賃貸管理会社が手掛ける仕事内容とは?不動産仲介との違いやメリット・デメリットをご紹介

不動産を所有し運営する投資家は、様々な工夫で収入を得ています。
しかし不動産運用の世界では誰もが安定稼働させられるわけではなく、赤字が続いている方もいれば、常に空きがない人気物件で収入を生み出し、人生を謳歌している方もいます。
このように人それぞれ運用に大きな違いが現れる理由は、優秀な賃貸管理会社を利用しているどうかで差が出るとされています。
そこで今回は、賃貸管理会社がどのような仕事を行っているのか、不動産仲介会社とどのような違いがあるのか、さらに賃貸管理会社を利用するメリット・デメリットなどもまとめてご紹介します。
不動産収益が伸び悩んでいる方、赤字が続く原因を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

賃貸管理とは?

賃貸

賃貸管理会社はその名の通り、賃貸管理を行う会社です。
賃貸管理と聞くと、物件一つひとつの部屋を綺麗にするのか、収入の管理を行ってくれるのか、はたまた入居者対応までしてくれるのかなど、どんな仕事があるのが具体的に知らない方も多いでしょう。
実は、賃貸管理会社では上記以外の他にも多岐にわたる業務を行い、オーナーをサポートしてくれるのです。
そのため、賃貸管理会社はオーナーにとって頼れる存在とも言えるでしょう。
収入アップにつなげてくれるパートナーとして、賃貸管理会社に任せるオーナーは増えてきています。

業務はハード面とソフト面の2つに大別される

賃貸管理の主な仕事を細かく説明する前に、賃貸管理業務がハード面の管理とソフト面の管理の2つに大きく分けられていることを解説します。

ハード面の管理(ビルメンテナンス業務)

ハード面の管理とはオフィスビルやマンション、アパートなどの建物や土地に大きく関わる仕事になっています。
主な業務は建物や土地といった不動産そのものを管理する業務です。
具体的なものとしては、建物の老朽化を防ぐ修繕計画の立案、リフォーム工事、清掃によって建物の美観と衛生管理を行うこと、消防点検、建物に設置してある設備の保守管理、そして入居者が退去する際に必要な原状回復工事など、これらの仕事がハード面の管理業務に当てはまります。
どんな不動産であっても、入居者が快適に使用できるようにするためには、安心・安全な造りで衛生的にも綺麗な建物でなければなりません。
入居し続けてもらえるということは安定収入につながりますし、なかなか空きが出ない物件は世間にも優良物件として見てもらいやすいです。
実際に契約を経て利用している方に「使い心地の良い物件だから長年利用し続けたい」と思ってもらうためには、経年劣化に伴う修繕も必須です。
地震大国である日本では特に外壁や廊下のタイルなどにヒビや傷が入りやすく、そのような劣化部分は入居者にとって不安を煽るものとなってしまいます。
「次に地震がきたら倒壊してしまうかもしれない」、「もしかしたら欠陥がある物件なのかもしれない」と思ってしまうのも、慎重に物事を見る日本人の注意力が働くためです。
実際にそのような劣化部分は早めに修復していかないと劣化を早めてしまうため、新築同様の美観を維持することも重要となります。
また、エレベーターの保守点検や消防設備の維持管理、設備交換工事などは、消防法や建築基準法に従って行うため、管理する側には法律や法令に対する知識も必要です。
そうでなくても管理する側は、建物の構造・設備部材・建築設備に関する知識は必要ですし、入居者の疑問や不安に対してすぐに答えられるよう準備しなくてはなりません。
また、生活の安全を守ってくれる建物は、生き物として見ることもできます。
不注意で壁に穴を開けてしまった、故意にドアを壊してしまったなどによる傷だけではなく、自然の脅威からも人を守る建物は常に様々な影響を受けています。
それは地震に限らず、雨風の影響でも日々劣化は進行していくのです。
屋上の防水塗装が劣化してしまうと雨漏りが発生したり、直射日光によって壁紙の色褪せや剥がれを招いたりします。
さらに長い時間室内を閉めきっていると、湿気により部屋にカビが発生しやすいです。
大きな影響がなくとも日々の影響が劣化につながる建物は、ハード面の管理で大切に扱わなければならないのです。

ソフト面の管理(プロパティマネジメント業務)

先ほどご紹介してきたハード面が適切に管理されているとなると、ここからご紹介していくソフト面に多くの好影響をもたらしてくれます。
ソフト面の管理では入居者からのクレーム対応や近隣トラブルの対応など、契約者やテナントに対する管理業務が主な仕事です。
例えば、賃貸借契約において必要な書類の作成や契約締結業務、契約の更新業務や退去解約業務、毎月の家賃回収と滞納督促、さらに空室募集活動の立案・実施など、こちらも様々な業務があります。
建物や土地本体を管理する業務であったハード面の管理と比べて、こちらは不動産業務に関する知識を必要とするほか、コミュニケーションスキルも重視される内容です。
もちろんハード面の管理であっても各業者とのやり取りでコミュニケーション能力は必要とされますが、ソフト面となるとBtoCとして各企業の損得だけではなく入居者からの納得を求められるため、よりハードルが上がることでしょう。
柔軟な対応がソフト面の管理を問題なく進めていく鍵となります。
もし仮にハード面の管理が甘い物件に対して、勝手に入居者の募集が行われていた場合には、成約自体難しいですし管理の行き届いていない物件にクレームを入れる方もいるでしょう。
このようにハード面の管理を怠っていると、ソフト面の管理にも影響するようになっており、反対にソフト面の管理ができていないとハード面の管理の悪化にもつながります。
クレーム対処ができずに入居者離れが進んで収益が得られなければ、ハード面の管理にかけられる費用が少なくなってしまうのです。
このようにハード面の管理、ソフト面の管理どちらの業務もきちんと行っていくことで確実な収入をものにすることができます。
キャッシュフローが生み出せれば、その利益を使って設備の更新やリノベーションを施すといったように、+αの管理サービスを入居者に届けられるでしょう。

INA&Associates株式会社

INA&Associates Inc.は、不動産、IT、投資などにおける専門性と技術を活かし、「不動産」×「IT」を実現するために発生する、複雑な事柄に真摯に向き合い、”不動産をもっと分かりやすく。住まいを探されている方にとってもっと使いやすく。取引をもっとスムーズに。” 不動産×ITで独自の価値をお客様に提供することを目指しています。

賃貸管理の主な仕事内容

賃貸

賃貸管理をオーナー1人で全部こなすのは難しいと言われています。
実際に賃貸管理の各仕事内容を細かく見ていくと、その厳しさも分かるはずです。
ここからは賃貸管理の仕事内容をより詳しく解説していきます。
多岐にわたる仕事内容を一つひとつ理解していくことで、より賃貸管理会社に任せる必要性が見えてくるでしょう。

客付け

客付けとは、入居者を募集するための活動や、空室対策のための改修提案などを行う業務のことを指します。
空室対策とも呼ばれている業務で、この業務に力を入れていない会社は空室期間が長くなりすいという特徴があります。
客付けでは以下のような業務を行っています。

賃貸物件の宣伝活動

入居者を集めるために行うのが賃貸物件の宣伝活動です。
この業務では募集物件の図面を作成することから始まり、物件の条件や写真をまとめてポータルサイトに掲載します。
また、注目物件に関してはチラシをポスティングしたりフリーペーパーに掲載したりする場合もあります。

内見案内の対応

管理会社で客付け業務を担当するスタッフは内見案内の対応も行います。
この業務でもかなり接客スキルが求められる場面になっており、内見案内人の説明不足によって契約につながらなかったり、スタッフの態度が悪いことで取り扱っている他の物件も検討してもらえなかったり、クレームが入ったりするなど、様々な問題を引き起こしがちです。
あまりに数多くの内見案内業務が辛いと感じたら、管理会社への依頼を検討してみましょう。

契約の対応

物件を借りたい意向を示した方がいたら、賃貸借契約に移ります。
賃貸借契約を締結する際も客付けが手続き行い、この際に担当者は契約者に物件の賃金を支払える能力を持っているかどうか、前科持ちでないかなど、慎重にチェックしなければなりません。
チェックで問題ないと判断されれば、連帯保証人や勤め先に情報に偽りがないかなどを確かめて、結果をオーナーに報告します。
その後、重要事項説明と賃貸借契約書を正式に締結し、引き渡し時までの間に借家人賠償責任保険、火災保険契約などの事務的な作業も並行して行い、引き渡し日当日を迎えられるようになっています。

入居者の管理業務

続いては入居者の管理業務を説明しましょう。
こちらは先ほどとは異なり、現在物件に入居している方に対して行う業務になります。
家賃回収や催促、クレーム対応など、客付け以上に的確な対応が求められる業務です。

家賃の回収・催促

不動産運用をしていると、毎月の家賃を滞りなく払ってくれる入居者ばかりではないのが実情です。
家賃を滞納してしまう方には支払うように催促しなければいけません。
ただし、滞納者の中には単純に払い忘れてしまっているというケースも多いです。
この場合には簡単な催促で済むことが多いですが、お金がないため家賃を払えないというケースは催促しても支払い能力がないため、保証人に連絡し家賃支払いを促す必要があります。
また、こうした問題は保証会社と契約している場合には報告することも業務に含まれます。

クレーム対応

騒音・異臭といった問題は、同じ棟の入居者や近隣住民の方に多大な迷惑をかけるものです。
こうした問題におけるクレームは多く、オーナーの中にはその対応に追われて不動産を手放そうと考える人までいます。
そんな問題を解消してくれるのが賃貸管理会社です。
賃貸管理会社では騒音や異臭だけではなくゴミの出し方、設備不具合など、入居者からのあらゆるクレームに対応してくれます。
特に騒音に関するクレームは深夜に入ることが多く、その対処を管理会社に任せることでプライベートの時間を確保できます。

契約更新の対応

賃貸は契約期間に定めがあり、平均約2年で更新期間がやってきます。
この時の更新契約は客付けではなく入居者の管理業務を担当するスタッフが行います。
契約更新では、合意書を作成し入居者に了承を得る形で進めていき、この時約1ヶ月分の更新料を受け取るのが一般的です。
大阪や名古屋といったように、一部の地域では更新料を不要にしているケースもあります。

解約の対応

入居者が解約したいとなればその対応も行います。
退去することが決まったら、管理会社もしくは不動産に解約の連絡がきます。
管理会社は一般的に1~2ヶ月前の解約通告であるかどうかを確認し、正式に解約手続きを進めるようになっています。
解約日が月の途中で家賃処理において入居者に損があるのならば、日割り計算でその月の家賃のみ安くする場合も多いです。
この計算も解約時の対応に含まれています。

建物の管理業務

建物の管理業務には様々な種類がありますが、ここでは大まかに分けて3つの業務内容をご紹介していきます。

定期的な点検とメンテナンス

物件は定期点検やメンテナンスを行わなければ老朽化によって危険が生じます。
具体的な作業内容としては共用部にあたる場所の清掃や外壁・天井にヒビが入っていないかなどの点検です。
エントランスホール、エレベーター、駐車場、廊下などが共用部分で、電気やガス、水道といった設備点検も行います。
また、所定の場所に消火器や報知器が設置されており、正常に稼働するかどうかも確認します。
これは法定点検と言われており、監視カメラや警備員が必要なオフィス・商業ビル、マンションなどでは、警備会社と連携して管理を行うこともあります。

長期修繕計画の作成

各物件をどのように維持・管理していくのかが長期修繕計画には記載されています。
この長期修繕計画を作成して修繕費用の積立がなされてから、ようやく日頃の保守や点検業務を行えるようになっているのです。

修繕やリフォームの対応

修繕やリフォームの必要が出たら、管理会社は発注を行っていきます。
老朽化によって不動産の価値が下がらないように工事を行うのですが、修繕費の関係もあって工事は優先順位をつけて必要な修繕を指定しています。
また、発注業者を選んでいるのも管理会社です。
実際に工事が行われるまで管理会社を中心にして進めていきます。

オーナーへの対応

オーナー対応と聞くと、オーナーが抱える不満を解決する業務と思いがちでしょう。
あながち間違ってはいないのですが、具体的には以下の業務が行われています。

入居者の募集条件の相談・提案

物件に空きが出たとなると、管理会社はすぐに動いてくれることがほとんどです。
入居者を募集する際には管理会社がオーナーの元に来て、家賃などの条件を相談することから入居者の募集が進んでいきます。

家賃などの送金

管理会社を活用して不動産を運用している場合には、家賃は一旦管理会社を通してからオーナーに届けられるのが基本です。
不動産輸入の一部を管理会社の利益として回収する仕事も業務内容の一部となっているのです。

トラブルや現状の報告

万が一、物件でトラブルが発生したとなったら管理会社はオーナーへすぐに報告するようになっています。
全体的な管理を請け負っているのは管理会社ではありますが、各トラブルや問題の具体的な解説手段や最終決断を下すのはオーナーです。
オーナーの意向をきちんと尊重するからこそ、不動産運用における自由な運営と計画に基づいた運用で、成功を収めることにもつながります。

INA&Associates株式会社

チャット、LINEにてお部屋探しが出来る点が特徴。仲介手数料は賃料0.5ヶ月分!(対象地域:東京、神奈川県、埼玉県、千葉県) すまいをもっと自由に、もっとたのしくタウンマップ!

賃貸管理会社と不動産仲介会社の違い

賃貸

不動産関連の会社にも様々な種類がありますが、その中でよく間違えられてしまうのがこれまでご紹介してきた「賃貸管理会社」と、「不動産仲介会社」です。
どちらも同じ不動産業界に携わっているものの、仕事内容は大きく異なっています。
では、具体的にどのような違いがあるのでしょうか?
続いては、賃貸管理会社と不動産仲介会社の違いについてご紹介します。

不動産仲介会社の役割

不動産仲介会社は、入居者とオーナーの間をつなぐことを主な役割としています。
例えば「そろそろ引っ越したい」と思った時に、物件を探しに不動産会社を訪れますが、ここで訪れた会社は不動産仲介会社であることがほとんどです。
仲介会社が存在することで物件を探している人と、入居者を見つけたいオーナーや管理会社の間を取り持ち、円滑に契約を結べるようサポートしてくれます。
仲介会社の中には自社で保有・管理する物件も紹介している会社や、仲介に特化したサービスを展開する会社もあり、その種類は多岐にわたります。

不動産仲介会社の主な仕事内容

不動産仲介会社の仕事内容は賃貸管理会社と異なる部分も多いです。
賃貸管理会社と違ってどんな仕事をしているのか、解説していきましょう。

広告の掲載

不動産仲介会社は、オーナーや管理会社からの依頼を受けて物件の広告をWebサイトやチラシなどの広告に打ち出しています。
入居者を増やすためにはまず物件があることを認知してもらう必要があるためです。
特に近年はネットでも気軽に家賃や間取り、室内の様子を収めた写真などが見られるWebサイトを活用するケースが増えてきています。
オーナーと入念に打ち合わせを行い、どこをアピールしていくか決めてから掲載されるため、入居希望者にもどんな物件なのか一目で分かりやすくなっています。

入居希望者に物件の紹介・案内

Webサイトなどを見た入居希望者から、「物件を見たい」と問い合わせがあれば実際に物件へ赴き紹介・案内するのも不動産仲介会社の仕事です。
オーナーや管理会社から事前に鍵を借り、物件へ向かうための手配はすべて行っておきます。
また、仲介会社が運営する店舗へ入居希望者が訪れた際に希望する条件をその場で聞いて、希望通りの物件がないか探すのも仕事の1つです。

契約の手続き

入居希望者に何軒か物件を見てもらい、気に入った物件が見つかれば契約の手続きに移行します。
契約の手続きでは、まず入居申込書と本人確認書類を提出してもらいます。
この時、家賃1ヶ月分を目安に申込金を預り金として受け取ることが多いです。
あくまでも預り金なので、きちんと契約が完了すれば後ほど戻ってきます。

入居審査

仲介会社は入居申し込みを受けたら入居審査に移ります。
入居審査はオーナーが「この人なら入居してもいい」と判断してもらうために重要な審査です。
ここで審査を中途半端にしてしまうと、入居者の家賃滞納が起きたり他の入居者とトラブルにつながったりする可能性もあるでしょう。
そのため、入居審査は慎重に行う必要があります。
様々な部分を総合的に判断して入居審査を行いますが、基本的には収入や連帯保証人の有無、勤務先、人柄、他の入居者とトラブルになりそうかで判断されます。
調べても特に問題がなく、オーナーからも了承を得ればいよいよ契約に移れます。

契約の準備

入居審査が完了したら契約書を作成し、宅地建物取引士から重要事項説明をしてもらって必要書類にすべて記入が済んだら契約締結となります。
ここまで不動産仲介会社の主な仕事内容です。
その後は連携している賃貸管理会社に任せるか、仲介と管理を両方担う会社であればそのまま賃貸管理業務も続けて行っていきます。

場合によっては契約更新や退去時の精算などを行うケースもあります。

賃貸管理会社と不動産仲介会社の役割を間違えやすい理由

賃貸管理会社と不動産仲介会社の役割は大きく異なることが分かりましたが、そもそもなぜ双方で役割を間違えやすいのでしょうか?
その理由に、賃貸管理と不動産仲介は元々不動産会社の一般的な業務として、総合的に行われていたためです。
現在でも賃貸管理と不動産仲介の両方を担い、一貫対応している会社も多いです。

しかし、徐々に賃貸管理と不動産仲介をそれぞれ専門的に取り扱う会社も増えてきました。
専門的な会社が増えたことで間違えられてしまうことも増えてしまったのです。

INA&Associates株式会社

INA&Associates Inc.は、不動産、IT、投資などにおける専門性と技術を活かし、「不動産」×「IT」を実現するために発生する、複雑な事柄に真摯に向き合い、”不動産をもっと分かりやすく。住まいを探されている方にとってもっと使いやすく。取引をもっとスムーズに。” 不動産×ITで独自の価値をお客様に提供することを目指しています。

オーナーは賃貸管理会社を利用するべき?

賃貸

賃貸管理はオーナーにとって便利なサービスではあるものの、本当に委託した方が良いのか迷っている方も多いでしょう。
そこで、オーナーは賃貸管理会社を利用するべきかどうか、メリット・デメリットを解説しつつ委託した方が良い人をご紹介します。

賃貸管理を委託するメリット

賃貸管理を委託するメリットは、主に3つです。

・管理業務をすべて任せられる
賃貸管理を委託する一番のメリットは、何と言っても管理業務をすべて任せられるという点です。
管理業務は主に家賃を集金する業務から契約更新の手続き、解約時の精算や対応、物件自体の清掃・管理などが挙げられます。
家賃集金や契約更新の手続きなどはそれほど頻繁に発生するものではありませんが、共有部分の清掃や物件管理はほぼ毎日作業する必要があります。
そのため、オーナー業とは別に仕事をしている人は一人で管理業務を担うのは非常に大変です。
また、賃貸管理において特に大変なのがクレーム対応です。
所有する物件が多ければ多いほど、入居者からクレームを寄せられる可能性も高くなります。
いちいち物件に足を運ばなければいけないですし、夜中や早朝からの対応になる場合もあるでしょう。
身体的・精神的負担にもなりやすいクレーム対応も、賃貸管理を委託すればすべて会社が行ってくれます。

・プロのノウハウが学べる
賃貸管理会社はこれまで数多くの物件の管理業務を手掛けてきたプロです。
賃貸管理に関する知識はもちろん、不動産に関する法律や建築に関する情報なども把握しています。
入居者を選ぶ際のポイントや空室をいかに減らすかのテクニックなど、オーナーにとってタメになるノウハウを教えてくれるのです。
現在は1棟の所有でも、今後増やしていきたいと考えているならプロのノウハウを学んでおいて損はありません。
管理委託ではなくすべて自己管理で手掛けたい方も、一度賃貸管理会社のテクニックやノウハウを学び、その後自己管理に移行するのも1つの手です。

・遠方にある物件も所有しやすい
オーナーの中には現在住んでいる地域と、所有物件のある地域が離れているケースも存在します。
例えば地元にあったアパートをそのまま相続したり、転勤の影響で一時的に人へ貸し出したりする場合もあるでしょう。
このように遠方に物件がある場合、管理業務は非常に大変です。
移動するだけでも時間を取られてしまい、頻繁に訪れることもできません。
遠方にある物件を所有する場合は、その地域で活動している賃貸管理会社に依頼すべきです。
賃貸管理を委託しておけば、クレームやトラブルが発生した場合でも管理会社が迅速に対応してくれるため、オーナーが遠方の物件まで訪れる必要もなくなります。

賃貸管理を委託するデメリット

賃貸管理を委託すると様々なメリットが得られますが、その一方で委託によって生まれるデメリットもあります。
どんなデメリットがあるのかご紹介しましょう。

・委託費用がかかる
賃貸管理を委託した場合、基本的な委託管理費用と修繕費用が必要となります。
委託管理費用は管理会社によって値段から支払い方法まで様々です。
例えば毎月同じ金額を支払えばいい固定報酬方式を採用している会社もあれば、家賃収入によって費用が変わる変動報酬方式を採用している会社もあります。
固定報酬は毎月の支払い額は変わらないものの、若干高めに設定されていることも多く空室が増えてくるとその分負担も大きくなります。
一方、変動報酬は家賃収入が高ければ高いほど負担は大きくなりますが、空室が増えて家賃収入が減れば委託費用の負担も軽減されます。
自分の希望する方式に合わせて、固定報酬か変動報酬か選んでみましょう。
なお、固定報酬を採用している会社はビルメンテナンス会社で見られる傾向にあり、変動報酬を採用している会社は投資運用なども手掛けるプロパティマネジメント会社によく見られます。

・現在の物件状況が分からなくなる
管理業務をすべて委託することでオーナーは楽になりますが、その分オーナーとしての管理能力が低下する可能性もあります。
「管理能力が低下しても結局委託しているから関係ない」と思われるかもしれませんが、賃貸管理会社が自社の利益を優先し、行動した時に困ってしまいます。
管理能力は単に物件を管理するための力だけではありません。
時に経営的な判断をすることもオーナーの管理能力には含まれています。
状況を見極めて最適な判断をするためにも、管理会社にすべてを任せてしまわないように気を付けましょう。

・信頼できる業者を選ぶ必要がある
賃貸管理会社の中には、コスパも良く高品質な管理業務を手掛けてくれるところもあれば、委託費用が高い割に適当な管理業務を行うところもあります。
後者を選んでしまうと、クレーム対応が遅くなったり、管理会社の評判から入居者が避けてしまい空室リスクを招いたりします。
また、管理会社の中には人手不足で毎日物件を見回ることができず、共用部分の清掃や修繕が定期的になされていないことが判明するケースもあるのです。
賃貸管理を委託する際には、必ず信頼できる業者を見極め選定にある程度の時間をかける必要があります。

賃貸管理を委託した方がいい人

賃貸管理の委託にはメリットだけでなくデメリットもありましたが、管理業務を行う時間がない方やプロの管理業務を学んでおきたい方、物件が遠方にあって頻繁に見に行けない方にはおすすめです。
また、今後複数物件の所有を検討されている方も、初めから賃貸管理を委託しておくと良いでしょう。
ただし、オーナーの中には自己管理の方が向いている人もいます。
例えばコミュニケーション能力も高く、専業オーナーとして活動できる方や近所に物件を所有している方、物件に対して思い入れがある方は自己管理がおすすめです。
最近ではある程度は自己管理で済ませ、契約業務や入居者募集、家賃の回収業務などを業者に任せる一部委託という方法もあります。
オーナーだけでは難しい管理業務は一部委託でプロの業者に任せてみましょう。

まとめ

今回は賃貸管理の仕事内容を中心にご紹介してきました。
賃貸管理はハード面とソフト面の2種類に大別でき、建物の管理などを行っていきます。
不動産仲介会社と紛らわしいですが、基本的に不動産仲介会社は入居者募集から契約手続きまでを担い、その後の対応まで行ってくれるのが賃貸管理会社です。
ただし、不動産会社の中には仲介と賃貸管理を一貫して対応しているところもあるため、その境界線は非常に曖昧になっています。
賃貸管理の委託はメリットが多いものの、管理手数料がかかったり信頼できる業者を選ばないといけなかったりするなど、デメリットもあります。
自己管理にするか委託するか、それとも一部の業務だけ委託するのかよく考えて、自分にあう管理プランを取り入れてみましょう。

INA&Associates Inc.

INA&Associates Inc.

INA&Associates Inc.は、不動産、IT、投資などにおける専門性と技術を活かし、「不動産」×「IT」を実現するために発生する、複雑な事柄に真摯に向き合い、”不動産をもっと分かりやすく。住まいを探されている方にとってもっと使いやすく。取引をもっとスムーズに。” 不動産×ITで独自の価値をお客様に提供することを目指しています。

関連記事

最近の記事

  1. 新築アパートはどのくらいで埋まる?新築物件の探し方や新築以外の選択肢をご紹介!

  2. アパートのゴキブリ駆除を業者に依頼したい!メリットや流れについて徹底解説

  3. 賃貸物件の古い給湯器が故障!?壊れた時の注意点や確認ポイント、起こりやすい症状を解説

  4. アパートに設置された「ゴミステーション」のルールや起きやすい問題点などを解説!

  5. 悪質な入居者をマンションから強制退去させるには?流れや初期交渉・対応方法などを解説

  6. 賃貸アパート・マンションの浴槽を交換したい!工事が必要なケースや流れ、注意点などをまとめて解説

  7. マンション建築で知りたい「建築基準法」!建てる条件や違反建築物・既存不適格物件を解説

  8. 自宅を貸し出したい!賃貸物件にするメリット・デメリットや流れを解説

  9. 高齢者に賃貸物件を貸す場合の対策方法とは?リスクもビジネスチャンスに変えられる!

  10. 賃貸物件の設備を交換する際に注意すべきことは?各設備別交換のポイントを解説

TOP