適正かを判断する材料として使えるため、工事を依頼する際は必ず現地調査をしてもらい、見積もり書を出してもらいましょう。

相見積もりを取り複数の業者を比較検討することで、怪しい業者を見分けることができます。
例えば、工事価格が不当に高い業者はこちらが防水工事に関して知識がないだろうと費用を水増し請求している可能性があります。
一方で、相場よりも費用が大幅に低い業者は、手抜き工事をされる可能性があるため注意が必要です。

できるだけ工事にかかる費用を抑えたいのはわかります。
しかし、工事価格が安ければその分業者の収益も少なくなるため、利益を確保しようと作業の手間を減らしたり、材料のグレードを下げたりしている可能性があるのです。
悪質な業者に騙されないためにも相見積もりを行い、比較・検討することが大切です。

見積もりの内容が詳細に書かれているか確認

見積もり書を受け取ったら、確認したいのは以下の点です。

・工事内容の詳細が書かれているか
・材料費や人件費などが項目ごとに分かれているか

見積もり書の内容が「防水工事 ¥○○○」のように、漠然とした項目しか記載されていない業者は、悪質な業者である可能性があります。
優良業者であれば、作業内容や材料費、人権費など項目ごとに金額がきちんと記載されているはずです。
どの作業にいくらかかるのか、材料は何を使うのかなど、何にお金がかかるのか不明瞭な場合は、質問し一つひとつ説明してもらうようにしましょう。
もしも、説明を拒否するようであれば信頼できないとして、候補から除外することをおすすめします。

また、防水工事といっても使用する塗料のグレードや工事内容によって金額は異なります。
見積もり書の内容と金額が適正かどうか判断するためにも、工事を依頼する際は作業や塗料の費用相場を知っておくことが大切です。

ウレタン防水の施工実績が豊富かどうか

ウレタン防水の業者を選ぶ際は、豊富な施工実績があるかチェックしましょう。
特にウレタン防水は職人の技術力によって仕上がりに差が出やすいです。
そのため、ウレタン防水工事の施工実績はあるのか、施工範囲や条件が似ている施工例はあるのか確認してください。

また、施工実績を見ることで、業者がどのような工事を得意としているのか、職人の技術力などを判断できます。
依頼する条件と似ている施工例があった場合は、工事費用が相場からかけ離れていないかも確認しておくと安心です。

アフターフォローの内容をチェックする

工事業者を選ぶ時は、施工後のアフターフォローについても確認しておきましょう。
防水工事では、施工が終了してから何らかのトラブルが起きるケースもあるため、年単位でアフターフォローを行っている業者が安心です。
どんなフォロー体制を用意しているのか、どのような保証があるのかチェックしてください。
また、ウレタン防水はトップコートの塗り直しなど定期的なメンテナンスが必要となるため、何かあれば気軽に相談できる業者かどうかも併せて確認しておくことをおすすめします。

悪徳業者の特徴に当てはまっていないか確認

防水工事を依頼する際は、悪徳業者の特徴に当てはまっていないかもしっかり確認しておきましょう。
例えば、いきなり飛び込みで営業してくる業者は、悪徳業者の可能性があります。
もしも、「すぐに契約すれば割引する」などと契約を急かされた場合には、業者名をネットなどで検索し、悪い口コミや評判はないか調べることをおすすめします。

間違ってもその場ですぐに契約することのないよう注意してください。
また、「このままでは雨漏りする」「住宅内部が腐食しているかも」など、必要以上に不安を煽る業者にも注意が必要です。
すぐに工事しなければと思わせて契約を取り付ける方法は、悪徳業者が行う手法の1つです。
例え不安に感じてもすぐに契約はせず、違う業者に相談、現地調査をしてもらうようにしてください。
その際は、本当に緊急性を要するのか判断するためにも、先ほど説明したように、複数の業者に見積もりを依頼することをおすすめします。

今回は、マンションなどの建物を雨漏りや漏水から守るために欠かせない防水工事の1つ、ウレタン防水についてご紹介しました。
液体状のウレタン樹脂を塗り重ねて防水層を作るウレタン防水は、どんな形状や段差にも対応できるため、マンションの屋上やベランダ、バルコニーの防水工事に適しています。
また、雨漏りのリスクが少なく、施工費が抑えられるなどメリットも豊富です。
ただし、施工には技術力が必要だったり、5年に1回メンテナンスが必要だったりとデメリットも存在します。
ウレタン防水を行う際はメリット・デメリットも加味した上で、信頼できる業者に依頼することが大切です。
工事業者を選ぶ際は、今回紹介した内容を参考に、相見積もりを取る、見積もり内容を確認するなど、信頼できる業者かどうかをチェックしておきましょう。

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