現代の経営において「経営の本質」とは、単に短期的な利益を追求することではなく、長期的視野で企業価値を高め、企業の未来を創造していくことにあります。企業が真に価値を創造・発展させ続けるためには、時間軸を未来へと拡張し、経済的価値と社会的価値の両面を統合した経営を実践することが重要だとされています。
すなわち、過去の延長線上に未来を捉えるのではなく、将来を見据えて今何をすべきかを考え抜き、企業の持続的成長につなげていくことが経営者の使命と考えます。
企業価値を向上させることは、ステークホルダーにも良い影響をもたらします。企業価値の向上は株主に対しては株価上昇や配当増加といった利益をもたらし、投資家からの評価が高まることで資金調達も容易になります。また、企業の信用力が高まることで顧客や取引先からの信頼も向上し、優秀な人財が集まりやすくなるといった効果もあります。企業価値の高い企業は財務的な安定性が増すだけでなく、社会的な信用も得て事業機会を拡大できるため、企業の未来を切り拓く原動力となるのです。
要するに、企業価値の向上は経営者にとって未来への投資であり、企業存続と繁栄のための土台と言えます。
Contents
企業価値を高めるための具体的施策
企業価値を継続的に高めるには、戦略面や経営手法でさまざまな施策を講じる必要があります。特に重要な施策として「持続可能な成長戦略」「経営資源の最適化」「デジタル・イノベーションの活用」の3点について詳述します。
持続可能な成長戦略
企業価値向上のためには、持続可能な成長戦略を描き、実行することが欠かせません。持続可能な成長戦略とは、短期的な業績拡大だけでなく長期的な視野で企業を発展させる戦略のことです。具体的には、自社の強みと市場の機会を見極めた上で、新規事業や新市場への参入、研究開発によるイノベーション創出など将来の収益源を育てる施策を講じます。また、既存事業についても定期的にポートフォリオを見直し、成熟分野から成長分野へ経営資源を再配分することで長期的な収益基盤を強化します。環境変化に対応できる柔軟性も重要であり、外部環境の不確実性が高まる中ではシナリオプランニングやアジャイル経営手法を取り入れて、将来のリスクと機会に備えることが求められます。こうした持続的成長を目指す戦略により、企業は一時的な逆風にも耐えうる体力を蓄え、長期にわたって企業価値を高めていくことができるのです。
経営資源の最適化
企業が持つ人財・資金・設備・情報などの経営資源を最適に配分することも、企業価値向上には欠かせません。限られた経営資源を有効活用するために、経営陣は各事業やプロジェクトの投資対効果（ROI）や資本コストを正しく把握し、資源配分の優先順位を判断します。たとえば、収益性の低い事業から高い事業へと人員や資本をシフトしたり、不要不急のコスト削減や業務プロセスの効率化によって生み出した資金を成長投資に充てたりする取り組みです。経営管理の手法としては、PDCAサイクルを回して定期的に成果を検証しながらリソース配分を調整していくことが重要です。また、近年注目される指標であるROIC（投下資本利益率）などを活用し、投下した資本に対してどれだけ価値を創出できているかをモニタリングする企業も増えています。経営資源を最適化することで無駄を省き、価値創造に資源を集中させることができれば、企業全体の効率と収益力が高まり、結果として企業価値の向上につながります。
デジタル・イノベーションの活用
近年の急速な技術進歩により、デジタル・イノベーションの活用は企業価値向上の重要なドライバーとなっています。デジタル・イノベーションとは、AI（人工知能）やIoT、クラウド、ビッグデータ分析といったデジタル技術を戦略的に活用し、新たな製品・サービスやビジネスモデルを創出・改善するプロセスを指します。企業はデジタル技術を活用して業務プロセスの自動化・効率化を図り、生産性を高めることで付加価値を向上させることができます。また、デジタル技術により顧客データや市場データを分析することで、顧客ニーズを的確に捉えた新サービスの開発やパーソナライズされた顧客体験の提供が可能となり、競争優位の確立にも寄与します。さらに、従来は分からなかった経営情報を可視化し迅速な意思決定に活かすことや、リモートワークやオンラインサービスによって市場範囲を拡大するといった形で、企業の収益機会を拡大することもできます。事実、世界的にはデジタルトランスフォーメーション（DX）への投資が年々増加しており、2022年のDX関連支出は全世界で1.85兆ドルに達したと報告されています。このようにデジタル・イノベーションを経営に取り入れることは、現代において企業価値を高めるうえで不可欠と言えます。
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持続可能な経営の視点
企業価値を将来にわたって高め続けるには、持続可能な経営の視点を取り入れることが重要です。具体的には、ESG（環境・社会・ガバナンス）を考慮した経営と、長期的な競争優位性の構築という二つの側面から持続可能性を追求していきます。
ESG（環境・社会・ガバナンス）の重要性
近年、ESGを重視した経営が企業価値向上の鍵として注目されています。環境（Environment）・社会（Social）・ガバナンス（Governance）それぞれの分野で持続可能性に配慮した経営は、長期的なリスク低減と信頼性向上につながるからです。例えば、気候変動への対応や労働環境の改善、法令順守やコンプライアンスの徹底といった取り組みは、一時的なコストがかかっても将来的なレピュテーション向上やリスク回避の効果があります。実際、ESGに積極的に取り組む企業は中長期的に高い評価を受けやすく、長い目で見た企業価値の向上につながることが実証研究からも明らかになっています。ある会社の分析では、例えば「女性管理職比率を10%高めると7年後に企業価値が2.4%上がる」「人件費を10%増やすと5年後に企業価値が13.8%高まる」といった関連性が示されており、短期的な利益よりも人や社会への投資が将来の企業価値を押し上げることが分かります。このようにESG経営は5年後、10年後を見据えた長期視点で取り組めば大きな価値を生み出すとされ、持続可能な成長には不可欠な要素となっています。また、ESGに積極的な企業は機関投資家からの支持も集めやすく、結果的に株価評価（PBR）の向上や資金調達コストの低減といったメリットも享受できるでしょう。企業価値を高めつつ持続可能性を確保するために、ESGの視点で自社の活動を見直し、改善を続けることが求められています。
長期的な競争優位性の構築
企業価値を将来にわたり維持・向上させるには、長期的な競争優位性（持続的競争力）を築くことが重要です。短期的には好業績を上げられても、競争上の優位が一過性であればやがて他社に追いつかれ、企業価値も頭打ちになります。そこで、他社が模倣しにくい独自の強みを育て上げることが必要です。具体的には、自社独自の先進技術や特許によるテクノロジー面での優位性、強力なブランド力や顧客基盤、ネットワーク効果を持つビジネスモデルなどが競争の「壁」となりえます。例えば、研究開発への継続投資は将来の画期的な製品・サービスを生み出し、結果的に長期の競争力強化につながります（事実、ある会社の研究では研究開発費を10%増やすと10年後に企業価値が8.2%拡大するという結果も示されています）。また、人財や組織学習の蓄積によって培われる組織能力も、長期競争優位の源泉です。例えば長年にわたり蓄積した生産方式や改善文化は、他社が短期間で真似できない競争優位となっています。こうした継続的なイノベーション力や独自資産の蓄積により、企業は市場において強固な地位を築き、それが企業価値の安定・向上に寄与するのです。
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人財投資の重要性
企業価値向上の中核には「人」があります。人財（＝人という財産）への投資を惜しまない企業ほど、長期的に高い成長を遂げているのが実情です。経済産業省の報告書「人財版伊藤レポート」でも、企業価値の主要な決定因子が有形資産から無形資産へ移行しており、中でも人的資本の価値創造が企業価値創造の中核に位置付けられると指摘されています。
言い換えれば、設備や資金以上に「人こそが企業価値を生み出す源泉」であり、人財への適切な投資なくして企業価値の継続的向上はあり得ないということです。INA&Associates株式会社も「世界No.1の人財投資カンパニー」を目指しており、人財育成や働きがいの向上を経営の軸に据えています。そのような理念の下、ここでは人財育成と企業成長の関係、および優秀な人財を引き付け維持する方法について考えてみます。
人財育成と企業成長の関係
社員一人ひとりの成長が、企業全体の成長エンジンとなります。人財育成に力を入れる企業は、新たな知識やスキルを持った人財が増えることで、イノベーション創発や生産性向上が促進され、結果として企業価値が高まります。例えば、従業員研修やスキルアップ支援に積極的な企業では、業務効率の改善や新商品の開発が進みやすく、市場の変化にも柔軟に対応できる組織風土が醸成されます。社員の成長によって生み出されたアイデアや改善が積み重なれば、競争力の強化と収益力向上につながり、企業価値の源泉となる持続的成長が実現できるでしょう。また、人財育成に注力する姿勢は従業員のエンゲージメント（愛社精神や働きがい）を高める効果もあります。会社が自分たちに投資してくれていると実感した従業員は企業への貢献意欲が高まり、離職率の低下や組織力の向上といった好循環を生みます。こうした好循環が長期的に業績を押し上げ、企業価値向上に結びつく点で、まさに「人を大切にすること」が企業の未来を創る原動力になるのです。
優秀な人財を引き付け、維持する方法
企業価値を高めるには、優秀な人財をいかに惹きつけ、そして定着させるかも非常に重要です。人財獲得競争が激化する中、求める人財に「選ばれる企業」になるためには、従来以上に工夫を凝らした人事戦略が必要です。優秀な人財を引き付け、長く活躍してもらうための主なポイントには次のようなものがあります。
- 魅力的なビジョンと使命の提示: 企業としての明確なビジョンや社会的意義のあるミッションを示し、働くことへの誇りと目的意識を持ってもらう。自社の理念や価値観に共感した人財は集まりやすく、また離れにくくなります。経営トップの強いビジョン発信とリーダーシップがここでも重要です。
- 公正な評価と報酬制度: 社員の成果や貢献を正当に評価し、それに見合った報酬や昇進機会を提供する。評価・報酬が不透明だと優秀層ほど流出しやすいため、納得感のある制度設計が必要です。近年はストックオプションやRSU（譲渡制限付株式）などで中長期的なインセンティブを与える企業も増えています。
- 成長機会とキャリア開発の支援: 社員が専門能力を高めたり新しい分野に挑戦できる研修制度、ジョブローテーション、自己啓発支援などの機会を用意する。人財が成長を実感できる職場は定着率が高まります。特に向上心の強い優秀な人財ほど、自身が成長できる環境を求めるものです。
- 働きやすい職場環境の整備: 長く働き続けてもらうには、働きやすい環境づくりも不可欠です。例えば、ワークライフバランスに配慮した柔軟な働き方制度（リモートワークやフレックスタイム、産休・育休制度の充実等）や、多様性と包容力ある企業文化の醸成、風通しの良いコミュニケーション環境などが挙げられます。心理的安全性が高く、自分らしく働ける職場は人財の定着と創造性発揮に繋がります。
以上のような取り組みを通じて、社員が「この会社で働き続けたい」と感じられるようにすることが大切です。優秀な人財が定着すれば、企業内にノウハウや人脈といった人的資本が蓄積し、それ自体が競争力となります。また、社員が長く働くことで培われるチームワークや企業文化も強固なものとなり、これも企業価値向上に寄与します。人財こそ企業にとって最も貴重な財産であり、その魅力を高め維持する努力は、結果として企業の未来を形作ることになるのです。
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経営理念と実践
企業価値を高め未来を創るためには、経営理念の明確化とその実践も極めて重要です。経営者のビジョンとリーダーシップが組織全体を牽引し、企業文化の形成と強化によって戦略が現場に浸透することで、初めて卓越した成果が生まれます。
経営者のビジョンとリーダーシップ
優れた経営者は明確なビジョン（将来像）を掲げ、その実現に向けて組織を導いていきます。経営トップが示すビジョンは、社員にとっての羅針盤であり、意思決定の拠り所となるものです。
例えば、「○年後に業界トップシェアを獲得する」「世界で最もイノベイティブな企業になる」といった大胆かつ具体的な目標を示すことで、社員一人ひとりが目指す方向を共有できます。そしてリーダーシップによって、そのビジョン実現のために必要な変革を推進します。
優れたリーダーシップとは、単に命令を下すだけではなく、自ら模範を示し、必要な資源を確保し、障害を取り除き、社員の士気を高めながら目標達成に巻き込んでいく力です。
経営環境が激変する中でも確固たる信念を持って舵を取るトップの存在は、社員やステークホルダーに安心感を与え、挑戦する活力を生みます。近年では「サーバント・リーダーシップ」（支援型リーダー）など、従業員の成長を促し能力を引き出すタイプのリーダー像も注目されていますが、いずれにせよ経営者自身が強い意志と一貫した方針で企業を牽引することが、企業価値向上の原動力となります。著名な経営学者ドラッカーも「文化は戦略に勝る（Culture eats strategy for breakfast）」と述べましたが、経営トップが率先して望ましい文化と価値観を打ち立て、それを体現することが重要なのです。
企業文化の形成と強化
企業文化（コーポレートカルチャー）とは、その企業に特有の価値観や行動様式のことであり、言わば企業のDNAです。強い企業文化は、経営理念を現場の一人ひとりの行動にまで浸透させる力を持ちます。企業文化を形成・強化するためには、経営陣が日頃から一貫して理念や価値観を発信し、実際の経営判断や人事評価にもそれらを反映させることが大切です。例えば、「顧客第一主義」の文化を根付かせたいならば、顧客満足に貢献した社員を表彰したり、意思決定の場で常に「それはお客様のためになるか？」と問い続けたりする、といった具体的なアクションが必要でしょう。また、従業員参加型の文化づくりも有効です。ボトムアップで提案や議論ができる風土を作れば、社員は自社の文化を自分ごととして捉え、積極的に体現するようになります。さらに企業文化は時代とともに進化させる柔軟性も必要です。多様な人財が増える中で共通の価値観をアップデートし続けることで、一枚岩で戦える組織が維持できます。強固で良好な企業文化を醸成できた企業は、社員が迷いなく行動できるため組織の実行力が増し、環境変化にもぶれずに一貫したブランド価値を発揮し続けることができます。その結果、長期的な企業価値の向上へとつながっていくのです。
成功事例の紹介
最後に、ここまで述べてきた経営の本質を体現し企業価値を向上させた実際の企業事例を紹介します。持続可能な成長戦略や人財・イノベーション重視の経営によって成功した企業の具体例を知ることで、これまでの内容への理解を深めます。
- 事例① 富士フイルムホールディングス – 富士フイルムは、主力であった写真フィルム市場のデジタル化による急激な縮小という危機に直面しました。しかし、経営陣は将来を見据えた大胆な構造改革と新規事業への転換を断行し、見事に企業価値を維持・向上させることに成功しました。フィルム事業で培った高度な化学・材料技術を活かし、医薬・医療機器や化粧品、機能性材料など多角的な事業領域に進出したのです。その結果、富士フイルムの売上高に占める写真フィルムの割合は現在では1%未満にまで減少した一方で、培ったコア技術を組み合わせて様々な製品・サービスを提供し持続的な競争優位を築いています。実際、2018年度の富士フイルムの連結売上高は約2兆4,315億円に達し、そのうちヘルスケア事業が約20%（4,843億円）を占めるまでに成長しました。これはまさに、衰退する既存事業に固執せず未来志向で経営資源を再配分し、新たな企業価値を創造した好例と言えます。一方で同業のコダックはデジタル化への対応が遅れ破綻に至っており、両社の明暗は経営の本質をどれだけ実践できたかの差とも評されています。富士フイルムの事例は、持続可能な成長戦略と経営資源の最適化、人財・技術への投資が企業の未来を切り拓くことを示す象徴的なケースです。
- 事例② マイクロソフト社 – 世界的IT企業であるマイクロソフトは、2010年前後にはスマートフォンやクラウドなど新潮流への対応の遅れから「かつての成功企業」と評される低迷期も経験しました。しかし2014年に就任したサティア・ナデラCEOの下で劇的な変革を遂げ、企業価値を飛躍的に向上させました。ナデラCEOは「モバイル・クラウドファースト」への戦略転換を図り、クラウドサービス（Azure）への大胆な投資や自社製品のオープン化、社員の協働を促す文化改革などを推進しました。その結果、マイクロソフトは再び成長軌道に乗り、就任から約10年で時価総額を10倍にまで増大させています。同社の株式時価総額は2023年末時点で史上初めて3兆ドル（約440兆円）を超え、世界有数の企業価値を誇るまでに復活しました。この成功の背景には、経営トップの明確なビジョンと卓越したリーダーシップ（クラウドへの注力、「One Microsoft」と呼ばれる社内文化の統合など）があり、従業員の意識改革とイノベーション創出が加速したことが挙げられます。マイクロソフトの事例は、デジタル・イノベーションの活用と企業文化・戦略の転換により企業価値を創出した典型例であり、経営の本質である「未来を創る」ことに成功したケースといえるでしょう。
これらの成功事例から明らかなように、業種や企業規模を問わず、経営の本質である企業価値向上と未来創造に真正面から取り組んだ企業が長期的な繁栄を手にしています。逆に、変化に対応できず本質を見失った企業は一時的に成功しても持続性を欠いてしまいます。従って、経営者は常に自社の将来像と企業価値を高める戦略を問い直し、必要な変革を恐れず実行する胆力が求められるのです。
結論
本レポートでは、「経営の本質は企業価値を高め、企業の未来を創ること」というテーマについて、様々な観点から考察しました。総括すると、企業の長期的成功のために以下のポイントが重要であるといえます。
- 長期視点に立った価値創造経営: 短期的な業績だけに捉われず、中長期のビジョンを持って企業価値を高めていく姿勢が不可欠です。そのためには、持続可能な成長戦略を描き、不確実な未来に備えて統合的な思考で経営判断を行う必要があります。
- 経営資源配分とデジタル活用による競争力強化: 人、モノ、金、情報といった経営資源を最適に配分し、価値創造に集中させるとともに、デジタル・イノベーションを積極的に活用して効率と革新性を高めることが重要です。DXを推進する企業は市場で有利な位置を占めやすく、将来的な企業価値も向上します。
- ESGと人的資本への投資: 環境・社会・ガバナンスの観点を経営に取り入れ、社会的責任を果たしながら長期的な企業価値を追求することが求められます。また、人的資本こそ企業価値の源泉であるとの認識の下、社員の成長や多様性に投資することが将来の大きなリターンを生むことが明らかになっています。
- 経営者のリーダーシップと企業文化: 経営トップが明確な理念とビジョンを示し、自ら率先して変革を牽引するリーダーシップが欠かせません。同時に、それを支える企業文化を育むことで、社員全員が一丸となって戦略を実行できる強い組織となります。企業文化・風土は一朝一夕では築けませんが、長期的に見れば競合他社との差別化要因として企業価値を支える土台となります。
以上のポイントを踏まえれば、経営者・投資家・企業の意思決定者は、自社の取り組みを改めて点検し、「企業価値の向上」という羅針盤に沿って経営資源や戦略を調整していくことが肝要です。経営の本質に立ち返り、企業価値を高め未来を創る経営を実践する企業こそが、激動の時代においても持続的な成長と繁栄を手にするでしょう。
INA&Associates株式会社は、以上のような経営の指針を重視し、クライアント企業の企業価値向上と持続的発展を力強く支援してまいります。
本レポートの内容が、経営者・投資家・企業ご担当者の皆様にとって有益な示唆となり、未来志向の経営改革を進める一助となれば幸いです。
