近年、ビジネスを取り巻く環境の変化は、かつてないほどの速度と規模で進行しています。テクノロジーの進化、グローバル化の深化、価値観の多様化など、外部環境の変化要因を挙げればきりがありません。このような予測困難な時代において、企業や個人はどのように舵を取り、未来へと進んでいけば良いのでしょうか。
過去の成功体験が、未来の成功を保証するものではなくなりました。むしろ、それに固執することがリスクとなり得る時代です。重要なのは、変化を単なる脅威として捉えるのではなく、新たな機会を見出すための契機と捉える「しなやかな思考」を持つことだと考えます。
では、その「しなやかな思考」を育むためには何が必要でしょうか。
しなやかな思考に必要なこと

第一に、確固たる「羅針盤」を持つことです。これは、企業であれば経営理念やビジョン、パーパスであり、個人であれば自身の価値観や人生の目標に相当します。変化が激しいからこそ、自分たちがどこへ向かっているのか、何を大切にしているのかという軸がブレていては、荒波に翻弄されるだけです。明確な「羅針盤」があればこそ、変化という名の「風」を読み、進むべき方向を見定めることができます。
第二に、常に学び、問い続ける姿勢です。現状維持は後退と同義です。業界の動向、新しい技術、社会の変化など、アンテナを高く張り、インプットを怠らないこと。そして、「本当にこれで良いのか?」「もっと良い方法はないか?」と自ら問い続け、既存の枠組みや常識を疑う視点を持つことが、新たな発想や適応力を生み出します。
第三に、多様性を受け入れ、対話を重視する文化です。組織においては、同質性の高い集団よりも、多様なバックグラウンドや価値観を持つ人材が集まる方が、変化に対するレジリエンス(回復力・弾力性)が高まります。異なる視点や意見が交わることで、単一的な思考では見えなかった課題や解決策が浮かび上がってくるからです。そのためには、心理的安全性が確保され、建設的な対話が奨励される組織文化の醸成が不可欠です。
私たちINAは、こうした変化の時代において、クライアント企業様がそれぞれの「羅針盤」を明確にし、変化を乗りこなしながら持続的な成長を実現するための伴走者でありたいと考えております。それは単に戦略を提示することだけではなく、組織の中に学びと対話の文化を根付かせ、変化に強い組織体質を共に創り上げていくプロセスを重視しています。
変化は止まることはありません。しかし、確かな「羅針盤」を持ち、学び続け、多様な知見を活かすことで、どんな荒波も乗り越え、望む未来へと航海を進めることができると信じています。
