不動産管理の仕事は、単なる物件の維持管理にとどまらない、人と社会をつなぐ大きな可能性を秘めた領域です。今回は、不動産管理業務が持つ本質的な魅力と、これからの時代における不動産管理のあるべき姿について私の考えをお伝えします。
人と人をつなぐ信頼関係の構築
不動産管理の本質は、「物件」ではなく「人」を管理することにあります。オーナー様と入居者様、そして管理会社の三者が互いに信頼関係を築くことで初めて、良質な住環境が維持されるのです。
私がINAを創業した原点には、「頑張っている人がきちんと報われるプラットフォームを作ろう」という強い想いがありました。不動産業界には多重下請け構造が根強く存在し、現場で懸命に働く人々がその貢献や努力を正当に評価されにくい状況があったからです。
不動産管理の現場において、管理会社とオーナー様との関係は単なる業務委託ではなく、パートナーであるべきです。透明性の高い情報提供、誠実なコミュニケーション、責任ある行動を徹底することで、お客様との強固な信頼関係を構築できます。この信頼こそが、不動産管理業務の基盤となるのです。
人生の価値を高める伴走者としての役割
不動産管理の仕事は、お客様の人生に寄り添い、価値をもたらす良きパートナーとなる機会に満ちています。オーナー様にとって不動産は単なる資産ではなく、人生設計の重要な一部です。入居者様にとっては、日々の暮らしの基盤となる大切な空間です。
私たちは単に物件を管理するだけでなく、お客様の人生における重要な決断や日常生活をサポートする伴走者としての役割を担っています。オーナー様の資産価値を最大化し、入居者様の快適な生活環境を維持することで、双方の人生に価値をもたらすことができるのです。この「人生の価値向上」に貢献できることが、不動産管理の大きな魅力の一つです。
テクノロジーがもたらす新たな価値創造

現代の不動産管理には、テクノロジーを活用した革新的なアプローチが不可欠です。私たちINAは「テックドリブン型の人財投資企業」として、最新のテクノロジーを積極的に導入し、効率的かつ透明性の高いサービスを提供しています。
情報の非対称性を解消する透明性の実現
不動産賃貸管理の分野は、業界の中でも情報の非対称性が激しい事業分野であると感じてきました。多くのオーナー様が「管理費用が高い」「賃料振込までのタイムラグがある」「空室が改善されない」といった課題を抱えておられます。
これらの課題を解決するために、私たちは電子契約の導入や24時間コールセンターの設置など、テクノロジーを活用した透明性の高いサービスを構築しました。管理報告書や清掃写真なども独自システムを通じてオーナー様に共有することで、従来のブラックボックスだった管理業務の透明化を実現しています。
この透明性が、オーナー様と管理会社の間の信頼関係を強化し、より良い不動産経営の基盤となるのです。テクノロジーの力で業界の古い慣習を変革し、新たな価値を創造できることが、不動産管理の現代的な魅力と言えるでしょう。
「人財」の力を引き出す環境づくり
私は企業が持つ最も価値ある資産は「人財」であると確信しています。社員一人ひとりの能力、情熱、成長こそが企業の競争力を生み出し、社会に対して真の価値を提供できると考えています。
多様性がもたらす創造性と革新
不動産管理の現場では、多様なバックグラウンドを持つ「人財」が活躍することで、新たな価値が生まれます。建築士や施工管理出身のスタッフ、外国語に堪能なスタッフなど、それぞれが独自の強みを持ち寄ることで、お客様に対してより深いサービスが提供できるのです。
採用において国籍・性別・年齢を問わず優秀な人材を登用し、組織内に異なる視点を持ち込むことでイノベーションが促進されます。不動産管理においても、この多様性が新しいサービスモデルや問題解決方法を生み出す原動力となっています。
さらに、働き方の柔軟性を高め、副業やリモートワークを許容することで、多彩な人材が能力を発揮し続けられる環境を整えることも重要です。この人材の多様性こそが、これからの時代の不動産管理に不可欠な要素なのです。
オーナーと入居者双方の課題解決による価値創出
不動産管理の醍醐味は、オーナー様と入居者様双方の課題を同時に解決することで、新たな価値を創出できる点にあります。
オーナーの資産価値最大化と入居者満足度向上の両立
私たちが2021年7月から本格参入した賃貸管理事業では、オーナー様の課題に真摯に向き合い、1区画あたり月額固定1,100円という画期的な料金体系を導入しました。これは従来の賃料に対する定率制(3〜5%)とは一線を画す、革新的なモデルです。
こうした新しい管理モデルは、オーナー様の収益性向上に貢献するだけでなく、入居者様への迅速な対応や快適な住環境の維持にもつながります。入居者の募集から管理業務、トラブル対応に至るまで、全プロセスにおいてお客様の負担を最小限に抑え、高い入居率と収益性の向上を実現することが可能なのです。
この「Win-Win-Win」の関係構築こそが、不動産管理の真の魅力であり、社会的価値を創出する源泉となります。
持続可能な社会への貢献
不動産管理は、持続可能な社会づくりに大きく貢献できる仕事です。適切な管理によって建物の寿命を延ばし、資源の有効活用を促進することができます。また、地域コミュニティの活性化にも寄与する重要な役割を担っています。
社会課題の解決と企業としての成長の両立
私たちは単なる企業利益の追求を超え、社会にとって価値ある企業であり続ける必要があります。不動産管理を通じて、住環境の向上、資産価値の維持・向上、地域社会の発展に貢献することで、社会課題の解決と企業としての成長を両立させることができるのです。
「世界No.1の人財投資カンパニーを目指す」という私たちのビジョンは、不動産管理においても追求すべき目標です。人財育成において世界でもトップレベルの企業となり、社員、パートナー企業、お客様を含む全てのステークホルダーが共に成長し豊かになれる環境を整えることが、私たちの使命なのです。
結論:人と社会をつなぐ価値創造の仕事
不動産管理の仕事は、単なる物件の維持管理にとどまらず、人と社会をつなぎ、新たな価値を創造する可能性に満ちています。「人財」と「信頼」を軸に、テクノロジーを活用した透明性の高いサービスを提供することで、オーナー様と入居者様双方の満足度を高め、社会全体の価値向上に貢献できるのです。
私は「頑張る人が正当に評価される社会を創る」という創業理念のもと、不動産管理を通じて、より良い社会づくりに貢献していきたいと考えています。人の可能性を最大限に引き出し、一人ひとりが輝ける社会の実現に向けて、これからも挑戦を続けていきます。
不動産管理には、人と建物、そして社会をつなぐ架け橋としての無限の可能性があります。この可能性に共感し、共に歩んでいただける方々との出会いを、心より楽しみにしています。
