所有している賃貸物件の価値をアップさせるため、入居者を増やすためにもリノベーションを検討している大家さんもいるはずです。
間取りや設備の変更など、快適な空間を作り出すために様々な提案をすることになりますが、窓やサッシについては考えていますか?
部屋の涼しさや暖かさ、湿度など、快適性能を高めるためには窓やサッシを見直すことも肝心です。
そこで今回は、結露対策や防音対策にも有効と言われているインナーサッシについて解説していきます。
インナーサッシのメリットやデメリット、取り付けにかかる費用や後付けの注意点など、気になる疑問を解決できる内容となっているので、賃貸物件のリノベーションを検討している方はぜひ参考にしてみてください。
Contents
そもそもインナーサッシとは?

インナーサッシについて理解していない方もいるはずです。
どういった仕組みなのか、複層ガラスとの違いや種類と共に解説していきます。
インナーサッシの仕組み
インナーサッシとは、既存の窓の内側にあるもう1つの窓サッシを指します。
二重窓や内窓と言われるケースもあります。
窓が二重になっており、内側と外側の窓の間に空気層ができるため、熱の出入りが少なくなる仕組みです。
北海道や東北地方といった寒冷地においては、窓が凍らないための対策として用いられることが古くからあり、一戸建て住宅やマンションを問わず、様々な建物に採用されてきた工事方法です。
近年では、後付けできることからリフォームやリノベーション工事にも採用されています。
複層ガラスとの違い
インナーサッシは複層ガラスと間違われることもあります。
しかし、全く異なるものなので注意してください。
インナーサッシは、窓ガラスとサッシ枠を含めた窓タイプを指し、複層ガラスはサッシ枠に入っているガラスのことです。
一般的には窓のガラスは1枚ですが、複層ガラスはガラスが2枚使用されており、ガラスとガラスの間に空間があるので断熱対策や結露対策に有効と言われているアイテムです。
近年では新築住宅への普及が進んでおり、マンションやアパートに導入されるケースも増えています。
インナーサッシには種類がある
賃貸物件にインナーサッシの導入を検討しているなら、サッシの種類を知る必要があります。
種類によって特徴に違いがあるので解説していきましょう。
アルミサッシ
サッシの中でも様々な建物に使用されている種類です。
アルミで作られた窓枠で、板ガラスの普及と共に明治以降から日本で使われ始めました。
軽く錆びにくい点が特徴で、費用も比較的安いです。
ただし、熱伝導率が高いため結露しやすいデメリットがあります。
錆びに強いと言われていますが、結露を放置しすぎてしまうと錆びが発生する可能性があるので注意が必要です。
樹脂サッシ
塩化ビニール樹脂で作られたサッシでアルミサッシが持つデメリットをカバーしているサッシでもあります。
熱伝導率がアルミサッシと比較すると約1,000分の1と言われており、結露がしにくく錆びやカビ、ダニの発生を抑えられる利点を持ちます。
ただし、紫外線に弱い点や強度を出しにくい点がデメリットです。
紫外線の影響を受けやすい場所に設置する場合は、日射熱対策を施すと劣化を防ぐことに役立ちます。
木製サッシ
木でできたサッシで温かみやデザインの良さで人気があります。
高い断熱性が特徴で、結露が気になる物件への設置におすすめのサッシです。
塗装の劣化や腐食、金具の不具合などが使用し続けていると考えられるので、定期的なメンテナンスが欠かせません。
不具合を長年放置してしまうとサッシ自体が破損してしまう可能性もあるので注意してください。
ただし、外側のサッシと比較するとインナーサッシで木製サッシを使用すれば雨の影響や雪の影響を受けにくいでしょう。
アルミ樹脂複合サッシ
アルミと樹脂を組み合わせたサッシがアルミ樹脂複合サッシです。
室外側がアルミ、室内側が樹脂になっており、アルミと樹脂のそれぞれ良い部分を持ち合わせたサッシとなっています。
耐候性が高く、紫外線にも強い特徴があります。
外気の影響も受けにくいので冷暖房効率がアップする点も魅力ですが、価格が高い点や定期的なメンテナンスが必要になる点がデメリットです。
予算と相談しながら導入を検討してください。

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インナーサッシのメリット

ここからは、インナーサッシを取り付けるメリットを解説していきます。
賃貸物件に設置することでどういった効果があるのかみていきましょう。
断熱性がアップする
前述したようにインナーサッシは、外窓と内窓の間に空気層ができるので、断熱性能を高める働きがあります。
断熱性能がアップすれば、外気温の変化に影響されにくくなるため、室内の温度差が小さくなります。
冷暖房の効きも良くなるので、経済的にも良い影響を与えます。
上記でご紹介した木製サッシを採用すれば、断熱効果をさらに高めることが可能です。
結露対策になる
冬場の問題として結露が挙げられます。
結露は、気温の変化や空気中にある水蒸気の量が大きく関係しています。
空気には水蒸気が含まれていますが、空気が含むことのできる水蒸気量を緩和水蒸気量と言います。
緩和水蒸気量は温度によって異なる点が特徴で、空気が暖かいほど多くの水蒸気を含めることができます。
室内の湿度の高い空気が外気で冷えた窓ガラスに触れることで空気の温度が下がりますが、温度が下がると下がった分だけ空気が含むことができる水蒸気量は減ってしまうのです。
空気を含めなくなった分の水蒸気は水に変化するため、結露として窓ガラスに留まります。
これが結露発生のメカニズムです。
結露を放置してしまえば、湿気によってカビが発生し、カビを餌にするダニやチャタテムシといった害虫を寄せ付ける原因にもなります。
カビは健康被害を発生させる要因にもなるので、小さい子どもや高齢者のいる家庭にとってはリスクとなってしまいます。
窓周辺に設置してあるカーテンや壁紙が黒くなる原因にもなるので注意が必要です。
しかし、インナーサッシを設置すれば結露を防ぐことに役立ちます。
樹脂サッシやアルミ樹脂複合サッシを活用すれば、断熱性の高さによって結露がしにくくなるので、湿気の多い地域にある賃貸物件であれば積極的に採用して結露対策を徹底する必要があるでしょう。
防犯対策にも役立つ
賃貸物件を選ぶ際に防犯性能を重視する方もいます。
防犯カメラやモニター付きインターホン、電子キーやオートロックなど、賃貸物件であれば様々な防犯対策がありますが、インナーサッシも安全を守るためには有効です。
窃盗事件では、窓から侵入し犯行に及ぶ犯人もいます。
窓を割って侵入するケースが考えられますが、インナーサッシであれば窓が二重になっているため、1回だけではなく2回窓を割る手間があります。
インナーサッシで使用する窓を防犯対策向けの窓ガラスにすれば、割りにくくなるのでさらに防犯性能を高めることができます。
入居者の安全を守るためにも採用を検討してみましょう。
防音対策になる
子どものいる家庭や学生向けの賃貸物件であれば、防音性能にも注目しましょう。
窓は壁や屋根と比べると防音性の低い建材です。
そのため、窓ガラスを通して外の音や室内の音が漏れてしまうといった不具合を発生させてしまいます。
子どもがいる場合、子どもが騒ぐ声や走る周る音が漏れて周辺の住宅に迷惑をかけてしまうのではないかと不安になる親御さんも多いです。
反対に、小さい子どもがいると寝かしつけの際に周囲の音が気になってしまうケースもあります。
学生の場合は、周囲の音が気になり勉強に集中できない可能性もあるでしょう。
しかし、インナーサッシのある物件であれば室内の気密性がアップするため、音の伝わりを減らすことが可能です。
周囲を気にするといった精神的なストレスも軽減するため、過ごしやすい空間を与えられるはずです。
省エネ対策に有効
前述したように、インナーサッシを設置すれば断熱性能がアップします。
室外の温度変化の影響を室内に伝えにくくするため、エアコンや暖房器具の負荷を減らすことができます。
夏であればエアコンの設定温度を高くすることができ、冬であれば暖房器具の温度設定を低くできるので省エネ対策につながります。
環境にもお財布にも優しい生活を入居者に提供できるでしょう。
デザイン性の向上
既存の窓を変えずにリノベーションをした場合、リノベーションをした室内とのテイストが違うことで見た目が悪くなってしまうケースもあります。
しかし、インナーサッシを設置すれば室内のデザイン性をアップできます。
デザイン性アップのためには木製サッシがおすすめです。
様々なテイストの室内に合わせやすく、温かみのある雰囲気や穏やかな雰囲気、落ち着きのある空間へと変えてくれます。
「リノベーションをするならおしゃれな空間にしたい」「デザイン性のある物件にして入居者を増やしたい」と考えているなら、インナーサッシの活用も検討してみてください。

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インナーサッシのデメリット

ここからは、賃貸物件にインナーサッシを設置するデメリットを解説していきます。
魅力の多いインナーサッシですが、設置することで考えられるリスクも存在します。
リノベーションをしてから後悔しないため、入居者の満足度を高めるため、魅力的な物件だと周知させるためにも、以下のデメリットを理解してから設置を検討してください。
コストの発生
インナーサッシを取り付ける必要があるので、やはりコストがかかってしまう点がデメリットです。
インナーサッシを取り付ける工事費用とは別に新規窓枠とガラスも必要になります。
ガラスは1枚ガラスが主流でしたが、結露対策が十分ではない、寒さが残るといったデメリットがあるため、複層ガラスが採用されるケースも多いです。
1枚ガラスと比較すると複層ガラスの方が高くなってしまうため、コストもより多く発生してしまいます。
また、アパートやマンションといった集合住宅の賃貸物件の場合、すべての部屋にインナーサッシを取り付けるとなると膨大な費用がかかってしまいます。
予算に合わせて設置する範囲を絞るなどしてコストを抑えることも検討してみましょう。
国や自治体の補助金や助成金を活用することもできるため、リノベーションをする前に確認してみてください。
窓の開け閉めに手間がかかる
インナーサッシを取り付ければ窓が2つになるので、その分開け閉めに手間がかかってしまいます。
普段窓を開けないような場所であれば問題ありませんが、洗濯物を干す際に出入りをするベランダの窓や開け閉めを頻繁にするリビングや寝室にある窓だと、面倒に感じてしまう方もいます。
しかし、窓の開け閉めの手間のみで入居を検討している方は少ないと考えられるので、それ以上のメリットを入居希望者に提供することが大切です。
上記でご紹介したメリットを伝えて入居希望者に魅力のある物件であることをアピールしていきましょう。
掃除の手間がかかる
インナーサッシは窓が2つになるので、窓掃除の手間もかかってしまいます。
窓枠や窓ガラス、レールなど、気が付かないうちに汚れは溜まっていくので、入居者にとっては負担となるケースもあります。
特に結露が発生してしまうと、結露を取り除く手間がかかるのでより掃除に手間がかかってしまいます。
結露を放置してしまえばカビの発生も考えられ、周辺の設備に悪影響を及ぼす危険性もあります。
入居者が退去する際にはクリーニングの手間が多く発生することを覚えておきましょう。
インナーサッシの種類別にある特徴を理解して、結露の発生を防げるサッシの導入を検討してください。
設置する際の制約に注意
インナーサッシはどんな窓にも設置できるわけではありません。
上げ下げ窓や天窓には設置できないので注意してください。
また、設置が可能な窓でも新しく窓を取り付けるためには窓枠がないと設置できません。
新たに設置する空間が無い場合や段差があって取り付けが難しい場合は、「ふかし枠」を設置する必要があります。
ふかし枠は、インナーサッシのレールを取り付けるためのスペースです。
ふかし枠を設置すれば十分なスペースが確保できるため、新しくインナーサッシを取り付けることが可能です。
ふかし枠のサイズによって費用も異なるので、コスト面が気になる方は業者に相談してみましょう。

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インナーサッシの取り付けにかかる費用

インナーサッシの取り付け費用は、商品価格に業者による施工費が換算された価格になります。
使われるインナーサッシのグレードやタイプによって費用が変わるので注意が必要です。
ここでは、インナーサッシの取り付けにかかる費用について解説します。
インナーサッシの取り付け費用の相場とは?
インナーサッシの取り付け費用相場は、商品価格と施工費合わせて1箇所あたり4~15万円程度です。
費用相場の目安は以下のとおりです。
窓の種類 | サイズ(幅×高さmm) | 費用相場 |
小窓 | 800~1,500×400~1,000 | 約4~6万円 |
中窓 | 1,500×1,000~1,400 | 約4~8万円 |
大窓 | 2,000×1,900~2,400 | 約10~15万円 |
ハイグレードのサッシや窓ガラスにした場合は、30万円近くかかります。
窓のサイズやグレード、依頼する業者によっても変わるので予算に合わせて希望に合うインナーサッシを選択する必要があるでしょう。
インナーサッシのグレード・大きさ・取り付け数による価格の違い
先述したとおり、インナーサッシの相場は、採用するインナーサッシによって価格に大きな開きが生じます。
より具体的な費用相場を把握するために、商品や取り付け数による費用相場についても紹介しましょう。
まずは使われる窓の大きさの違いと、窓ガラスの種類についてご紹介します。
一般的に、リビングや和室などに使われる中窓は、腰高窓が多いです。
腰高窓は、腰の高さの位置から設置される窓で、幅が1,800mm×高さ900~1,200mmのサイズが使われています。
ベランダなどに使われる窓は、掃き出し窓と言い、サイズは、幅1,800mm×高さ1,800~2,000mmです。
トイレや洗面所、階段途中に設置される小さな窓の大きさは幅405mm×高さ770mm程度の大きさが多いです。
次に、窓ガラスの種類による違いです。
取り付ける窓ガラスの種類は、「単板ガラス」「複層ガラス」「高断熱複層ガラス」から選択し、単体ガラス、複層ガラス、高断熱複層ガラスの順に価格が上がっていきます。
一般的によく使われる腰高窓の商品価格の相場は以下のとおりです。
窓の種類 | サイズ(幅×高さmm) | 費用相場 |
単板ガラス | 1,000×600 | 約19,000円 |
1,000×1,000 | 約21,000円 | |
1,500×1,000 | 約23,000円 | |
2,000×1,000 | 約26,000円 | |
複層ガラス | 1,000×600 | 約24,000円 |
1,000×1,000 | 約27,000円 | |
1,500×1,000 | 約31,000円 | |
2,000×1,000 | 約34,000円 | |
高断熱複層ガラス | 1,000×600 | 約25,000円 |
1,000×1,000 | 約27,000円 | |
1,500×1,000 | 約34,000円 | |
2,000×1,000 | 約42,000円 |
また、取り付け数によっても費用は変わります。
商品サイズごとの取り付け費用は以下のとおりです。
1箇所 | 3箇所 | 5箇所 | 10箇所 | |
1,000×600 | 約42,000円 | 約61,000円 | 約69,000円 | 約92,000円 |
1,000×1,000 | 約42,000円 | 約61,000円 | 約69,000円 | 約100,000円 |
1,500×1,000 | 約46,000円 | 約64,000円 | 約73,000円 | 約107,000円 |
2,000×1,000 | 約46,000円 | 約64,000円 | 約73,000円 | 約107,000円 |
上記の表を参照に、インナーサッシを設置した場合の相場を確認してみましょう。
また、複数同時に設置する場合、値引き交渉がしやすくなります。
業者によっては、複数取り付けで値引きサービスをしている場合もあるので、事前に確認しておくと良いでしょう。

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DIYでもインナーサッシは取り付けできる!?

インナーサッシの取り付け方法は、業者に依頼するか、自身で取り付け作業を行うかに分かれます。
1箇所あたりの値段は安くても、複数個所を業者に依頼した場合、費用も高額になるため、DIYを検討する方も多いです。
最近では簡易的なキットもホームセンターで揃うため、ある程度の知識と道具があれば、DIYでの取り付けも難しくないでしょう。
ここでは、DIYでのインナーサッシの取り付けについてご紹介します。
【簡単】既存の窓を活かしたインナーサッシの取り付け方【スピーディー】
現時点で使用している窓を活かして、インナーサッシを取り付ける方法を紹介します。
時間もかからず、不要の際は簡単に取り外すことが可能なのでDIY初心者でもチャレンジしやすいでしょう。
基本的な流れは、窓の採寸→簡易内窓などの購入→窓枠の設置→窓ガラスの取り付けという手順で進みます。
使用する道具と具体的な取り付け方法は以下のとおりです。
【必要な道具と材料】
・鉛筆
・カッターナイフ
・はさみ
・両面テープ
・セロハンテープ
・ポリカーボネート板(厚さ4mm、希望サイズ)
・レール(窓の横の長さ)上下セット
・カブセ(長さ:窓の縦寸法×4本)
【作業手順】
①インナーサッシが設置できるか確認する
スライド式の内窓を取り付けるにあたり、既存の窓枠に奥行きがあるかどうか確認しましょう。
奥行きは、使用するレールの幅以上が必要になり、目安としてレールの2倍の幅が確保できれば良いでしょう。
例えば、使用するレールの幅が18mmの場合、36mm以上の奥行きが必要ということです。
しっかりと奥行きが確保できれば、サッシの鍵もスムーズに開け閉めできるでしょう。
②窓枠の縦×横を測る
奥行きを確認した後は、窓枠のサイズを測りましょう。
設置する内窓のサイズを確認するために必要となります。
計測するのは窓枠になり、ガラス窓のサイズとは違うので気を付けてください。
③カットしたレールを設置する
窓枠の上部と下部、それぞれにレールを取り付けましょう。
手順②で確認した窓枠の横の長さにレールをカットし、カットしたレールを窓枠に仮置きします。
この時注意したいのが、レールの位置です。
上下同じ奥行きで設置できなければ、取り付ける内窓が傾くためスライドできません。
窓枠から奥行き何cmの場所に設置するかを決め、設置位置がずれないようにします。
そして、仮置きしたレールを押さえながら、レールに沿って鉛筆で窓枠に線を引き、この線を目安に両面テープを貼っていきましょう。
また、レールのタイプは2種類あり、上下で構造が異なります。
断面を確認し、溝が深いレールは上部に取り付け、溝が浅い方は下に貼り付けましょう。
④ポリカーボネート板を内窓サイズにカットする(2枚分)
カッターやはさみを使って用意したポリカーボネート板を内窓サイズにカットします。
内窓の横幅は手順②で測った窓枠の横幅部分を半分にした長さに1cm足した長さになります。
縦幅は、手順②で測った窓枠の縦幅から2mm引いた長さでカットしましょう。
この縦×横の長さが内窓のサイズとなり、ポリカーボネート板×2枚が内窓として使われます。
また、ポリカーボネート板は、板と板の間に空洞がある中空構造になっています。
内窓に使用する際は、ポリカーボネート板表面から確認できるラインが縦に並ぶように設置しましょう。
ポリカーボネート板の断面は、構造的に弱いため、セロハンテープを使って補強します。
⑤カブセをポリカーボネートの縦部分にはめる
セロハンテープで縦部分を補強したポリカーボネート板にカブセ(コの字の断面のプラスチック製品)を取り付けていきましょう。
セロハンテープで補強した部分の上からカブセを縦に取り付けていきます。
この縦の部分が、内窓に設置した際の右左側部分になります。
ポリカーボネート板の横部分(内窓の上下にあたる部分)は、レールに差し込むので、カブセは必要ありません。
⑥設置したレールに内窓(ポリカーボネート板)を差し込む
カブセを取り付けたポリカーボネート板をレールに差し込んでいきましょう。
奥に設置したレールから差し込み、その後手前のレールに残りの1枚を差し込みます。
差し込みにくい場合は、ポリカーボネート板の上部を先にレールに差し込み、少し持ち上げた状態にしてから下のレールに下部を差し込んでみてください。
このように、業者に依頼せずとも時間をかけずにDIYでインナーサッシの取り付けは可能です。
簡易的なインナーサッシを付けるだけでも断熱効果はアップします。
より高い効果を得たいのであれば、気密性が重要になってくるので寸法誤差には気を付けましょう。
隙間ができてしまうと断熱効果が下がってしまうからです。
DIYは、業者に依頼すれば数万はかかるところ、1万もあれば作成できてしまいます。
コストを抑えたい方はDIYにチャレンジしてみてもいいでしょう。

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インナーサッシを後付する際の注意点

後付けでインナーサッシを設置する場合、大きな工事も必要なく、新しく窓を交換するよりもコストを抑えられます。
そのため、リノベーションの際に後付けでインナーサッシを採用したい方も多いでしょう。
しかし、満足のいくリノベーションを行うためは、いくつかの注意点を押さえておく必要があります。
インナーサッシが後付けできない場合がある
どの窓に対しても問題なくインナーサッシが設置できるとは限りません。
窓の構造によっては、設置できない窓や設置が難しい窓も存在します。
以下に挙げる窓は、設置に注意が必要です。
・エアコンや換気扇がついている窓
・上げ下げ窓
・内開きの窓
・内倒しの窓
・チェーンで開閉する窓
・天窓
・ルーバー窓(ハンドルを回して開閉する窓)
このような窓の場合、インナーサッシを設置したことによって窓の開閉ができなくなる場合があります。
また、障害物がある場合は取り付けが困難で不向きです。
窓によっては取り付け可能な場合もあるので、判断しにくい場合はリフォーム会社に確認を取ると良いでしょう。
取り付け前に設置後のイメージをしておく
インナーサッシを設置すると、窓や部屋の見え方や操作性などが変わってきます。
内側に窓が設置されたことにより、部屋が狭く感じる場合もあります。
また、窓が増えたことにより、掃除や開け閉めの手間が面倒と感じることもあるかもしれません。
頻繁に使う窓であれば、インナーサッシに慣れるまで開け閉めの回数が気になってしまうでしょう。
そのため、インナーサッシを設置する前に、どのような使い勝手になるのかをイメージしておくことが重要です。
設置後に後悔しないよう問題点や不明点がある場合は、リフォーム会社の担当者に相談しておくと良いでしょう。
断熱効果を上げたい部屋にはすべての窓にインナーサッシを取り付ける必要がある
基本的に、インナーサッシを取り付けて断熱効果を上げたい場合、1つの窓だけではなく、すべての窓に対して行います。
1つの窓にだけ設置しても、他の窓から熱が逃げてしまうため、断熱効果が下がってしまうからです。
断熱効果を高めたい場合には、なるべくすべての窓に対してインナーサッシを設置するようにしましょう。
補助金制度を利用する
インナーサッシの設置は、家全体の断熱性能が上がるため省エネにつながります。
そのため、国や自治体からの補助金制度が充実しています。
指定された条件を満たすことができれば、設置費用の負担を下げることが可能なので、利用を検討してみましょう。
国や自治体が2024年2月時点で発表している補助金制度には、以下のようなものがあります。
・子育てエコホーム支援事業(住宅省エネ2024キャンペーン)
国土交通省・環境省・経済産業省が連携し、実施されている補助金制度です。
1申請で補助額が5万円以上になる工事を対象とし、補助額の上限は20~30万となります。
・先進的窓リノベ2024事業(住宅省エネ2024キャンペーン)
この事業は、既存住宅における窓の高断熱化を促進するため、改修にかかる費用の一部が補助されます。
1申請で補助額が5万円以上になる工事が対象ですが、大・中サイズの内窓で「SSグレード」を利用した場合は、1窓の設置で申請可能です。
上限額は、200万円と高額ですが、対象となる内窓が決まっているので確認しておきましょう。
・住宅エコリフォーム推進事業(2024年実施予定)
これは、2022年度から国土交通省管轄で実施されている補助制度です。
・既存住宅における断熱リフォーム支援事業
熱が一番逃げやすいとされる窓をメインとしたリフォーム補助事業です。
家全体の断熱化を目的としているため、全窓改修が必要になります。
補助金の補助額は「補助対象経費の1/3以内」とされており、上限金額は15万円/1戸となります。
・長期優良化リフォーム推進事業
有資格者による建物現況調査がされ、リフォームする内容が決定されます。
簡単なリフォームではなく、長期にわたって住むために必要とされるリフォームを検討している方に向けた補助事業です。
・地方自治体の補助金制度
国とは別に各自治体によって補助金制度を制定している場合があります。
自分の住む自治体が、窓リフォームに関する補助制度を制定しているか、国の補助金と重複申請できるかどうかも確認しておくと良いでしょう。
このように、省エネにつながる窓リフォームは補助金・助成金制度が充実しているので積極的に活用すると良いでしょう。
しかし、リフォームが補助の対象外だったり、補助金の事業者として登録されていない業者を利用したりする場合、補助金の申請ができないので注意が必要です。
利用したい補助金のタイプを確認し、登録されている事業者とリフォームについて相談できるようにしておくと良いでしょう。
今回は、リノベーションでインナーサッシを取り付けたい方に向けて、コストやメリットについて解説しました。
インナーサッシの取り付けは、大きな工事を必要とせず、部屋の遮音や断熱効果を高めてくれるため、リノベーションにおすすめです。
しかし、設置する窓や取り付け数によってはコストが大きく変わるため、予算や用途に合った選択が必要になってくるでしょう。
費用を抑えてインナーサッシを設置したい場合は、助成金・補助金の活用がおすすめです。
また、簡易的なものであればDIYでの設置も検討してみると良いでしょう。
この記事を参考に、賢くお得にリノベーションを実現させてください。