アスファルト防水はどんな施工方法?正しいメンテナンス方法を知っておこう!

アスファルト防水は、マンションやビルなどの屋上に活用されるケースが多い防水工事です。
古い歴史を持ち、現在に至るまで使われ続けている工法であることから、アスファルト防水は信頼性の高い防水工事だと言えるでしょう。
今回は、そんなアスファルト防水の概要や種類、メンテナンスのタイミング、工事を依頼する業者選びのポイントなどについて解説していきます。
所有している物件のメンテナンスに関する知識を深めたい方は、ぜひ目を通してみてください。

Contents

アスファルト防水とは?

アスファルト防水

アスファルト防水は、液体状になっている溶融アスファルトとアスファルトシートを使って防水層を形成します。
塗膜防水の場合はその名のとおり塗る防水層、シート防水は貼る防水層です。
アスファルト防水は、この2つを組み合わせてより強い防水性を実現した方法になります。
下地を敷いた後にアスファルトが含まれた合成繊維不織布を貼り付け、コーティングを施すという手順です。
アスファルト防水は仕上げ方法を柔軟に変えられるため、屋上の緑化をしたいといった場合にも適しています。
防水性が高く、施工時に生じる不具合が少ないといった点もメリットだと言えるでしょう。
しかし、重量があるので一般住宅で使われるケースは非常に少ないです。

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アスファルト防水の種類と特徴について

アスファルト防水

アスファルト防水には、熱工法・トーチ工法・常温工法という3つの種類があります。
続いては、アスファルト防水の種類と特徴について詳しく解説していきましょう。

熱工法

熱工法は、建物の屋上で防水工事を行う際に採用されるケースが多い方法です。
合成繊維でできた布にアスファルトを染み込ませたルーフィングを何枚か張り合わせ、防水層を形成します。
アスファルトは常温だと固体ですが、熱することで液体になるという特性を活かした方法です。
ルーフィングを熱して液化した状態にすると、ルーフィング同士の密着力が高まるというメリットがあります。

トーチ工法

トーチ工法は、アスファルトを染み込ませた不織布をトーチバーナーで炙って接着し、防水層を形成する方法です。
トーチバーナーは、ノズルから集中的に炎を出すことができるガスバーナーです。
防水材は1~2枚ほどしか使わず、大掛かりな器具も必要ありません。
アスファルト防水を行う際に最も多く採用されている工法がトーチ工法となっています。

常温工法

常温工法は、冷工法とも呼ばれている方法です。
こちらを採用する現場も多く見られます。
熱を使うことなく防水層を作れるという点が大きな特徴です。

ルーフィングシートの裏に自着層と呼ばれるゴムアスファルトでコーティングした部分を作ります。
さらに複数枚を交互に貼り付けていきます。
下地が軟粘着状態になるため、施工したコンクリートにしっかりと付着してくれるのです。

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各種アスファルト防水のメリット・デメリット

アスファルト防水

アスファルト防水には、前述したように熱工法・トーチ工法・常温工法という3つの方法があります。
それぞれが異なる特徴を持っているため、メリットやデメリットも同じではありません。
続いては、それぞれのメリット・デメリットについてみていきましょう。

熱工法のメリット

熱工法のメリットには、硬化にかかる時間が短いことや歴史が長くて信頼できることが挙げられます。
硬化にかかる時間が短ければ工事にかかる時間を短縮できます。
防水層の形成がスピーディにできるという点は、工事を進める際に大きなメリットになるのです。

また、熱工法の歴史は非常に長く、ノウハウが積み重ねられています。
100年以上も伝承され続けてきた方法なので、信頼性の高さはピカイチだと言えるでしょう。
現存している多くの建物に採用されているため、安心して採用できる方法として伝え続けられていることがわかります。
さらに耐用年数の長さも魅力的です。

水密性や耐久性が高い方法で耐用年数も17年以上と長くなっています。

熱工法のデメリット

熱工法は窯でアスファルトを溶かすため、異臭や煙が出てしまいます。
そのため、住宅が密集しているエリアでは近隣住民に配慮した上で作業を行わなければいけません。
これが熱工法の最も大きなデメリットだと言えるでしょう。
また、熱したアスファルトを直接扱わなければいけないため、作業員が火傷をしてしまうリスクもあります。

トーチ工法のメリット

トーチ工法では改質アスファルトシートを1,000℃のトーチバーナーで炙りながら施工していく方法で、アスファルトを溶かす作業とシートを敷く作業を1つにまとめることができます。
従来だと2つの工程になってしまうので時間がかかっていましたが、トーチ工法を選択することで効率良く作業できるようになります。
また、トーチ法の場合は異臭などが発生しにくく、ケガのリスクも軽減できます。

細長いバーナーを使うため、熱されたアスファルトを作業員が直接扱わずに済むためです。

トーチ工法のデメリット

作業を効率的に進めることができ、コストパフォーマンスが高いと言われているトーチ工法にもデメリットはあります。
デメリットは、施工不良で劣化スピードが速くなってしまうことです。

劣化が進むと雨漏りなどの不具合が生じやすくなってしまいます。
トーチバーナーの火力は非常に強いため、すぐにアスファルトが溶けると錯覚しやすくなります。
その結果、十分な密着効果が発揮されない状態で、アスファルトシートを重ねることになるのです。
そのような状態で作業を進めると、密着しきらなかった部分から劣化が進んでいきます。
トーチ工法はしっかりと密着させることが重要になるので、職人の腕の見せ所だと言えるでしょう。
ベテラン職人が在籍する会社に施工を依頼すればうまくいきやすくなります。

常温工法のメリット

常温工法は、熱でアスファルトを溶かすことなくアスファルト防水を施せます。
トーチ工法でも使用する改正アスファルトシートの裏にゴムアスファルト粘着層をコーティングするため、火気を使用しません。
臭いや煙も発生しないので、近隣住民が不快感を覚えるという心配もないので安心です。
環境や近隣住民に対して優しい方法だと言えるでしょう。

都市部で住宅が密集している地域や狭い場所でも施工しやすい方法として、採用するケースが増えつつあります。

常温工法のデメリット

常温工法は熱を使わないため、当然ですがアスファルトは溶かしません。
したがって、防水層を形成するためにはシート同士の隙間を埋めなければいけないのです。
そのためには、何枚ものシートを重ねることになります。
熱工法やトーチ工法よりも防水層が分厚くなるので、重量も必然的に大きくなり、建物にかかる負荷が大きくなります。

常温工法でアスファルト防水を行うのであれば、屋上や建物自体の耐久性を加味した上で施工することが重要です。

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アスファルト防水の耐用性について

アスファルト

アスファルト防水を行う場合、耐用性がどのくらいあるか知りたいと考える方も多いでしょう。
そこで続いては、シート防水・ウレタン防水との違い、耐用年数の違い、定期点検の必要性について解説していきます。

シート防水、ウレタン防水との違い

シート防水は、下地に塩化ビニールシートやシート状になったゴムなどを貼り付ける防水工事です。
シートを接着剤で貼り付けるだけで完了するため、施工は非常にしやすいです。
工期を短縮できるという点も、シート防水のメリットの1つに挙げられます。

他の工法と比較するとシート自体も安価なので、コストを抑えた防水工事をしたいと考えている場合にも適しています。

ウレタン防水は、下地にウレタンの防水材を塗布する方法です。
屋根の形状に合わせて塗膜を形成するため、形状が複雑な場合でも対応可能となっています。
コストも抑えられるので、できるだけお金をかけずに防水工事をしたいと考える大家さんが採用するケースも多いです。
しかし、他の工法よりも耐久性は低いので、トップコートの塗り替えなどこまめなメンテナンスが必要となります。

耐用年数の違い?

耐用年数は、アスファルト防水で15~30年、シート防水とウレタン防水で10~15年となっています。
アスファルト防水は複数の層を形成するため、劣化しにくくなることが大きな理由だと考えられるでしょう。
しかし、これはあくまでも一般的な耐用年数です。
通行する人が多かったり、環境が過酷な場所(温度変化が大きい、雪がたくさん降る、台風の頻度が多いなど)に施工したりすると、一般的に言われている耐用年数よりも早く劣化する可能性もないとは言い切れません。
状況によっては、シート防水やウレタン防水もアスファルト防水に匹敵する性能を発揮することも考えられます。

耐用年数が長くても定期的にチェックが必要!

アスファルト防水は耐用年数が長いので、施工してしまえば放っておいても問題ないと考える方もいるでしょう。
しかし、耐用年数が長い工法でも定期的なチェックや修繕は必要になります。

・定期点検の頻度
定期点検は、数ヶ月~1年に1回のペースで行うようにしましょう。
点検をする時は、目視や指触で異常がないか確かめてみてください。
大阪府が所有する建物を例に挙げてみると、1年に1回のペースで施設管理者が目視点検を行うことが定められています。
それを踏まえて考えると、マンションやアパートなどの賃貸物件も1年に1回のペースで点検を行うのが望ましいと言えます。
ただし、屋根や屋上など転落事故のリスクがある部分に関しては、安全性に配慮した点検を行っている専門業者に依頼するのが無難です。
規模が大きいマンションだと、建築士などの資格を持つ住民がいる可能性もあります。
そのような専門家の意見を参考にしながら、定期点検のタイミングは頻度を決めるのも良いでしょう。

・こまめな修繕も必須
少しでも異常が見つかったら、こまめに修繕を行うこともポイントです。
放置して劣化が広がってしまうと、古い防水層をすべて除去しないと施工できないといったパターンもあるためです。
下地作りから行うことになると、コストも大幅に増えてしまいます。
そうなることを防ぐためにも、定期点検を行ってこまめな修繕を重ねることが重要だと言えるのです。
早めに修繕工事を行うと、建物自体の寿命を伸ばすことにもつながります。
そして結果的なトータルコストも抑えることも可能になるでしょう。

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アスファルト防水をセルフチェックしてみよう

アスファルト防水

アスファルト防水の劣化は、セルフチェックができます。
セルフチェックを適切に行うには、どのようなポイントを確認すべきなのか把握しておくことが重要です。

セルフチェックにおけるチェック項目も確認しておきましょう。

・雨漏りが発生している
・外壁に水平で長いひび割れが発生している
・コンクリートを叩いた時、カラカラと乾いたような音がする
・床面のコンクリート目地が飛び出ている
・腰壁面(外周の立ち回り面)のコンクリートやモルタルが割れている
・防止層に破れている部分がある
・排水溝の周りにひび割れや破損がある
・排水溝の周りに雑草が生えている
・防水層の重ね合わせている部分に隙間が生じていたり、剥がれたりしている
・笠木部分(外周の立ち上がり面の上部)がひび割れている
・アスファルトに水が溜まるようになった
・防水シートの角にしわが寄っていたり、大きく膨らんだりしている
・シーリングが硬化もしくは破断している
・塗膜が全体的に白っぽく、粉っぽくなっている
・防水面が剥がれて下地が露出している
・防水面の一部が膨らんでいる
・下地がひび割れ、塗膜防水面も切れてしまっている

このような問題が生じている場合は、プロに補修を依頼するようにしましょう。
耐用年数が近づいている場合はもちろんですが、そうでない場合でも劣化症状が現れるパターンもあります。

そのため、耐用年数だけに捉われることがないようにしてください。
少しでもおかしいと感じる部分があった場合は、防水工事を専門的に行っている業者に相談し、補修が必要かチェックしてもらうのが無難です。
また、ここで紹介したチェック項目がすべてというわけではありません。
点検をする中でどこかおかしいと感じる部分があれば、業者の専門家に本格的な点検をしてもらいましょう。
そして、補修工事が必要な状態であれば早めに対応してもらうのが望ましいです。
防水層を再度作り直す場合は、どの方法が所有している物件に適しているのかといった点も相談するのがおすすめです。

プロからアドバイスをもらえれば、予算に合わせた工法を選択しやすくなります。

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アスファルト防水工事のメンテナンスはいつすべき?

アスファルト防水

アスファルト防水工事は長期にわたって効果が期待できますが、より寿命を延ばし長く使用するためにはメンテナンスが必要です。
次の項目をチェックし、メンテナンスが必要な時期か確認してみましょう。

耐用年数は15年~30年

アスファルト防水は、防水工事の中で特に耐用年数が長いとされています。
耐久性の高いアスファルトを使用した工法なので、耐用年数も約15~30年と長くなるのです。
アスファルト防水は、基本的に新築時に採用されます。

他の防水工法で工事をした箇所をアスファルト防水に替えることはほとんどありません。

ひび割れ

押さえコンクリートの表面や防水層にひびが入っている状態もメンテナンス時期とみて良いでしょう。
押さえコンクリートとは、防水工事後の仕上げにコンクリートを流し込んだ部分を指します。
ここが劣化すると、コンクリートの浮きや伸縮目地のひび割れ、剥がれなどが目につくようになります。
防水層そのものにひびが入り雨漏りの原因にもなるので、劣化が進行する前に早めに対策を講じましょう。

水溜まり

施工不良や床の歪みが原因で水溜まりが発生することもあります。
長期間水溜まりがある状態は防水層の劣化を早め、雨漏りの原因につながります。

水が溜まらないようにシートを重ねて勾配をつける、落ち葉や土、泥の清掃をするなど水はけを良くしておきましょう。

雨漏り

防水層を劣化したまま放置した場合、雨漏りが発生します。
ひび割れ、水溜まりなど防水層の劣化につながる症状を改善しなければ雨漏りの原因となってしまうのです。

雨漏りは、建物そのものや設備を傷めてしまう恐れがあるので早期で対応しなければなりません。
雨漏りを補修する際、雨漏りの発生個所や原因を見つけることは困難です。
防水工事をやり直す必要があるので、雨漏りになる前のメンテナンスが重要になってきます。

膨れ

防水層の下に空気が入り、下地との接着不良により膨れが発生する場合があります。
シートの接合部分の不良で、雨水が入った場合にも膨れが確認できるでしょう。
長期間放置していると、防水層の破断やシートを貼り合わせた部分の剥がれにつながります。

雑草

排水溝の周辺や押さえコンクリートの目地などに土が溜まり、雑草が生えてしまうケースがあります。
雑草の生え方によっては、抜くことで防水層を傷つけてしまう恐れがあるでしょう。
その際は、専門業者へ雑草除去の依頼をします。
雑草が生えないように、定期的な清掃をして、土、落ち葉、ゴミなどが溜まらないようにすることも重要です。

亀裂

劣化症状を放置していると、亀裂につながり漏水が発生します。
排水溝周りの亀裂は漏水につながりやすいので、しっかり確認しましょう。
ドレン目皿(排水口に設けた穴開き板)を持ち上げ、アスファルト防水層との間に亀裂がないか見ます。
もし、防水層の下に水が溜まっていた場合、漏水の可能性が高くなっているので早急に対処しましょう。

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アスファルト防水はマンションに適している?

アスファルト防水

アスファルト防水は、一般的にマンションやアパートで多く取り入れられている工法です。
建物の劣化を防ぐため、マンションでは広範囲にわたり防水工事が必要とされ、以下の点からもアスファルト防水が適しているとされています。

古くからある防水工事で浸透している

アスファルト防水は、防水工事の中で歴史が深いとされる防水工法です。
その歴史は大正時代まで遡ると言われています。
アスファルト防水は、防水性、耐水性が高く、今現在も多くの建物に広く採用されている工法です。
古くからの実績があり、施工品質も安定していて信頼性の高い防水工事として認知されています。

強度があるので屋上に向いている

マンションによっても異なりますが、マンションの屋上は人の出入りが多い場所でもあります。
アスファルト防水は、文字どおりアスファルトを使用して施工しているので、強度にも優れ、耐久性があります。

また、アスファルト防水は、工期が短く済むというメリットもあります。
工事中、人の出入りが激しい屋上では、優れた耐久性が必要とされ、早急な施工も求められています。
そういった点からもマンションの防水工事には、アスファルト防水が向いていると言えるでしょう。

耐用年数も長め

他の防水工事の場合、耐用年数は約10年ほどです。
アスファルト防水の耐用年数は、約15~30年とされているので、倍ほどの差があると言えるでしょう。
屋上の防水工事は、マンションを紫外線や雨から守る効果があり、建物の劣化を防いでいます。
その効果を持続させるためには、定期的なメンテナンスが必要です。

耐用年数が短い場合、補修工事やメンテナンスの期間も短くなるので、その分維持費用もかさみます。
アスファルト防水は防水性に優れ、耐用年数も長いため、維持費用を抑える点においても優秀です。

症状で補修か改修になる

耐用年数が長いアスファルト防水ですが、劣化が進むと症状によって補修・改修の必要が出てきます。

・要補修工事
部分的なひび割れ、膨れ(シートシートの接着不良)、接合部の剥がれ、比較的軽いドレンの詰まり、破損など

・要改修工事
多くのひび割れ、ドレンの不具合(雑草の繁殖・防水層への浸食)、目地部の破損、防水層の破損・全体的な接合部の剥がれ、防水層の破断など

改修工事には「撤去法」と「非撤去法」という2つの方法があります。
撤去法は、防水層の劣化が激しい場合に既存の防水層をすべて撤去して、新たにやり直す方法です。
非撤去法は、既存の防水層を撤去せずに傷んでいる箇所だけを補修し、その上に新たな防水層を施す工法になります。

トラブルが発生して改修工事が必要になった場合でも、毎回撤去法による全部改修までに至らないことも多いです。
定期的なメンテナンス、補修工事で対応できる点からも、アスファルト防水はマンションの防水工事に適していると言えるでしょう。

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アスファルト防水で建物を守る方法は?

アスファルト防水

優れた防水効果を持つアスファルト防水ですが、新築時に施工された効果をそのまま維持していくことは難しいです。
時間の経過とともに雨風や太陽による紫外線などで効果は弱まり、劣化も進行していきます。
ここでは、アスファルト防水の耐用年数を延ばす方法についてご紹介しましょう。

劣化範囲が小さいうちに直すこと

小さなひび割れや膨れ、剥がれなどを発見したら、範囲が小さいうちに補修作業をすることをおすすめします。
ひび割れは、乾燥による収縮や経年劣化によるものもあれば、地震の揺れで生じる場合もあります。
多くの場合、防水材までひびは入っていません。
しかし、放置していると雨水が入りやすい部分であるため、そこから早期劣化につながる恐れもあります。
雨漏りの原因にもなるので定期的なメンテナンスを実施し、早めの補修を心掛けましょう。

こまめなトップコートの塗り替えをする

アスファルト防水の耐用年数を延ばすためには、トップコートの塗り替えが必要不可欠です。
トップコートは防水層の中でも表層にあたる部分であり、定期的なメンテナンスを行えば防水層全体の修繕周期を延ばす効果が期待できます。

トップコートを塗り替える周期は約5年です。
アスファルト防水の施工をすると10年間の水漏れ保証が付帯されますが、10年の間に漏水が発生するケースは少ないでしょう。
そのため、5年でトップコートを塗り替える必要はないと考えられますが、防水層の保護という視点で見ると5年での塗り替えは必要になってきます。
防水工事というと大掛かりな施工をイメージしますが、トップコートの塗り替えだけであれば、手間も費用もあまりかかりません。
塗り替えを実施するだけで、防水層の修繕サイクルを延ばし、修繕範囲を小さくする効果が期待できます。
結果として、全体にかかる維持費用を抑えることにもつながるでしょう。

ドレンの掃除を行うこと

アスファルト防水の効果を維持するためには定期的なメンテナンスや工事も大切ですが、日頃の手入れも重要になってきます。
ドレンとは、雨水を排水するための配管やその排水口周り、ゴミよけの通称です。
防水効果を長持ちさせるにはドレンの掃除も必要になってくるでしょう。
ドレンにゴミや落ち葉、土、泥などが詰まってしまうと雨水がうまく排水できず、水が溜まってしまうからです。

溜まった水で防水層が劣化してしまい、そのまま放置していると室内への雨漏りの原因にもつながります。
また、土が溜まり、ドレンから雑草が生い茂っている場合は、根が防水層へ浸食している場合もあります。
勝手に抜いてしまうと防水層を傷つける恐れがあるので、業者へ依頼すると良いでしょう。

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劣化サインで原因がわかることも!

アスファルト防水

アスファルト防水は耐用年数が長いので、メンテナンスを怠ってしまったり、劣化サインを見落としてしまったりする場合も多いです。
様々な劣化サインから、劣化原因を読み取ることも可能です。
立地条件や屋上の使用頻度によっても劣化速度は変わってくるので、改修時期の参考にすると良いでしょう。

・熱による劣化
膨れ(下地・中間層)、立ち入り部分の浮き、ひび割れ、接合部分のはく離、立ち上り部のずり落ち、防水層の破断

・紫外線による劣化
ひび割れ、防水層の破断、表面部分の減耗

・水による劣化
ひび割れ、防水層の破断

・酸やアルカリによる劣化
ひび割れ

・風や鳥類による劣化
穴あきや外傷といった損傷

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アスファルト防水工事で重要な業者選びのポイントは?

アスファルト防水

アスファルト防水の効果を長く維持するためには、定期的なメンテナンスが必要です。
長い付き合いになるので、業者選びは慎重に行わなければなりません。
ここでは、業者選びのポイントを絞ってご紹介します。

改修工法について知っておこう

メンテナンスを依頼する前に、基本的な改修工法についても知っておきましょう。

かぶせ工法

かぶせ工法とは、先述した非撤去法の改修工法になります。
既存の防水層を撤去せず、その上に新しい防水層を設置する方法です。
もし、既存の防水層に防水機能があればそのまま活用することも可能です。

撤去工法

撤去工法とは、既存の防水層をすべて取り払い、新しく防水層を設置する方法になります。
改修工事では、廃材が多く出てしまう、施工中の雨がひどい場合に漏水が発生するといったデメリットがあります。

再生工法

古い防水層の上から新しい防水層を貼り、一体化させる方法を再生工法と言います。
かぶせ工法と同様に既存の防水層を撤去しません。
また、かぶせ工法のように下地に穴を開ける必要がないので、施工中の雨による漏水や躯体を傷つけてしまう心配もありません。

経験や実績に注目

メンテナンス業者を選ぶ際は、工事経験が多く、実績のある会社を選びましょう。
ホームページを確認して、得意とする工事の種類や実際に施工した実例など確認してください。

口コミを参考にしてみるのも良いでしょう。

見積もり内容に注目

メンテナンスにかかる費用に着目せず、まずは見積もり書の書き方、内容についてチェックしましょう。
業者によって記入の仕方は様々です。
施工内容やサイズ、道具の値段、メーカー、単位や単価などにも注目し、内容と価格が見合っているか確認しましょう。

まとめて「○○一式」と書かれている場合は、具体的な記入にはなっていません。
後で作業や道具の追加料金が発生しないよう、不明な点は確認が必要です。

相見積りで比較も重要

依頼したい業者が決まっていても、複数から相見積もりを取ることをおすすめします。
少なくとも3社以上から相見積もりを取ると良いでしょう。

複数の見積もりを比較することで、費用や工事内容が適切かどうか見えてきます。

自社施工を選ぶと安心

自社施工とは、下請け会社に仕事を任せるのではなく、自分の会社で工事を引き受ける会社のことを指します。
下請け会社が間に入らないので、中間マージンが発生せず費用を抑えることができます。

また、施工店と直接やり取りができる点でも安心して工事の依頼ができるでしょう。

今回は、アスファルト防水について、基本的な知識や施工方法、正しいメンテナンス方法について紹介しました。
アスファルト防水は、マンションに適した防水と耐久に優れた防水工法です。
しかし、耐用年数が長いからと言って、劣化症状を放置していれば防水層が破損し、雨漏れや大掛かりな工事につながるので注意しましょう。
アスファルト防水は、定期的なメンテナンスによって、修繕期間を延長し、長く防水効果を維持することが可能です。
今回ご紹介した内容を参考に、大きな損傷につながる前に早めのメンテナンスを心掛けましょう。

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