アパートが倒壊する?!大家さんの責任やリスクを回避するための対策まとめ

日本は地震の多い国であり、大災害をきっかけに住宅が倒壊してしまうケースが起こっています。
東日本大震災や熊本地震のような大地震が起こったことで、保有しているアパートが倒壊したらどうするのか、誰の責任になるのかなど、考えたことがある大家さんもいらっしゃるでしょう。
この記事では、アパートが倒壊した際の大家さんの責任や、リスク回避のための方法を解説します。
アパートを管理している大家さんは、ぜひ参考にしてみてください。

Contents

倒壊につながるアパートの特徴

アパート倒壊

地震が起こった時、すべてのアパートが倒壊するわけではありません。
実は倒壊するアパートには前兆があり、それらにはすべて原因があるのです。
どのような原因でアパートが倒壊してしまうのでしょうか?

築年数が古い

家が倒壊するのは大地震をきっかけに起こることもありますが、自然倒壊という現象もあります。
自然倒壊とは、いくつかの原因が重なったことをきっかけに、最終的に倒壊してしまうのです。
特に築年数が古いアパートは、倒壊する可能性やリスクも高くなっています。
その理由が、家の強度を示す耐震基準です。

耐震基準は、1981年前(旧耐震基準)は震度5程度の地震に耐えられること、1981年以降(新耐震基準)は震度6~7に耐えられることが決められました。
そのため、1981年前の建物で築年数が経過しているアパートに関しては、現在の耐震基準を満たしていません。
その結果、耐震のもろさによって倒壊するリスクが高い可能性があるでしょう。

シロアリが発生している

シロアリは、木を主に食べている虫です。
日本中どこにでも発生するため、シロアリによって住宅の柱を食べられた方もいるのではないでしょうか?
このシロアリは、木の表面に出てくる機会が少なく、土の中など暖かい場所で過ごしがちです。
特に床下や庭に木材があると、そこで盛んに活動してしまうのです。

その結果、気が付いた時にはアパートの木材を食い荒らしていたり、柱の中心を食べていたりするケースがあります。
シロアリの力だけで家の柱をすべて食べることは考えにくいのですが、シロアリが木材を食べたことで耐久性が落ちてしまい、地震などの大きな衝撃で倒壊してしまうリスクがあるのです。

壁が少ない・窓が大きい

耐震強度と築年数の関係が深いと感じるかもしれませんが、すべてにおいて関係しているとは限りません。
近年、狭小スペースを活かした立地にアパートを建てるケースもあり、壁が少なくて窓が大きいと採光が取り入れやすく、狭さを感じないのが特徴です。

このようなアパートは風通しが良い、窓が大きくて開放感があるなどと表現されます。
しかし、壁が少なくて窓が大きいということは、間仕切りの壁が少なくて窓などのサッシ部分が多いと考えられます。
このようなアパートは、大きな地震があった時に支える力が不足したり、サッシが歪んでしまったりする可能性があるのです。

デザイン性を優先しすぎている

近年、デザイン性の高い住宅やアパートが増えてきました。
近代的な造りが魅力であり、なかには壁が少なかったり窓が大きかったりと、おしゃれさを演出するアパートもあります。
しかし、耐震性に注目してみると地震に強いとは言い難い場合もあります。
デザイン性を優先した結果、耐震性が基準範囲内であるものの、部分的に付加がかかりやすい可能性があるということです。

耐震性の高いアパートするなら、建物の外周や内部で各部分にかかる荷重を均等する必要があります。
このバランスを崩してしまうと、デザイン性が高くても地震に強いとは言い難くなってしまうのです。

傾いている

アパートを建てる前、盛り土や埋め立てによってできた土地は経年によって地盤の変化を起こしている可能性があります。
また、大きな地震を経験したことで傾きが生じているケースもあるでしょう。
既に傾いている場合、傾きがある方に重心がずれている状態です。
この状態のまま地震が来ても傾きが改善されることがなく、低くなっている部分からさらに沈んでしまいます。
徐々に傾いた結果、倒壊のリスクが高まるだけでなく、水平を想定して建築されたアパートの構造をねじっていることになるので、部分的に負担がかかってしまうでしょう。

傾きをきっかけにいくつもの要因が重なり、結果的に倒壊してしまいます。

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アパートの耐用年数は何年?

アパート倒壊

アパートの倒壊には、いくつもの要因が関係していることがわかりました。
さらに、アパートでは耐用年数に関しても理解する必要があります。
ここでは、アパートの耐用年数に関する疑問を解消していきましょう。

そもそも“耐用年数”とは?

そもそも耐用年数とは、何を意味するのでしょうか?
耐用年数と聞くと、アパートの寿命のような意味で考える方もいるでしょう。
アパートの耐用年数に関しては、おおむね法定耐用年数と同じ意味として用いられることが多いです。

国税庁は税金のために法定耐用年数を定めていて、建物の劣化に合わせて課税額を決めていきます。
建物の劣化によって税金は下がっていますが、決して建物の寿命を表す意味ではありません。
課税を検討する際に、不公平にならないように決めたことなので、耐用年数が経過していても建物が使えないことではないので間違えないようにしましょう。

耐用年数が経過していても、メンテナンスが定期的に行われていれば全く問題ありません。

アパートの構造別耐用年数

アパートに関しては、構造によって耐用年数が決められています。
アパートは主に木造、プレハブ造、軽量鉄骨造などがありますが、鉄骨鉄筋コンクリート造に関してはマンションに分類されています。
これらの構造からアパートの耐用年数を考えた時、法定耐用年数は19年~34年程度です。
木造で約22年、鉄骨造でも厚み3mmをボーダーラインに19年~34年と変わってきます。

法定耐用年数はどうやって決定される?

アパートの法定耐用年数は、構造などの要素で変わってきます。
上記でも紹介したように木造なら約22年、鉄骨で約19年~34年です。
しかし、法定耐用年数は減価償却目的のために定められた年数であり、アパートの寿命とは異なります。
耐用年数が過ぎると価値はなくなりますが、定期的なメンテナンスによって建物の寿命は延びます。

放置することなく、建物を安全に維持するためにもメンテナンスは欠かさないようにしてください。

耐用年数が過ぎてしまうとどうなる?

アパートの耐用年数が過ぎてしまった場合、建物の建て替えをしなくてはならないと考えるかもしれません。
しかし、耐用年数が過ぎて変わることは減価償却や年数に関連する融資など金融的な部分であり、アパートを早急に立て替えなければならないという意味ではないので安心してください。
耐用年数が過ぎても安心して使うには、定期的なメンテナンスと雨漏りや水回りの侵入、シロアリ対策などを行うことです。
これにより、法定耐用年数に関係なくアパート経営ができます。

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アパートが倒壊した場合の大家さんの責任について

アパート倒壊

もしアパートが倒壊してしまった場合、大家さんとしてどのような責任を取る必要があるのでしょうか?
ここでは、倒壊した際どのような責任が生じるのか、また責任を負わないケースについても説明します。

入居者への賠償責任

アパートに欠陥があるにもかかわらず、その状態を放置して入居者に損害が発生した場合、アパートの所有者である大家さんが賠償責任を負います。
例えば、アパートの階段が朽ちていて、入居者が壊れた階段から落ちて足を骨折した場合、治療費は大家さん側が支払わなければなりません。
アパートの欠陥を知らなかったとしても、入居者が損害を発生させないよう注意していた場合は、大家さんが損害の責任を負わなければならないと民法で定められているからです。
つまり、アパートの欠陥と因果関係がある被害や損害が発生した場合、大家さん側に賠償責任を負う義務があると理解しておきましょう。

倒壊が起きた際、隣家に被害が出てしまう、入居者が亡くなってしまうなど、大きな被害につながる可能性も考えられます。
そうなった場合、賠償の範囲は広く、医療費、葬儀費用、修理費、慰謝料など責任を負わなければなりません。

耐震診断の義務

1995年1月に起こった阪神・淡路大震災では多くの建物が崩壊しました。
この地震で、耐震性能が不足している建物の多くが倒壊したと考えられます。
その結果、耐震改修促進法が制定され、一定基準の建物について耐震診断が義務化されました。
耐震診断が必要とされる建築物は「1981年6月1日以前に建てられたもの」「3階以上かつ1000㎡以上の建物」が当てはまる物件です。

この耐震診断ですが、建物の倒壊による賠償責任を判断する際にも用いられます。
倒壊がアパートの欠陥によって起こったのかどうかは原則「耐震診断」をもとに判断されているからです。
アパートが建設当時に耐震基準に満たしていない場合は、大家さん側に責任があるので賠償責任を免れません。

大家側に不備がないケースで取るべき責任はある?

所有するアパートに欠陥があったとしても、責任を取る必要がないケースもあります。
例えば、大規模な地震が起きた場合やアパートの欠陥があってもなくても同じようなレベルの損害が出るケースでは、アパートと欠陥に因果関係がありません。
避けられない状況によって発生した被害について大家さんは損害賠償責任を負う必要はないのです。

入居できないレベルの倒壊であれば、賃貸契約の終了により敷金返還など対応に迫られます。
また、修繕可能なレベルの倒壊であれば、修繕し、入居できる状態にしなければなりません。

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アパートが倒壊した場合の対処方法

アパート倒壊

アパートが倒壊した際の対処方法を事前に知っていれば、倒壊した際にもスピーディーに対処できるでしょう。
ここでは、アパートが倒壊した場合の対処方法についてご紹介します。

アパートの建て直し

大きな地震でアパートが倒壊しても、住宅ローンは残ったままになります。
そして、地震で倒壊した建物の多くは建て直しをするケースが多いです。
建て直しするには新たにローンを組む必要性があります。

収入と住宅ローン残高によって、ローンが組めるか、どれくらいの融資がうけられるかが決められます。
ローンを組んでも経営していけるかの確認を含め、住宅ローンの現状についても把握しておきましょう。

地震保険の加入・補償内容の確認

地震によるアパートの倒壊は地震保険で補償されます。
補償の対象は居住用の建物、建物に収容されている家財一式です。
地震保険で支払われる保険金は、その損害レベルによって変わってきます。
建物の損害を全損・大半損・小半損・一部損とし、全損の場合であれば、建物の時価額を限度に100%の地震保険金が支払われます。

地震でアパートが倒壊した場合は、地震保険を適用しているか、またどのような契約内容かについても確認しましょう。

公的支援制度の活用

地震、災害によって大きな被害を受けた場合、国が支援制度を準備しているので活用を検討しましょう。
主な支援制度として3つご紹介します。

・災害復興住宅融資
災害で滅失、損傷した建物の復旧に対して低金利で融資を行う

・住宅の応急修理制度
災害により住宅が半壊し、修理する資力がない世帯に対して必要最小限の部分の修理を実施する

・被災者生活再建支援制度
生活に大きな被害を受けた世帯に対し支援金を支給する

必要な状況に応じて活用すると良いでしょう。

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アパートを倒壊させないために!まずは耐震診断を受けよう

アパート倒壊

地震はいつどこで起きるかわかりません。
万が一に備えて耐震診断を受けておくのは被害を小さくするためにも大切なことです。
ここでは、耐震診断を受ける際に必要な情報やポイントを紹介します。

自分でアパートの耐震性をチェックする方法

耐震診断を受ける前にまずは自分で耐震性をチェックしましょう。
業者へ耐震診断を依頼する際の参考にもなります。

建築年

アパートの建築確認の日付または建築確認申請を確認しましょう。
建築確認の日付が1981年6月1日以降であれば、新耐震基準を則って建設されたので診断の義務には該当しません。

建物の構造

建物の構造から法定耐用年数を調べましょう。
法定耐用年数とは国が定めた税制上の耐用年数を言います。
木造(22年)・鉄骨(19年~34年)・鉄筋コンクリート(47年)と頑丈な構造になるにつれ法定耐用年数も長くなります。

耐震性の有無をはかるものではありませんが、耐震性を調べる目安になるので確認してみましょう。

形状や建材

所有するアパートが、法定耐用年数内にあり、新耐震基準で建てられていても耐震性がしっかりしているとは限りません。
建物の形状、使われている建材によっても耐震性が異なるのでチェックするポイントを3つ紹介します。

・アパートが正方形、長方形の建物は、凹凸・L字型の形状の建物より耐震性が優れている
・柱や壁が多い建物の方が、構造上耐震性が良いとされる
・老朽したアパートは耐震性が下がる(外壁に亀裂が入っている・扉の開閉がしにくい・床がたるんでいるなど)

アパートの形状や建材を再チェックし、該当する場合は耐震診断を検討してみましょう。

耐震診断を行う時のポイント

セルフチェックをした上で、正しく耐震診断を受けるためにポイントも押さえておきましょう。

信頼できる耐震診断会社を見つける

残念ながら耐震診断会社の中には、耐震診断をもとに不安を煽り、相場より高い診断、改修費用を請求してくる会社も存在します。
詐欺会社に依頼しないよう次の3点を目安に耐震診断会社を探しましょう。

・耐震診断の実績が多い会社
・事業者登録を自治体に済ませている会社
・耐震診断や耐震改修技術者の資格保有者がいる会社

上記を基準に信頼できる耐震診断会社をチェックしてください。

費用相場を知っておく

費用相場は建物の構造によって変わってきます。
木造・延べ床面積120平米の場合、約20~50万円、鉄骨造で延べ床面積1,000~3,000平米の建物(1平米あたり約1,000~3,000円)、鉄筋コンクリート造で延べ床面積1,000~3,000平米の建物(1平米あたり約1,000~2,500円)となっています。
耐震診断をするにあたり、多くの自治体が補助金や優遇税制を取り入れています。

条件は自治体によって異なりますが、補助金を受けながらなるべく費用を抑えて診断を実施すると良いでしょう。

耐震診断前に準備しておくもの

耐震診断を依頼する際には検査済み証と設計図書の2点を用意しましょう。
設計図書は、設計に関するすべての情報が書かれたもので、建設前にハウスメーカーが作成して自治体に出す書類です。
検査済み証とは、設計図書を受け取った自治体が問題のない設計に対して発行したものになります。
これらの書類は、より正確で制度の高い診断をするために必要になります。
もし手元に見当たらない場合は、自治体や担当したハウスメーカーに相談しましょう。

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耐震診断の内容

アパート倒壊

耐震診断は具体的にどのような内容で、どのような流れになっているのでしょうか?
次に耐震診断の種類や基準、当日の流れについてご紹介します。

耐震診断の種類

耐震診断は、木造の建物と鉄筋コンクリートのような非木造の建物とによって種類が異なります。

・木造
木造の場合、一般診断方法・精密診断方法があります。
一般診断方法とは、専門家が目視にて行う診断のことです。

木造住宅の場合はこの診断方法が多く用いられ、調査に必要な情報が記載された図面をもとに診断します。
壁や天井を剥がす調査は行わない、非破壊の調査方法となっています。
一方、精密診断方法とは専門家が目視に留まらず破壊を伴う調査です。

釘を使用しない伝統的な工法で建築された木造の建物を耐震診断するために、この方法が選ばれることが多いです。
このほか、専門家ではなく誰でもできる耐震診断もあります。
耐震診断名は「誰でもできるわが家の耐震診断」で、建物の家主が自分でできるセルフチェックのようなものです。
補強設計の側面にまで行き届かないため、多くは一般診断方法や精密診断方法より確認されます。

・非木造
非木造の建物と言うと、鉄筋コンクリート造をはじめ鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造などが挙げられます。
こうした非木造の建物には、1次診断法・2次診断法・3次診断法の3つの方法で耐震診断を行います。
1次診断法は、現地調査を行わず、柱や壁のコンクリート断面積から簡易的な計算をして診断を行う方法です。
中でも壁式RC造に用いられることが多いです。
2次診断法は、現地調査を行った上で、その結果から得た情報をもとに高度な計算をして診断する方法です。

非木造の建物においては、この2次診断法が最も多く用いられています。
3次診断法は、2次診断法よりもさらに高度な計算を行って計算する方法です。

特殊な建物に用いられることが多く、現地調査も行います。

耐震診断の基準

建物の耐震性能を評価する基準として、構造耐震指標で判断されます。
構造耐震指標とは、耐震診断によって算出された基準値のことを言います。
構造耐震指標にはIs値とIw値の2つがあり、それぞれの数値がいくつになっているかで、対象となる建物の耐震性能が把握できる仕組みです。

【Is値】
Is値は、建物の強度や粘り強さを考慮して、階数ごとに算出される数値となっています。
主に鉄筋コンクリート造や鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造などの非木造の建物を診断する際に使われます。
震度6~7規模の地震に対して、Is値の目安は以下のとおりです。

・Is値<0.3
・0.3<Is値<0.6
・0.6<Is値

この目安の中で、震度6~7規模の地震に耐えられる、危険性が低いと判断できるものは、0.6<Is値となっています。
それ以外は、倒壊や崩壊するリスクが高いと判断されるのです。
Is値は、建物の保有耐震性能指標となるE0、平面や立面計上の日生形成を考慮したSD、経年劣化を考慮したTをもとに、Is値=E0×SD×Tで算出されます。
Is値の中でも、特にE0は最も重要とされる指標となっており、強度C×粘り強さFで算出し、この数値が高いほど倒壊や崩壊のリスクが低いと判断されやすいです。
SDは、建物の形状が悪くなったり、壁の配置バランスが悪くなったりすることで数値が小さくなってしまいます。

【Iw値】
Iw値は、震度6~7の地震に対し、建物が倒壊する危険性を表す指標です。
木造の建物の一般診断や精密診断などで診断する際に使われます。
震度6~7規模の地震に対して、Iw値の目安は以下のようになっています。

・Iw値<0.7
・0.7<Iw値<1.0
・1.0<Iw値

この目安の中では、1.0<Iw値のみが震度6~7規模の地震に耐えられる、崩壊の危険性が低いと判断できます。
算出方法としては、地震に対する保有耐力をPd、地震で倒壊しないために必要な保有耐力をQrという2つをIw値とします。
このIw値が1.0以上となり、倒壊・崩壊するリスクが低いと判断できた場合、その建物はQrの数値よりもPdの数値の方が大きいと判断できるのです。

耐震診断当日の流れ

ここでは、耐震診断当日の流れをご紹介します。

・予備調査
まずは、診断をする上で必要な情報や資料の収集を行います。
建築物の概要や建物改造履歴などは、資料として用いられます。

・竣工時の設計図があるか確認
竣工時の設計図があれば、そこの情報をもとにして調査が可能です。
設計図がなければ、図面にあるべき情報の測定や調査が必要となります。

・竣工時の完了検査の取得があるか確認
竣工時の完了検査の取得があれば、それを確認して調査を行います。
検査済証が残っていない場合、行政において台帳記載事項証明書を取得しなければなりません。

・診断レベルの決定
様々な情報や資料から、診断レベルを決定します。
木造の建物であれば、一般診断法または精密診断法を、非木造の建物であれば1次診断法・2次診断法・3次診断法から選択します。

・現地調査
現地調査では、外観調査・内部調査・材料調査・図面照合などが行われます。
構造や目的に合致した診断方法によって耐震診断を行うのが特徴です。
構造図はない場合には、ここに加えてはつり調査も行います。

・耐震診断の計算
調査内容から、Is値やIw値を求めるために必要な構造耐震指標を算出します。
具体的には、建物の強度・粘り・形状・経年などです。

・耐震性を評価
算出された数値に加え、その他の様々な条件を考慮した総合的な判断により、建物の耐震性能を評価します。
必要に応じて、耐震補強の提案や概算工事費等の検討も行います。

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倒壊のリスクがあるなら…建て替えと耐震補強、どちらを選ぶ?

アパート倒壊

耐震診断の結果、倒壊のリスクがあった場合、建て替えをするか耐震補強をするかの判断を迫られますが、どちらも高額な費用がかかるため、悩ましい問題です。
ここではメリットとデメリットをご紹介します。

耐震補強のメリット

耐震補強のメリットとしては、以下の点が挙げられます。

・国が定める耐震基準を満たせる
国が定める耐震基準は1981に改正されていて、それ以前に建てられた建築物は旧耐震基準により建てられています。
改訂された耐震基準は、より大きな地震に対応できるものになっています。
この新耐震基準を満たしていれば、震災による人命リスクも減らすことが可能です。

・建物の資産価値が高くなる
建物を売却しようとした時に、耐震性に問題があるアパートよりも、耐震補強が済んでいるアパートの方が、高値がつく可能性が高いです。
もし、将来的にアパートを手放す予定がある場合は、耐震補強を行っておく方が良いでしょう。

・入居率がアップする可能性がある
近年の大地震発生により、耐震への注目は高まっています。
例え築年数が経過していても、耐震診断を受けていること、耐震補強工事が済んでいることは、入居者を獲得する上での大きなアピールポイントになります。

耐震補強のデメリット

デメリットについては、以下のとおりです。

・震災による建物損壊のリスクを完全になくすことはできない
耐震補強は、震災が発生した際に建物が瞬時に倒壊するリスクを抑え、脱出するまでの時間を稼ぐための工事です。
あくまで入居者の命を守るための工事で、建物への被害は完全に抑えることができません。

・高額な費用がかかる
補助金や優遇税制を利用したとしても、多額の費用がかかります。
耐震補強工事の相場は150万円と言われていますが、工事内容によっては300万円近くになることもあります。
高額な費用をかけて耐震補強を行ったとしても、取り壊すまでに大きな震災がなければ、費用が無駄に思えるかもしれません。

・工事規模によっては、入居者に退去依頼をしなければならない
耐震補強は、建物の構造から補強する必要があり、工事規模が大きくなりがちです。
また、工期も長引きやすく柱の追加や交換、基礎部分の改修となれば、半年以上になることも想定されます。
特に、基礎部分の改修は入居者がいる状態では工事ができないため、一度退去してもらわなければなりません。

建て替えのメリット

続いて、建て替えのメリットを見ていきましょう。

・修繕費やメンテナンス回数を抑えられる
アパートは古くなるほどメンテナンスの回数も増え、修繕の手間がかかります。
さらに、老朽化したアパートは家賃の値下げ交渉をされる可能性もあるため、収益が減るにも関わらず、修繕の出費は増えることも考えられます。
修繕を頻繁に繰り返すよりも場合によっては、立て替えた方が費用の節約になります。

・家賃を上げることができる
建て替えをすれば、古い物件よりも家賃を高めに設定できます。
多少家賃が高くても、綺麗で新しいアパートを好む入居者は多くいるでしょう。
しかし、あまり高く設定すると空室が出る可能性もあるので、適正な家賃を見極めることが大切です。

・補強工事よりさらに入居率があがる
建て替えの際に、より入居者のニーズに合わせた造りにすることも可能です。
外観や内装、設備も一新することで、補強工事よりもさらに高い入居率のアップが見込めます。

建て替えのデメリット

建て替えのデメリットとしては、以下の点が挙げられます。

・解体費用と建築費用がかかる
アパートの立て替えには、解体費用と建築費用がかかり、両方併せるとかなりの高額になります。
解体費用は3~10万円/1坪、建築費用は50~100万円/1坪が相場です。

・建て替えの間は家賃収入がない
立て替えている間は、そのアパートからの家賃収入がなくなります。
工期は半年程かかることもあり、場合によっては期間が延びる可能性も想定しておく必要があります。

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アパートの倒壊リスクを避けるための耐震補強工事

アパート倒壊

アパートの倒壊リスクを避けるためにも、耐震補強工事は重要です。
ここからは、その耐震補強工事の種類について解説していきます。

耐震補強工事の種類

耐震補強工事には、主に以下の4種類があります。

基礎の補強

基礎の補強で大掛かりなものとしては、地盤沈下によって基礎が埋まっている場合の工事です。
方法は、建物をジャッキで持ち上げ、新たな基礎と土台を造り、床下にもコンクリートを打つというものです。
隣地との空間が狭い場合は、既存の基礎の側面に鉄筋の骨組みを造りコンクリートを流し、それを新たな基礎とする方法もあり、上記よりも工事費が抑えられます。

壁の補強

壁の強度が不十分だったり傾きがあったりする場合は、新しい壁を造ります。
また、必要な箇所に筋交いや耐震金物、構造用合板などの設置をして、耐震補強する方法もあります。

屋根の軽量化

屋根の重さを軽くすることで、建物の重心が下がり耐震性が強化されます。
屋根の葺き替えをする際は、化粧スレート、ガルバリウム鋼板、アスファルトシングルといった屋根材が軽くておすすめです。

結合部の補強

建物で耐震上の弱点は、結合部に集中しています。
結合部を補強するためには、筋交いプレートやホールダウン金物、アンカーボルトといった耐震金物を適切な箇所に使用することが必須です。

耐震補強工事にかかる費用

耐震補強工事にかかる費用は、工事内容によって異なります。
小規模な工事の場合は10万円前後で済みますが、大掛かりな補強工事が必要な場合には300~1,000万円かかります。

例えば、基礎補強としてヒビ割れしている部分に樹脂を注入して補修する工事の単価は、1箇所につき1~2万円ですが、新たに基礎を増やす工事の単価は、1㎡あたり4~6万円です。

補助金を活用しよう

耐震補強工事には、補助金を活用できます。
自治体により、補助金制度の有無や申請条件、交付金額は異なりますが、適用されれば工事費用を大幅に削減できます。
また、耐震診断は補助金適用の有無に影響をもたらします。

耐震診断の費用は、木造だと約10~40万円、鉄筋コンクリートでは約1,000~2,500万円必要ですが、「耐震工事が必要」と診断されれば補助金の対象となります。
耐震性を確認するだけでも充分な意義があるので、活用をおすすめします。

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アパートの倒壊リスクを避けるための建て替え工事

アパート倒壊

続いて、倒壊リスクを避けるための立て替え工事について解説します。

建て替え工事の流れ

建て替え工事は、一般的に以下のような流れで行われます。

1.土地周辺の調査
2.事業収支計画を立てる
3.入居者への立ち退き交渉
4.外観や内装、間取りの決定
5.設計事務所と設計監理契約を結ぶ
6.基本設計、予算の打ち合わせ
7.行政機関から許可を得るための実施設計
8.工事業者と解体・建築工事の契約を結ぶ
9.民間の審査機関に確認申請をする
10.ローン審査・契約
11.着工~竣工
12.引き渡し

建て替えで起こり得る立ち退き問題

入居者に立ち退きを要請する際は、トラブルを避けるために丁寧な説明が求められます。
まずは、今までアパートを利用してくれたことへの感謝や、立ち退きに対するお詫び、補償内容などを書面で伝えます。
書面に加え、オーナー自ら口頭で細かい状況や理由の説明を行えば、誠意が伝わりやすいです。
さらに、代替物件の提案も重要です。
自分が所有している物件の中から、なるべく近いエリアで家賃も同じくらいの所を提案しましょう。

立ち退き料はいくらかかる?

立ち退き料は、法的にいくらといった決まりはなく、オーナーと入居者の話し合いによって決めることが一般的です。
相場は、家賃6ヶ月分程度と言われています。

内訳としては、新居に住むための費用や引っ越しにかかる費用、電話やインターネット環境の費用などです。
提示した金額に入居者が不満を示せば、より高額な立ち退き料の提示が必要になることもあります。

建物の耐震性は入居者の安全に大きな影響を与えるため、自身が所有するアパートの状況をよく理解しておくことが重要です。
さらに、老朽化などにより耐震性が弱くなっている時は、立て替えるか耐震補強工事をするか判断しなければなりません。
オーナーの方は、今回の記事を参考にいつ起こるか分からない地震に備えて、できる対策をしておきましょう。

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