賃貸物件では、駐車場を完備しているところも多いでしょう。
しかし、中には駐車場を草地や砂利のままにしているといった方もいるかもしれません。
賃貸物件を所有する大家さんは、駐車場の舗装を検討したことはあるでしょうか?
実は、駐車場の保有者である大家さんは、入居者が安全に利用できるような環境を整備する必要があるのです。
今回は、駐車場を舗装するために知っておきたい、舗装の種類やおすすめの舗装、注意点などについてご紹介します。
駐車場の舗装工事を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
賃貸物件の駐車場舗装は行うべき?
そもそも、賃貸物件では駐車場の舗装は行うべきなのでしょうか?
ここでは、なぜ駐車場舗装が必要なのか、理由について見ていきましょう。
駐車場は舗装が必要
居室や外観など、賃貸物件では建物の付加価値を重視する傾向があります。
ある程度年数が経ってくればリフォームやリノベーションを行い、空室があれば入居してもらえるように、また入居者には住み続けてもらえるように維持していかなければなりません。
一方で、駐車場は建物と比べて見落としがちな場所と言われています。
建物にはこだわっていても、駐車場までは手が回らなかったり、特に舗装していなかったりするケースが多いです。
中には、元々の舗装が劣化して破損した状態のままにしているところもあるでしょう。
特に建物の近くに駐車場を設置している場合、舗装や整備が行き届いていなければどんなに建物が綺麗でも景観の向上が見込めません。
費用を抑えるために所々補修している場合でも、それがかえってみすぼらしく見えてしまうこともあります。
入居者に気持ち良く利用してもらうためにも、建物と同様に駐車場の舗装も必要です。
貸主としての義務
駐車場を設置している場合、入居者に駐車場の利用料を請求しているケースがほとんどではないでしょうか?
仮に駐車場代として毎月1万円を請求していた場合、賃貸借契約の項目に記載することになり、貸主である大家さんはその土地の区画を駐車場として問題なく利用できるよう整備しておかなければなりません。
契約している貸主は駐車場の所有者であり、借主に駐車場として安全に利用できるような状態を維持する義務が発生するのです。
駐車場に照明がないことで対向車に気付くのが遅れた時や、舗装されていないために入居者以外が無断で利用した場合などは、貸主が責任を問われる可能性があります。
そのような事態を防ぐには、十分な駐車スペースを確保したり、防犯性の高い駐車場に整備したりする必要があります。
駐車場の所有者は駐車場内の安全のため、メンテナンスも定期的に行うことが大切です。
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駐車場に施工可能な舗装の種類
駐車場の舗装として施工可能な素材には、様々な種類があります。
ここでは、駐車場に施工可能な舗装の種類についてご紹介します。
アスファルト
賃貸物件をはじめ、商業施設や工業施設など、広い駐車場に使われるのがアスファルトです。
アスファルトは表面にざらつきがあることで、汚れが目立ちにくく滑りにくいといった特徴があります。
アスファルトには通常舗装・透水性舗装・排水性舗装の3つの施工方法があります。
通常舗装は表層と基層で構成されており、石油を精製して採れたアスファルトに砂や骨材を混ぜた合材を使用し、高温のまま敷き詰めて転圧し舗装する流れです。
透水性舗装は、雨水を浸透させるのに適したアスファルトを使用して流し込む施工方法です。
排水性舗装は、表層だけに雨水が浸透して、基層部分で受け止めた後に脇へと排水させることができます。
雨水による水たまりを防げることから、駐車場には透水性舗装を採用するケースが多いです。
コンクリート
コンクリートは、砂・砂利・セメント・水などを合わせたものを固めたものです。
シンプルで明るい塗装面が特徴で、土間コンクリートとデザインコンクリートなどの施工方法があります。
土間コンクリートは、砂と砕石を加熱したコンクリート合材を均一に敷いた舗装方法です。
表面を滑らかにしたり、滑りにくくしたりと、仕上げにも様々な種類があります。
表面が白く明るい見た目になるので、建物を含めて明るい印象になります。
デザインコンクリートは、シンプルなコンクリートにデザイン性を持たせて舗装する施工方法です。
型を押してデザインを付けるのはもちろん、色を練り込んで別の色合いに変えることも可能です。
外観や建物のデザインに合わせた駐車場に舗装したい場合に適した施工方法となっています。
インターロッキングブロック舗装
インターロッキングブロック舗装とは、砕石を敷いた上に砂をかぶせ、そこにブロックを組み合わせて敷いていく方法です。
ブロックを一つひとつ組み合わせて敷き詰めていくので、デザイン性が高くおしゃれな印象を持つ舗装方法でもあります。
雨水は敷き詰めたブロックの隙間から流せるため、水はけも良く滑りにくいのが特徴です。
冬季であれば、雨水による凍結もすぐに溶けやすいといったメリットもあります。
ブロックは種類やカラーバリエーションが豊富なので、自由に組み合わせて独自性の高いデザインにすることもできます。
砂利舗装
砂利舗装は、その名の通り駐車場に砂利を敷き詰めていく舗装方法です。
砂利や砕石を敷くことによって、雨水による水たまりや泥汚れの発生を防ぐほか、歩く度に音がするため防犯効果があるといった点が特徴です。
温かみがあり見た目も綺麗ですが、車が走行することで砂利が動き、轍(わだち)ができる可能性があります。
また、走行時の飛び石で車や建物を傷付けてしまう可能性もあるため、他の舗装を組み合わせて舗装するというケースが多いです。
他の舗装方法を併用すると、デザイン性も高まります。
人工芝舗装
人工芝舗装は、ポリエチレンのような合成樹脂製の人工芝で敷き詰める舗装方法です。
鮮やかなグリーンが駐車場を引き立たせてくれるので、自然で景観が良く感じられます。
カラーバリエーションが豊富で、デザイン性の高さも特徴です。
水はけも良いので、雨水で水たまりができる心配もないでしょう。
ただ、人工芝舗装はメンテナンスの頻度や費用の関係で、賃貸物件の駐車場よりも一般住宅で選ばれることが多いです。
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賃貸物件の駐車場舗装のおすすめは?
賃貸物件の駐車場を舗装するなら、どの素材で舗装するのが適しているのでしょうか?
ここでは、駐車場舗装のおすすめをご紹介します。
最も安価なのはアスファルト
費用面で選ぶのであれば、アスファルトがおすすめです。
アスファルトは、一般住宅では選ばれることがほとんどなく、賃貸物件での舗装が多くなっています。
その理由として、1台や2台分の駐車スペースのみの場合、他の舗装方法よりも施工費用が割高になってしまう可能性が高いことが挙げられます。
アスファルトは150度という高温な状態で運ばれてくるため、費用の負担が大きくなってしまうのです。
一方、大型の駐車場や広い駐車スペースの場合には費用が抑えられるため、お得に舗装できる可能性が高いです。
賃貸物件では多くの物件で駐車場をアスファルト舗装しているため、周辺の賃貸物件とも合わせたデザインにできるといった魅力もあります。
デザイン性を重視するならコンクリート
空室対策や入居者に長く住み続けてもらうために、外観や外構など、デザイン性を重視している大家さんも多いかもしれません。
デザイン性を重視するなら、シンプルな見た目のものからデザイン性に富んだものなど、幅広い種類から選べるコンクリートがおすすめです。
土間コンクリートでも白く明るい印象に仕上がるので、建物の外観と合わせやすくなるでしょう。
車を頻繁に出し入れすることを考えると、シンプルに仕上げた方がコストを抑えられるでしょう。
何を重視するかが大切
素材によってそれぞれ特徴が異なっているので、賃貸物件の駐車場の舗装で何を重視するかが大切です。
費用面を重視するのか、デザイン性を重視するのか、また耐久性やメンテナンスに関わる部分を重視するのかで、何を選ぶべきか変わります。
賃貸物件で取り入れられているのは、シンプルで舗装しやすく費用も安価なアスファルト舗装です。
舗装を検討しているのであれば、初期費用やメンテナンスなど、トータルコストを考えた上で、デザイン性も考慮していくことをおすすめします。
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アスファルト舗装のメリット・デメリット
多くの賃貸物件で取り入れられているのが、アスファルト舗装をした駐車場です。
ここでは、駐車場をアスファルト舗装する場合のメリット・デメリットについてご紹介します。
メリット
まずは、アスファルト舗装のメリットから見ていきましょう。
広い面積の舗装でも費用が安い
アスファルトは、舗装の施工にかかる単価が安く、賃貸物件のような広い面積の舗装でもコストを抑えることが可能です。
アスファルトでの舗装は1㎡あたり約5,000円と単価が安く、舗装の施工を少しでも抑えたいという方にも適しています。
単価が安ければ、その分入居者用の駐車場を舗装するのも費用が抑えられるので、初期投資が少なくなりますし、駐車場が整備されて使いやすくなるため、入居者にとってもメリットとなります。
費用面の問題が解消されずになかなか舗装工事ができないというよりは、すぐに施工しやすい方法で早めに行った方が、賃貸物件の印象も大きく変わるでしょう。
工期が短い
工期が短いという点もアスファルト舗装にするメリットの1つです。
アスファルトは、高温の状態で運び入れる必要がありますが、冷えると固まる性質を持つため、数時間後には使用可能な状態になるといった特徴があります。
仮に賃貸物件の駐車場をアスファルト舗装する場合、施工から半日~1日程度経過すればすぐに使用できる可能性が高いです。
目安としては、手で触れることができるかどうかです。
他の方法で施工した場合、養生期間、施工期間、乾燥などを含め1ヶ月程度かかる場合もあります。
施工期間中は、入居者の車をどこに駐車するかという問題もありますし、別の駐車場を利用するならその費用も検討しなければなりません。
アスファルトのように工期が短ければ、駐車料金の節約ができ、入居者も建物近くの駐車場をすぐに利用できるようになるため大きなメリットになります。
駐車場工事を短期間で終えたいのであれば、アスファルト舗装がおすすめです。
排水性や静音性に優れている
アスファルトの特性として、水はけが良いことが挙げられます。
雨水で水たまりができるのを防いでくれるので、車を安全に走行できます。
水はけが良いのは、アスファルトにごく小さな細かい穴があいているからです。
雨天の日は、その穴から雨水を排水するので、駐車場に水がたまりにくいのです。
また、小さな穴が開いていることで走行中の車の音も逃がせるため、静音性にも優れています。
他の施工方法に比べても、アスファルト舗装は排水性や静音性に優れている点がメリットと言えます。
デメリット
続いて、アスファルト舗装のデメリットについても見ていきましょう。
耐久性が低い
アスファルト合材はたわみ性のある柔らかい素材なので静音性に優れています。
その反面、ひび割れや穴が開いてしまうことがあります。
そのため、コンクリートのような固い素材とは違い、耐久性が低いことがデメリットとなっています。
経年劣化や直射日光などによって崩れてくる場合もあるでしょう。
そのまま放置すれば、アスファルトの舗装自体の寿命が短くなってしまう可能性もあります。
問題があると判断した場合は、速やかに対処する必要があります。
表面温度が高くなりやすい
アスファルトは熱を溜めやすい性質を持っており、春先から夏、秋にかけて高温になる季節は表面温度が高くなってしまいます。
アスファルトは高温の状態で舗装し、冷やして固めるという流れの施工方法となっています。
そのため、表面温度が高くなれば柔らかくなってしまう可能性が高く、表面の高温状態が続けば変形する恐れがあるのです。
耐熱性が低いため、直射日光が当たる場所では屋根を付けて対処するという方法もありますが、賃貸物件の駐車場のような広いスペースでは屋根を付けることも難しくなります。
屋根がなくむき出し状態となる場合は、直射日光の影響を受ける可能性が高いことを理解しておかなければなりません。
定期的なメンテナンスが必要
耐久性が低い分、アスファルトは定期的なメンテナンスが必須になります。
先にも述べたように、アスファルトは直射日光による熱を溜めやすいという性質を持っており、表面温度が高い状態が続くと変形してしまう可能性があります。
変形したまま表面温度が低くなり冷えてくると、そのままの状態で固まってしまい、雨天時に水たまりができる可能性が高くなるでしょう。
そのままにしておけばアスファルトの寿命はどんどん短くなってしまいます。
変形や穴が開くなどの不具合が見られたら、メンテナンスが必要です。
定期的なメンテナンスをすることで、アスファルトの特性を活かした駐車場を維持できるでしょう。
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アスファルト舗装工事の工程
アスファルト舗装工事は、大きく4つの工程に分けられます。
事前にある程度手順を知っておくことで、見積もり書を見る際も、どの作業にどの程度の費用がかかるのかイメージしやすく、適正な工事が行われているかを確認する際の参考にもなります。
以下から、それぞれの工程について詳しい内容をみていきましょう。
①掘削
まずは、アスファルト舗装の下準備として掘削といって、ショベルカーで不要な土を取り除く作業を行います。
駐車場を作る際、アスファルトの厚みなどを計算し、適当な深さまで地面を掘り下げることで、道路と駐車場の間に段差ができないようにするのです。
②路盤整正
掘削作業が終わると、路盤を整正する作業に入ります。
路盤とは、交通過重や衝撃を吸収・分散させるクッション的な役割を持つ部分で、下層路盤と上層路盤に分かれています。
下層路盤には、現場近くで経済的に入手可能な粒状の路盤材料などを使い、上層路盤には、強度が高くて良質な砕石などの材料を使うのが一般的です。
砕石を敷き詰めた後、ブルトーザーなどでならしたら、ローラーなどで規定の密度に達するまで転圧し、路盤をより強固なものにします。
③アスファルトの敷き均し
路盤整正後は、いよいよアスファルト混合物を敷きならしていきます。
舗装面積が小さい場合は、「レイキ」という道具を使って人の手で敷きならすこともありますが、大規模な舗装を行う場合は、レイキの他にフィニッシャーやモーターグレーダー、ブルトーザーなどの重機を使うことで広い面積でも一気に美しく仕上げることができます。
④アスファルトの転圧
最後に、転圧という作業を行います。
敷いたアスファルトの上からローラーなどで圧力をかけて、余計な水分や空気を抜き、締め固めて耐久性を高めるのです。
また、アスファルトには、締め固まる最適な温度があるため、転圧作業では温度管理が重要となり、気温や季節によって施工スピードなどを調整しています。
アスファルトの表面温度が約120度から転圧を始め、締め固めが終わって50度程度まで冷えれば、完全に硬化して使用できるようになります。
50度以上の時に、足を踏み入れたり車を止めてしまったりすると、変形やひび割れなどの原因になるので気を付けてください。
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アスファルト施工をする際の注意点
アスファルト施工をするにあたっては、以下の2つの注意点についても把握しておきましょう。
追加費用がかかる場合がある
1つめの注意点は、田んぼや畑などの地盤が弱い土地に駐車場を作る場合、地盤改良を行う必要があるため、追加費用がかかる可能性があるということです。
地盤を強化するには、セメント材を用いて十分に締め固めなければなりません。
また、田んぼや畑は栄養分が多く雑草が生えやすいため、雑草対策も重要です。
雑草対策を怠ったまま舗装してしまうと、いずれアスファルトの隙間から雑草が生えてきて見栄えが悪くなる上、劣化しやすくなってしまいます。
追加費用はかかりますが、地盤改良工事をしっかり行っておけば、安全性を高められ、雑草も生えにくくなります。
経年劣化を起きやすい
2つめの注意点は、コンクリート舗装と比べて耐久性・耐熱性が低く、経年劣化が起きやすいということです。
アスファルトは熱を溜めやすい性質をもっており、高温状態が長く続くと変形することがあります。
そして、変形したまま冷えて固まってしまうと、そこに水たまりができるなどの問題が出てきます。
問題を放置しておけば、アスファルト舗装の寿命が短くなる恐れもあるため、駐車場工事の際に、直射日光が当たって高温になりやすい場所に、屋根を付けるなどの対策が必要です。
工事方法を決める際は、劣化対策やメンテナンス頻度も考慮しましょう。
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耐久性やメンテナンス費用を考えてコンクリートにするのも手
アスファルトに比べると、施工費用はやや高めですが、耐久性やメンテナンス費用も考えると、コンクリートを検討するのも手です。
ここからは、コンクリートにするメリットを3つご紹介していきます。
補修工事の頻度が少ない
コンクリートは、ひび割れ防止として鉄筋やワイヤーメッシュを施しており、耐久性に非常に優れています。
決して劣化しないわけではありませんが、長期間に渡って維持できるので、アスファルトのように頻繁にメンテナンスをしなくても良いのです。
このことから、補修工事のコストをできるだけ抑えたい方には、コンクリート舗装が向いているといえます。
ただし、これは適正な工事方法で行われていることを前提としています。
いくらコンクリートは耐久性が高いといっても、手抜き工事が行われていれば、ひび割れや陥没が起きてしまうため、きちんとした施工業者を選定してください。
勾配をつければ排水性もクリアできる
コンクリートは、アスファルトよりも排水性が低いところが難点ですが、この問題に関しては、施工時に勾配をつけることでクリアできます。
駐車場をコンクリートにする際は、はじめにオートレベルという機械を用いて水平や高さを確認し、駐車場の高さと勾配を決めるのが基本です。
この作業をしっかり行い、排水口に向かって勾配をつけておけば、雨水がスムーズに排出されるので、駐車場に水が溜まるのを防げます。
費用を抑える方法もある
駐車場をコンクリートにする際は、費用を抑える工事方法もあります。
例えば、車のタイヤが乗る箇所のみコンクリートにするという方法で、それ以外の箇所にはコンクリートを使わず、砂利や芝を敷くなどすることで、コストカットできます。
また、DIYで駐車場をコンクリートにすれば、さらに工事費用を節約できます。
ただし、DIYにあたっては、コンクリートはもちろんのこと、砕石やワイヤーメッシュ、切削工具類などを自分で揃えなければなりません。
よりスムーズに作業を進めたい場合は、業者から転圧機械やミキサー車などをレンタルしたり、コンクリートを流し込む作業を依頼したりすることも可能です。
DIYで駐車場をコンクリート施工した場合の費用は、施工面積によっても異なりますが、20~40万円が目安です。
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コンクリート舗装工事の手順
つづいて、コンクリート舗装工事の手順をご紹介します。
適切な施工が行われているか確認するためにも、正しい手順を把握しておきましょう。
①駐車場の高さと勾配を決める
先述でも触れましたが、駐車場をコンクリートで舗装する際は、雨水を排出しやすくするために、道路側の排水口に向かって勾配をつける必要があります。
そこで、まずは専用の機械を使って地面の水平と高さを確認し、どの程度の勾配がつけられるか確認します。
一般的な勾配は2~3%(1mにつき2~3cm)で、勾配がこれよりも足りないと、駐車場に水が溜まって滑りやすくなり、転倒の危険が生じてしまいます。
また、道路と駐車場に段差ができていると、車の乗り入れがスムーズにできません。
高さと勾配を決める作業は、すべての工程において基準となる重要な作業なのです。
②掘削
コンクリートを流し込んだり、下地材となる砕石を敷き詰めたりするための深さを確保するために、駐車場となる敷地から余分な土を取り除きます。
コンクリートを流し込むのに10cm、下地材を敷き詰めるのに10cmと、計20cmほどの深さが必要です。
③下地を敷き詰め、型枠を設置する
掘削を行っただけの柔らかい土の上に、直接コンクリートを流し込んでしまうと、施工後に陥没やひび割れを起こす可能性があります。
そのため、掘削作業が終わったら砕石を敷いて、転圧機などで圧力をかけて押し固めます。
その後、型枠というコンクリートを流し込むための木製の枠組みを設置します。
この型枠通りにコンクリートが固まるので、曲がりや歪みは禁物です。
④伸縮目地を設ける
温度変化や外過重によってコンクリートが変形し、ひび割れするのを防ぐために、伸縮目地という弾力性のある素材を一定区画ごとに設けます。
伸縮目地を入れると、コンクリートの伸縮を緩和させることができるため、ひび割れが起きにくくなり、地震などによる衝撃も分散してくれます。
駐車場の場合、伸縮目地を設置する間隔は、10~15㎡ごとに1本が目安です。
あまり多く設け過ぎると、1スパンあたりのコンクリートの荷重が軽くなってしまい、耐久性が下がる恐れがあるので、たくさん入れれば良いというものではないことに気を付けてください。
⑤ワイヤーメッシュを入れる
車両によって地面にかかる負荷は、1トン以上といわれており、それほどの負荷をコンクリートのみで耐えるというのは困難です。
そこで、ワイヤーメッシュという鉄製の骨組みを入れて、コンクリートの強度を高めます。
このワイヤーメッシュは、設置場所ごとに最適な太さが異なっていて、駐車場のような負荷が大きい場所に使う場合は、5~6mmが最適とされています。
5mmよりも細いものは、強度不足が心配なため、使用するワイヤーメッシュの太さは業者に確認しておいた方が良いでしょう。
⑥養生を行い、コンクリートを流し込む
コンクリートを流し入れる前に、周囲への飛び散りを防ぐため、外壁や窓などをブルーシートなどで保護する養生と呼ばれる作業をします。
養生が済んだらコンクリートを流し込み、水平に整えつつならしていくのですが、すぐに固まってしまうので素早い作業が求められます。
さらに、この時に重要となるのが、ワイヤーメッシュがきちんとコンクリートの中心にきていることと、ならし作業を3回以上行うこと、の2点です。
そして最後に、コテなどでならしたり、コンクリート内の空気を抜いたりして、表面仕上げを行えば完成です。
なお、季節によって多少の前後はありますが、車の乗り入れができるようになるまでには、約1週間の見守り期間が必要です。
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舗装後の駐車場利用はルールを定めよう!その理由とは
駐車場の舗装後は、利用の仕方についてしっかりとしたルールを定めておくことも大切です。
特に、賃貸物件の駐車場でトラブルになりやすいのが、駐車場内での洗車です。
ここからは、駐車場内の洗車に関してルールを定めておいた方が良い理由を解説していきます。
他の入居者トラブルに発展する恐れがある
入居者が、賃貸物件の駐車場内で洗車を行った場合、他の入居者の車に水がかかって汚れとして残ってしまう可能性があります。
また、駐車場では基本的に雨水以外の排水は想定しておらず、洗車に備えた十分な勾配がないことがほとんどです。
そのため、洗車で大量の水を使えば、排水が追い付かず一カ所に水が溜まり、他の入居者や近隣住民がその水溜りに誤って入ってしまうことも考えられます。
たとえ少量の水でも、予期せぬタイミングで水がかかって、トラブルとなることもあるので、「駐車場内での洗車は禁止」としておいた方が無難です。
共用スペースの水道は共益費に含まれている
そもそも、賃貸物件の共有スペースに設置されている水道は、個人利用が禁止されていることが一般的です。
その理由は、共有スペースの水道代は共益費に含まれており、物件の住人全体で費用を負担しているからです。
共有スペースの水道は、花壇の水やりやペットの足洗い用など、使用目的が限定されていることが多く、定められた目的以外での使用は、公平性の面からトラブルの元となりかねません。
共用スペースが破損する可能性がある
賃貸物件の駐車場内での洗車は、共有スペースが破損することも懸念されます。
また、洗車用の薬剤が地面や他の住人の車に付着したり、洗車中に隣の車に触れて傷をつけてしまったりすると、損害賠償問題にまで発展する恐れもあります。
このように駐車場内での洗車は、大きなリスクを含んでいます。
駐車場内での洗車は禁止と定め、入居者に周知徹底を図っておくことをおすすめします。
今回は、賃貸物件の駐車場舗装の必要性や、舗装の種類、工事内容などについて詳しく解説しました。
賃貸管理において駐車場は、不具合を見落としやすかったり、つい後回しにしてしまったりしがちですが、劣化によってひび割れや変形が起きていると、景観が悪くなるばかりか安全性にも問題が出てきます。
駐車場の舗装工事をする際は、舗装の種類や、それぞれのメリット・デメリットを把握し、工事費用だけでなく耐久性やメンテナンス頻度など、将来かかるコストも見据えて最適な舗装方法を選ぶことが重要です。
駐車場も建物と同様、入居者が安全・快適に利用できるようしっかり維持管理していきましょう。