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財形住宅貯蓄とは?制度の概要やメリット・デメリットなどを解説

人生の中で、結婚や出産、車・家の購入など、ある程度まとまった出費が必要となる場面があります。
もしお金が必要になった時でも困らないよう、早めに貯蓄を計画し、備えておくことが大切です。
しかし、「○○がしたい」といった強い意志やはっきりとした明確さがないと、つい貯蓄を後回しにしてしまいがちです。
そんな時に利用したいのが、勤めている会社の福利厚生で用意された「財形貯蓄制度」になります。
今回は、財形貯蓄制度の概要をご紹介しつつ、その中の「財形住宅貯蓄」をピックアップしてメリット・デメリットなどをご紹介していきます。
住宅購入資金を貯めたいのになかなか貯蓄できないという方も、ぜひ参考にしてみてください。

財形貯蓄制度とは?

財形住宅貯蓄

財形貯蓄制度は、勤労者財産形成促進法に基づく制度の中の1つです。
国と企業が連携し、従業員の資産づくりをサポートすることを目的としています。
まずは財形貯蓄制度について詳しくご紹介します。

財形貯蓄制度の概要

財形貯蓄制度とは、会社に勤めている従業員が企業からの協力を得て貯蓄する制度です。
ここでいう従業員とは、職業の種類や雇用形態は問わず、事業主に雇用されている人を指しています。
そのため、財形貯蓄制度は正社員だけでなく契約社員や派遣社員、アルバイト・パートなども含まれています。
ただし、企業からの協力を得て貯蓄することになるため、そもそも企業が福利厚生の1つとして財形貯蓄制度を導入していないと利用できません。
財形貯蓄制度では、給与から天引きされた一定の金額を、企業が毎月財形貯蓄用の金融機関に払い込み、貯蓄していきます。

この天引きする金額は自由に設定することが可能で、毎月1,000円からでも積み立てることが可能です。
また、積み立てた貯蓄は利息が付き、受け取る際には貯蓄していた分よりも多く得られる可能性もあります。

財形貯蓄の対象となる金融商品

財形貯蓄制度では、企業・団体ごとに利用できる金融商品が限られています。
決められた金融商品の中から選んで契約し、天引きした給与から引き去りで積み立てることになります。

一般的に対象となる金融商品は以下の種類が挙げられます。

・定期預金
・積立定期預金
・定額貯金
・投資信託
・国債
・社債
・貯蓄型保険
・損害保険 など

貯蓄型保険や損害保険など、契約した金融商品が保険の場合は保険料として支払いが行われます。

財形貯蓄制度の種類

財形貯蓄制度は資産形成に役立つ制度ですが、その目的に合わせて3種類に分類できます。

・一般財形貯蓄
一般財形貯蓄とは、3年以上の期間で長期的に給与から天引きし、積み立てていく財形貯蓄です。
積立期間は原則3年以上になりますが、貯蓄を開始してから1年で払い出しが行えます。
資金使途に制限はなく、どんな目的に使っても問題ありません。
例えば車の購入や海外旅行、結婚資金、医療費、引っ越し費用などに充てられます。
また、1人で複数の金融商品を契約することも可能で、何歳からでも始められます。
ただし、利子などにおける非課税措置は対象外になるため、注意が必要です。

・財形年金貯蓄
財形年金貯蓄は、55歳未満の従業員が5年以上定期的に給与から天引きし、積み立てていく財形貯蓄です。
55歳未満という年齢制限が設けられているものの、60歳以降になると年金形式で受け取れるようになります。
年金形式で受け取れる期間は5年以上20年以内までです。
財形年金貯蓄の場合、退職しても年金受け取りが終了するまで利子の非課税措置を受けながらお金を受け取れるのがメリットと言えます。

非課税限度額は元利合計550万円以内まで(財形住宅貯蓄との合計)です。
注意点としては、基本的に60歳以降からお金を受け取っていくことになるため、一般財形貯蓄と違って自由に引き出せません。

また、もしも年金以外の目的で払い出しを行った場合、非課税措置が受けられなくなってしまい、解約する際に利息に対して課税されてしまうため、余計にお金がかかってしまう可能性があります。

・財形住宅貯蓄
財形住宅貯蓄とは、住宅の購入資金やリフォーム費用などを目的に積み立てる財形貯蓄です。
財形年金貯蓄と同様に、55歳未満の従業員が5年以上定期的に積み立てる必要があります。
一般財形貯蓄・財形年金貯蓄と併用することが可能で、財形年金貯蓄と合わせて貯蓄残高550万円以内であれば利子の非課税措置を受けられます。
ただし、複数の金融機関と契約できず、原則1人1契約までです。

払い出ししたい場合は持ち家の新築または中古住宅の購入やリフォームを目的としており、住宅を取得した後で1回、または前後の2回までに限定されています。

財形住宅貯蓄を利用したい場合でも、条件に当てはまらないと利用できなくなってしまうので注意が必要です。
条件は新築住宅・中古住宅・リフォームでそれぞれ異なります。

【新築住宅】
・床面積50㎡以上
・勤労者本人が住んでいる(単身赴任の場合は家族が暮らす拠点になっている)

【中古住宅】
・床面積50㎡以上
・20年以内に建設されている(耐火構造を持っている場合は25年以内)、または一定の耐震基準を満たしている
・勤労者本人が住んでいる(単身赴任の場合は家族が暮らす拠点になっている)

【リフォーム】
・リフォーム費用が75万円を超えている
・施工後の床面積が50㎡以上
・リフォーム後の住宅に勤労者本人が住んでいる(単身赴任の場合は家族が暮らす拠点になっている)

積立期間は5年以上と決められているので、契約する際はどのタイミングでマイホームを購入またはリフォームするかも考えておくことが大切です。

財形貯蓄制度以外の勤労者形成促進制度

勤労者形成促進制度は1971年に制定された法律です。
上記でご紹介した財形貯蓄制度以外にも、様々な制度によって資産形成をサポートしています。
その中でも従業員に直接関与する制度をご紹介しましょう。

・財形給付金制度、財形基金制度
財形給付金制度と財形基金制度は、いずれも企業側が財形貯蓄制度を利用する従業員に給付金を支払う制度になります。
拠出金の運用方法が異なるものの、一定年ごとに財形貯蓄を利用する従業員に対して給付金を支払います。
一見企業側にメリットがないように感じるかもしれませんが、国から税制上の援助を受けることが可能です。
従業員は財形貯蓄を利用しているだけで給付金を受け取れるので、あれば利用したい制度と言えます。

・財形持家転貸融資制度
財形持家転貸融資制度は、1年以上財形貯蓄を利用する従業員が利用できる制度です。
新築やマイホームの購入・リフォームを行う際に受けられる公的住宅ローンで、利用者が保有する財形貯蓄の残高10倍以内、上限4,000万円まで融資を借りられます。

財形貯蓄は住宅に限らず、一般・年金でも利用可能です。
返済期間は購入の場合35年、リフォームだと20年までに設定でき、財形住宅貯蓄と組み合わせることで民間の住宅ローンよりも低利子で借りられます。
ただし、借入の申し込み日までに50万円以上の財形貯蓄残高があることを証明するなど、いくつか条件があるので注意してください。

財形貯蓄制度を利用する上で女性が特に気を付けたいこと

財形貯蓄制度は企業に勤めている方であれば雇用形態を問わず、利用できる制度です。
しかし、女性は制度を利用する際に注意すべきポイントがあります。
女性の場合、出産や育児などで休業している間は財形貯蓄も休止させることが可能です。
休止する際は必ず企業の担当者に、中断する旨の手続きをとってもらうよう伝えてください。
また、非課税措置が設けられている財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄では、定期的な払い込みが2年間行われないと、非課税措置を受けられなくなってしまいます。
そのため、産休も含めて育休を2年間取得し、その間財形貯蓄を休止する場合は、企業から契約中の金融機関に対して貯蓄継続適用申告書を提出しなくてはなりません。
休業を経て職場復帰した場合、契約上最初に積み立てをするべき日に積み立てを再開させる必要があるので、その点も注意が必要です。

INA&Associates株式会社

INA&Associates Inc.は、不動産、IT、投資などにおける専門性と技術を活かし、高級賃貸・売買・事業用不動産仲介を中心とする総合不動産会社です。
東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、京都、兵庫の賃貸管理、賃貸売買仲介、事業用不動産仲介・買取をメイン事業として展開しており、土地、マンションの有効活用の企画・提案、外資系法人の転勤者向けの社宅仲介も行っております。

財形住宅貯蓄のメリット

財形住宅貯蓄

財形住宅貯蓄を活用すると、どのようなメリットが得られるのでしょうか?
ここでは、財形貯蓄住宅におけるメリットを5つご紹介します。

・住宅の購入やリフォームに向けた資産形成が実践しやすくなる
財形住宅貯蓄において一番のメリットは、住宅の購入やリフォームに向けた資産形成がしやすくなる点です。
住宅を購入するためには、住宅ローンを活用するにしてもある程度の頭金を準備しておく必要があります。
しかし、元々貯蓄するのが苦手な方にとっては、「家を建てたい」と明確な目標があってもつい貯まったお金を別のものに使いがちです。
この使い込みを防ぐために、財形住宅貯蓄が役立ちます。
最初は手続きや金融商品選びを行う必要があるため、少し手間はかかってしまうものの、それが終わればあとは定期的に給与から天引きされていくだけです。
手間がほとんどかからずに、着実に資産形成が行えます。
また、金融商品によっては毎月1,000円から始められる商品もあるので、無理なく始められます。

・利子の非課税措置を受けられる
財形住宅貯蓄は、一般財形貯蓄とは異なり元本550万円まで利子などが非課税になります。
積み立てた金額が550万円までなら税金が発生しないため、自分自身の力で銀行へ積み立てていった場合よりも効率的にお金を貯められます。
また、金融商品の中には投資信託も含まれていますが、通常資産形成のために投資信託を行おうとすると課税対象となってしまい、せっかく得られた利益も税金分減ってしまいます。
しかし、非課税措置を受けられれば税金分を減らさずに投資信託を活用できるため、手元に残る金額も増える可能性が高いです。
上手に非課税措置を利用して、資産形成の効率化を目指しましょう。

・住宅の購入やリフォーム目的でなくても払い出し自体は可能
財形住宅貯蓄は、原則住宅の購入またはリフォームを目的に利用することになります。
しかし、万が一住宅の購入やリフォーム以外の目的でまとまったお金が必要となった場合は、財形住宅貯蓄からお金を払い出すことも可能です。
これは、目的外で払い戻しができないiDeCoや個人年金保険とは異なるメリットと言えます。
また、財形住宅貯蓄で目的外での払い出しを行った場合、課税対象になるのは過去5年分の利子に限られます。
そのため、特に住宅の購入やリフォームなどを検討していない人も、財形住宅積立を利用することで非課税措置が受けられます。

一般財形貯蓄だと非課税措置は受けられないため、検討してみるのも良いでしょう。

・財形持家転貸融資制度を活用できる
財形住宅貯蓄を使って積み立てた場合、財形持家転貸融資制度を利用できるようになります。
財形持家転貸融資制度は上記でもご紹介したように、財形貯蓄を利用している従業員が使える住宅ローンです。
財形貯蓄残高の10倍以内、かつ最高4,000万円を限度に融資を受けられます。

ただし、勤務先の企業がどのように導入しているかによって申し込み窓口が異なるので注意してください。

勤務先における負担軽減措置の導入形態申し込み窓口
負担軽減措置あり 融資制度あり財形持家転貸融資の利用が可能、福利厚生担当に申し込む
負担軽減措置あり 融資制度なし住宅金融支援機構の財形住宅融資を検討
財形住宅金融株式会社に出資財形住宅金融株式会社に申し込む

・財形給付金が受け取れる
一般財形貯蓄・財形年金貯蓄とも同様で、財形住宅貯蓄でも財形給付制度の対象に含まれます。
財形給付制度は従業員1人に対し上限10万円の拠出を行い、7年経過すると拠出金と運用益の合計金額を支給してくれます。

給付金は給与から天引きして積み立てている貯蓄とは別で、企業が積み立てていたものになります。
拠出金に関しては損金・経費として認められることから、企業側にとってもメリットのある制度です。

INA&Associates株式会社

INA&Associates Inc.は、不動産、IT、投資などにおける専門性と技術を活かし、高級賃貸・売買・事業用不動産仲介を中心とする総合不動産会社です。
東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、京都、兵庫の賃貸管理、賃貸売買仲介、事業用不動産仲介・買取をメイン事業として展開しており、土地、マンションの有効活用の企画・提案、外資系法人の転勤者向けの社宅仲介も行っております。

財形住宅貯蓄のデメリット

財形住宅貯蓄

様々なメリットを得られる財形住宅貯蓄ですが、場合によってはデメリットに感じてしまう場合もあります。
どういった部分に対してデメリットを感じてしまうのか、解説していきましょう。

・他の金融商品と比べて金利が低い
金融機関によって異なるものの、財形住宅貯蓄の金利は0.001~0.02%程度しかありません。
そのため、財形住宅貯蓄は他の金融商品と比べて金利が低い点はデメリットと言えます。

財形住宅貯蓄には非課税措置があるにも関わらず、そもそもの金利が低いため、あまり恩恵を受けられない可能性もあります。
例えば金利が0.02%だった場合、550万円を貯めた時につく利子は1,100円です。
1,100円が非課税の対象となりますが、非課税措置がなかった場合は課税率20.315%をかけるため、223円を課税することになります。
つまり、金利が低く受け取れる利子が少ないと、その分課税額が低くなり、せっかくの非課税措置でも恩恵が受けにくくなってしまうのです。

・金融商品によっては元本割れを起こすリスクもある
財形住宅貯蓄を運用する際に、金融商品によっては元本割れが生じるリスクについても考えておかなくてはなりません。
特に保険や投資信託などは、返礼率や商品の価格が変動する可能性もあります。

例えば10年後にマイホームを建てようと財形住宅貯蓄で投資信託を引き去りで積み立てていた場合、払い出しのタイミングで投資信託の価格が下落し、これまで積み立ててきた掛け金よりも受け取れる金額が減ってしまうため、元本割れとなってしまいます。
ただし、財形住宅貯蓄の運用先を預貯金や定期預金などにしておけば元本割れのリスクを回避できます。

金融商品の運用は勤務先の企業と提携する金融機関が実施することになるため、あらかじめ金融機関の運用情報などを確認し、財形住宅貯蓄を利用するか慎重に考えておきましょう。

・インフレに弱い
財形住宅貯蓄は他の金融商品に比べて金利が低い制度であることはご紹介しましたが、金利が低いことでインフレ構造に弱い点がデメリットとして挙げられます。
貨幣価値は常に変動しており、現在と10年後で貨幣価値を比べると異なる可能性が高いです。
特にインフレを起こしていると物価が上昇するため、現在は1万円で購入できたのに、1年後には11,000円出さないと買えなくなっているケースも少なくありません。
他の金融商品だと万が一元金の貨幣価値が現在より下がっていたとしても、利息分で賄える可能性があります。
しかし、財形住宅貯蓄になると金利が低い分、利息で貨幣価値が下がった分を賄うことが難しくなるため、インフレの影響で資産が目減りしてしまう可能性も考えられます。

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財形住宅貯蓄が向いている人・向いていない人

財形住宅貯蓄

財形住宅貯蓄にはメリット・デメリットがあるため、実際に制度を利用すべきかどうかは慎重に検討する必要があります。
もし上記の情報を把握した上で、財形住宅貯蓄を行うべきかどうか迷っている場合は、以下の特徴に当てはまるかどうかで考えてみましょう。

財形住宅貯蓄が向いている人

財形住宅貯蓄を活用することで、デメリットやリスクよりもメリットを得られる可能性が高いのは、以下の特徴に当てはまる人です。

・手間をかけずにお金を貯めたい人
お金を貯める基本として、先に決まった金額を貯蓄に回しておき、それ以外の金額でやりくりしていきます。
生活費を節約して残った分を貯蓄に回そうとすると、つい手元にあるお金を使ってしまい、結局貯蓄できなくなるケースもあるでしょう。
着実に貯蓄していくためにも、給与が振り込まれたらすぐに一定額を貯蓄用の口座に回しておく必要があります。
しかし、給与をわざわざ別の口座に移すのは手間もかかってしまいますし、場合によっては手数料がかかってしまう可能性もあります。
そこで利用したいのが財形住宅貯蓄です。
財形住宅貯蓄を利用すれば、毎月の貯蓄に回す手間を省くことができ、気付いたらお金が貯まっていたという状況を作れます。

積立がスタートすれば本人は特に何もしなくても住宅資金を貯められるので、着実にお金を貯めたい人におすすめです。

・目的を持って貯蓄していても使ってしまいそうで不安な人
住宅資金を貯めるという目的が明確になっていれば、わざわざ財形住宅貯蓄を活用しなくてもお金を貯められるでしょう。
しかし、目的を持って貯蓄していた場合でも、これまで貯金する習慣がなかった人にとっては「また使ってしまうかもしれない」と不安に感じてしまうかもしれません。
どうしても給与に手を付けてしまう可能性があると感じる人は、財形住宅貯蓄を活用して簡単に引き出せない状況を作っておくと良いでしょう。

・低金利で融資を受けたい人
財形住宅貯蓄は、将来的にマイホームの購入を検討している方にとって非常に役立つ制度です。
住宅購入用の資金を確実に貯められることはもちろん、残高10倍以内・上限4,000万円まで融資を受けられるようになります。
例えば住宅購入用の財形住宅貯蓄を活用して300万円貯まった場合、最高3,000万円まで融資を受けることが可能です。
この融資制度は一般的な住宅ローンに比べて金利が低い傾向にあるため、利用していない場合と比較して住宅購入にかかる総額費用を抑えられる場合もあります。

また、財形住宅貯蓄で着実に頭金を確保しておけば、その分住宅ローンの借入額も減り、返済負担を抑えることも可能です。

財形住宅貯蓄が向いていない人

財形住宅貯蓄が向いていないのは、以下の特徴に当てはまる人です。

・将来的に大きなリターンを求めている
財形住宅貯蓄が向いていない人は、将来的に大きなリターンを求めている人です。
上記でもご紹介してきたように、財形住宅貯蓄は金利が低い傾向にあります。
インフレにも強くないため、万が一払い出しするタイミングでインフレだった場合は、資産の目減りにつながってしまう恐れもあるでしょう。
そのため、投資と同様に大きなリターンを求めている人にとっては、財形住宅貯蓄は向いていません。
もしある程度のリターンを求めて資産形成を行いたい場合は、別の資産形成方法を検討してみましょう。

・iDeCoやNISAを活用した資産形成に抵抗がない
iDeCoやNISAには、財形住宅貯蓄以上に税制面での優遇措置が設けられています。

そのため、既にiDeCoやNISAを活用して資産形成している方だと、いくら財形住宅貯蓄に非課税措置があってもメリットを感じられない可能性が高いです。

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INA&Associates Inc.は、不動産、IT、投資などにおける専門性と技術を活かし、高級賃貸・売買・事業用不動産仲介を中心とする総合不動産会社です。
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資産形成で知っておきたい!マイホームの資産性とリスク

財形住宅貯蓄

財形住宅貯蓄を活用して住宅資金を貯め、将来的にマイホームの購入を考えている方は多いでしょう。
また、その中にはマイホームを購入することで資産が増やせると考える方もいるかもしれません。

家を購入する際の基準に「将来的に資産性が高い」ことを加味する方も多いです。
主に便利で住みやすいエリア・駅近・広すぎず狭すぎない空間・築20年前後のマンションは資産性が高いと言われることもあります。
多くの人にとって「欲しい」「住みたい」と思える家ほど、売却する際にも買い手がつきやすいため資産性が高いと言えます。
ただし、資産性ばかりに捉われてしまうと、自分や家族のライフスタイルに合わない家を購入してしまうことになるかもしれません。

また、例えば現状では治安の良い街だったとしても、将来治安が悪くなってどんどん地価が下落する可能性もあります。
そのため、マイホームを購入する際には「資産性」という言葉に踊らされないように注意しなくてはなりません。

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その他におすすめの資産形成方法

財形住宅貯蓄

財形住宅貯蓄以外にも、住宅資金を貯める方法はあります。
どのような方法で資産形成を行えば住宅資金を貯められるのか、解説していきましょう。

積立預金

積立預金とは、毎月決まった金額を預け入れ、目標金額まで積み立てていく預金を指します。
期間は特に決まっていないものから、20年以上と長期で積み立てていくものなど様々です。
金利は普通預金よりも若干高く、定期預金よりは少し低めになります。
満期を迎えるまで金利が変わらないことから、将来に備えてお金を堅実に貯めていきたい方におすすめの方法です。
また、目標金額に達成する前でも引き出すことができる商品も多く、臨機応変に使えるのもメリットです。

財形貯蓄制度にも似ているため、勤務先の企業が財形貯蓄制度を導入していなかった場合は、積立預金の活用を検討してみましょう。

定期預金

定期預金とは、あらかじめ指定した期間にお金を預け入れる預金を指します。
預け入れる期間は金融機関によって異なりますが、1ヶ月~10年などがあります。
金利は普通預金・積立預金と比較するとやや高めです。
固定金利と変動金利の2種類から選択できる場合も多く、金利上昇のタイミングで資産を増やすこともできます。
また、積立預金とは異なり、預入期間の満期になるまでは原則お金を引き出すことはできません。
中途解約・一部解約の手続きを行えば引き出せますが、普通預金と同じくらいの利息しか受け取れなくなってしまう可能性もあるため注意が必要です。

NISA

2014年からスタートしたNISAは、2024年から新たに制度内容が変更されました。
しかし、そもそもNISAがどのような制度なのか知らない方もいるでしょう。
NISAとは、投資で得た利益に対して税金がかからない制度を指します。

通常投資を行うと、得た収益に対して約20%の税金が発生する仕組みになっています。
例えば投資した結果、100万円分の利益になった場合、100万円×20%=20万円が課税されることになるため、実質的な利益は80万円になります。
しかし、NISAで運用すると収益に税金が発生しないことから、100万円を丸々受け取ることができるのです。

2023年末までは「一般NISA」と「つみたてNISA」に分かれており、それぞれ年間投資枠や非課税保有期間、非課税保有限度額などが異なっていました。
しかし、2024年の新NISAから「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つに分類され、年間投資枠の増加や非課税保有期間の恒久化がなされ、非課税での運用メリットが受けやすくなったのです。
また、以前は一般NISAとつみたてNISAの併用はできませんでしたが、新NISAのつみたて投資枠と成長投資枠は併用することが可能です。

保険

本来保険はケガや病気になった時の保障や亡くなった時の保障など、万が一に備えるものとして活用されていました。
しかし、保険には掛け捨てで利用できるものと、満期になると保険金が受け取れるものの2種類があり、掛け捨てではない保険は資産運用の役割も担っています。
例えば以下の保険商品は資産運用に向いていると言われています。

・終身保険
・低解約返戻金型終身保険
・学資保険
・養老保険
・個人年金保険
・外貨建て保険
・変額保険

資産形成に保険商品を活用すると、万が一ケガや病気などで働けなくなった時も保障が確保されているので安心です。
また、加入する保険商品の種類と1年間で支払った保険料額に合わせて生命保険料控除を受けられます。
12万円の上限額は設定されているものの、生命保険料控除を活用することで所得税・住民税の負担を軽減することも可能です。
ただし、資産形成に向けて保険商品を活用する場合、原則長期加入が必要になります。
また、掛け捨てよりも保険料は高めに設定されているので注意が必要です。

投資信託

投資信託とは、投資家から集めた資金を活用し、運用のプロ(ファンド)が株式や債券などで投資・運用する方法です。
株式や債券などを自分で運用するとなると、利益を上げるために勉強が必要となりますし、ある程度まとまった資金も用意しなくてはなりません。
しかし、投資信託を活用すれば少額からでも投資することが可能です。
運用もプロにお任せでき、分散投資も可能となるためリスクを抑えて投資できます。
ただし、投資信託だからといって必ず利益を得られるわけではありません。

基準価額が市場の動向によって変動してしまうため元本保証もなく、かえって資産が減ってしまうリスクもあります。
リスクの種類や大きさは投資信託ごとに異なるため、投資信託を行う前に必ずそれぞれのリスクも確認しておきましょう。

今回は財形住宅貯蓄の特徴やメリット・デメリット、その他の資産形成方法などについてご紹介してきました。
財形住宅貯蓄は、国と企業が連携して従業員の資産づくりをサポートしている制度です。
住宅資金を効率良く、着実に貯められるというメリットがあります。
つい貯金が貯まっていると他のことに使ってしまう人や、低金利で融資を受けたい人にはおすすめの方法です。
ただし、財形住宅貯蓄を活用する際には目的外での払い出しをすると非課税措置が受けられなかったり、他の金融商品と比べて金利が低かったりするなどのデメリットもあります。
これらのデメリットもきちんと踏まえた上で、財形住宅貯蓄を上手に活用していき、将来的に必要な住宅資金を貯めていきましょう。

INA&Associates Inc.

INA&Associates Inc.は、高い専門性とITを活用したサービスを提供しています。お客様一人ひとりに寄り添った独自の価値提供を追求しています。

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