INAは、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)に基づいた強固な企業文化を大切にしています。
特に「企業の最も重要な資産は人財である」という揺るぎない信念のもと、社員の採用・育成に注力し、持続可能な企業価値の創造に挑戦し続けています。
INAが掲げるビジョンは「世界No.1の人財投資カンパニー」であり、この言葉には「人は財産である」という考えが込められています。つまり、社員を単なる労働力ではなく企業の成長を担う「INAチーム」の一員=かけがえのない“人財”と位置づけているのです。では、この理念に基づいたINAチームを作り上げるために何が必要なのでしょうか。
本記事では、企業文化の維持と組織の進化のバランスを軸に、改めて自分の考えを整理します。
ミッション・ビジョン・バリューに合わない人材の健全な新陳代謝
組織が成長する過程では、企業理念や価値観に合わない人材が一定程度入れ替わることは自然な現象です。
かつては「社員の離職は会社の欠陥の表れ」と考えられがちでしたが、実際には企業文化を健全に保つために必要なこともあります。例えば米国のある企業経営者は、「価値観にそぐわない人物をチームに残しておくと文化を誤った方向に導き、最悪の場合は職場環境が有害になりかねない」と指摘しています。
そのため、組織として大切な価値観を守るためには時に苦渋の決断として人員の入れ替えが避けられません。
ビジョナリーカンパニーを目指すには考え方を転換し、離職や人材の入れ替わりをチームと価値観に導かれた「自然なプロセス」として受け入れるようになるしかありません。
要するに、会社のミッション・ビジョン・バリューに真に共感しない人が去り、代わりに共感する人が加わるのは、組織が健全に成長するうえで必然ともいえる新陳代謝なのです。本人にとっても、自分の志向に合った場所へ移る方が幸福でしょうし、会社にとっても理念を共有できる人材を迎える機会となります。このように適切な人材の入れ替わりを受け入れることで、INAは創業当初からの理念に沿った企業文化を守り続けることができるのです。
理念を共有する人材の採用と「INAチーム」構築
組織の成長において最も重要なのは、「誰と共に働くか」です。経営学者のジム・コリンズも「偉大な企業を築くリーダーは、まず最初に正しい人財をバスに乗せ(そして不適切な人財をバスから降ろし)、その後に行き先を決める」と述べています。方向性(戦略)より先に人を優先することで、どんな環境変化にも適応できる強いチームを作れるからです。裏を返せば、誤った人材を抱えたままではどれほど優れた戦略があっても偉大な会社にはなれないということです。
INAにおいても、この「人ありき」の考え方は採用戦略に色濃く反映されています。新たに仲間に迎える人材を選ぶ際、単にスキルや経験だけを見るのではなく、INAの理念・ビジョンへの共感や誠実さ、そして成長意欲を特に重視しているのです。
経営理念に共感し、自らの役割を理解して主体的に挑戦できる人こそが真に企業価値を高めてくれる――
そう信じているからこそ、INAでは「事業を通じて関わるすべての方の幸せを実現する」というビジョンを体現できる人材を採用基準に据えています。このようにして集まったメンバーは、まさにINAの理念を体現するドリームチームの原石と言えます。
しかし、理念を共有する人材を集めるだけで終わりではありません。集まった人財をいかに育成し、活躍してもらうかも重要です。INAでは社員一人ひとりが現状に満足せず失敗を恐れずに新たな挑戦を続けられるよう、キャリア面談やメンター制度の導入、社外セミナー受講支援、資格取得奨励など多面的な研修プログラムを整備しています。社内プロジェクトへのジョブローテーションや最新IT技術に関する勉強会の開催など、常に学び成長できる機会を提供し、社員が停滞せずに成長へ挑める風土を醸成しているのです。このような人材育成への積極的な投資と環境整備は、企業が長期的に成功するために欠かせないとINAは考え、実践し続けています。
時間やコストをかけてでも理念に合った人材を採用・育成することが、将来的に計り知れないリターン(高い業績や顧客からの信頼)をもたらす「攻めの投資」だと言えるでしょう。
企業文化を守りつつ組織を進化させる
理念を共有する優秀な人財が揃ったら、それで終わりではありません。現代のビジネス環境は常に変化しており、組織も進化し続ける必要があります。
ここでポイントとなるのが、企業文化(コア・バリュー)を守りつつ変化に適応するというバランスです。著名な経営研究者の指摘によれば、永続的に強い組織はこの両面を併せ持つ「動的な二面性」を示すと言います。すなわち、時を超えて不変の核心となる価値観や目的を堅持する一方で、変革や革新といった絶え間ない進歩への推進力も持ち合わせているのです。強い組織は自社の「変えてはいけないもの」(中核的価値観)は何かを明確にし、それ以外の戦略や慣行、働き方は柔軟に変化させて環境に適応していきます。
INAもまさにこの点を意識し、企業文化の維持と組織の進化の両立に取り組んでいます。創業以来のミッション・ビジョン・バリューという軸(コア)はぶれることなく守り続けながらも、現状に甘んじることなく常に「次の成長」を見据えて挑戦を続けているのです。例えば最新テクノロジーの活用や新規事業領域への展開など変化を受け入れる一方で、それらはすべて「世界No.1の人財投資カンパニー」として社会に価値を提供し続けるというビジョンに沿って推進されています。全社員が共通の理念という羅針盤を持っているからこそ、新たな取り組みや組織変革を行う際も迷いがありません。企業文化という土台がしっかりしていれば、組織は進化の過程でも一貫性を失わずに済むのです。これは言い換えれば、文化を軸に進化する強い組織とも表現できるでしょう。INAはこの強みを活かし、社員が最大限に能力を発揮できる環境を整えながら、変化する市場ニーズに応え続けています。
顧客への最適な価値提供を実現するために
企業文化を守りつつ組織を進化させ、理念を体現する人財を揃える究極の目的は、顧客に対して最適な価値提供を行うことです。社員が会社の理念に心から共感し、やりがいを持って働いている組織ほど、顧客志向のサービス精神に溢れています。
社員が自社の価値観を体現し意欲的に働けば、その熱意は自然と顧客への対応にも表れ、質の高いサービスやきめ細かなサポートにつながるからです。従業員満足と顧客満足の間にはこのような密接な相関関係があり、良いチームづくりは良い顧客体験につながるのです。
INAも、「社員の成長なくして企業の成長なし」という言葉通り、社員一人ひとりの成長こそが顧客への提供価値を高め業績向上の原動力になることを実感しています。育
成した人財が力を発揮することで業務効率やサービス品質が向上し、それが顧客満足度の向上や企業の収益性アップといった形で会社の価値向上につながっています。
特にINAの主力分野である不動産ビジネスでは、一見「物件」というモノを扱っているように見えても、その本質はお客様との信頼関係やコミュニケーションといった人間的要素にあります。デジタル化が進む現代においても、人と人との信頼にもとづく丁寧で柔軟な対応は不可欠であり、だからこそINAでは優れた人財が真摯にお客様と向き合うことを何より重視しています。
その結果、入居者様やオーナー様(顧客)の満足度が高まり、空室率の低減や資産価値の維持・向上といった具体的な成果にも大きく寄与しています。このように、理念を共有する最高のチームがあるからこそ、顧客にとって最適な価値提供が実現できているのです。
おわりに
「INAチームを作るために必要なこと」は、一言でまとめれば人と理念に対する徹底したこだわりです。ミッション・ビジョン・バリューに共感する人財を集め、育て、活躍の場を与えること。
企業文化という揺るぎない土台を守り抜きつつ、時代の変化に合わせて組織を進化させること。これらを両立させることで、INAは社員の幸福と成長、ひいては顧客への価値提供を最大化しています。
実際INAでは、人財こそが企業成長の核であり最大の経営資源であると位置づけ、今後も人財への投資を惜しまず社員が力を発揮できる環境づくりに努めていくと宣言しています。
この“人財ファースト”の経営を貫く限り、INAは企業文化と組織力を両輪に、更なる進化と価値創造を成し遂げていくでしょう。その先にあるのは、社員・顧客・社会すべてにとって「最適な価値」を提供し続ける真のドリームチームの姿です。INAはこれからも理念に根差したチームづくりを通じて、10年先も20年先もお客様に必要とされる企業であり続ける決意です。