アパート経営をしている大家さんは多くの悩みを抱えています。
アパートを建てて、入居者が入ったら終わりというわけではありません。
様々なトラブルが起こることもあるので、対策方法をしっかりと把握しておく必要があります。
そこで今回は、アパート経営をする中で多く見られる悩みやその対策方法、成功させるために心掛けておきたいポイントなどについて解説していきます。
これからアパート経営を始めたいと思っている人やアパート経営をしている中で悩みが尽きないという人は、ぜひ目を通してみてください。
Contents
アパート経営で起きやすい11個の悩み
アパート経営をする中で起きやすい悩みがあります。
まずは、多くの大家さんが直面している悩みや問題点にはどのようなものが挙げられるのかみていきましょう。
1.空室が埋まらない
空室リスクは、アパート経営を含む不動産投資のリスクとして思いつく人が多い悩みです。
空室リスクが低いエリアや物件を吟味して選んだとしても、新たな入居者が決まるまでに時間がかかってしまうというケースは珍しくありません。
空室が生まれる原因は、物件があるエリアの人口が変化したこと、アパートや賃貸マンションなどの供給過多によるだぶつきが生じていること、アパート経営の改善策を講じていないことなどが考えられます。
首都圏などの人気エリアは人口が増加傾向にありますが、地方だと人口が減少しているエリアも多く見られます。
人口の減少は住宅需要の減少にもつながるため、空室が埋まらない理由に直結するのです。
2.入居者が家賃を滞納している
アパート経営をしていると、家賃を支払ってくれない入居者に出会うケースもあります。
入金忘れでたまたま支払いができなかった場合ならすぐに対応してもらえますが、何ヶ月にもわたって滞納する入居者もいるものです。
支払いが遅れている相手に対して督促しなければいけないというストレスを大家さんは抱えることになります。
また、入居者との間にトラブルが発生する可能性もないとは言い切れません。
お金がなくて家賃を支払えないまま入居し続ける人や夜逃げしてしまう人もいます。
滞納される期間が長くなると、アパートのローン返済が厳しくなってしまったり、新規の入居者募集ができなかったりするなどの問題が発生する可能性も高まります。
3.家賃の下落が止まらない
アパート経営は、家賃収入が安定して入ってくるという理由で始める大家さんが大半を占めます。
魅力的に思えるアパート経営ですが、始める時に注意しなければいけないポイントがあります。
それが、アパートなどの賃貸物件の家賃は築年数の経過と共に下落してしまうという点です。
一般的な家賃下落率は、1年で1%ほどと言われています。
下落率は、物件があるエリアや築年数、メンテナンス状況などによって変動するため、あくまでも目安となる数字です。
新築のアパートはプレミアがつくので相場より高めの家賃設定でも入居したいと考える人はいます。
しかし、築年数が経過して入居者が入れ替わるとそのプレミア価値はなくなり、相場並みの家賃に落ち着いていきます。
また、ライバルとなる新築物件が近くにできると、供給過多になってしまうのは明白です。
競合して家賃の下落率が高くなる可能性も大いにあります。
一方、新築物件があまり建たないエリアでは競合が少ないので、下落率は抑えられます。
4.管理会社のサポートが不十分
アパート経営における悩みは、管理会社に相談すると解決策を提案してもらえるのが一般的です。
しかし管理会社の中には、サポートが不十分で納得の結果を得られないところもあります。
空室などの悩みは、物件に問題があるケースももちろんあるでしょう。
それ以外にも、管理会社が入居者募集に関する業務を怠っていることが原因になっているパターンもあるのです。
きちんと管理業務をしてくれない会社に依頼してしまうと空室が増えてしまうだけではなく、物件の状態が悪化してしまうことも考えられます。
清掃や点検などを怠ることなくしっかりとやってくれる業者に依頼できるかどうかが肝になります。
5.キャッシュフローが悪化している
アパート経営をスタートするなら、資金繰りに関してもしっかりと考えておかなければいけません。
キャッシュフローの悪化も、大家さんが抱える悩みの1つです。
キャッシュフローは現金の流れを指し、家賃収入から必要経費やローンの返済額、税金を差し引いたものになります。
健全なアパート経営ができているか確認するための指標になります。
手元に現金がないと、健全なアパート経営ができているとは言えません。
経営は黒字でもキャッシュフローがマイナスになっていると、万が一の時に現金を用意できなくなります。
そのような状態は、経営におけるリスクが高いとみなされます。
キャッシュフローをマイナスにしないためには、どうして手元の現金が残らないのかという原因を追究して改善を目指すことが重要です。
6.突然設備が故障した
築年数が経過しているアパートだと、設備の劣化で突然故障してしまう場合も考えられます。
民法の改正により、入居者から設備が故障したという連絡を受けた場合の対応が遅くなると、家賃収入の減少につながる可能性が出てきました。
民法611条に法的根拠が記載されています。
設備の故障で入居者の生活に支障が出てしまったら、支障の度合いに応じて家賃が減額されるという内容です。
入居者の生活に支障が出ているのに大家さんが対応しないと、入居者は契約解除を申し出ることも可能です。
突然の設備故障に対する対応で悩んでしまう大家さんも少なくありません。
7.サブリースをきちんと理解せず取り入れてしまった
アパート経営を行う大家さんの中には、サブリース契約を結んでいる人もいます。
その内容をきちんと理解していれば問題ありませんが、きちんと理解せずに取り入れてしまうと悩みの種になってしまう可能性があります。
サブリースは、一括借り上げをすることで家賃保証をするという制度です。
サブリースを行っている会社が一棟一括借り上げし、一戸単位で転貸します。
物件の管理や入退去の手続き、家賃の回収などはすべてサブリース会社が行うので、大家さんにとってメリットが大きいと感じられるでしょう。
しかし、大家さんの経営工夫で収益アップを見込むことが難しくなります。
また、家賃が保障されるのは該当する契約期間のみで、管理状況などの変化があると更新で家賃の減額をしなければいけないケースも多いです。
その結果、サブリースを契約しなければよかったという悩みを抱える大家さんが生まれてしまうのです。
8.追加投資をしたが借金が膨らんだだけになった
アパート経営は、株式投資やFXと比べると安全だと言われています。
確かにリスクは低いと感じられるかもしれませんが、落とし穴が全くないというわけではありません。
需要が低いエリアでアパート経営を行っている場合だと、空室対策としてリフォームをしなければいけないケースも多いです。
リフォームは追加の投資を行うことになります。
そうすることで入居者が増えてくれれば御の字ですが、リフォームローンが追加されて借金が増えてしまっただけといった最悪の事態もあり得ます。
9.高利回り物件を見つけられたのに失敗
アパート経営を始めようと思ったら物件探しを行います。
利回りが高い魅力的な物件を見つけられれば、失敗することはないと思うでしょう。
しかし実際は、高利回り物件を見つけられたのに失敗してしまう場合もあります。
利回りが高い物件は、稼働率が低くて購入してからリフォームなどをしなければいけないケース、アパートが経っている土地の定期借地権の期限が近いケースなどが考えられます。
利回りだけ見て決めてしまうと後悔する可能性もあるので、その他の条件も加味した上で決めることが重要です。
10.アパートを売却したいが売れない
アパート経営における出口戦略として、「アパートの売却」があります。
メンテナンスなどをしっかりと行っている物件であれば問題なく売却できるでしょう。
しかし、中には経営しているアパートが売却できないという悩みを持つ大家さんもいます。
アパートの売却が上手くいかない原因としては、入居率が低下していることや築年数が経過していること、家賃が相場とかけ離れていることなどが挙げられます。
また、アパート周辺にスーパーマーケットや駅、学校などがないと魅力的だと感じてもらいにくくなってしまうものです。
次期大家さんへの売却活動が上手くいっていないため、時間がかかってしまう可能性もあります。
アパートの売却先が決まらない原因は多岐にわたるので、何が悪いのかしっかりと見極める必要があります。
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アパート経営をこれから始める人に起こりやすい悩み
アパート経営を既に行っている大家さんが抱える悩みはもちろんですが、これから始める人に起こりやすい悩みもあります。
これからアパート経営をスタートしようと考える人に多い悩みについてもチェックしておきましょう。
1.アパート経営を始めるための資金問題
アパート経営を始めるためには、多くの資金が必要になります。
アパートを建てるための費用やローンに関する費用、維持費などです。
建築費用はアパートの構造にもよりますが、坪単価は木造だと77万円~100万円、鉄骨造だと80万円~120万円、鉄筋コンクリート造だと90万円~120万円が目安になります。
1部屋7坪程度のワンルームが6部屋ある木造のアパートだと、建築費だけみると約3,000万円~4,000万円かかると考えられます。
アパートの個数や間取り、設備などによって大きく変動するので、建設予定地のニーズを把握した上で、採算が見込めそうなアパートを建てるようにしましょう。
アパートローンの関連費用には、契約時の事務手数料や保証料、印紙代、登記費用、不動産所得税、火災保険費用などが挙げられます。
維持費には、修繕費やローンの返済、税金などが含まれます。
2.もし自然災害が起きたらどう対処すればいいかわからない
自然災害でアパートが壊れてしまう可能性もあります。
特に日本は地震大国なので、地震による被害を受けるリスクは非常に大きいです。
自然災害によって生じた被害は、大家さんが直さなければいけないと民法606条で定められています。
つまり、大家さんは安心して暮らせるような状態を維持しなければいけません。
3.アパート経営について誰に相談すればいいかわからない
アパート経営に関する悩みを誰に相談すればいいかわからないという大家さんも多いです。
アパートは大きな買い物になりますし、ローン返済のためにもしっかりと利益を得る必要があります。
悩みの内容も多岐にわたるため、適切な相談先を選ぶことが重要になります。
しかし、アパート経営を始めようとしている人だと人脈もなく、相談先に悩んでしまうケースは非常に多いです。
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アパート経営の悩みに対する解決策
アパート経営における悩みを解消するためには、適切な解決策を講じる必要があります。
続いては、悩み別にどのような解決策があるのかみていきましょう。
1.空室リスク
空室リスク対策として有効な方法からみていきましょう。
・信頼できる賃貸管理会社を探し、依頼する
空室リスクは、信頼できる賃貸管理会社に依頼することで未然に防げる可能性があります。
そのような管理会社であれば、空室が出た時にすぐ対応してもらえます。
適切な対策をしてくれる管理会社であれば、入居者同士のトラブルが起こった時や設備に不具合が生じた時などもスピーディに対応してくれるでしょう。
それは、退去されないようにするためにも効果的です。
・ターゲットを見直す
空室がなかなか埋まらないのは、大家さんが考えているターゲット層が実態と乖離していることが理由になっている場合もあります。
大学生などの1人暮らし世帯の需要が高いエリアなのにファミリー向けの物件を展開しても、入居者は集まりにくいです。
全く需要がないというわけではありませんが、空室が増える可能性は高くなります。
もしも、大家さんが考えているターゲット層が実態と乖離しているなら、ターゲットの見直しだけで解決できる可能性も大いにあります。
ただし、特定の層に絞ってしまうと人口減少などのリスクに対応できなくなってしまう恐れがあるので、逆に幅広い層をターゲットにするという考え方もあります。
アパートがある立地条件などを加味し、ターゲット層を再確認してみてください。
・家賃や敷金、礼金を下げる
空室が長く続く場合は、家賃などの金銭的な部分を見直すという方法もあります。
敷金や礼金をゼロにして入居者を確保しているアパートも増えつつあります。
敷金や礼金が抑えられると初期費用の大幅な減額にもつながるため、引っ越し先の候補になりやすいです。
しかし、極端に下げると資産形成に悪影響を及ぼしてしまうので、収支をチェックして問題ない範囲はどのくらいか見極めてからにしましょう。
管理会社に委託している場合は、どう対応すべきか相談してみるのがおすすめです。
プロからアドバイスしてもらいながら判断できれば、大家さんにとって大きな安心材料になるでしょう。
2.家賃滞納トラブル
入居者との間に家賃滞納トラブルが生じた場合、4つの段階に沿って厳正に対処することが求められます。
①家賃の支払いを催促する
1ヶ月分の家賃の支払いが遅れている場合、まずは支払い期日を過ぎたタイミングで入居者本人に催促しましょう。
催促は、期日を過ぎてから1週間以内に電話または文書で行うのが望ましいです。
②内容証明を送る
期日を過ぎているにも関わらず電話に出ない、連絡もなく支払いもされない場合には、内容証明郵便にて督促状を出しましょう。
内容証明郵便は相手が受け取ったことを証明できるため、届いていない、知らないといった言い訳が通用しなくなります。
送るタイミングは、支払い日から2週間程度が目安です。
③裁判所で明け渡し申し立て
内容証明郵便で督促状を送ったにも関わらず家賃が支払われない場合、3ヶ月経過した時点で契約解除の催告書を内容証明郵便にて送ります。
それでもなんの連絡もなく、支払いがない場合は、裁判所で明け渡し請求を行います。
④強制退去
明け渡し催告後、3週間経っても家賃が支払われない場合、強制執行が可能となります。
強制退去にはかなりの費用がかかりますが、これらは入居者に請できます。
ただし、弁護士を雇った場合費用は請求できないため注意が必要です。
3.家賃下落リスク
家賃の下落は、アパートを安全に経営するにあたって非常に重要な問題です。
経年劣化による家賃下落は避けられるものではありませんが、以下の対策を取ることで下落率を抑えられます。
・空室率を減らす
空室率を減らすには、できるだけ長く入居してもらうことが大切です。
管理会社と連携し、入居者の要望を聞く、維持管理を徹底するなどして、退去者を出さない努力をしましょう。
・人気の設備を取り入れる
独立洗面台、インターネット無料、室内洗濯機置き場など、人気の高い設備を取り入れることで、数ある物件の中でも選んでもらえる確率が高まるため、家賃の下落率を抑えられます。
4.管理会社のサポート不足
アパート経営では、入居者の募集をはじめ、家賃滞納への対応、建物の管理などの業務を担ってくれる管理会社の存在は非常に重要です。
管理会社に委託しているにも関わらず、空室が埋まらない場合、立地や物件スペックだけの問題ではない可能性があります。
もしも、管理会社に空室対策について相談したのに改善が見られない場合、管理会社を変更するのも1つの手です。
積極的に空室対策を行っている管理会社に変えたことで、空室問題がすぐに解消されたというケースも少なくありません。
また、日常的な清掃や点検を適切に行わない管理会社の場合、物件の状態が徐々に悪化し、入居希望者が減少するという事態も考えられます。
所有する物件に訪れた際、共用部分にゴミが放置されていたり、汚れたりしている場合は、管理会社に報告し改善するよう契約内容を見直すことも大切です。
5.キャッシュフロー問題
キャッシュフロー問題を解消するには、以下の方法があります。
・自己資金を多く用意する
自己資金を多く用意し頭金を増やすことで、ローンの返済額を減らせます。
月々の返済額を減らせれば、経営に余裕が生まれます。
・ローンの返済期間を延ばす
続きの返済額を減らすには、ローンの返済期間をできるだけ延ばすのも有効です。
毎月の支出を減らせれば、手元の現金にも余裕が生まれるため、キャッシュフローの悪化を防ぐことにつながります。
・金利交渉を行う
ローンを組んでいる金融機関に金利を下げてもらえるよう交渉するのも1つの方法です。
多額のお金を借りている場合、金利が0.1%下がるだけでも利息が減るため、キャッシュフローの悪化を防ぐ効果を期待できます。
もしも金利の引き下げが難しいようであれば、低金利の金融機関への借り換えを検討するのも良いでしょう。
6.設備故障トラブル
設備が故障することで入居者の生活に支障が生じた場合、程度に応じて賃料を減額しなければならないと法律によって定められています。
したがって、入居者から設備故障の連絡を受けた際は、迅速な対応が求められます。
他にも仕事を有しているなどで迅速な対応が難しい場合には、管理会社を活用するなど対策を講じることが大切です。
管理会社には業務内容のすべてはもちろん、一部分だけを委託することも可能です。
設備故障時の対応を委託すれば、入居者とのやりとりをはじめ、業者手配なども窓口となって対応してもらえます。
管理会社の中には24時間体制でサポートを行っているところもあるため、設備故障時の対応にお悩みの方は、管理業務の委託を検討してみてはいかがでしょうか。
7.サブリース問題
サブリース問題によるトラブルを回避するには、以下の方法が有効です。
・契約内容の確認
契約更新や家賃の見直し、敷金・礼金の取り扱いなど契約に関する内容は、しっかり確認することが大切です。
契約内容に疑問や不安がある場合は、すぐに質問をして解消するようにしましょう。
・サブリース会社に任せきりにしない
サブリースは、物件の管理や入退去の手続きなどもすべて行ってくれるため、つい任せきりにしてしまう方も少なくありません。
しかし、長期にわたって安定した収入を得たいのであれば、将来マーケットにどのような変化が生じるかなど収支に与える影響を予測することが大切です。
収入を確保できるよう、他人任せにせずきちんと事業計画を立てましょう。
8.追加投資リスク
追加投資によるリスクを抑えるには、以下の対策を講じることが望ましいです。
・3割以上の自己資金を用意する
金融機関は融資する際、市場価値の7割を担保価値として評価することが多いです。
この考えに基づいて考えれば、仮に経営が苦しくなったとしても売却して撤退することが可能です。
売却してもローンだけが残るという事態を避けるためにも、十分な自己資金を用意することは大切です。
・品質の良いアパートを建てる
利回りを追求し安普請なアパートを建ててしまうと、すぐに修繕が必要となり、追加で投資しなければならない事態に陥る可能性があります。
そうならないためにも、新築アパートを建てる際は、品質の良く実績のあるハウスメーカーを選ぶことが大切です。
ただし、高品質なアパートを追求しすぎると最初にかかる費用が大きくなりすぎる恐れがあります。
適切なコストで建てられるメーカーを探しましょう。
9.高利回り物件のリスク
利回りが良くても、購入には適さないケースも存在します。高利回り物件のリスクを回避したいのであれば、以下の点をチェックした上で決めることが大切です。
・築年数
中古物件は利回りが高くなりやすいものの、修繕費という問題を抱えています。
もしも適切に管理されていない物件の場合、購入後に必要以上の資金をかけることになりかねません。
利回りの良い中古物件を選ぶ際は、建物の状態や管理状況をきちんと確認することが大切です。
・エリア
利回りは満室であるという前提のもと、年間収益をもとに計算します。
したがって、1度でも空室が発生すれば、予定された利回りの達成はできません。
どんなに利回りの良い物件であっても、空室になれば意味がないのです。
また、入居者が物件を選ぶ際に重視するエリアは、利回りを計算する際に反映されません。
そのため、高利回りの物件を選ぶ際は需要のある地域なのか、エリアの住宅事情を確認することが大切です。
10.アパート売却問題
所有するアパートの売却先がなかなか決まらない時は、販売価格を見直す、修繕するといった対策が有効です。
・販売価格を見直してみる
市場の反応が少ない場合、販売価格が適切ではないことが予想されます。
同じような築年数、駅までの距離、敷地の広さの物件がどの程度の価格で販売されているのか調べることで、市場価格をある程度把握することが可能です。
相場よりも販売価格が高い場合は、価格の見直しを検討することをおすすめします。
・修繕する
築年数や物件の状態が売却に影響を与えている場合は、外壁を修繕したり、室内をリフォームしたりすることで印象が良くなり、評価が上がる可能性があります。
費用はかかりますが、なかなか売却先が決まらない場合は、修繕して建物の価値を高めるのも1つの方法です。
11.アパート経営を始めるための資金問題
資金問題を解消するには、アパートを建てる予定のエリア周辺の賃貸ニーズを調査し、どの程度の間取りや家賃相場の需要が高いのかを知ることが大切です。
需要を把握した上で、いくつかの建設会社やハウスメーカーに建築プランや間取りを相談しましょう。
アパート経営では、自己資金は少なくとも1~3割程度必要と言われていますが、収支シミュレーションを具体的に詰めていく中で、どの程度の資金が必要なのかが見えてくるはずです。
賃料収入からローンの返済額を差し引いても採算が取れる物件を建てるために必要な資金を確認してください。
12.自然災害リスク
自然災害によるリスクに備えるには、保険への加入を検討してみましょう。
自然災害へ対応できる主な保険は、火災保険と地震保険の2つです。
火災保険では、火災を始め、水漏れや外部からの落下物による事故や破損、風災や雪災、水害や落雷といった災害に対応できます。
ただし、火災であっても、地震が原因の火災は対象外です。
また、地震保険は、火災保険とセットで契約する必要があり、単体での加入はできないため注意が必要です。
他にも、自然災害によるリスクを少しでも抑えたいなら日頃から物件のメンテナンスを適切に行ってくれる管理会社を選ぶことも重要です。
13.アパート経営の相談先
適切なアパート経営を行いたいのであれば、疑問や不安の相談先を確保することが大切です。
それぞれの状況に合わせて適切な相談先を選択しましょう。
例えば、家賃をいくらに設定すれば良いのか悩んだ時は、物件のある地域で営業している不動産会社に相談してみてください。
相場の目安を教えてくれるはずです。
一方、入居者とのトラブルに関する相談であれば、アパート経営に関する実績とノウハウが豊富な管理会社がおすすめです。
これまでの経験を活かし、適切な対応を仰ぐことができるでしょう。
また、設備や修繕に関する相談も管理会社にすることで、効果的な対策が期待できます。
INA&Associates Inc.は、不動産、IT、投資などにおける専門性と技術を活かし、「不動産」×「IT」を実現するために発生する、複雑な事柄に真摯に向き合い、”不動産をもっと分かりやすく。住まいを探されている方にとってもっと使いやすく。取引をもっとスムーズに。” 不動産×ITで独自の価値をお客様に提供することを目指しています。
アパート経営を成功させるために心掛けておきたいポイント
最後に、アパート経営を成功させるために心掛けておきたいポイントを4つご紹介します。
収入・支出の管理はしっかりと行う
アパート経営を成功させたいならば、収入と支出の管理をしっかりと行うことが大切です。
今後どれだけの支出が必要となるのか、差し引いて残る利益はどの程度なのかを把握するためにも、短期だけでなく長期で見た時に想定される修繕費をはじめ、家賃下落も見込んだ収支計画を立てましょう。
リスクがあることを把握しておく
アパート経営は投資であり、シミュレーションどおりにいくとは限りません。
そのため、アパート経営を始めるにあたって、どのようなリスクがあるのかを理解し知識を蓄えること、そして回避する方法を知っておくことが重要です。
しっかり情報収入を行い、知識を身に付けていれば、リスクの高い選択を避けることはもちろん、余裕を持って投資することが可能です。
長期間続けるための投資計画を立てる
アパート経営で投資額回収にかかる期間は8~15年と言われています。
少しずつ収益を積み重ねる投資方法であるため、短期では赤字となる可能性が高いです。
しかし、赤字だからといって焦って売却してしまうと、ローン残債が残る結果となりかねません。
投資の中には、短期間での不動産売買を繰り返す方法もありますが諸々の費用を考えるとあまり現実的ではありません。
アパート経営をするのであれば、長期間続けることを見据えて投資計画を立てることが重要です。
自己資金は用意しておく
物件の市場価値は約70%で査定されるのが一般的です。
そのため、自己資金を3割以上用意しておけば、万が一撤退を余儀なくされたとしても、ローンの残債を返済できる可能性があります。
また、突発的に修繕費などの費用が必要となったとしても、自己資金があれば慌てず対処することが可能です。
安定した経営を望むのであれば、自己資金を十分確保しておくことが望ましいです。
今回は、アパート経営で起こりやすい悩みとその解決策について紹介しました。
アパート経営では、家賃滞納トラブルや家賃下落リスク、管理会社のサポート不足による問題など、様々な悩みが生じる可能性があります。
適切に対処し解決したいという場合には、ぜひ今回紹介した内容を参考にしてください。
また、アパート経営を成功させたいという方は、成功させるために心掛けておきたいポイントもぜひ抑えておくことをおすすめします。