不動産

賃貸物件の集合ポストは必要?防犯対策なども合わせて解説!

戸建て住宅の場合は、1軒ごとに個別の郵便受けが設けられていますが、賃貸物件では全世帯のポストを1ヶ所にまとめた集合ポストが設けられていることが多いです。
集合ポストは、配達員にとっては非常に便利なものですが、オーナーや住民から見た場合の利便性や安全性について知りたいという方もいるでしょう。
そこで今回は、そもそも集合ポストとは何か、集合ポストを設置するメリット・デメリットなどをご紹介するとともに、集合ポストの設置で予想されるトラブルや防犯対策についても解説していきます。
これから賃貸物件の経営を始める方や集合ポストの設置を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

Contents

そもそも集合ポストとは?

集合ポスト

まずは、主なポストの種類や集合ポストの特徴・目的などを理解した上で、賃貸物件における集合ポストの必要性について考えていきましょう。

代表的なポストの種類

郵便ポストは、以下の4タイプに分けられます。

・壁掛け式
壁掛け式は、外壁や門柱に直接取り付けるタイプのポストです。
前入れ前出しが基本で、昔から使われてきた最もスタンダードなポストと言えます。
デザインやカラーが豊富なので、建物に合わせてコーディネートできます。
郵便物の盗難防止対策として、ダイヤル錠やプッシュ錠などが付いた商品も発売されています。

・独立ポール式
独立ポール式は、地面に埋め込まれたポールにポストが取り付いているタイプのものです。
デザインやカラーが豊富で、住宅に合ったものを選びやすいところがメリットです。
最近では、機能ポールといってポストに表札やインターホンなどを組み合わせた商品も出てきています。

・埋め込み式
埋め込み式は、壁や塀、門柱などに埋め込むタイプのポストです。
そのため、設置する際は設計の打ち合わせ段階で、設置場所を決めておく必要があります。
外側から郵便物の差込み口のみが見えている口金タイプの商品がよく使われており、受け箱が壁や門柱の内側に付くため郵便物の盗難防止に効果的です。

・集合ポスト
上記の3タイプは、主に戸建ての住宅で利用されているポストであるのに対して、集合ポストはマンションやアパートといった集合住宅のエントランス付近に設置されています。
全世帯分のポストが1ヶ所にまとめられており、一つひとつに部屋番号が振られています。
居住者は外出や帰宅の折などに自分の部屋番号がついたポストを開き、郵便物を回収します。

賃貸物件で集合ポストを設置する理由

ご紹介したようにポストには主に4タイプあります。
その中でも、なぜ賃貸物件では集合ポストが設置されているのでしょうか?
その大きな理由のひとつが、配達員の負担を軽減させるためです。

集合住宅は戸建てと違って住宅数や階数が多いことから、各住宅まで行って届けるとなると配達人の負担が大きくなります。
そこで、郵便法の第43条第一項では、高層建築物に係る郵便受け箱の設置について次のように定めています。

“階数が三以上であり、かつ、その全部又は一部を住宅、事務所又は事業所の用に供する建築物で総務省令で定めるものには、総務省令の定めるところにより、その建築物の出入口又はその付近に郵便受箱を設置するものとする。”

つまり、3階以上のマンションやアパートでは、必ず集合ポストを設置しなければならないことが法律で義務付けられています。

集合ポストと玄関ポストの違い

マンションやアパートなどの賃貸物件に設置される郵便ポストには、集合ポストともう1つ、玄関ポストがあります。
玄関ポストとは、各世帯の玄関ドアに付いているタイプの郵便受けです。
集合ポストが設置されている賃貸物件では、郵便物は基本的に集合ポストの方に入れられますが、集合ポストが設置されていない場合は玄関ポストに入れられます。
玄関ポストは、集合ポストにはない危険性が潜んでいるため、防犯性を高めるためには玄関ポストの内側にボックスが付いているタイプにすることがおすすめです。

玄関ポストの内側にボックスが付いていないと、外から部屋を覗かれたり、玄関ポストと鍵の位置によっては外から玄関ポストに手を入れるだけで簡単に鍵を開けられてしまったりする危険性があります。
集合ポストがない場合は住民の安全を守るためにも、玄関ポストの防犯対策に気を遣うことが重要になります。

INA&Associates株式会社

INA&Associates Inc.は、不動産管理の専門性とIT技術を活かし、賃貸管理を中心とした総合不動産会社です。 東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、京都、兵庫において、賃貸管理、賃貸仲介、収益不動産の運用サポートをメイン事業として展開しており、オーナー様の資産価値向上を目的とした賃貸管理サービスを提供しています。また、空室対策、賃料査定、入居者対応の最適化に加え、法人社宅の仲介や不動産活用の提案も行っております。 AI技術を活用した精度の高い賃料査定により、市場に即した適正賃料をご提案。 まずは無料の賃料査定をお試しください。

集合ポストの鍵はどのタイプを選ぶべき?

集合ポスト

集合ポストには、郵便物の盗難を防止するために鍵を取り付けることが一般的です。
では、より防犯性を高めるためには、どのタイプの鍵を選んだら良いのでしょうか?
ここでは、集合ポストに利用される主な鍵の種類と、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。

ダイヤル錠

ダイヤル錠は、暗証番号によって施錠・開錠を行うタイプの鍵で、金庫にもよく使用されています。
開錠するには、まずダイヤルを右左どちらかに1回転以上させてから数字を印に合わせます。
次に、暗証番号の通りに順番に合わせていけば開錠します。
反対に、施錠する際は扉を閉めてダイヤルを左右どちらかに1回転以上回します。
基本的にダイヤル錠の暗証番号は、1回設定すると変更できません。
ダイヤル錠のメリットは、開けるための鍵を持ち歩かなくて良いため、鍵を紛失する心配がないことです。

電源が不要なので、電池切れや基盤故障などのトラブルが起きることもありません。
デメリットは、暗証番号や回転方向を覚えておく必要があることです。

少しでも番号がずれていると開かないこともあり、コツを掴むまでにやや時間がかかります。
また、暗所番号を知っていれば誰にでも開けられるため、他人に推測されにくい暗証番号を設定するなどの工夫が必要です。

プッシュ錠

プッシュ錠は、数字の付いたボタンがすべて飛び出ている状態から、暗証番号に設定した数字のボタンを押すことで開錠するプッシュボタン式の鍵です。
扉を閉めると自動で施錠されます。
ダイヤル錠と同様、基本的に一度設定した暗証番号は変更できません。
プッシュ錠のメリットは、鍵を持ち歩く必要がなくボタン式のため操作が簡単なことです。

数字の桁数が多いタイプの商品を選べば、防犯性を高めることも可能です。
デメリットは、暗証番号を覚えておく必要があることと、テンキー式や電池式などの場合は、電池切れに注意しなければならないことです。

また、暗証番号を入力する際の手元の動きから、第三者に暗証番号を知られてしまう恐れもあります。

可変ダイヤル錠・可変プッシュ錠

通常、ダイヤル錠やプッシュ錠は、一度設定した暗証番号を変更することはできません。
しかし、可変ダイヤル錠や可変プッシュ錠であれば、暗証番号を何度でも変更可能です。
開錠・施錠の方法は、ダイヤル錠やプッシュ錠と同じです。
可変ダイヤル錠・可変プッシュ錠のメリットは、入居者の入れ替わりに合わせて暗証番号を変更できることです。

デメリットは、変更を繰り返すことによって、暗証番号がわからなくなる可能性があることです。
防犯の観点から開錠方法は公開されていないことが多いため万が一、暗証番号を忘れた場合はメーカーへの問い合わせが必要になります。

シリンダー錠

シリンダー錠は、鍵穴に専用の鍵を差し込んで施錠・解錠を行います。
最もスタンダードなカギのひとつで、住宅の玄関や部屋のドアノブにも良く使用されています。
シリンダー錠のメリットは、比較的安価な商品が多いことと、操作が簡単なことです。

鍵に裏表がないタイプであれば、子どもからお年寄りまで誰でも簡単に施錠・開錠ができます。
デメリットは、開けるための鍵を持ち歩く必要があるため、紛失の恐れがあることです。

また、鍵穴に特殊な器具を差し込んで無理やり開錠するピッキングの被害に遭いやすいため、できるだけ防犯性の高い最新式の商品を使用することがおすすめです。

ラッチ錠

ラッチ錠とは、スプリングの力で上下する金具のことを指し、ドアや扉に取り付けて使用します。
ラッチ錠自体に施錠機能や防犯性はなく、南京錠と組み合わせて使うことで初めて施錠機能と防犯性が得られます。

ツマミをOPEN方向へ回転させた状態で引くと扉が開き、ツマミをCLOSE方向に回転させると施錠されます。
ラッチ錠のメリットは、使い勝手に合わせて各自が選んだ鍵で施錠できることによって、他人と異なる鍵を使用できるため、間違えて開けられる恐れが減ります。
デメリットは、別途市販の錠前を購入する必要があることです。

最近の集合ポストではダイヤル式やプッシュ式の鍵が主流になっており、南京錠を使用しているケースは少なくなってきています。
設置や交換、管理のしやすさ、鍵の紛失時の対応、防犯性など、様々なことを考慮した上で最適なものを選ぶようにしましょう。

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INA&Associates Inc.は、不動産管理の専門性とIT技術を活かし、賃貸管理を中心とした総合不動産会社です。 東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、京都、兵庫において、賃貸管理、賃貸仲介、収益不動産の運用サポートをメイン事業として展開しており、オーナー様の資産価値向上を目的とした賃貸管理サービスを提供しています。また、空室対策、賃料査定、入居者対応の最適化に加え、法人社宅の仲介や不動産活用の提案も行っております。 AI技術を活用した精度の高い賃料査定により、市場に即した適正賃料をご提案。 まずは無料の賃料査定をお試しください。

集合ポストを設置するメリット

集合ポスト

郵便法によって3階以上の賃貸物件では、集合ポストを設置することが義務付けられていますが、それ以外のアパートだと集合ポストを設置しているところもあれば、部屋ごとにポストを設置しているところもあります。
ここからは、集合ポストを設置するメリット・デメリットをご紹介していくので、設置しようか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

配達員の負担が軽減する

1つ目のメリットは、配達員の負担が軽減することです。
集合ポストがない場合は、配達員が各部屋に郵便物を配達しなければならないため、非常に手間がかかります。
しかし、集合ポストがあれば1ヶ所で、それぞれの部屋番号が付いたポストに入れるだけで済むので短時間で配達が完了します。
部屋数や階数が多い賃貸物件ほど、配達員の負担を大きく減らせるでしょう。
なお、集合ポストがある場合は日本郵政の規約で、3階以上への配達は行わないことになっているようです。

防犯性が向上する

2つ目のメリットは、防犯性が向上することです。
集合ポストがない賃貸物件では、配達員が各部屋に個別に配達するために建物の中に入らなければなりません。
正式な配達員が中に入るのであれば問題ありませんが、配達員を装った不審者が侵入してくる可能性もあります。
見た目だけで正式な配達員かどうかを見極めることは難しいため、建物の内部に入れるのは住民と関係者のみに制限する目的でも、集合ポストの設置が役立ちます。

設置費用が安い

3つ目のメリットは、設置費用が安いことです。
ポストの種類にもよりますが、4戸用の集合ポストで2万~4万円程度が相場となっています。
業者に設置を依頼する場合は別途設置料が発生しますが、一度設置してしまえば特にメンテナンスが必要なものでもないため、費用対効果が高い設備です。

宅配ボックスと一体化できる

4つ目のメリットは、宅配ボックスと一体化できることです。
宅配ボックスがあることは、仕事で日中不在の人やネット通販を多く利用する人にとって、物件選びの際に重要なポイントとなります。

宅配ボックスと一体になった商品の中には、屋外設置が可能で郵便ポスト4戸に宅配ボックスが2個付いた小型のタイプもあります。
集合ポストを導入する際は、宅配ボックスと一体化しているものを選ぶことで他の物件と差別化を図れます。

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集合ポストを設置するデメリット

集合ポスト

集合ポストの設置には、メリットだけでなく以下のような3つのデメリットもあります。

郵便物を取りに行くのに手間がかかる

1つ目のデメリットは、住民側からすると郵便物をエントランスまで取りに行く手間が発生することです。
普段から外出の頻度が高く、その度にポストを確認する習慣がある人であればあまり問題にはなりませんが、外出の機会が少ない人にとっては、わざわざ郵便物を確認するためだけに集合ポストまで行かなくてはなりません。

配達員にとっては負担軽減になる一方で、住民によっては郵便物を取りに行く手を負担に感じる人もいます。

ポスティングが増える

2つ目のデメリットは、ポスティングが増えることです。
集合ポストを設置している賃貸物件でポスティングが多い理由は、多くの世帯に効率よくチラシを配れるからです。

ポスティング禁止と書いた貼り紙で対応することもできますが、それでもチラシが入れられることがあります。
不要なチラシが入れられることに対して、不快感を抱く住民も出てくるかもしれません。

郵便物の盗難に気付きにくい

3つ目のデメリットは、部屋から離れた位置にあるため、郵便物の盗難に気付きにくいということです。
特に単身者向けの賃貸物件では、住民同士の交流が少なくお互いの顔を知らないことも多いです
そのため、不審者がポストを漁っていたとしても、住民であるかのように挨拶をされると怪しまれない可能性が高いです。

部屋から離れていること、多くのポストをまとめて確認できること、怪しまれにくいことなどの理由から、賃貸物件の集合ポストは犯罪者から狙われやすい傾向にあります。

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集合ポストの設置で起こり得るトラブル

集合ポスト

集合ポストは郵便配達員の負担を下げ、不在の際でも郵便物を手にできるメリットがある反面、防犯対策などを怠るとトラブルにつながるリスクがあります。
ここでは、集合ポストの設置で起こり得るトラブルについてご紹介しましょう。

DM、チラシ、など不要な広告物でポストがあふれる

集合ポストを設置している場合、ポストに自由に投函が可能なため、チラシやDMなどがポストに入れられやすいです。
場所によっては郵便物の他に毎日大量のチラシが投函され、ポストが郵便物と広告物でいっぱいになってしまう場合もあります。
大量の広告物を処分する中で、必要な郵便物を見落として一緒に捨ててしまうリスクも出てくるでしょう。
また、チラシやDMが頻繁に入れられない集合ボックスでも、不要な広告でポストがいっぱいになっているケースもあります。
これは、入居者側がポストを確認せず郵便物を放置していることが原因です。
主に単身者専用の集合住宅で多く見られる傾向にあります。
溜まった郵便物やチラシがポストからあふれると、その他の住民の迷惑になるだけでなく、個人情報流出のリスクが上がります。
あまりにも利用状況が酷い場合は、大家さん側で対処しなければならなくなるでしょう。
まずは、ポストの郵便物を放置する入居者に対して、ポストを片付けるよう連絡します。
それでも片づけない場合は管理会社または大家さんが入居者に警告した上で、ポストの片づけをすることになるでしょう。
他人宛の郵便物は勝手に中身を確認したり、処分したりすることはできません。
大量の郵便物の中から明らかに不要と思われるものだけを処分していく作業なので、かなりの労力が必要となるでしょう。

集合ポストを勝手に塞いでしまう

続いて起こり得るトラブルとして、入居者側が勝手に集合ポストを塞いでしまうケースが挙げられるでしょう。
ポストの投函口をガムテープなどで塞ぎ、チラシや郵便物を入れられないようにする行為です。
これは、建物入り口付近に集合ポストが設置され、かつ自室にドアポストがついている物件の場合に起こりやすいトラブルです。
ポストの投函口を塞いでしまえば、先ほど紹介した大量のチラシを受け取らずに済みます。
そして、自分にとって必要な郵便物だけが、自室のポストに投函されるのでわざわざ集合ポストから郵便物を取り出す必要がなくなるのです。
このポストの投函口を塞ぐ行為は、3階や4階といった上階の入居者が行うケースが多いです。
チラシの問題もありますが、階下まで郵便物を取りに行くのが面倒なのが主な原因なのかもしれません。
また、入居者の1人がポストを塞ぐとその他の入居者にも波及するため、注意が必要です。
ポストを塞がれた場合、郵便配達員は階段を上がり、各部屋まで郵便物を届けなければならなくなります。

また、剥がしやすい養生テープやマスキングテープなどではなく、ガムテープなどで塞がれてしまうと、後々綺麗に剥がすことができず、集合ポストを傷めてしまいます。

犯罪被害のリスク

集合住宅で建物入り口付近に集合ポストがある場合、誰でも自由にポスト付近まで近寄ることができます。
ポストと部屋に距離があるため、部外者がポストを物色していても気づきにくいでしょう。
また、住民と部外者を見分けることも難しいため、住民を装って郵便物を盗られる被害も珍しくありません。

郵便物や宅配物には、個人情報なども含まれているため、以下のような犯罪被害に巻き込まれるリスクがあります。

郵便物の盗難から個人情報が流出してしまう

書留や大きな宅配便でない場合、郵便物や宅配物はポストに投函されます。
郵便物には、宛名だけでなく、住所、生年月日、電話番号、メールアドレスなど大切な個人情報が記載されているケースも多いです。
郵便物を狙う犯人は、商品ではなく、個人情報を狙っている可能性も高いので注意しましょう。

個人情報を悪用すれば、住民になりすますこともでき、二次的な犯罪も可能となります。
個人情報が詳しく記載された郵便物をもとに免許書や保険証などが偽造され、偽造された身分証明書を利用し、銀行口座の開設や偽造のクレジットカードが作成されてしまう場合もあります。
手に入れた情報を元に、本人確認が必要なクレジットカードの受取や高額の商品受け取りなどを勝手に行う被害も出ています。

購入した商品が盗まれる

コロナの影響やスマートフォンが普及したこともあり、オンラインで商品を購入する機会も増えました。
購入する商品によっては、印鑑を必要とせず、ポストに投函される場合もあるでしょう。
また、対面受け取りを希望しない場合やポストに入らない商品などの場合、配達業者によっては、置き配を依頼することができます。
直接入居者が集合ボックスから荷物を受け取ることができれば問題ありませんが、入居者が受け取る前に窃盗被害に遭うケースも増えているので注意が必要です。

空き巣が留守確認に利用しているケースも

集合ポストの利用状況によって、空き巣被害につながるリスクがあります。
空き巣は、狙っている建物の住民の在宅状況や留守かどうかを何度もチェックしています。
その際、ポストの中を確認し、郵便物の日付や新聞の溜まり具合などから住民の在宅状況を把握することが可能です。

テレビやニュースで空き巣犯が犯罪の手口として利用する「マーキング」についてご存じでしょうか?
ポストの情報から家族の有無、留守になる時間帯や曜日などを数字やアルファベットなどを用いてポストにマークする行為です。
このマーキングは自分用の記録として残しているだけではなく、空き巣仲間と共用している場合もあります。
郵便物が溜まっていたり、留守だとわかるような情報があったりすれば、空き巣に狙われやすくなるので注意しましょう。

嫌がらせの被害

集合ポストを利用して、ゴミや汚物を投げ込まれるようなイタズラや嫌がらせを受ける可能性もあります。
このようなトラブルは、入居者同士の隣人トラブルやストーカー被害が原因の場合が多いです。
対策をせず放置しているとポスト周りや玄関が汚れ、他の住民にも被害が及んでしまうでしょう。

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防犯対策も怠ってはいけない!

集合ポスト

このように、集合ポストを設置することで、思わぬトラブルに発展するケースも増えています。
入居者が賃貸物件を選ぶ際、セキュリティがしっかりした物件を条件に挙げる方は多いです。
そのため、郵便物や個人情報、入居者のプライバシーを守れるような防犯対策が必要になってくるでしょう。
ここでは、集合ポストの防犯性を高めるポイントと防犯対策について紹介します。

集合ポストの防犯性を高める3つのポイントとは?

入居者により快適に安心して集合ポストを利用してもらうためには、集合ポストの防犯性を高める必要があります。
押さえておきたい3つのポイントは以下のとおりです。

屋内に集合ポストを設置する

集合ポストを屋内に設置するか、屋外に設置するかは防犯上大きな差が出ます。
建物の中に集合ボックスを設置した場合、建物や入居者に関係ない部外者は簡単に近づけません。
しかし、屋外に集合ポストを設置した場合は、誰でも自由にポストに近づけるため、監視の目も届きにくくなるでしょう。
とりわけ集合ポストの場合は、部外者がポスト周りにいても、入居者は特に意識せず、怪しい人物だとは感じないでしょう。
犯罪者にとっても身動きが自由に取れるため、怪しまれずに犯行が可能です。
一方、建物内に集合ボックスを設置した場合、入居者か、その建物に用がある限られた人しか近づけません。
犯罪者にとって目立ちやすく、いつ誰に見られているかわからない状況のため、そう簡単に手が出せなくなるでしょう。
防犯性を高めるためには、部外者が近寄れないように屋内に設置し、人の目に触れやすい場所にポストを設置するのがポイントとなります。

集合ポストに鍵を付ける

鍵を付けていない集合ポストも多いですが、防犯性を意識するなら鍵付きの集合ポストを設置しましょう。
一般的に集合ポストの設置には、ダイヤルロックがつけられたポストが多く利用されます。
入居者にとって郵便物の確認で毎日開け閉めが必要なポストに鍵を付けるのは手間になるかもしれません。
しかし、鍵が付いていれば勝手にポスト内を物色されて中身を見られたり、盗まれたりする心配が減り、犯罪被害に遭う確率が下がります。
ポストを狙う犯罪者にとって、鍵つきのポストは中を簡単に物色することができず、時間もかかるため、避けられる傾向にあるからです。

鍵の付いていないポストからダイヤルロック付きにする場合は、新しくポストを導入する必要があります。
新たに設置が難しい場合は、後付けが可能な南京錠などを取り付けて対応すると良いでしょう。

防犯カメラを設置する

集合ポストが映る範囲や玄関に防犯カメラを設置することで、セキュリティを高めることが可能です。
防犯カメラを設置していれば、部外者かどうかの確認も難しくありません。

入居者や郵便配達員以外で、頻繁に現れる部外者の場合、そこに住む入居者の情報が狙われている可能性もあります。
カメラの設置場所は、ポスト前で何をしようとしているのかわかる位置にしましょう。
不審な動きを記録することで、未然に犯罪を防げる可能性が高くなります。

集合ポストの防犯対策として行いたいこと

集合ポストを悪用した犯罪被害に遭わないためには、日頃から防犯対策をしておくことが重要です。
ここでは、トラブルを未然に防ぐ4つの防犯対策についてご紹介します。

ポストに鍵(南京錠)を取り付ける

集合ボックスに鍵がついていない場合は、後付けできる鍵を必ず付けるようにしましょう。
南京錠など、簡単に設置できる鍵がホームセンターで手に入ります。
鍵を選ぶ際には、工具で簡単に破壊されないようなある程度しっかりした鍵を選びましょう。

ターゲットにされている場合、手段を選ばずポストをこじ開けられる可能性があるからです。
南京錠であれば、退去でまた新たに鍵が必要になったとしても、一つひとつが高価なものではないので取り入れやすいです。
南京錠は、暗証番号を揃えて開けるタイプと鍵を差し込んで開ける2タイプがあります。
暗唱番号を揃える南京錠であれば、鍵を用意しなくて済むため、ポストの開閉がスムーズに行えるでしょう。
しかし、番号を忘れた場合はポストが開けられなくなるため、鍵を工具などで壊さなければなりません。
一方、鍵を差し込むタイプであれば、鍵を紛失してもスペアキーがあれば対応可能です。
しかし、毎回カバンの中からポストの鍵を探すのは手間と時間がかかるので、どちらが使いやすいか考えて選ぶ必要があるでしょう。

必ず鍵をかけるようにする

鍵をかけるのは当たり前と思う方は多いかもしれません。
しかし、鍵をかけずにポストを利用する方も実際には多いです。
主な理由としては、鍵の開け閉めが面倒だと感じる方が多いからでしょう。
そして、他の入居者が他人のポストを開けることなんてないだろう、と考える方もいるからです。
住んでいる建物がオートロックだったとしても、郵便物の盗難を他人事だと思うのは危険です。

ストーカーが同じ物件に住んでいたり、隣人トラブルで被害に遭ったりするケースもあるからです。
大切な個人情報を抜き取られないためにも、油断せずポストの鍵は必ず閉めるようにしましょう。
また、暗証番号の場合、ゾロ目や簡単に開けられるようなわかりやすい数字は避けましょう。

ダイヤル式の場合は防犯性を高めるために、定期的に暗証番号を変えておくと安心です。

ポストに目隠しをする

ポストの中の目隠しと盗難防止のために、目隠しガードを取り付けることもおすすめします。
これは、ポストの隙間となっている投函口に目隠し用のガードを取り付ける方法です。
投函口から中が見えなければ郵便物や宛名も見えにくくなり、不必要に覗かれる心配がありません。
また、目隠しガードを取り付けることにより、隙間から郵便物が抜き取りにくくなる効果も期待できます。

郵便物はこまめに取り出す

ポストに入れられる郵便物をこまめに取り出すことも立派な防犯対策の1つです。
なぜなら、犯罪者にとって郵便物や不要な広告物がたまっているポストは、だらしない印象を与え、防犯意識が低いと判断されやすいからです。
そして、郵便物があふれた状態であれば、何を盗まれたのか気付きにくく、対応が遅くなる可能性も高くなります。
また、溜まった郵便物から家を留守にしていると判断され、空き巣のターゲットとして狙われるリスクも出てくるでしょう。
そのため、日頃から郵便物はこまめに取り出し、ポストは空けておくようにすることが重要です。
また、旅行など長期で留守にする場合は、信頼できる人に郵便物やチラシを片付けてもらい、新聞の配達も一時取りやめるなどの対策を取りましょう。

まとめ

今回は、集合ポストを設置する必要性や設置した場合の防犯対策についてご紹介しました。
集合ポストの設置はメリットも多いですが、使い方によってはトラブルや犯罪リスクにつながる場合もあります。
近年は住民同士の交流が限られ、入居者の顔をお互い知らないケースも多く、住民を装った犯行も増えているので注意が必要です。
犯罪者にとって集合ポストは一度に多くのポストをチェックでき、部屋から離れた位置に設置されているため、犯罪に利用されやすい傾向があります。
また、入居者の勝手な使用方法で対処に困る大家さんも増えているので、注意しておきましょう。
この記事を参考に、集合ポストの使用方法や防犯対策などを確認し、入居者が快適に利用できる場所を提供できるようにしましょう。

INA&Associates Inc.

INA&Associates Inc.は、高い専門性とITを活用したサービスを提供しています。お客様一人ひとりに寄り添った独自の価値提供を追求しています。

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