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中華圏富裕層が日本の不動産を選ぶ主な理由
日本の高級不動産、とりわけ東京のペントハウスが中国本土や香港など中華圏の富裕層から熱い視線を浴びています。その背景には大きく2つの動機があります。まず一つ目は投資目的です。中国人富裕層にとって不動産は世界中で最大の投資先であり、日本も例外ではありません。日本の物件は想定利回り3.5~4%程度とされ、北京や上海など中国主要都市の利回り(2%弱)より高く、安定収入源として魅力的です。特に近年の円安で日本の不動産価格が割安に感じられるようになり、為替メリットもあって資金流入が加速しました。実際、2022年以降の急激な円安局面で「今が買い時」と考える中華圏投資家が87.5%に達したとの調査もあります。二つ目は資産保全・居住目的です。治安が良く政治的に安定した日本の不動産を「安全資産」として捉え、自身や家族が滞在する拠点として購入するケースが増えています。ビジネスや旅行で定期的に訪日する際のホテル代わりにマンションを所有したり、家族(妻子や親)の長期滞在先として確保したりする動機です。欧米各国で対中摩擦が強まる中、これまで欧米に投資していた中華圏富裕層が地理的に近く訪れやすい日本へ資金をシフトする動きもみられます。円建て資産への分散とともに、将来の移住先の候補や「有事の拠点」として日本の不動産を評価する声もあります。
東京で人気のエリア:都心高級住宅地に集中
富裕層に人気の物件エリアは、やはり東京23区内でも都心の一等地です。具体的には、港区(赤坂・六本木・青山エリア)、渋谷区(広尾・恵比寿・代官山など)、千代田区(番町・霞が関周辺など)が代表的な高級住宅エリアとして挙げられます。これらの地域には富裕層向けの超高層タワーマンションが林立しており、眺望やブランド性に優れた物件が多いのが特徴です。実際、都心3区(一般に都心部の主要3区を指す)の高級タワマン最上階ペントハウスは中華圏富裕層に人気で、120㎡超の広さを持つ希少な住戸が狙われます。港区や千代田区では近年、大規模再開発による最新設備のタワーマンションが次々と供給され、ペントハウス物件も増えてきました。こうした都心ペントハウスは数が限られており資産価値が維持されやすいため、長期の資産保有先としても好まれています。
一方で、中華圏投資家全体の動向を見ると、新宿区や豊島区といった都心周辺エリアも問い合わせ数が多く、利便性や投資利回り重視で幅広いエリアに関心が向いています。しかし超富裕層クラスになると、予算3億~5億円規模の物件が集中する港区・渋谷区など都心プレミアムエリアへの志向が強いのが実情です。彼らはこうした物件をほぼ全て現金一括で購入し、ローン利用は皆無です。立地や広さ、築浅かどうかといった条件面も、日本人と同様に重視されますが、加えて「ブランドエリア」であること自体が一種のステータスともなっています。
人気の物件タイプと具体的な活用目的
中華圏富裕層に支持されている物件タイプは、大きく投資用と居住用(実需)に分かれます。投資用としては主に以下のような選択肢があります。
- 一棟買い収益物件: 区分所有のマンションではなく、アパートやマンション一棟、オフィスビル・商業ビル一棟そのものを購入して賃貸収入を得るケースです。利回り重視で、年間の家賃収入から安定収益を図ります。日本の住宅賃貸マーケットは空室率が低く安定しているため、資産規模の大きい富裕層は建物一棟を丸ごと取得することも珍しくありません。例えば東京都内の中規模マンションや店舗ビルを購入して保有すれば、母国では得られない3~4%前後の利回り運用が可能になるため魅力的です。
- 高級マンションのペントハウス: 実際に自身や家族が利用するセカンドハウス的な位置づけで購入される超高級物件です。東京のタワーマンション最上階に位置する広尺(120㎡超)のペントハウスは、「日本滞在時の住居」として人気が高まっています。自国で300~500㎡級の戸建てに住む富裕層も多く「広い部屋」を好むため、日本人富裕層以上にゆとりある間取りを求める傾向があります。実際、日本の富裕層にはあまり見られない大空間志向が中華圏富裕層にはあり、そのニーズの違いが物件選好にも表れています。「別荘」的な位置づけで年数回滞在するために購入するケースもありますし、将来的な移住を見据えて子女に日本の教育を受けさせるための住まいとして用意する例も見られます。実際、海外では中国人が子女の留学先近くに住宅を買う例が多く報じられており、日本でも東京大学やインターナショナルスクール周辺で親が物件を購入するといったケースがあります。
- その他の目的・メリット: 上記以外にも、日本の不動産を取得することで資産の分散効果を狙う動機もあります。中国国内の不動産市場が不透明感を増す中、自国資産の一部を海外不動産に移すことでリスクヘッジしようとする動きです。また日本は生活インフラや医療水準が高く、高齢になってからの長期滞在先・移住先としても魅力があるとされています。「老後を日本で過ごしたいので今のうちに良い物件を押さえている」という富裕層もいるほどです。さらにコロナ禍以降に顕在化した日本の強みとして、社会秩序の安定性や衛生面での安心感も挙げられます。大都市でも治安が良く静かな日本の暮らしは、中華圏の人々にとって魅力的であり、「日本は激安で安全」というイメージが広がったことも投資意欲を後押ししています。
中国人投資家による購入事例:INAのケース
外国人投資家と国内不動産を繋ぐ専門家として、INA&Associates株式会社(本社:大阪)は多数の実績を持ちます。私たちが最近取り扱ったケースとして、東京都新宿区で中国人投資家がアパートを取得した事例があります。本件では、AIを活用した賃料査定や高い入居率を維持する運営力などが評価され、INA&Associatesが不動産取得の仲介と管理受託する運びとなりました。投資家にとって、日本国内に拠点を置くプロに運営を任せられる体制は大きな安心材料です。
この事例は、一棟収益物件を購入し賃貸運用するという中国人富裕層の典型的な投資スタイルを示しています。利回り確保と資産価値維持の双方を狙った戦略であり、日本市場での不動産投資が実需のみならず投資ビジネスとしても活発に行われていることを裏付けるものです。INAでは他にも渋谷区幡ヶ谷の高級マンション区分所有権売買を仲介するなど、都心物件を中心に海外投資家のニーズに応える実績を重ねています。
日本不動産市場の安定性と中華圏投資家から見た魅力
日本の不動産市場は長期的に見て安定性と透明性が高く、これは海外投資家にとって大きな魅力です。土地の私有が認められていない中国に比べ、日本では土地ごと不動産を取得でき法的権利が明確です。また、人口減少など構造的課題はあるものの、東京を筆頭に大都市圏の不動産価格は緩やかな上昇基調にあり、資産価値の目減りリスクが小さい点も安心材料です。事実、「中国人は値上がりし続けるものを買う傾向がある」と言われますが、日本の都市部マンション価格が上昇トレンドであることも投資判断を後押ししています。さらに、日本は法制度が整備され契約や所有権保護がしっかりしているため、海外資本にとって予見可能性の高い市場です。賃貸経営においても借主保護の法律はあるものの家賃滞納率が低く、トラブル時の司法制度も信頼できます。加えて、中華圏との地理的・文化的な近さも無視できません。飛行機で数時間という距離感は物件の視察や管理に有利で、言語面でも漢字文化圏として親和性があります。インバウンド観光客数が回復しつつある中、「ついでに不動産も見ていく」という富裕層も増えています。実際、中国の大型連休に訪日し物件内覧を行った後に購入を決めるケースも出てきており、観光と投資ニーズが結び付いて市場を活性化させています。総じて、日本不動産は「近くて安全、割安感もある有望資産」として評価されており、その魅力は今後も持続すると見られます。
外国人投資家にとっての法制度・税制上のポイント
海外から日本の不動産を購入する際の法制度・税制上の留意点を簡潔に整理します。まず購入規制について、日本には原則として外国人の不動産取得制限はありません。日本人と同様の所有権を持つことができ、マンションの一室から土地付き一戸建て、ビル一棟まで自由に取得可能です。例外的に、安全保障上重要な自衛隊基地周辺など一部地域では事前届け出制がありますが、通常の都市部住宅購入では特別な制限は意識しなくてよいでしょう。次に税制面では、日本人と同様の税金が適用されます。具体的には購入時に不動産取得税(評価額の3~4%)や登記免許税(物件種別により0.4~2%)が課され、購入後は毎年固定資産税(評価額の1.4%)と都市計画税(0.3%)を納める必要があります。例えば評価額2億円の物件なら取得税約800万円、固定資産税は年額約280万円が目安です。また賃貸運用して家賃収入を得る場合、所得税や住民税も発生します。非居住者オーナーの場合、日本国内源泉の不動産所得に20.42%の税率で課税されるほか、物件売却益にも原則20%強の譲渡所得税がかかります(保有期間5年超の場合)※。税制は頻繁に改正されるため、最新情報の確認と専門家の助言を受けることが望ましいでしょう。総じて、日本で不動産を購入・保有する際の法制度上のハードルは高くなく、適切に手続きを踏めば外国人でも安心して資産運用できる環境が整っています。
今後の市場予測とINAの見解
最後に、今後の日本高級不動産市場における中華圏投資家動向を考えます。
専門家の分析によれば、向こう数年間は中華圏富裕層による日本不動産購入が続く見通しです。前提として為替動向に左右される部分はありますが、現時点では円安基調が維持されており、この追い風がある限り需要は旺盛に推移するでしょう。
中国本土の景気減速や不動産市況の低迷も、資産の逃避先として日本を選ぶ動きを強めています。実需目的の購入が増えているとはいえ、投資利回りや値上がり益への期待も根強く、日本の都市部高級物件は「自用もできる投資商品」として独自のポジションを築いています。INAとしても、こうした流れは今後も継続すると捉えています。私たちは高級不動産の売買仲介や賃貸管理で培ったノウハウを活かし、海外投資家と日本国内物件との橋渡しを一層強化していく方針です。
実際に、中華圏からの問い合わせや取引件数は増加傾向にあり、特に東京の超高級マンションに関する相談が増えています。円安メリットが薄れたとしても、「日本不動産は依然割安で魅力的」という評価は簡単には揺らがないでしょう。
さらに2025年の大阪万博開催やインバウンド回復で日本への注目度が高まるほど、富裕層による不動産取得意欲にもプラスに働くと考えられます。総括すると、日本の高級不動産市場は中華圏マネーの受け皿として今後も底堅い需要が見込まれます。その中でINAは、透明性の高い取引サポートとアフターサービスを提供し、投資家に「選んでよかった日本の物件」と感じてもらえるよう尽力していく所存です。